2019/12/10

脱亜入米と貧困率

私は壮年期をバブル崩壊後のゼロ成長そして低成長を過ごしてきた。ここ数年都市部の地価が上がり出した。異次元の金融緩和が常態化して,金利はゼロのまま,そして株価は上がりぱっなしだ。しかし,実経済に関する知識が乏しく市場を我ながら,自分の頭で判断できない。

経済成長はゼロに近いので,名目 GDP が増えないが,一人当たりだと人口が減少しているので増加している。人口が減り住宅の需要が減少するし,工場も減るから地価が下がりそうだが逆に上がる。日本の株価は合衆国の株価と連動して変動している。

日本の一人当たり GDP は 2000 年代に台湾に抜かれた。台湾の高成長もあるかもしれないが,他のドイツとかの国と比較すると,2005 年位から日本の伸びが鈍化している。経産省は日本経済の低迷の原因を労働生産性の競争力低下としている。実際,日本の製造業労働生産性は 2005 年を境に急激に低下している。これは労働生産性の高い大企業が工場を海外移転したのと,政府による異次元金融緩和による円安効果のせいだと思う。1995 年頃に労働生産性ランキングが15位に上昇したものの,今では以前の20位以下に低下した。しかし実際は,G7の時間当たり労働生産性をみると,1970 年から 2016 年まで日本は ずっと19位ないし20位である。

日本の中小企業の長時間労働は有名である。西欧の労働者は産業別だが,日本は系列別である。その悪弊が関電経営者の関連会社による「小判」賄賂だろう。地元経済活性化の下での出来事だ。元は経産省の振興策である。この政策は太平洋戦争を目前とした総動員体制の 1940 年に遡る。アトキンソンは生産性の低さを「中小企業基本法が諸悪の根源」としている。1964 年に OECD に加盟し,その前年に中小企業基本法が制定されたらしい。一理ある。

老人になって実経済を学ぶのは遅すぎる。でも自分なりに学び考え,市場についてアクセスしようと思う。「学校教育で教わらないことは自分で学ぶしかありません」とあった。

貧困率
日本は合衆国と比べ,貧富の差がないというプロパガンダが広く当たり前になっている。しかし,OECD の貧困率チャートをみると,日本は合衆国と韓国並みに貧富の差がある。文明開化のお手本は大英帝国だった。英国のアヘン及び植民地政策を踏襲して,朝鮮を併合しシナにはモルヒネを輸出したが,貧困対策は皮肉にも真似なかったようだ。階級社会である英国の貧困率が日本より低いとは意外だった。

戦後は民主化されたから,これは国民が選挙により選択した結果だった。敗戦後,お手本を合衆国に替えたのが良くなったのか。「自己責任」が強調される。脱亜入欧ではなく,脱亜入米に切り換えたものの,教育の民主化は失敗した。せめて,文部省を解体して合衆国のように教育の民主化をはかっていれば,新しい「士農工商」が蔓延る事もなかったかもしれないと思う。それには精神の自立が必要だったのだろう。日本の成人男子の自殺率は合衆国と同じく欧州より高い。これも皮肉だ。

参考