2017/08/14

滋賀高台適地検討結果と獣害

まず不動産情報をあたると,北西部のマキノが出てくる。田舎暮らしと別荘の中間くらいだろうか。価格もリーズナブルだが,関電の原発銀座に近いのが難点だ。関電は PWR を採用しており東電東北電中電のような BWR のような配管漏洩リスクは格段に少ないとはいえ,住むにはどうか。

Google Map の地形図と航空写真を頼りに南部山林の境を探したが,開発地が見当たらない。高台はゴルフ場と太陽電池のエネファームが占拠している。それでも日野には標高 180 m の住宅地と土山には 280 m 茶園と思しき集落があるが,物件はない可能性の方が高いだろう。日野市内は狭く地価が高い。

それなりの敷地を求めようとすると,山林にならざるを得ない。花粉症の持病があるので杉林の少ないところがいい。滋賀には国有林がほとんどなく,民間は天然林が結構多い。冬季の北風による放射能汚染リスクを考えたら湖南で,人工林は杉だろうから天然林が多い所となると,岐阜境と三重境になる。岐阜方面は殆ど道路がなく,甲賀が最適地となった。

朝食を食べながら,それとなく家人にどこに棲みたいたか聞いたら,全く方角が異なった。原発にえらい近いところだ。3.11 のときには毎日放射能の数値を気にしていたのに,もう忘れているみたいだ。当時,放射能の数値よりキッチンの流し台のスポンジによる食中毒の可能性の方が高いと言ったら,そうとは思わないようだ。あのころ,朝鮮料理のユッケを子供に食べさせて死なせたバカな親がいた。原発の放射能漏れでは一般人はなかなか死なないが,子供に高リスクの生肉臓器を食べさせると簡単に死んでしまう。だからこそ,保健所が規制している。外食とか給食は意外と食中毒のリスクが高いのだ。

やはり,家人と同居となると,山林を切り開いて整地,私道建設,電柱建設,井戸開鑿を考えたら山暮らしは,よほど地価が安くないとペイしないか。

りんごは実がなりそうもないのでナシを植え,山羊でも飼えたらいいのだが。10a 当たり 1.6頭を飼育すれば,除草できるそうだ。しかし,山羊は樹木も食べてしまうらしい。その点,羊は好都合だが,毛を刈り取らなければならないし,果たして滋賀の高温多湿に病気にならずに育つかどうか。子供の頃,父が羊を飼っていた。飼料はその辺の草だった。今,思えば父の手伝いをしておけばよかった。春になるとナシの花がとても綺麗だった。

子供が通っていた自由学校では飼育していた2頭の羊が猟犬に噛み殺された。母の実家ではイタチ対策に犬を飼っていた。犬は群れるので襲う猟犬が2頭の敵なら,3頭以上の多頭飼いじゃないとプロの猟犬に勝てない。猟師は猟犬に生肉を食わせて,生血に興奮するようになっているのだろうと思う。羊なんか飼っている農民は皆無に等しいから,そんな羊を飼う方がおかしいと思うのが地の人なら普通だろう。全て水田稲作が基準だ。山羊なら多少なりとも逃げ足が速そうなのだが。中国軍のように犬海戦術かな。

羊の多いアイルランドとかの猟犬対策はどうしているのだろう。TVドラマの大草原の小さな家では,番犬兼ペットは一頭の犬だけだった。家畜は牛馬と豚はどうだったか。山暮らしの犬のエサは鶏がいいらしい。なるほどと思う。
潰した初日は、もつ煮(潰す前に3日間絶食するので内臓丸ごと煮る。スープは、胆汁で緑色)。次の日は鶏飯、次は頭と足のロースト、、、といった具合で捨てるところなし。忙しいとき用にドッグフーズも用意してあるが。ほとんど鶏と古米の食事です。
飼い犬が多ければ,イノシシとか鹿も近づかないだろうと思う。検索したら,牧羊犬の犬種が多い。西欧の牧畜生活では必須だったのだろう。モンゴルはボーダーコリーらしい。エサは羊肉だろう。西欧中世の牧畜では食肉は飼料が不足する冬季だけれども,モンゴルは年中,食肉である。穀物は農耕民から交易で得るため貴重であった。

イノシシと鹿が敷地に近づかなければ,猟犬猟師も来ないはずだ。滋賀県内で年間 3500 頭のイノシシが捕殺されている。山暮らしのイノシシ対策は悩ましい。被害金額の 90% 近くが稲である。私の想定している敷地は水田より高地側だから,イノシシの水田への通り道になる。カブも植えられない。トウモロコシが妥当か。山暮らししても野菜はスーパで買い物か。別荘に棲むと思うしかないか。食害に遭うくらいなら,栽培しない選択をする。

2014 年のニホンジカとイノシシの生育分布を 2011 年と比較すると分布が大きく北上している。何と,津軽海峡を隔てた北海道の道南はニホンジカで埋まっている。生育環境とりわけ山の植物相がエゾジカに不利になっているのだろうと思う。どんどん植物相が本州化しているのではないか。やがて,イノシシが北海道に現出するのかもしれない。これも温暖化が多少なりとも影響してるのか。

原発から 100km 離れていてイノシシとニホンジカが生育していない山林はないものだろうか。滋賀はほぼ皆無である。牧畜を捨てて,モンゴル人のように草原と放牧に徹すればいいのか。果樹がないのが寂しいな。優先順位を明確にしないとダメか。まずは家人の説得,これが一番の難儀だ。子供の教育に関しては根負けした。家人と折り合うにはこちらが折れるしかない。何かいい方策がないかな。家人を説得するのではなく,ここなら住みたいと言われるような高台の環境となると,そもそもそんな宅地開発がない。緯度を北上するか,岐阜信州の高地でもなければダメか。

あれこれ考えるより,家人が喜んでもらえるような棲みやを場所の選定も含めて検討するのが先決か。PWR 原発近くの積雪地帯も考えてみるか。地震の多い日本だと,高温高圧汚染蒸気がタービン建屋まで循環する長大配管がある BWR 沸騰水型原発近辺に棲みたいという気にはなれない。私の常識では無理だ。合衆国と中国が開発を進めている モジューラ型原発 SMR は加圧水型だ。北東の季節風の吹く確率を考えたら原発の西側は,まだましか。現在住んでいる市水は琵琶湖から取水しているので,市水の高汚染リスクを想うとましかもしれない。琵琶湖の水道利用は神戸から大阪岬町まで 1436 万人だそうだ。その点,東電柏崎は北風が吹いても,爆発でも起きない限り放射能が空高く飛散せず関東の水源への影響が少ないだろうと思う。琵琶湖水系とは大違いだ。東電柏崎原発の立地条件は関電福井原発より優れている。山暮らしに市水は無縁だ。井戸をほるか湧き水だ。豪州の農業を思えばいい。甲賀市水の水源は深井戸のようだ。琵琶湖の原発事故汚染リスクを考えたら,とりあえず甲賀に避難すればいい。

3.11 の際,合衆国は高空の放射能拡散をモニタしていた。米海軍空母は防護洗浄設備 NBC を備えていても,あっという間に遊弋位置を後退させた。陸自も山一つ後退した。

新電力会社に需要家を食われ,関電が中電の後塵を拝するようになった。経営改善をしないものは劣者必敗の原理原則が地域独占電力会社でも起きるようになったのは関西にとり良いニュースだ。3電力会社の中で家庭用電力料金は関電が最も高いから当然だ。

最後に通信インフラをeo光ホームのサービスエリアマップをみると,牧場ゴルフ場はエリア外だ。ゴルフ場は専用線を引いているのだろう。個人での専用線負担は気になる。インターネット環境の無線化は NTT の計画をみると 2017 年度末でも高速 LTE 4G は望薄だ。新規事業者が地域有線ケーブルでも布設しない限りダメか。「あいコムこうか」という地域 CATV があるけどサービスエリアが不明だ。

ホンハイがワイオミング州に液晶工場建設のアナウンスした。代表的な森林州なのでインターネットはどうかと検索すると,ガバメントのスーバコンピュータが建設されていた。日本がちまちま新幹線建設を続けている間に,高速光ハイウェイが全米くまなく網羅されたのか。昔から普及していた CATV がそのまま光回線に置き換わったのだろうと思う。スプリントを買収したソフトバンクは大丈夫だろうか。
スプリントの1~3月期の最終損益は2億8300万ドル(約320億円)の赤字。コスト削減効果で赤字幅は前年同期からほぼ半減したが黒字にほど遠い。ソフトバンクが13年に買収してから、通期ベースで一度も最終黒字になったことがない。
 新規契約を獲得し収入を伸ばさなければいけないが、1~3月期の新規契約件数は全体で11万8000件の純減。5万6000件の純増だった前年同期から再び純減に転じてしまった。米最大手ベライゾン・コミュニケーションズなどとの競争が激化しており、タブレット端末向けの契約が流出している。
 以前、当局から米携帯3位のTモバイルUSとの統合が認められなかったことで、ソフトバンクはスプリントの自力再建を進めてきた。一定の成果を得たと自負する孫社長と対照的に、市場関係者は自力再建に否定的だ。他社との経営統合など「早期の戦略的オプションの実行を期待する投資家にとっては期待外れだったかもしれない」。3日の孫社長の発言を受けて、モルガン・スタンレーMUFG証券の津坂徹郎氏はこう指摘する。
スプリントは新規顧客を得るため、18年3月期から設備投資を増やし通信サービスの向上を図るが、先行きは厳しい。SMBC日興証券の原田賢太郎氏は「投資規模は他社に比べ相対的に小さく、ネットワークインフラの競争力が次第に劣っていくリスクが懸念される」とみる。資金繰りも楽でない。スプリントは33億ドルの社債を償還した前期に続き、19年3月期と20年3月期もそれぞれ30億ドルの社債償還を控える。
 グループ全体で16年4~12月期に8574億円の純利益を稼いだソフトバンクからみれば、スプリントの赤字は吸収できる。だが「スプリントがソフトバンクの信用力を下押ししており過度に楽観できる状況にない」(原田氏)。ソフトバンクもかねて負債額の大きさなどから財務体質が懸念され、米S&Pグローバルの長期格付けはダブルBプラスと投機的水準。スプリント再建が進まなければ、グループ全体の信用力をさらに悪化させかねない。孫社長が再建の道筋をどう語るのか注目だ。
なんか,合衆国子会社の赤字で第二の東芝になる可能性もあるな。合衆国の競争は国内の比ではないのだろう。東芝は殿様感覚で合衆国電力事業に投資して失敗した。日立は南アフリカと英国だ。家人に日本の大手はなぜ海外投資に失敗するのかと尋ねられ,答えられなかった。モノづくりとサービス提供ビジネスは全く異なるのだろう。ソフトバンクがこけるリスクはそこそこある。国内の金利も上がりだした。自転車操業はいつまでも続かない。資金源のサウジ王家も皇太子が突然交代した。中東情勢が急変したら,あっというまに資金がショートする。産油価格しだいだ。東芝も油価予測とシェール革命を見誤った。投資リスク判断は難しい。エネルギについてどれだけ真剣に考えられるかだろう。

戦前のエネルギ政策はあきれるくらい杜撰だった。仮想敵国に9割の石油を依存していた。侵攻した満州の油田探索もいい加減だった。戦後,大慶勝利油田の発見に狂喜した毛沢東は中ソ対立に舵をきった。カミソリ東條はそんな簡単な道理も理解しなかった。戦前の政府は蘭印に侵攻し石油を確保したけど,本土に環送できなかった。東芝とかソフトバンクのような私企業が投資判断を誤まるリスクはどうしようもないけど,政府だけは何としてでも避けなければならない。東條は民間の声を聞く耳を持たなかった。現在の国策を起案する官僚と何が違うだろうか。

Google Map の航空写真で甲南地域をみると,おそらく水田が広がっている。近くに河川も見当たらず,水源はどうしているのだろう。ため池か,日本人の水利土木は大したものだ。それとも井戸か。ボーリングについても調べた方がいいかな。

参考
2017/08/11

忖度まんじゅうと気の毒な首相

忖度まんじゅうが販売された。国会議事堂売店の政治家まんじゅうにかけたのだろう。おもろいなと思うのは関西くらいか。合衆国に政治家を風刺するTV番組に Saturday Night Live がある。最近だとくだんの報道官がネタになっていた。

ふだんはみない国会中継 NHK をみると,ある意味生放送は正直である。安倍首相は官僚の作成した原稿をひたすら棒読みして,気の毒なくらいである。別に首相が読み上げず,担当補佐官が読めばいいじゃないかと思う。カメラをパンすれば,黒子の官僚の動きが少しはみえるのかもしれないが,他局をみても舞台裏を放送する事はない。不文律なのだろう。

国家戦略特区であるから国策である。しかし,国策を策定するのは政治家ではなく官僚である。戦前の国策の集大成が大東亜戦争であった。開戦の決定した東條首相も下僚の戦争計画にのっかっただけである。総力戦研究所のシミュレーション結果を真剣に検討したとは思われない。

参考人招致された官僚をカメラが映し出すと,首相に比べ紋切りである。彼に国家意志をみた。日本の国家権力はヒトが担う。これは中国と日本ではごく当たり前である。法理は紙切れである。戦前の国策は陸海軍省と外務省のチェックアンドバランスで行われていた。

獣医師学部新設に関して,どうも農水省と文科省は蚊帳の外だったようだ。経産省が戦前の陸海軍省のように肥大化したのだろうと思う。安倍首相が経産省を重用しているせいもあるかもしれない。テレビ局の説明パネルだと,当該参考人の首相補佐官は経産省 No2 だと記載されている。戦争中,国民が疲弊し飢えていても現役官僚は戦争継続の国策遂行に邁進していた。官僚は国家の下僕であって,国民には奉仕しない性質があるようだ。

どんな軍事組織であれ,戦争計画はある。防衛省と経産省の関係が気になる。戦前は企画院とか興亜院の力が弱かった。岸らの革新官僚はソ連をモデルとした統制国家を目指していた。その完成形が戦後の経産省主導による地域独占電力会社体制である。経産省は巨額の特別会計を差配して国策を遂行した。その推進事業は公募であるが,建前である。今ではその公募案件も時代にそぐわないのが多くなり企業にとっても魅力がなくなった。しかし,アベノミクスによる財政出動により予算は膨らむ一方である。学校建設に公共団体の優遇措置はかかせない。その際,土地の手当てが最も難しいが愛媛今治の提供に乗っかっている加計構想が渡りに船だったのか。

大企業は工場どころか,タケダ薬品,東芝のように基礎研究所も欧米に設置するご時世である。経産省の産業指導はメリットよりは,海外進出を考えたら足かせであろうか。経産省は農水省と文科省の縄張りに食い込むしかないのだろう。獣医学部の開設を火急扱いにしたのは予算執行のためかなと思って検索したが,ヒットしない。金の流れを追求すれば,田中金脈問題のように解明されると思うが,そんな気運はないようだ。

Saturday Night Live の風刺をみると,クシュナ上級顧問とおぼしき人物が防弾ベストを着用して死神を大統領執務室に案内している。死神のエスコートが国家安全保障担当補佐官でもなければ,国防長官でもない大統領娘婿であるのが風刺なのだろう。西欧には死の舞踏という一ジャンルがある。スイスの霊墓を歩いていたら,墓石が死神だらけであった。当時は死=ペストであり,ペストはユダヤ人と紐づけられていた。クシュナ氏はユダヤ教徒であるから,そのパロディである。現代の死神はペストではなく戦争紛争である。

加計問題と防衛省の日報問題のどちらが重大か。言うまでもないだろう。満州事変にいたる経緯をみれば,中級軍事官僚が国策を動かした。陸軍大臣は神輿に過ぎなかった。それを暴いたのは御用新聞のマスコミではなく GHQ を主体とした極東軍事法廷だった。合衆国は日本人以上に日本国の本質を見抜いていた。これは現代でも変わらないかもしれない。少し悲しい鳥頭の日本人である。

戦前の少なくとも,毎日と朝日はどのように大東亜戦争が遂行されたのか知悉していた。だからこそ,ソ連のエージェントだったゾルゲは朝日の尾崎に接近した。大新聞経済部の記者は御用記事しか書かないが,政治部の記者は意図的にリークされた内容を忖度して記事にしたり,逆に隠ぺいしたりする。マスコミの本社社有地は払下げばかりである。払下げを受けた新聞社テレビ局が政府寄りになるのは致し方がない。防衛官僚の稲田放擲運動をみると,戦前に回帰したのかと思えるほどだ。しかし戦前は諜報機関,当時は特務機関を通じてそれなりに敵情を得ていたが,中韓の機密情報はどれだけ入っているか。逆に朝日とかマスコミを通じ両国に筒抜けなのではないか。朝日のビルに新華社が入居しているのは朝日と中国共産党はどんな関係なのだろうか。

トランプのロシアコネクションが話題になっている。ソ連がユダヤ人を追放する前,ソ連は世界最大のユダヤ人を抱えていた。現在は合衆国である。ロシアと合衆国をつなぐのは今も昔もユダヤ人コミュニティである。日露戦争戦債の起債引き受けにロンドンのロスチャイルドに断られた高橋是清は合衆国のローブ商会シフの仲介で戦債がさばけた。軍艦は英国製だけれども,その資金は合衆国のユダヤ資本だった。彼らは合衆国で人気のあった日本産絹に目をつけていた。

いまでは日本は戦債の起債もなくなり,経産省管掌のビジネスモデルに資金需要がない。逆に本来なら,英国のようにリストラしなければならないのを設備過多,労働者過剰の構造改革は進んでいない。ニワトリが先か卵か。獣医学部問題が岩盤規制改革であると,本気で安倍首相は思っているのだろうか。郵政改革をなしとげた小泉純一郎と比較すると,ずいぶん小者であるようだ。彼の目指す,憲法改正は最高裁ですら国会が違憲状態であると判定しているのだから,これまた法理に反している。側用人が暗殺されると迷走した暗君慶喜のようにもみえる。宰相を補佐する政治秘書官が弱いのだろうか。彼は官僚出身の補佐官を重用し過ぎたのだろうか。江戸幕府は将軍が幕閣の意見を聞かず,親藩譜代雄藩が幕府を見放し自壊した。結局のところ,首相の姿は国民を反映している。

首相がこんな案件で躓き,防衛大臣は官僚に詰め腹を切らされる。日本は官僚国家だから仕方ないにしても,戦争計画を立案する防衛省は防衛予算を通じて国会がコントロールするしかない。国会はその能力がないので防衛省をコントロールできるのは財務省だけか。困ったものだ。それとも,戦後の吉田池田佐藤のように,官僚出身の方が首相に向いているのだろうか。安倍とか石破とか人気のある政治家の国防観が前のめりなのがとても気になる。鳩山由紀夫の祖父一郎は統帥権干犯問題を国会で煽り,結果的に陸軍統制派が台頭する遠因となり,日本は満州に深入りしていった。それを反省したのが吉田だったが,今では吉田は全く人気がない。吉田は民間人の白洲次郎を重用した。佐藤は若泉敬だった。国策を大きく転回させるには官僚出身宰相と民間人の知恵者がいいのだろう。安倍とか石破だとその反対の組み合わせになるから,不首尾になるのかもしれない。それに両氏とも世襲政治家だ。それと官僚出身補佐官は省益代表の側面は免れないだろう。つまらないゴルフ仲間から,憶測を招いた安倍首相だ。でも政治資金を洗っても田中角栄のような金脈とはおそらく無縁だろう。

大阪地検特捜が補助金水増しで捜査に乗り出した。大学の補助金詐取は警察署が扱うから意外である。財務局もしくは大阪府の犯罪になると検察当局は踏んだのだろうか。国会答弁した局長は国税長官に栄転した。防衛大臣辞任と相討ちとなった陸自幕僚長は参与に復活した。サラリーマン官僚にとり人事が全てである。満州事変以降,陸軍は前任者の不祥事を後任者が糊塗隠ぺいしていた。対中戦不拡大の石原莞爾は左遷,対米戦不可を唱えシナ撤兵を画策した武藤軍務局長は東條により左遷された。しまいには対米戦までいきついた。東條人事が是正されるのは梅津が参謀総長に就任してからであった。東條の息のかかった下僚を前線に出し,疎まれた中級官僚(大佐クラス)を呼び戻して少しずつ陸軍内部に和戦派を醸成していった。陸自幕僚幹部が梅津系列ではなく東條系とは恐ろしい時代になったものだ。組織の保全を考えると当然か。東條系は戦争が下手くそなのが最大の難点だ。平時向きの軍人である。

以前,独ソ戦が始まると参謀本部情報部はソ連勝利と 1942 年冬のドイツ軍のモスクワ侵攻挫折前に裁決していた事実を述べた。最近,陸軍暗号関係の本を読んだら,対ソ暗号解読に派遣された陸軍の在欧州情報将校が対米戦勃発に驚いている。作戦部と東條がいかに暴走したかわかる。軍備増強とか人事ポストに関して一枚岩であっても,国策遂行方針は別の選択肢もあったのだ。

8億円程度の国有資産払下げより,中級防衛官僚のリークにより大臣が辞任する事態の方が怖い。そして彼らはノモンハンのように平気で隠ぺい改ざんするかもしれない。そのトップが田母神とか東條の娘婿のような閨閥人事である。平時なら冷酷凡庸な東條のような軍事官僚でもいいが,有事ではまずいだろう。有事には米軍事顧問団により戦争指導してもらうのはどうだろうか。3.11 の原発危機の際,菅首相は米軍主体の核事故即応チームの派遣を拒否した。その間,原子力保安院と防衛省職員は炉の保全作業に何を成し得たか。用意準備訓練していないと,複雑な事象では何もできないのだ。原子力保安院の元デパート担当の経産省派遣のスポークスマン(審議官級)が鬘を被っての連日の記者会見は実に空虚だった。何かおかしい日本である。官位と実務能力は関係がないけど,日本の国政ではそうもいかないのだ。

真珠湾奇襲を被った,米海軍長官(政治家)は太平洋艦隊司令長官に米海軍序列28番目の少将(航海局長)であったニミッツを指名した。海軍将官録を執務室机上に常備していたルーズベルトもすぐ同意したそうだ。危機に際しては,有為の人材は殊の外少ないのだ。日本海軍は劣勢になると米内大臣,永野総長,豊田司令長官の下,特攻装備と兵の教育訓練に邁進した。ましてや,徴用船員,徴用工(海軍設営隊は朝鮮人)などは顧慮の対象ですらなかったのではないかと思う。九州の法務局が三菱長崎造船所で徴用されていた朝鮮人徴用工の名簿を破棄していた事が明らかになった。従軍慰安婦の次は朝鮮人徴用工だろうか。

降伏した日本兵を強制連行したあのソ連でさえ,戦後ロシアのプーチンの時代になって保存されていた名簿を公開しつつある。名簿を破棄された慰安婦徴用工は軍馬なみの扱いだったのだろう。日本の官憲は実に酷い仕打ちをするものだ。軍馬 3000 頭と徴用工 3000 名。数詞が異なるだけか。それとも,破棄したとアナウンスしても本当はどこかに隠ぺいしているのだろうか。その可能性も官僚ならあり得るかもしれない。

官僚は組織のために動く。その名目は天皇であり今は首長なのだろう。その暴走を止められるのは議会であるが,日本では建前だ。議員が世襲化して官僚と癒着し以前は「構造汚職」と称されたが,今では当たり前すぎて死語である。ロシアの情実人事はとくに悪名高い。日本海海戦のロジェストヴェンスキー提督は皇帝のお気に入りだった。凡庸な提督で日本海軍にはよかった。

米海軍潜水艦部隊の脅威を前に,南進論不可と説いたまともな吉田海軍大臣をキチガイ扱い,予備役にして凡庸な将官が累進した。その最悪が豊田副武だろうか。戦後,海自が彼に講演を依頼してたりするから,彼のようなあり方は海自の模範なのだろう。真珠湾奇襲の特殊潜航艇作戦の犠牲者を軍神として讃えているから,特攻まがいの作戦は開戦の時からだった。太平洋戦争末期,政府は 315 万人の根こそぎ動員をした。食糧給与も不自由な師団もあり憲兵隊司令官が農作物窃盗等の軍紀紊乱を報告している。在欧の情報担当武官は日米開戦から日本の敗戦を予期していた。といっても情報士官が作戦担当なら同じような意思決定になったのではないか。家族を愛する組織に忠実な平凡な官僚が国民をどん底に突き落とす。長崎造船所の朝鮮人徴用工名簿を破棄した法務局の役人にしても悪意はなかっただろう。安倍首相にも悪意はなく,国家国民のためと国策遂行に努めているに違いない。

しかし,他者の境遇を自らの立場に置き換えて考えられるのはヒトだけである。良心と呼称されるものだ。良心の対極に罪 Sin がある。罪の意識がない者は病人,今ではサイコパスと呼ばれる。罪意識のないのは無垢な子供と未開人である。罪意識のない軍事官僚が日本人を戦争指導をすると思うとぞっとするが,どうしようもない。そんなリスクが嫌なら離散したユダヤ人のように祖国を脱出するしかない。厚顔無恥のようにみえる官僚自身は国家のためと思い込んでいるのだから始末が悪い。教育とかのそんな問題でもない。

半藤一利がノモンハンおよびガダルカナルの作戦を指導した辻正信をインタビューして,世の中に絶対悪があるとしたら彼のような存在を言うのだろうとの所感を述べている。平時ならごく普通の軍事官僚で職責を全うしただろう。それが有事,危機になるととんでもない諸相を現出する。旧約にはその不条理悲嘆が書き連ねられている。家人からどうもトランプ大統領はサイコだと聞かされて,そうかなと思うようになった。彼と最もウマが合うのが我が首相である。これは良い事なのか。偉大な指導者はサイコだらけだそうだ。文化革命を主導した毛沢東もそうだろう。ヒトを一人殺せば,殺人だが百の単位になると英雄である。国民的人気のある信長もそうだ。読み物によれば,家康はサイコ気質の信長により信康を失う。最近のホワイトハウス高官の辞任解任騒動をみれば,わかるだろうと思う。見方を変えれば,時代がトランプ大統領を求めたのである。合衆国は当然ながら,我が国唯一の軍事同盟国である。外交問題では国民の声と異なる決断を迫られる場面もあるだろう。環太平洋諸国のカナダ,オーストラリア,ニュージーランドおよびシンガポールが「太平洋同盟」諸国と条約交渉を開始した。小国の知恵だろう。

最近の豪雨で姉川が溢れた。姉川をはさんで有名な織田徳川勢と浅井朝倉勢の戦いがあった。徳川は同盟のよしみで近江に出陣した。トランプ大統領は武力行使をするだろうか。従来だと,国務長官が懸念危機を敵国に伝え,大統領は対外的に好戦的言辞「世界がこれまで目にしたことのないような炎と怒りに直面することになる」をしないのが不文律だった。特にオバマは口先介入だけだった。

気になるのは,ワシントンポストが,
The Washington Post revealed that U.S. analysts think North Korea has produced a nuclear warhead that can fit inside its missiles. Worried about what that means? Here are four things you need to know. (Elyse Samuels/The Washington Post)
ミサイル用核弾頭を製造したと伝えた事だ。かつて,毛沢東が核実験成功を宣言した時,時の吉田首相はフェイクだと言った。佐藤首相は中国の核武装の危機に際して,合衆国大統領に核の傘の約束を迫り,得られなけば,日本国の核保有オプションについて言及した。今は各国首脳が頻繁に会談できる環境にある。本土防衛の最大関心事だが,マスメディアがこの真偽について政府首脳に問いたださないのは何故だろうか。3.11 でも同様の事が起きた。報道各社が肝心な事を官房長官に問いたださないのだ。記者クラブ制度のせいかもしれない。上述の記事の確度に関して,各社はかなり把握しているだろうけど報道しない。確かに報道しない自由もある。危機有事になると,報道各社が横並びになるのは大本営発表時代と大して違いがない。

市井の人間にとり,せいぜい外信と週刊誌を頼るしかない。「一億総活躍」の時代では致し方ないか。報道の自由度ランキングによると,日本は台湾と韓国より下位である。これは両国の民主主義が日本より成熟していて民度が我が国より高いから当然だ。女性が大統領とか総統に選出される国である。多分,世襲議員は日本よりかなり少ないのではないか。台湾は中国の核に動じない。韓国同様,中国の核の照準は日本と合衆国に向けられているとの暗黙知があるからだ。仮想戦争ゲームだと,何故か大阪に核弾頭が着弾する。中国北朝鮮は皇居のある東京を撃たないのだ。隠居後の上皇は大阪に遷都してくれないかな。家康は隠居後,駿府に居住した。どこまで本当か知らないけど,遺体は西向けて葬れと遺言したそうだ。日本を叩きのめした米海軍指揮官のニミッツ,スプルーアンス提督は東部のアーリントンではなく西海岸サンフランシスコに葬られた。靖国神社の人柱はどうだろうか。

騒がしい靖国の季節がやって来る。子供の頃,駆逐艦長を中心とした靖国での記念写真を父に見せてもらった事があった。年に一度,無礼講の飲み会があって,そのエピソードを話してくれた。駆逐艦乗員数が名前と顔を覚えられる上限である。さて,先の防衛大臣はどれだけの将校の顔と名前を憶えていただろうか。幕僚幹部の中級軍官僚に造反されるようでは,関心がなかったのか。彼女の憂国精神と現場の精神が合致しなかった。父は昭和天皇に言及しても,靖国神社について語る事はなかった。靖国神社の人柱がリアルではないと体得したのだろうと思う。父はレイテ海戦に参加し,米海軍の実力を体験した世代だった。対潜戦闘と対空戦闘の体験しかない。父は敵艦を見ずに負傷した。多くの船員,陸軍兵が敵を見ず,沈んでいった。戦争末期には,いつの間にか都市の上空に核爆弾が降って来るようになった。
 02:49 原爆を搭載したボックス・カーがテニアン島を離陸
 07:00 市内の濃霧が晴れる
 07:50 空襲警報発令
 08:30 空襲警報解除
 08:56 搭載機、屋久島上空を通過
 09:45 搭載機が福岡県小倉市上空に。視界不良で長崎に進路変更
 10:38 被爆前では最後の門司港行き列車が長崎駅を出発
 10:58 ラジオが「敵機が島原半島上空を北西に侵入」と放送
 11:00 長崎市上空に到着
 11:02 原爆投下。松山町上空500メートルで爆発
 11:09 空襲警報発令
 11:30 長崎県防空本部から救護隊員2人が自転車で出発
 12:05 空襲警報解除
 12:30 長崎県庁から出火。市内各所でも出火
 12:51 搭載機が沖縄の読谷飛行場に着陸
 13:50 救援列車第1号が負傷者の輸送を開始
 14:45 西部軍管区司令部「敵大型機は長崎市に侵入し、新型爆弾らしきものを使用せり」と発表
 15:00 長崎県庁が全焼。さらに延焼拡大
 18:00 長崎県警が佐賀県警などに救援隊派遣を要請

隣国の核弾頭小型化の真偽が気になる。野田聖子の靖国参拝と隣国の核弾頭小型化のどちらがリアルか。靖国の特攻賛美は実に虚しい。マスコミの誘導は自明だな。外信は靖国にほとんど関心がない。関心を持つのは自衛隊が特攻作戦を開始してからだろう。江戸末期の尊王攘夷騒動と似たようなものだ。後世,特に戦後司馬史観が独り歩きした。合衆国に独立戦争と第二次世界大戦の伝説が必要なように,戦後の日本には明治維新観が必要だった。

広島に原爆が投下された,3日後の長崎への投下では,爆発後,長崎に空襲警報が発令された。大気圏を飛翔する B-29 の時代である。くだんの国の GDP は韓国の 1/50,合衆国のペット産業と同等の GDP しかないが,核弾道兵器を持てばこれだけの存在感がある。ソウルは北の長距離砲の射程内にあり,合衆国の先制攻撃は無理である。しかも韓国は融和政策の左翼政権である。どうしようもないか。明治 150 年祭だ。

東京オリンピックと大阪万博の予算で,どれだけの防衛力が整備できるだろうか。とりあえず,靖国神社をシェルタで守るか。靖国神社(特攻精神)は広島長崎への原爆投下に無力だった。3発目も同様だろう。現代イスラエルは神頼みを止めて,故地に帰還しても神殿再建を放置したままだ。神の国,日本では参考にならないか。

せめて,晴れの日には全国の中小都市において新型爆弾投下の恐れがあると本土防空司令部は注意を喚起できなかったものだろうか。米軍は B-29 による中小都市破壊リストを伝単で宣伝していた。日本の防空司令部は来襲の報告があると,地名が記された電光表示板を点灯する原始的なものだった。ドイツは多数の女性が光学ポインタを電話で指示を受けながらマップに表示するものだった。迎撃戦闘機も同様である。各地からのレーダ情報はテレタイプで防空司令部に送信された。日本は電話と無線電信だった。艦隊司令官とか陸自師団長がTV出演しても,防空司令官が画面に映る事はない。まあ,田母神が空自幕僚長だったくらいだから,酷いものだ。念力で核ミサイルを迎撃するのだろう。
稲留は 43 年 6,7 月に行われた帝都防空研究演習について、B-17, B-25 あわせて 110 機来襲、投下弾量 175 トンの想定のもとでは、火災発生箇所 609 に対し消防ポンプ配置箇所 411 で、残り 198 箇所は放任火災となる結果が出たと述べた。この結果から、火災発生箇所が関東大震災のそれをはるかに上回って東京が焼け野原になることを予測し、百万人単位の疎開を行い、それによって防火帯を設け大火災を防ぐ必要があることを述べた。
中級軍事官僚の敵情分析はそれなりに的確だった。しかし上層部が意見具申を受け入れる素地はなかった。当時の最高防空責任者は宮様だった。防空は閑職扱いだった。バトルオブブリテンではチャーチルは2人の RAF 司令官に全権を委任した。日欧の危機意識の違いと言えば,それだけだが。

せめて,漢字カナ表記を止めてローマ字テレタイプ通信にしただけで,どれだけ邀撃戦闘機が早く敵に迎えたか。やがて,迎撃に到底間に合わないと諦めた。

原爆を投下されても何を何から守るのか,いまだ我が国は混迷しているようだ。まあ,現人神を国防の最高責任者にマツリあげたのが間違いの根本だった。有事対応するには優れた指導者が必要だ。

参考
2017/08/07

構造改革と行政整理

安倍首相の支持率が急速に下がった。ロイタは構造改革の先行きに懸念を表明している。戦略特区が獣医師学部の増設とは随分矮小化されたと思う。戦略とは内向きではなく,本来,外向き例えば台頭する中国にどう対抗するかという方針を示す。戦前の帝国国防方針のようなものだ。

それはさておき,規制緩和をすれば自然と構造改革は進展する。補助金を助成しなくとも民間は先行きが有望だと思えば投資する。明治の頃,鉄道建設は民間の方が積極的で地方で建設が進んだ。主に豪農が投資したのだ。別に政府とかが推進したわけじゃない。幕藩体制の名残の名士を中心に政府とは関係なしに建設が進んだ。

問題は明治の頃は地方に投資家がいたけれど,今や日本の投資資金の大半は東京に集中しており,地方に金がない。地方にベンチャが起業しようとしたら資金は東京から引っ張ってこなければならないほど,地銀とかは投資しない。地銀は国債を買っている。

ロシアフランスのような中央統制官僚主導資本主義国家になってしまった日本では,地方に投資するのは好事家でもない限り皆無である。そんな事言っても始まらないから,とりあえず中央の行政整理から始めたらどうだ。規制官庁の文科省と経産省は解体すればいい。加計問題渦中の官僚が両省出身者とは何かの因縁だろうか。