2016/08/22

救済思想と牧師の世襲

我が国の憲法にはいろんな人権が盛り込まれてる。英語では Human Rights と複数になっている。我々が考えるような抽象的な事柄ではなく,本来はより具体的な事を示す。

人権と不可分なのは人道主義 Humanism である。連合国が枢軸国のドイツと日本を裁いた根拠が人道に対する罪である。いまだにこれは無効と唱えるの保守政党が自民党である。ヒューマニズムはキリスト教思想から生まれた。神道の日本をキリスト教の教えで断罪するのもおかしいが,日本人の好きな国連はこの精神で組織化され,その常任理事国はかつての連合軍だった。日本はイラク戦争になって連合軍に参加した。日本のマスコミは多国籍軍と称したけど,合衆国は連合軍と呼称している。

キリスト教の経典は聖書である。その聖書に人道に通ずる思想が入っていた。ユダヤ人が迫害された歴史を克明に残したからだった。紀元前2世紀頃から,ユダヤは異民族ギリシャ人に支配されるようになり捕囚の時代の教えは時代にそぐわなくなった。来世の概念が希薄だったユダヤ人が,出口のない状況下で救済思想が芽生えた。やがてユダヤ下層民はメシア救世主の到来を願うようになる。

新約聖書が編集された頃に信ぜられたメシアは戦乱あけくれた千年後の西欧でも降臨しなかった。悪がはびこるのに,なぜ全知全能の神は動かないのか。聖書が各国語に翻訳され,非聖職者が聖書を読むと,教会が説教するような事をイエスは言っていないどころか,神殿を否定するように真逆の言説が記されていた。神道のように救済思想のない宗教は原始宗教である。メシアが当面,再臨しないとなると救済はどうしたらいいか。人道主義の誕生である。

旧約聖書は不義不正を告発する預言者の言説で埋まっている。正義と悪は双対である。「悪」をどう取り扱うか。聖書には戒律が記されている。モーセの十戒は高校の倫社で学ぶ。来世があるかどうかも不明だ。信ずれば救われるといった宗教的救済がさして意味のない現代では,人道主義しかないだろう。

仏教には救済思想があるけど,日本では江戸期くらいから流行らなくなった。中国だと宋代に仏教は哲学のようになり,救済思想もなくなった。そして人道主義は全く顧みられない。日本はそんな国と争おうというのか。中国との関係は金以上でもなければ金以下でもないのが妥当だろう。金融とか商取引は「信用」から成り立っている。信は人と言からできた漢字だ。信じられなければ,社会は回らない。

かつてのピューリタンは東アジアの悪に対する無知をどう思っているのか。猜疑心の強い功利主義の合衆国は日本のキリスト教牧師は世襲だと知って何を思うか。私の子供が通った幼稚園を運営していたプロテスタント教会の牧師はどうも息子が継ぐようだ。合衆国の伝統的プロテスタント教会の牧師は教会の参事会が選ぶ。参事会員はコミュニティから選ばれる。

教会,会社,組合,自治会,議会とあらゆる日本の組織が世襲化しているのは安定を求めるにはいいかもしれないが,危機に際しての救済の点からするとどうなのだろう。日本人の好きな自己責任が自己救済なのだろうか。ボンさん宮司だけでなく牧師も世襲だ。変化をここまで嫌うと,禍を甘受するのが当たり前になってしまいそうだ。救済とか悪について意識しないためだろうと思う。日本人の深層にはゴーギャンがタヒチで驚愕した「無知」がありそうだ。といっても,経典の民以外の世界の大多数は全て悪に対して無知なのだが。

参考
2016/08/21

情報操作と組織

情報操作
若い頃,R&D に従事していた。装置を試作して,実験データを取り上司に報告すると,不都合な数値を上司が,自ら消しゴムでウインクしながら書き換えた。また部長は書き誤りやすい数値をヒョイと書き換えた事もあった。当時は手書きだ。研究成果をもっていたわけだ。今思えば製品化はないだろうとの判断が上司にあったのだろうか。製品化する頃には,担当者ではないとの読みもあったのかもしれない。実際,その後30年以上経っても顧客のシステム商品は受注に至っていない。

事業を進める上で,最も大切なのは顧客の営業情報だろう。シャープが LCD の市場予測と顧客情報を誤り,結果的にホンハイに買収された。シャープほどの大企業になると,市場調査と情報の正否を審査する部門がある筈である。銀行の審査部みたいなものだ。昔たくぎんという都市銀行があった。歴代頭取は天下りだった。「たく」は拓殖の意味だったから,元は政府系だったのだろう。投融資の審査基準が緩められたのか,歪められたのか融資が焦げ付いて破たんした。

日本海軍はミッドウェー海戦結果を海軍内部にも秘匿した。当時の東條首相も海軍が負けたらしいとの情報はあっても,どの程度の損害を被ったのかわからなかった。海軍はその後も,戦果を盛った。航空戦が特に酷かった。大戦緒戦期の頃は中隊長機は戦闘に加わらず,上空から戦果を確認していた。

例えば,雷撃機は魚雷を投下した後,敵艦の前を通過し退避するから自機の魚雷が命中したかは反転しないとわからない。実際は雷撃後,海面スレスレで離脱するから命中したかは不明である。戦果を確認する指揮官が次々戦死したのと,戦果が盛られるのがどういう関係にあるのか不明だけれども,戦果は妄想の域になっていった。その結果を頼りに陸軍は兵力を送ると,輸送船団が襲われ兵力を失った。海軍の妄想戦果はブーゲンビル攻防戦から酷くなった。ソロモンの消耗戦である。ある参謀が戦果を突き合せたら,敵保有空母の倍ほど沈めた事になっていた。

耄碌した軍令部総長が天皇に戦果を報告したところ,若き天皇は空母ヨークタウンを何度沈めたのかとご下問があり,総長は恐懼したそうだ。陸軍は海軍の大戦果を信じて,レイテ決戦で消耗した。沖縄戦も航空戦と呼応して反攻し,損耗を早めた。日本の財政は破綻に向かっているが,気にかけているのは財務省だけで他の省庁は予算増額しか関心がないのとある意味似ている。当時の政府は内務,陸軍と海軍の3つの小政府があった。大本営政府連絡会議は内務省は蚊帳の外だから,内務省と文部省はポツダム受託の閣議でも反対した。

陸軍が対米航空戦を真剣になるのはニューギニア戦線である。1個師団が海上で20分の戦闘で喪失したからだった。海軍は航空護衛はつけられないと言明していたから,あるいみ自業自得であった。空襲の被害を過少評価したようだ。ニューギニアでは陸軍機が攻撃できないと思われた遠隔の航空基地から発進した戦爆連合に予備機を全て破壊された。ウェワク Wewak とホーランジアの空襲がそうだ。海軍もラバウル後方のトラック空襲,フィリッピンの側面のパラオ空襲で多数の輸送船予備機を失った。地上で予備機を失うのは,延々と最後は終戦間際の三沢に避難していた1式陸攻まで続いた。

最後まで警戒避難がうまくいかなかった。敵情の稚拙さもあるだろうけど,警報を出すためのシステム構築にどれほど努力したか不明だ。合衆国は日本機の空襲をおそれ対空警戒警報システムを西海岸にいち早く整備した。その任は陸軍,警備隊と民間人だった。日本は小笠原,房総の警戒システムが B-29 の空襲警報に役立ったくらいで,南西諸島には整備されなかったようだ。西日本の防備は2義的だった。西部管区は終戦間際,大本営から補給はない,自活して戦うようにと命令された。九州上陸戦はニューギニア戦線の二の舞いを意味していた。

米軍は豪州がニューギニアおよびソロモンに配備していたコーストウオチャーを活用したのと大違いだ。内務省と陸軍はついに本土上陸になっても協力体制は築けなかった。日本の縦割り行政は戦争という危機でもなくならない。内戦を西南の役と戊辰戦争くらいしか経験していないせいだろうか。

日本ではどうして警察が軍に協力しないのか。合衆国では州兵は National Guard と称する。連邦政府常備軍 US Army が州兵から整備されたせいだろうか。薩長土肥の御親兵 3000 が明治政府の首都東京と横浜の警備に当たったのにこれも不思議だ。御親兵による居留民保護をみて,横浜に駐留していた英国とフランスは英兵と仏海兵をすぐ退去させた。治外法権下であったのにだ。軍隊の海外駐兵は金を食う。

大戦果を挙げる情報ばかりが現場に伝えられ,現場も気の緩みがあったのかもしれない。父がレイテ沖海戦に参加するはめになったとき,父は仲間から今度は艦対艦だから負けないと聞かされたそうだ。水兵でもそれとなく情報は漏れてくる。しかし実際は,米艦載機から逃げ回っていただけだった。

情報は上層部の意向を忖度して改変される。三菱自工とか東芝がその例だろうか。粉飾決算をしたライブドアのホリエモンは起訴され,東芝は強制捜査の対象にならない。自衛隊は旧陸海軍の総括なしに再軍備された。自衛隊も何となく旧軍同様いい加減そうだ。というのはインテリジェンスが感じられないからだ。何も敵に対する諜報活動だけではない。自軍の内部チェックも必要だ。

ソロモン諸島航空戦での日米作戦機数に大した違いがないが,稼働率は 30% 日本が悪かった。日本陸軍はフェリー飛行の損失が大きく 30% もあった。フェリーパイロットの未熟,途中での整備不良そして前線飛行場がお粗末だった事が挙げられている。そして,これまで対戦してきたフィリッピンの米陸軍機と何が違うのだろうか。

米陸軍航空隊は爆撃機マフィアが存在していて,戦闘機グループは影が薄かった。何と戦闘機には航続距離の制限が課せられていた。ニューギニアソロモン戦域では陸軍戦闘機 P-38 が偵察用の増槽を装備して日本を攻撃するようになった。

緒戦,在比米陸軍は日本海軍戦闘機が増槽をつけて台湾から出撃するとは思わなかった。日本の「長期持久」はニューギニアでは米軍と対峙しながら,戦力をインド洋に向けてインドと英国の連絡を絶つ事だった。米陸軍航空の反攻をせいぜいソ連軍航空程度とみていたのか。英軍の補給路はエジプト,イラン,インドへと途絶える事はなかった。合衆国の援蒋,対ソレンドリースも確保されていた。

英国がドイツに屈服すれば,合衆国との講和が成ると想定していた日本。そのドイツが独ソ戦をはじめ,モスクワ侵攻が止まった冬に開戦してしまった日本。海軍は「短期決戦」を目指し,米空母撃滅に力を注いでいた。

日本は 860 万総トンの商船を連合軍により沈められた一方,合衆国の商船は98隻52万総トンだけであった。日本は米英の通商破壊をやろうにもそんな戦備も備えていなかったし,米潜の通商破壊戦に対する備えもなかった。

日本人は戦艦大和の特攻どころか,大和の存在すら戦中知らされていなかった。日本の情報戦とは国内の情報統制であった。およそ戦果が見込めない特攻兵器「桜花」「回天」による嘘の戦果を発表し続けた日本海軍。家人がフクシマ危機の際,大本営発表みたいだなと言った。桜花回天は試験をしてみれば,使えない兵器だなと誰もがわかる筈なのに暴走してしまった。

終戦直後,自決した杉山元帥が 1943 年2月27日,政府大本営連絡会議において「まずイギリスを屈服させ、しかる後アメリカをして戦 争意思を放棄せしめんとする従来の考え方を変更し、むしろ米国の精神的破綻を重視し、 まず米国の戦意を喪失せしむるごとく施策する必要生起せしにあらずや」と発言した。

合衆国の太平洋での反攻がすみやかに実行に移せたのは豪州の存在だった。豪州は補給兵站の後背地になった。ニューギニアソロモンの敗戦が英国と中国の屈服を不可能にした。それを支えたのはシステム化された合衆国の航空軍だった。日本陸軍は B-17 P-38 に類する兵器がなかった。装備が対ソ用だったからだった。対ソ兵器が対米戦に通用すると考えた浅はかさ。

虚ろな日本
米海兵は沖縄からグアムと豪州ダーウィンに撤退する。米海空軍の対中示威行為はペリー提督の頃と対して違いがないなと感じる。こんな活動に幻惑されて,フィリッピンとか南シナ海に日本が介入するとろくな事がない。南西諸島に軍政を敷く体制もないのに,フィリッピンあるいは豪州との連携など話が逆だろう。とりあえずは沖縄戦の失敗を教訓に軍と警察の連携だろう。

尖閣領域に中国が民兵を送り込んでいる。日本人になじみのない民兵だ。合衆国が独立戦争の頃,民兵が主力だった。だから,収穫時には帰省してしまう。Minutemen の兵器は自前だった。共和党 GOP の全国党大会 RNC にライフル装備の党員が参集するのはその伝統だろう。テニスボールも水鉄砲も禁止されるがアサルトライフルはOKだ。不思議な州法だな。

そんなお国柄の合衆国に戦意を喪失せしめて講和に持ち込む算段とは,昔の日本人は無知だった。昭和陸軍の愚鈍さをどう考えたらいいのか。玉砕と特攻が意識され始めたのだろうか。島嶼戦では航空戦が決定的で,やがて沖縄そして本土自体の島嶼戦になった。陸軍の杉山はガダルカナルの敗戦に容易ならざる事態を招致すると察知したようだが,海軍上層部はそうは考えなかったようだ。

老将軍の杉山はハンドガンの取り扱いがわからず,副官に操作法を尋ねて自殺した。そんな軍人が合衆国の国民性をどう考えていたか。無知なリーダを軍事指導者に日本は選んだものだ。軍自体が内向きになっていたのだろう。海軍との争い,内部派閥争い。そして中国の権益と政治権力が右翼,革新官僚とからみあって異様な軍官僚が形成された。省益はあっても国益なしの基本構造は今でも不変のような気がする。

日本のファッショが後醍醐天皇まで遡れるとしたら,彼は仏教に帰依していたから,やはり昭和の文部省による神道をベースにした国体明徴運動は虚構だろう。国粋運動は神道より,仏教とりわけ日蓮宗が向いている。昭和のテロ 血盟団の宗教的背景も日蓮宗だった。創価学会公明党が大衆の受け皿になりえない現代の状況では,今後どうなるのだろうか。高校野球を支援したPL教団は信者が数分の1に落ち込んでいるそうだ。スポーツは元々,軍の教練から始まった。集団をまとめるために,神事も必要になった。今では国家の祭典だ。だから国体に皇族が列席する。軍の式典も体育祭も大して違いがない。だから小学校の組体操がいまだに好まれる。

創価学会のマスゲームがすばらしいらしい。日本のネオファッショは創価学会と成長の家のどちらがふさわしいだろうか。公明党の世襲化がすすめば自民党との融合もすすむかもしれない。教義のない神道ではどうしようもないだろう。合衆国の草の根運動はキリスト教原理主義の女性共和党員が主体だ。日本のネオファッショのアイコンは誰になるだろうか。安倍でもなければ公明党代表でもない。世襲政治家はだめだろう。小池百合子は新党運動のアイコンになれるかもしれない。大衆運動を起こせるかどうか。しかし日本の宗教指導者も世襲が多いな。オウムまで世襲らしい。新党も世襲ができるようにならないとダメのかもしれない。女が党首の党だと世襲がうまくいかないのでダメか。

参考
日本空軍の興亡 p70
2016/08/15

政治家と薬物

現首相がインド外遊の帰途,体調が悪くなり入院した時,毎日新聞は後に不眠治療として薬物が投与されたと伝えた。現在は健康のようだが,どんな薬を服用もしくは治療を受けているのか不明である。

薬物依存症になった大物指導者といえば,ケネディ大統領とヒトラー総統がいる。日本だと外務大臣松岡洋右である。以下はヒトラーが服用した薬物である。

アンフェタミン
ベラドンナエキス
アトロピン
カフェイン
カモミール
コカイン (眼痛を抑える点眼薬として。また、ギーシンクも鎮痛剤として少量投与している)
大腸菌
酵素
メタンフェタミン
モルヒネ
ストリキニーネ
オキセドリン酒石酸塩
臭化カリウム
プロピフェナゾン
動物の組織や脂肪から採取した蛋白質や脂質
バルビタール
スルホンアミド
テストステロン
ビタミン
中国の皇帝は丹薬(水銀中毒)で死んでいたりする。清朝末期皇帝高級官僚はアヘンを常用していた。幕末の将軍慶喜も睡眠薬として投与された。多忙なのに不眠とは不思議な話だ。私は加齢のせいなのか,22時以降までなかなか起床していられない。これは大脳の機能低下によるものだ。老化とともに大脳はすぐ疲労するようになる。慶喜とか首相が不眠になったのは大脳を使う仕事をしていないからだと思う。肉体労働であれ,事務労働であれ脳は疲れて眠ってしまう。

京大医学部の教授と知り合いになり,缶コーヒーの話題になった。コーヒだからカフェインが含まれるのは当然としても,大量の糖が含まれているのが売れるそうだ。購入者は長距離トラックの運転手だそうだ。腹はすかなくても,大脳はすぐ栄養不足におちいるからだそうだ。眠気は大脳の疲労によるものだ。そのため缶飲料に糖が大量に入っている。私も残業のおり,半ば習慣的にポカリスエットを飲用していたが,33.5g/500mL も含まれているそうだ。脳が糖を欲していたのだろうか。

父が乗艦した駆逐艦は小型艦ではあるけど,ラムネ製造機が備えられており飲用できたそうだ。炭酸飲料も砂糖水だ。米海軍大型艦だとコーラとハンバーガは飲み放題食べ放題だ。コーラはカフェインも含まれ疲労対策の意味合いもあるのだろうと思う。日本海軍は航空兵をヒロポンという覚せい剤の薬漬けにした。

対イラク湾岸戦争のはるか前,上司が米兵は戦闘になると薬物(錠剤)投与されると聞いて半信半疑だったが,Wikipedia によると精神安定(不安抑制)のためのある種の興奮剤投与は本当のようだ。日本も医師会と厚労省が診療内科という科目を設け,向精神薬が簡単に処方されるらしい。友人は医者が病気を作り出すとも言っていた。正確には病名だろうけど。診断して病名があれば,薬が処方されるのは合法である。

麻薬(アヘン)も長らく薬だった。アヘンは脳幹を通過し,習慣性があり脳内物質の平衡を損なうとされてきた。そして中毒症状を起こす。現代は簡単な尿検査で薬物検査が可能になった。アスリートに厳格なドーピング検査を課すなら,公職に就く政治家にも薬物検査を義務付けたらどうだろうか。つまり大臣,政務官とかだ。睡眠薬を常用しているような政治家は暇で仕事をしていない(脳が疲労しない)わけだから,無用だろう。

昔の将軍,藩主には側用人,老中,家老がいて,彼らは神輿だった。サミットに出席した経産大臣でぐでんぐでんの酩酊状態で記者会見した世襲政治家の中川がいた。サミットに出ても体調不良で行事に出席できなかったヨボヨボの首相もいた。実務は秘書とか事務方がしていたのであろう。彼らも神輿であった。官僚は競争があるので,睡眠薬とか薬物に依存している暇がないだろうから,その必要はないだろう。中国は麻薬に対する罰則が厳しい。というのは清朝代に宮廷,高級官僚にアヘン吸引が流行したからだった。満州皇帝溥儀の妃もアヘン常用者だった。

日本は中国侵略した最後の列強だった。日本がアヘンを中国で専売していたのは高校の歴史の先生から教わったが,今回検索するとアヘン工場を朝鮮,台湾そして満州と移し,取引高を増大させていたそうだ。今ではその製造販売ルートが逆転して台湾が日本の一大仕入れ先とは知らなかった。

薬物の最大消費地は合衆国である。合衆国の南隣が麻薬大国メキシコである。トランプのメキシコとの間の壁建設は麻薬流入阻止の意味合いもあるだろう。日本での覚せい剤の末端価格は金より高いから,薬物の入流が止むことはないだろう。いっそのこと,オランダスイスのように麻薬を合法化して,公職に就く者に薬物検査を義務化したらどうだろうか。JRとか市交通局は乗務員に薬物検査とかアルコール依存検査を実施しているのだろうか。

ちなみに合衆国ではアルコール,カフェインも銃器薬物と同じ役所が取り締まる。近年ニューヨーク市長が公立小学校からコーラを追放しようとしたが,失敗した。

日本の三国同盟も松岡の妄想の影響もあったのかと思うと,大臣政務官の薬物依存検査は必要ではなかろうか。現首相はどんな薬を処方されているか公表しないけれど,米中露の諜報機関は情報を入手しているだろう。田中角栄は晩年,酒飲がひどくなり,アル中状態だったのではないかと思う。アルコールも脳を損傷させるし,何より習慣性が強い。失脚したのは日本のため良かったのだろう。

日本海軍と英国海軍はアルコール禁止ではなく週に一日飲用が認められていた。父はアルコールを飲まなかったので,羊羹とかに交換していたという。米海軍はキリスト教原理主義の一面があるので禁止だった。しかし艦長,提督とかは例外だったから,アルコール依存になっていた提督がいた。

ある時,合衆国でハイテク企業を創立したアメリカ人を紹介された。好々爺であった。紹介者によると,コーヒー,コーラおよびアルコール類を一切飲まないユダヤ系だと知らされた。夫人も笑みを絶やさず,実に小さな企業ではあるけど,マシニングセンタを備え,優れた回路設計者およびプログラマを抱えたいい企業だった。私もいつか,彼のような企業を起こせればと思うが,難しい。

さて防衛省は戦闘に臨む自衛隊員にどんな処方を考えているのだろうか。私だったら,スポーツドリンクに混ぜるけど,どうなのか。準備しているのではなかろうか。現首相も病状を秘匿するためには,慶応大病院での検診を止め,防衛医科大にしたらどうだろう。合衆国大統領は歴代,ベツセダ海軍病院を利用する。看護婦と言えども,軍人だから守秘義務のレベルは高い。漏らすと軍法裁判,軍籍はく奪となると,年金はパーになる。慶応付属病院にそんなペナルティはあり得ないだろう。しかし,防衛医大の職員も自衛隊員ではないようだ。これでは秘は保てないか。慶応病院が最も,口が堅いのだろうか。検査成績書とかカルテの保全が気になるな。カルテは保存が義務付けられ,即廃棄は違法である。首相の検査工程は別ルートの闇で行われているのかもしれない。九帝大の米兵捕虜人体実験も軍参謀と大学教授との闇ルートだったと思い起こす。

合衆国民は大統領の健康(精神状態)に関心があるが,日本は首相の健康にあまり関心ないようだ。神輿だからなのか。体重はどうなのだろうか。胃腸が弱くて,胃腸薬が欠かせない人物が首相になるのもどうかしていると思うが。そう思う私がおかしいのか。

2次大戦時,米海軍作戦部長に就いたキング提督は潜水艦戦と航空戦に造詣が深ったけれども,酒癖と女癖が悪く,戦後じき亡くなった。米海軍のガダルカナル反攻はキングのリーダシップによるものだった。前任者のリチャードソンとかキンメルのような提督だと早期断行し得なかった作戦だろうと思う。彼は13人の提督を解任した。一方,負け戦の日本海軍はたった二人を解任しただけだった。また彼は大西洋の対独潜戦を直率した。ニミッツも太平洋の潜水艦を直率した。戦後,米軍が軍令部総長に潜水艦戦について尋問したら,彼は知らないと答えた。彼は一体,何の作戦に熟知していて太平洋戦争を始めたのだろうか。戦艦による艦隊決戦だろうか。そんな機会は一度もなかった。現代の海自は多数のイージス艦を揃えているが,中国海空軍との戦闘になったら果たして役に立つかどうか。海自の本質は変わらんな。旧海軍と同じ官僚体質だからだろう。

大手製薬会社が開発に注力しているのが,精神薬である。多いな。ヒトラーが常用したバルビタールはバルビツール酸系だそうだ。連合軍がノルマンジーに上陸した時,ヒトラーは就寝中で機甲部隊の移動命令が遅れたそうだ。睡眠薬だから起こしたくても起こせなかったのか。現日本の首相は睡眠薬など飲用せず,常に起きられる状態にあると信じたい。それとも菅さんに委任しているのかな。それはないな。危機管理に空白の時間帯があると考えた方がいいだろう。フクシマ危機の際,海水注入に関して信じ難い官邸,経産省,東電本社,現場責任者の間で伝令ゲームが起きた。そして原子力委員長が気にしていたのは自身の入浴と常飲している薬だった。健康診断書の提出と宣誓を議会にさせたらどうなのか。無責任の連鎖が危機を招致した。誰が責任者で誰が指示命令しているのか,適当に物事を進めていくのが日本流である。それを具現化するのが無限に続く会議である。無責任にするために会議を開くのだ。日本は戦争を始めたときも,止めるときも信じ難いほど会議を重ねている。日本は到底,戦争するのは無理だ。しわよせが現場に降りかかるのは目に見えている。

戦前日本の対中アヘン商いルートは今では逆流となった。対日向け覚せい剤工場は中国とメキシコらしい。最近はそれがアフリカになっているそうだ。アヘンに長い間悩まされた中国は日本との戦争に勝って,やっとアヘンを絶てた。国際条約もあるけど,麻薬取引に関しては武力解決でないと,根本対策とならないのだろう。トランプが大統領になったら,不法移民対策の一環として麻薬問題も取り上げるかもしれない。日本は台湾,中国,メキシコおよびアフリカ諸国が薬物不正輸出国だとしても武力行使できる力はない。これは戦前の中国と同じだ。トランプなら麻薬対策として,メキシコ国境を越境して特殊軍事作戦をやるかもしれない。合衆国麻薬捜査局が挙げている重要手配容疑者は全てヒスパニックと中国系だ。国際条約加盟国には不正取引を防止する義務を負っているから,軍事警察行動の大義名分はある。オサマビンラディンの暗殺同様,国家主権の侵害はあり得るだろう。

睡眠薬に関して,私のようにすぐ眠くなる老人はどうも少数派で,特に65歳以上の日本女性は不眠に悩まされるそうだ。意外であった。そういえば,家人の友人が不眠症だと言っていたのを思い出した。大脳の疲労と精神の疲労は異なるのだろうか。「心」の問題は難しいのかな。

心の病が認知されていなかった頃,武士とか支配階層の人々は寺に入った。京都の禅寺では今でも,この種のノイローゼとかを受け入れ,投薬などせずに規則正しい生活と草むしりをさせると,飲み屋で同僚が大徳寺のボンさんから聞いた話を教えてくれた。祇園のお得意さんは医者とボンさんである。治療が「座禅」ではなくて「草むしり」なのがツボをえている。手仕事は脳を疲労させるからだ。

天皇陛下はストレスのため,胃腸炎になった。首相と天皇は胃腸が弱い。両者とも世襲の息子である。好きな仕事ではないからストレスを感じるのだろうか。二人とも本当は他の仕事に就きたかったのかもしれない。その点,私のような民草は恵まれていると考えた方がいいのかもしれない。明日は草刈りをしよう。皇太子さまと秋篠宮さまは仕事(公務)を好いているのだろうか。昔のように,未成年の皇族を天皇とし,明治の元勲が嫌った上皇を復活させるか。それとも世襲天皇を廃止するか。我が日本の天皇制は仁徳あたりから確かなようだから,倭の5王以前は不確かというか,日本に文字がないので記録がない。卑弥呼は天皇ではないだろうから,日本の最初の天皇はよくわからない。

ユダヤ史も聖書の記述と考古学およびエジプト学からみると,モーセの実在は疑わしい。エジプトの碑文だとダビデ王の実在は確かだ。日本の天皇は 1800 年くらい続いている。ユダヤの大祭司は世襲といいながら世襲家がかなり替わっている。エジプトのファラオもそうだ。日本の天皇も出雲大社の宮司のような世襲職に戻せないものだろうか。以前,テレビで出雲大社の秘儀とされる祭祀をみたが,がっかりした。というのは宮司が正座していたからだ。日本人が正座するようになるのは近世以降である。古式と思われる儀式は意外と新しいのだ。天皇家も正座だから,古代の儀式をきちんと伝承しているわけでもない。神道祭儀が古代に遡るというのは明治以降が創作した伝説だろう。天皇も同性の家系(郎党)が神官職を世襲していくのがいいだろう。古代ユダヤの大祭司のようになっていく。神道には戒律がないので,形骸化した習俗になっていくのは避けられないだろう。これも廃仏毀釈の悪影響だ。神社から仏教要素を取り除いたら,原始宗教と何ら変わらない。豪州とか合衆国の原住民族の神話と同じになる。明治の役人は国体本義といいながら,中身は空っぽだった。だから,近世の天皇も含めた公家は仏教に帰依していたのだろう。

しかし,私の友人は仕事の虫と思われたのに慢性十二指腸炎を患っていた。体質の影響もあるのだろう。ストレスという環境要因だけで決定されるものでもなさそうだ。天皇家は胃腸疾病の遺伝子を継承するのかもしれない。歴代病弱な天皇が続くのは困りものだ。ヒトのY遺伝子は劣勢遺伝子を子孫に継承され男系は生物学的に絶えるようになっている。ロマノフ王朝の血友病は英女王ビクトリアの家系から伝わったとされる。ブルボン王家の惰弱王の血脈はスペイン王家のつながりから派生した可能性がある。狂女ファナである。
Queen.jpg 
古代フランク王とかヒスパニアを支配したゴート族王は領地を巡回していたにしても,夫の棺とともに転々としていたのは異常である。日本も精神的に少し病んでいたと思われる天皇が頻繁に遷都したし,異常なほど熊野詣を重ねた女帝もいた。上の絵は後世画家によるものだけれども,ファナを通してスペインの精神性と風土を活写している。棺には双頭の鷲が描かれ,神聖ローマ帝国の継承者,ローマ帝国の継承を伝えている。現代EUとロシアの対立はどちらが古代ローマの継承者かの争いともの見方も可能だ。宗教的にはオーソドックスとカソリックの対立の歴史だ。東西ローマ帝国の分裂がいまだに,ウクライナ紛争に影を落とす。

欧州王家は妃の身分が高くないと,嫡子になれず王位に就けなかったから,王家同士の血縁が深まり余計遺伝的に弱まった。犬の純血種と同じだ。英国のキャサリン妃は 800年ぶりの平民出身だ。王家は貴族平民と差別化するため,ひたすら王家同士の婚姻を繰り返した。だから,ウィリアム王子にはカールマルテルの血脈が流れているという論拠になる。エジプトのファラオもそうだった。古代の天皇も母方の血統が重視されたが,天皇が権能を喪失するに従い,母の身分が卑しくても天皇にのぼった。トルコオスマン朝の妃に近いようになった。スルタンの妃は奴隷出身だった。オスマン朝は,宰相は多種多様な人種民族がなり,まさに帝国だ。歴代首相が日本人ばかりの日本が帝国を名乗るのは珍妙であった。出自が朝鮮とか台湾の者が首相になってこそ帝国だ。大日本帝国は未熟だった。昔,阿倍仲麻呂は唐の官僚になった。唐は開かれた帝国であった。ドイツは出自がトルコ,ベトナム出身でも大臣になれる。移民の子供が日本の大臣になれる時代が来るだろうか。天皇家では身分の卑しい妃は皇后になれず,ここがオスマン家とは異なる。皇太子は皇后の子供ではないのが通例になった。徳川将軍家でも同じ状態になっている。世襲を後世につなぐ知恵だったのだろう。庶子をもうけられない状況の現代天皇家ではどうしたものか。近世大社の世襲方式でいいのではなかろうか。古代ユダヤの大祭司家系のように複数の家系が継承すればいい。神道に教義(ドグマ)はないので,修業する必要もない。作法を真似れられば宮司を務められる。天皇は神職に戻ればいいのでは。古代天皇制を西欧君主に似せて復活させようとした現代天皇制に無理があるのだ。ついでに宮内庁も解体できて,政教分離ができる。天皇に一般国民と同じように人権も付与できるようになる。到底無理か。神政一致の建前は古代律令体制から続いているにしても,鎌倉から江戸までの幕府政権の知恵は何がしかの参考になるだろう。

鎌倉幕府を開いた頼朝は清和源氏の棟梁,清和源氏は天皇の末裔。室町幕府を開府した尊氏の祖は源氏の一族と血脈が重要視されたけど,戦国期以降は下剋上となった。徳川氏に至っては土豪国人層出身だった。それが,明治になると,何ら政治的権能を失っていた天皇を君主のように仕立てあげたのが間違いの元だったのだろう。譲位騒動が大きくなればなるほど,得になる階層がいるのではなかろうか。官僚だろう。大昔は神官と言っていた。中国とかペルシャの官僚は神官ではなかった。古代ユダヤとかエジプトの神官は官僚でもあった。日本の明治機構はこれに近い。宮中祭儀が国家公務員によりとりおこなわれる現代日本は古代エジプトユダヤの祭政一致と同じ構造だ。

鎖国していた武士階層が列強のパワーゲームの恐ろしさを察知したのに,明治天皇制の官僚達がリアルなパワーゲーム感覚を失ったのは何故だろうか。ペイロードが少ないうえに命中精度が全くお話にならない弾道兵器の脅威を強調し,ペイロードが大きく必中の中韓製巡航ミサイルの脅威を無視する官僚は戦前の軍人と同じではないか。江戸期は分国制で武士の教育は各藩校が担っていた。明治以降は文官は東大,軍人は陸大海大が担った。画一教育が良くなかったのだろうと思う。文科省予算の多額を費やす東大はランキングが中国と韓国有力大学に抜かれた。日本の大学に競争がないためであろう。これは文科省が予算配分を取り仕切っているのでどうしょうもない。GHQ は何故文部省を解体しなかったのだろうか。ポツダム宣言に陸海軍の解体はあっても他の行政機構は含まれていないから仕方がない。明治の欠陥が現代の閉塞状況を招いているのだろう。欠陥のある日本を取り戻して,破綻を早めようというのか。実に馬鹿げている。現代版,尊王攘夷だな。世襲を尊ぶから,バカなリーダが輩出するのだ。バカを自覚しないからよけい滑稽だ。東條がその悪例だろう。

日本は民主主義だから,指導者が愚かではなく単に国民がバカなだけか。

参考
2016/08/10

建設機械化を禁止していた日本政府

何故ガダルカナル争奪戦があのような様相をていしたのか,正規軍同士の戦いは同じような兵器戦術を用いる限り,戦闘は互角になることが多い。ソロモン海域の海戦は日本が優位であったが,陸戦と補給は徹頭徹尾日本軍の大敗であった。

日本軍の輸送船が米潜により沈められ,大陸から引き抜いた訓練の整った師団を南洋に送っても,重火器および軍馬トラックのない丸腰で揚陸する事がよくあった。補給で大変なのは食糧と弾薬だった。これはフリードリヒ大王の時代から変わらない。それまでは火砲とは攻城のためであって,野戦では大して役にたたなかったのが,密集した歩騎をバラけさせるのに有効だった。西欧の軍事革命である。その砲兵を最も知悉していたのが砲兵士官だったナポレオンだった。西欧軍はパンがないと戦えない。軍にパン焼き馬車そして売春婦がともに移動した。焼きたてのパンの代わりにビスケットと缶詰そして女なしの国民軍を確立したのがフランス共和国だった。

日本軍も西欧スタイルの軍を目指したのだが,飯盒炊飯と慰安婦が欠かせなくなってしまった。皇軍は明治以前の状態に戻ってしまった。サーベルも軍刀(指揮刀)に回帰した。山本五十六とか大西滝次郎の写真をみると,航空派だった海軍提督ですら軍刀を愛用し始めた。

大砲のない師団は戦力として大した意味がないのだが,島に送り込んだからには食糧を送り込まないことには飢えてしまう。どうも日本陸軍は戦力を歩兵の数で判断していたようだ。これも歩兵科偏重のせいだろうか。人的戦力に限ればガダルカナル陸戦では日本軍戦力が上回っていた。それなのに敗退した。それは支援火力,大砲がなかったせいだ。大砲を移動するには軍馬トラック何より軍道がないとお話にならない。

米海兵も日本陸軍歩兵も移動の基本は背嚢を担いだ徒歩だ。火砲は高所に据え付けねばならないのでトラクタと軍馬が欠かせない。ガダルカナル戦記を読むと軍馬の記述がない。軍馬の揚陸にことごとく失敗したのだろうか。戦間期の米海兵の揚陸教本だと軍馬の記述があったのに,日本軍の前に現れた海兵の装備は一次大戦の余剰ライフルだったけれど,軍馬はなかった。合衆国は軍馬なしで2次大戦を戦った唯一の大国だった。

日本がフィリッピン侵攻して鹵獲した兵器で最も現地軍で取り合いになったのが牽引車両トラクタだった。米軍は撤退の際,トラクタの破壊が徹底していなかったようだ。無限軌道牽引車両は合衆国の農民が発明し,第一次大戦時の英国がこれに目をつけ,武装を施しタンクと称して前線に投入した。近代戦車の登場だ。日本陸軍もトラクタの重要性を認識し,対中戦が深刻になる前は驚異的な生産数の伸びを示していたが,弾薬消費とか戦費に食われ砲兵に装備できず,軍馬に頼っていた。その軍馬も不足していた。

一方,農用トラクタから発展した建設機械は大恐慌にもかかわらず,キャタピラ社とかが大きく成長していた。どうも,関東大震災後の大不況下の日本政府は不景気対策としてこの種の建設機械の発展を阻害していたようだ。高橋是清のデフレ対策に構造改革はなかったというか,産業構造変革にブレーキをかける政策が取られていたようだ。江戸期に馬耕から人力耕作に移行したように,土木建設も同じような事が昭和期に起きていたようだ。現代の構造改革が進まないのも歴史的にみたら,不思議はないというか,黒田日銀総裁のデフレ対策は高橋是清と重なる。

改革どころか退歩が日本では起きているのだ。畜力機械力を嫌悪する体質はおそらく奈良期に遡る。立派な道路を建設しながら馬車牛車が奈良京都の関西では普及しなかった。海軍が基地設営機械に関心を持ち,国産に補助金を出して開発したとしても,合衆国の民間建設機械のレベルには到底達しなかったのではないか。それら機械を操作して南洋の飛行場建設に携わったのは徴用された労務者だった。当時,労務者といえば朝鮮人を意味していた。

米海兵揚陸展開直後
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第二飛行場建設後
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日本海軍の設営隊は実質,朝鮮人徴用労務者だった。その証拠に,合衆国は捕虜収容所を兵,士官そして朝鮮人とに分けた事でも裏付けられる。日本海軍を若くして退役して,南洋諸島の開発に乗り出し,海軍の基地設営に関わった人がいるはずなのだが,検索しても出てこない。誰だったか。

現代日本の沖縄では普天間飛行場の移転工事が進まない。沖縄の土木建設事業に国費を投じても,県民は新潟県のように中央政府になびかない。札びらで頬を叩かれても応じない。私は大手の若手研究所員に札びらで仕事をさせると聞かされた。金が欲しければ,アイデアを出し研究実務をしろという事だ。役所とか大企業は予算をちらつかせて業者を使いまくる。沖縄の人々はそうはならない。過去の酷い体験のせいなのか,それとも県民性なのか。私はもう大企業の下請けをやる気が起きない。そんな心境の沖縄県を札束でコントロールしようとする現政府と防衛省施設局だ。お役人とか大企業はパラダイムを変えられないのだろう。沖縄県出身者をリクルートして沖縄県に工事計画から実行まで担当させたらどうなのだろうか。施設局とゼネコンの利権なのでそうもいかないのだろう。赤字国鉄の元凶となった鉄建公団と国鉄の関係みたいなものか。1930 年代以降の戦前の軍事費は戦費が過半だけど,現在の防衛費は人件費と装備建設費が大きな割合を占める。戦費がかさまないようにするのが肝心だ。

米海軍が建設したガダルカナルの第二飛行場は元の日本軍飛行場から数マイルしか離れていない。南側の高台から遠望したら,東の飛行場建設は手に取るようにわかるだろう。日本軍が察知しないということは,西側に撤退した残兵は偵察をしなかった。設営隊だから地図も分かるし,密林分け入る事もできただろう。しかし設営隊の実質は朝鮮人徴用労務者ばかりで偵察どころではなかったのだろう。食糧もないし。この方面は海軍担当だったから,海軍航空隊の偵察はどうだったのだろうか。

B-17 が1942 年7月31日以来,1週間連日ツラギとガダルカナルを爆撃している。輸送船団とその護衛部隊の第62任務部隊と機動部隊の第61任務部隊はコロ島での統合上陸演習を28日から31日にかけて実施した後,ガダルカナルへ向けて31日深夜,抜錨した。沖縄に至る水陸両用戦の第1歩だった。日本軍の航空攻撃で米軍の揚陸を遅滞させられたのはガダルカナル戦だけである。揚陸した第1海兵師団に第1土木工兵大隊と第1海兵工兵大隊が属していた。日本軍の滑走路を拡張し,10日もしくは12日に PBY が最初に着陸した。終戦時マッカーサの先遣隊が横須賀に来る前に,横須賀飛行場に最初に飛来タッチダウンしたのも PBY とされる。米海軍偵察救助部隊の不思議な一面だ。米海軍は鈍足な飛行艇を夜間哨戒と飛行場のない島への連絡機として使用した。ガダルカナルへの海軍施設大隊の指揮官は飛行場が整備されていないためだろうか,PBY で任地に赴いている。8月20日の事だった。

戦艦金剛榛名がヘンダーソン飛行場を砲撃した10月13日には第二飛行場の発着が可能になっていたようだ。日本海軍設営隊は朝鮮人徴用労務者が中心なのに対し,米海軍工兵 Seabees は正規軍人だった。ガダルカナルには第6海軍施設大隊が数回に分けられて派遣された。機械工と Aviation バッジを有する整備兵はいち早く送られているが,米陸軍はそんな状況にもかかわらず悲観的にとらえていたようだ。戦闘下での工事の危険性と捕虜になった時の待遇を考慮しての事らしい。将兵は戦時国際法により保護されるが,民間人は対象とならない。

日本の国会で論議のあった有事法制は日本の軍事行動に付随する徴用民間人の考慮がスッポリ抜けている。空自は航空機の分解修理ができないから,徴用民間整備工が要るし,海自は輸送船を操船しないから徴用船員,陸自は大規模な工事設営はできないから土木重機から電気工まで民間徴用を要する。戦国期は領主城主自ら作事に携わったのに,泰平の世になると公儀の金で作事は下請けに依存するようになった。

第二次世界大戦ではアイスランドグリーンランドからから南太平洋までの飛行場ポンツーンを建設した。米海軍工兵大隊の定数はおよそ日本海軍がガダルカナルに送り込んだ設営隊員の半数だ。作業効率は倍以上の桁違いだった。内南洋,台湾,小笠原,沖縄および本土沿岸すら防備建設が全く整っていなかった。それは避難および地下設備が皆無だった事が立証している。そもそも避難計画がなかった。日本が真剣に考えた避難計画は松代大本営くらいではなかろうか。大東亜共栄圏は張り子の虎だった。それは今でも変わらない。石油備蓄基地,石油ターミナル,原発などは無防備というか,防衛計画はないだろう。尖閣沖縄に防衛予算をさく前にやる事がいくらでもあるだろう。ガダルカナルは一大後方基地に生長し,やがて上陸戦陸兵の訓練休養施設になっていた。1945 年の沖縄戦頃になると,米兵の間に厭戦の感情が出てきた。ドイツ降伏後は合衆国本土でも,もう戦争は終わりだの雰囲気になった。そこにコストパフォーマンスが最高の原子爆弾が B-29 で運搬できたから,政治家だったら使用するのは当然だし,合衆国民にはトルーマンの評価が高い。国民の犠牲を減らしたからだった。敵国の悲惨さがあってこそ自国が安全に保たれる思想である。いまだに国際法は核兵器使用禁止に至っていない。核兵器は使える兵器なのだ。なにかおかしい絶対平和主義が中国朝鮮ロシアに囲まれてもはびこるのは不思議だ。国内に核シェルタがある都市はあるだろうか。例えば,日中の領土紛争が激化して,中国が核を沖縄に一発打ち込めば,沖縄県民はどうする。本土はそれでも継戦するのか。合衆国が沖縄から撤退する意味はそんなところだろうか。ウクライナは東部2州をロシアに併合されて,小康状態になっている。シリア危機にも合衆国は地上軍を派遣しなかった。かつて合衆国は日本の満州侵攻を激しく非難した。中国の尖閣領有要求に関して,合衆国は関与しない立場だ。コミットしてもお金にならないからだ。南シナ海はガス田と石油が期待できるので中国の権益独占にコミットするのだろう。東條は日本が南部仏印に進駐しても,合衆国が最終通牒を発するとはおもっていなかったようだ。

合衆国共和党 GOP のミッションにある海岸の防衛は東西海岸からその手が伸びて,世界一周になっている。その合衆国も覇権にかげりがみえプアホワイトの割合がアジア系の貧困層と拮抗する時代になった今,GOP はもはや金持ち白人の政党ではなくなるのかもしれない。西欧はリーダが代わると政策が変わる。トランプ対策をしなければならない。対中対策よりも迅速に対応しなければならないのだろうが,日本には諜報機関がない。トランプ大統領の下では誰が国務国防長官になるか。日本の外務当局は読めているのだろうか。

対日外交は戦中戦後はハル,ダレスだった。軍事戦略はマーシャルが描いた。欧州を優先し,アジアは中国ソ連に日本を牽制させる政策だった。昔も今も大国のパワーゲームにコミットする力量は日本にはない。世襲の指導者に一体,何ができるというのか。そして情報機関もいまだにない。せめて合衆国のシンクタンクに研究生の名目で要員を送り込んだらどうだろうか。まずは,米中に大量の留学生を送ろうにも留学に関心がなくなっているので無理か。日本人は精神的に江戸期に回帰しているのかな。尊王攘夷もそのうち復活するか。諭吉の脱亜入欧は夢のまた夢だった。

沖縄の航空特攻を含む九州基地からの出撃は米軍揚陸に何ら遅滞を生じさせなかった。それでは何が米軍を遅滞させたか。それは天候と工事だった。欧州陸軍航空隊8千機を運用するにも沖縄の工事は進まなかった。B-29 が沖縄から出撃したのは終戦の年8月15日であった。長崎に原爆投下したボックスカーは帰途読谷飛行場に燃料補給のため着陸した。第8航空軍司令部は欧州から7月16日に移動していた。

1945 年太平洋は海軍の時代から核による空軍の時代に変わった。合衆国の核の傘も怪しくなってきた。NPT は果たして機能しているのだろうか。核兵器はローコストな大量破壊兵器であるから,大国は手放そうとはしない。日本の周辺国は隣国の韓国と台湾を除けば,他は全て核保有国である。北朝鮮が崩壊したら,統一朝鮮は核保有国になるだろう。日本はどうするのだろうか。

ガダルカナル戦で米海兵第1師団は戦闘兵力の 20% を失った。日本の川口支隊はそれ以上に損耗し,戦闘能力を喪失した。ヘンダーソン飛行場を砲撃できる地点を確保したとしても,その火力は山砲1門,迫撃砲2門だけだったらしい。

戦前の満鉄スタイルがいまだに,沖縄そして東電がそうなりつつある。3.11 以降日本は全体主義に傾斜し始めたのだろう。そして天皇の譲位騒動だ。政治も民進党が分裂して翼賛体制ができるのもまじかだろうか。我々は統制されないと不安なのだろう。旧いものを温存し,旧弊にしがみつく。世界の趨勢に取り残される不安より自己の殻に閉じこもるのが安心なのだろう。一人の放射能被曝死者がいないのに脱原発となってしまった日本。隣国の核による恫喝も戦中の防空頭巾と竹槍で気休めとするのと大した違いはないか。

航空戦力の支援がなければ,1000km 離島の決戦をすべきでないとする,17軍二見参謀長は左遷後に予備役入りとなってしまった。日本はガダルカナル戦域で39隻の輸送船20万総トンを失った。一方,確か日本海軍は米輸送船を1隻沈めただけだ。さて,中国海空軍相手に自衛隊はどんな商船保護対策を考えているだろうか。多分,何も想定していないだろうと思う。この種の訓練とか目にしたことがない。真剣に考えたら,イージス艦偏重の装備にならないだろう。イージス艦は昔の戦艦巡洋艦同様,潜水艦を攻撃する手立てがない。

ガダルカナルに接近する上陸部隊と機動部隊を日本軍は察知できなかった。また揚陸した 19000 の兵力をどういうわけか 2000 と見積もった。日本は敵機動部隊がどの方面にいるのか不明なのに,米海軍は暗号解読した結果,活動を大体把握していた。インテリジェンスが弱い日本は戦争どころかパワーゲームにも不向きだろう。プリンシプルがはっきりしないから,目先の事に走ってしまう。人的資源を浪費するのはどうにかならないのだろうか。誤った国策は破綻までいきつかないと修正できないのだろうか。太平洋戦争の敗戦にもかかわらず,国防政策にその反省がないのは何故だろうか。関心がないのだろう。実際,わたしも軍のトップ以外は誰だか知らない。合衆国だと連邦議会軍事委員会が国防長官を査問して,何となくわかるのだが。民主党政権の時,P3C と PAC3 の区別ができない防衛大臣がいた。ネットの説では,軍機は防衛大臣に知らされないそうだ。そもそも防衛省に軍機がないという説もある。自衛隊の暗号強度が話題にならないな。どうみても中韓露との武力紛争は無理だな。

日本海軍のインテリジェンスの欠如が補給戦の失敗になった。米陸軍が懸念した補給を米海軍は C-46 とジープ空母と称された護衛空母の活用でしのいだ。これを現代の日中紛争に置き換えたら,大した違いはないのではないか。インテリジェンスの欠如と補給の無関心だろう。日本は島国なのに海の重要性とか活用に無関心なのだろう。日本商船は船員の多くが外国人だ。海自はフェリーの護衛とか船団の護衛訓練は全く関心がない。日本の潜水艦は中国原潜を追尾できない。中国との有事となると,沖縄への補給は航空機に頼らざるを得ない。その輸送を担う ANA と JAL もパイロットは外人だ。日本単独では沖縄の防衛は不可能なのだ。巡航ミサイルを有する中国が沖縄封鎖宣言したら,空自と海自は手も足もでない。沖縄への補給はガダルカナルのようなネズミ輸送になるだろう。沖縄の飛行場は穴ぼこになる。沖縄を守るには中国本土の海軍基地を叩かねばならないが,自衛隊にそんな手段は皆無だ。だから中国は強硬になる。せめて巡航ミサイルくらい保有したらどうだ。F-35 の購入維持整備に比べたら,安いものだ。金食い虫の航空要員は空自の既得権になっているからどうしようもないのだろう。日本は島国なのだから,せめて低空レーダと対空哨戒の無人機 UAV くらい整備したらどうか。戦前陸軍の歩兵科偏重,戦前海軍の戦艦偏重と同じで変わりようがないのだろう。

いっそのこと沖縄を放棄したらどうか。それが嫌なら,インテリジェンスと補給を考えた装備を整備すべきだろう。明治政府による琉球処分の前は沖縄の宗主国は建前にしろ清朝だった。現代中国も沖縄を香港のようになったら満足するのではなかろうか。沖縄の施政権を中国に割譲したらどうか。

地球温暖化の影響で半世紀後,沖縄はマラリアデング熱がはびこり,本土人には住みづらい環境になる可能性が高い。沖縄に赴任する本土出身自衛官は家族帯同を嫌うだろう。沖縄県民自身が軍警察を組織するようにならなければならないが,香港人と同じように防衛に関心がないだろう。

さてガダルカナルの第2飛行場の正式運用は 1943年1月からのようだ。整備工場,滑走路は排水設備,舗装そして掩体壕の完成からだろうか。海軍工兵に航空整備兵を配属していたのは,空の帝国にふさわしい。

参考
失敗の本質 p128
日米陸海軍基地 p209
2016/08/06

2019 年増税は可能か

現政権は消費増税を見送った。それでは 2019 年に増税は可能だろうか。自民党が衆参多数を占める限り,無理だろう。という事は現首相は 2019 年に辞めるか。また先送りするかどうか。私には皆目見当もつかないが,何がしかの対応を個人的にしておいた方がいいだろう。

日本は過去20年,ゼロ成長を続けてきた。日本の成長分を中国と韓国が吸い取ったと考えてもいい。ひらたく言うと,中韓との競争に負けたのだ。家電,通信機器がそうだ。自動車産業と農業だけが,国内市場を賄っている。しかし自動車輸入関税はゼロだが,農産物は関税を課している。

日本の農民が危惧していた TPP は合衆国議会の批准が通りそうもないので,今後は中国がイニシアチブを取る事態になった。つまるところ合衆国は対中包囲網に関心がなくなった。資本家も農民も TPP による交易よりも中国との交易に期待を持っているからだ。日本の1億3千万人の市場よりはるかに多くの農産物が中国に売れると考えている。既に中国は 2009 年に世界最大の自動車生産国になっている。中国はもう農業国ではないのだ。合衆国産の農産物を購買消費する工業国だ。30年前の日本を思い起こせばいいだろう。どうも,2019 年頃からボルボ等の中国製自動車輸出が軌道に乗りそうだ。ワリを食うのはどのブランドだろうか。合衆国の主要自動車ブランドの販売推移をみると,スバルは現代を越えつつある。これをみると,やはりエンジンとか変速機の独自性を発揮,差別化する戦略が,ある程度有効のようだ。私は日産ゴーンの電気自動車世界戦略は失敗するとみている。寒冷地では全く不向きだからだ。

現段階では 2019 年の増税は自公多数の状況もあって不可能ではなかろうか。そのとき,首相の首をすげ替えるのだろう。そんな米中外交環境のなかで,為替,金利および株価はどうなるだろうか。2020 年の東京オリンピックまでは財政支出が景気の落ち込みをある程度支えるだろうが,構造改革を先送りしているので成長は今と同じマイナスもしくはゼロだろう。こんな状態で株価が上がったのは異常金融緩和によるバブルだった。バブルがはじければ,平衡点に戻る。株価が暴落する時が個人だと買いに入るチャンスだ。外国人投資家をウオッチングすればいい。ニューヨークと上海の相場を注視する。

構造改革とはひらたくいうと,規制緩和のことだろう。IMF は日本の労働市場の閉鎖性硬直化を何年も指摘し続けている。官民格差(官公労優遇),正規不正規雇用格差(大企業労働者優遇)の事だ。この格差是正を求める政党は弱小政党しかないから,ヒトラーのような指導者でも現れない限りこの格差は解消しない。格差解消しなければ構造改革もあり得ず,経済成長もない。これが私の見立てだ。日本ではヒトラーのような指導者はあり得ない。織田信長,大久保利通とかろくな死に方をしていないし,天智天武ですらはたして書紀の伝えるような独裁権力を振るったか疑わしい。

指導者の選抜をどうしたらいいか。日本はイタリア政治を馬鹿にするが,イタリア議会はムッソリーニと国王を追放できたし,憲法改正もできる。日本だと,上皇を追放したのは鎌倉期だけだ。後は武力で将軍を追放している。日本は危機に備えた指導者の選抜もできないし,したがって憲法改正もできない。実に困ったものだ。やはり天皇を神輿とする体制に戻ってしまうのだろう。外憂がなかったせいだろうか。合衆国ですら,中国との対決を避けているのに日本外交は変だ。太平洋戦争は合衆国の経済力を無視して始めた。今度は中国の経済力を無視しそうだ。世界の趨勢が見えていないのだろう。合衆国の対中強硬派は国防総省くらいだろう。日本は対中政策を誤って,太平洋戦争の敗戦でチャラになった。昭和初期は中国の綿紡績業の台頭が日本の資本家と軍部を刺激した。21世紀の中国自動車の台頭は日本に何をもたらすだろうか。合衆国の農民は中国市場に期待している。親中に大きく舵をきったのが豪州であり英国だ。中国の消費者向け市場は日本大手企業も反日リスクを顧みないほど,莫大な市場となりつつある。しかし,その中国も 30年で老いる。その頃日本は瀕死の老大国になっている可能性が高い。

いかに上手に衰退して,中級国になるか。参考になるのはオーストリア帝国だろう。現代オーストリアは農業の盛んな工業国だ。そして軽装備の軍備だ。半導体製造装置とか工作機械は日本と競合している。日本は欧州と競争するような国を目指すべきだろう。それには構造改革だ。英語の苦手な日本人は英国のような金融立国は無理だろう。東アジアの金融は上海が中心になる。中国の経済を専攻する学生は英語で経済学を学ぶ。例えば東大経済学部卒と北京精華大学経済専攻の学卒の金融知識とスキルはかなりの違いがあるだろう。東大は講義の半分を英語とする目標を掲げたが,どうなのか。東大の改革すら進まないのに,県とか市レベルの教育委員会はどうにもならないだろう。学校の先生も政治家ほどでないにしても,世襲が目立つ。

今思えば,戦後になって戦前のままの官僚機構とこれまた戦前と同じ画一教育がもたらした弊害が構造改革の足かせになっているのだろう。終身雇用の教員を入れ替えるのに30年要する。東大の国際ランキングの凋落は衝撃的だった。教員の入れ替えが進まないからだ。文科省が公立校にディベートの授業を取り入れると発表したが,総合教育,英語早期教育と同様,現場教育委員会の反対で頓挫するだろう。明治の垢が今でもおちない。ゼロ成長と増税不可の関係は根底に画一教育の問題があると思う。小4の将来の職業希望が公務員では,国に未来はないだろう。でも日本も東アジアの儒教文化圏の一角だと思えば,官僚国家なので小学生は国のかたちをよくわかっているのかとも思う。日本はどうやって衰退していけばいいのか。ハードクラッシュを避けるにはどうしたらいいか。

いろいろと取りざたされる中国経済だが,パイが大きいだけに多少変調になっても経済政策の修正が可能だろう。日本は20年続いたゼロ成長が構造改革がない限り,まだ続きそうだ。韓国の鉄鋼,弱電,原発そして自動車製造が中国に呑み込まれる事態が近づくと,朝鮮半島情勢に大きな変化が起きそうだ。東アジアにおける米中のパワーバランスが崩れるのではなかろうか。日本は朝鮮半島にコミットを求められるだろうが,介入しない方がいいだろう。そんな選択が許されるはずもないか。EUを拒否した英国民の心境もわかるな。やっかいな隣国だ。

嫌味な年に東京オリンピックを迎えるかもしれない。ちなみに 1940 年の幻の東京オリンピックはリオデジャネイロとも争っていた。

日本の労働市場流動化と貧困化が同時に起きる可能性が大だ。バカな合衆国民だが,危機に対する臭覚は日本より鋭い。それが今年の大統領選に反映されている。プアホワイト(貧困白人層)の割合がアジア系貧困層と拮抗するようになった。日本は貧困層が増えても,政治に反映される事はない。政治は世襲政治家の嗣業だからだ。日本政治はマツリごとである。日本の社会は古代オリエントの弱小民族だったユダヤ人社会のように超保守的である。2000 年前の失敗にこりた現代ユダヤ人は多様性を心掛けている。ユダヤの習俗はあるが,国民の過半数は無神論者だ。日本は天皇の象徴化に失敗すると,過去の轍を踏みそうだ。2000 年前のイスラエルではヘレニズム化したユダヤ人が多数で,聖書に描かれているような人たちはごく少数だった。エルサレム神殿ではギリシャローマの神像が飾られていた。話語はヘブライ語ではなくアラム語とギリシャ語だった。政治(マツリごと)は狂信的な人たちが煽って世の中を動かそうとするのが世の常だ。結局,古代ユダヤ人はローマに反乱を起こしイスラエルは亡国の民となった。現代日本の場合は経済破綻を意味する。

日本が参考にすべき国は米中韓ではなく,タイ,オーストリアおよび英国のような国だろう。しかし TPP 挫折の影響は大きいな。合衆国にあまりにも依存し過ぎたせいだろう。安政五カ国の不平等条約改定の最終締結国は合衆国だった。今も変わらんな。

天皇のお言葉は8月8日だそうだ。天皇誕生月から,昭和天皇のご聖断のあった8月に変えた知恵者がいるようだ。生前退位は過去の上皇による院政の混乱を考えて,明治の元勲は避けたのではないか。そんな知恵も虚しい。8月8日に宣言するとは。多分,昭和天皇のご聖断伝説は国民の過半が信じているのではなかろうか。このインパクトは相当なものだ。政府役人の悪知恵は大したものだ。天皇の宣言に対して,国会は何の決議ができるというのか。天皇の権威の前に世襲議員らは何もできないだろう。国会の権威が地に落ちるのは目に見える。しかし日本の歴史を思えば,妥当なところか。日本国の成立が日本書紀の頃とすれば,天皇は絶えず日本の中心にあった。中国とか合衆国のような外国はそう見なかっただけか。

参考