2020/06/17

ホンダシステムCIOと空自幕僚長

ホンダはシステムが脆弱だ。これで2回目だ。マルウェアに汚染された。
mds.honda.comは社外に公開されておらず、社内で使用されるドメインだったと推定されている。Office 365が動いていたらしきo365.mds.honda.comも存在する。(6月9日時点で404)またサブドメイン上である社員のRDPが稼働していたとする報告もある。
CIO が誰なのかサイトを見てもわからない。どうも Senior Managing Officer Toshihiro Mibe らしい。諸管掌が彼に集中している。
Senior Managing Officer Executive in Charge of Monozukuri (Research & Development, Production, Purchasing, Quality,  Parts, Service, Intellectual Property,Standardization and IT) Risk Management Officer President and Representative Director, Honda R&D Co., Ltd.
一人で全てこなしているのか。超人的だ。その反面 Director の数が目立つ会社だ。組織が大きく複雑になるとやむを得ないのだろう。日本陸海軍も肥大化結果,本来目付に過ぎない参謀本部軍令部が暴走した。提督将軍はお飾りと化した。シナとかソ連軍のような軍隊になってしまった。

障害者高齢者向けのいい設計していたのに残念だ。Amazon のベゾズと Facebook のザッカーバーグはホンダに乗っている。

プログラミングをしないシステム責任者が外部に委託すると問題が発生する。銀行だと新生,みずほ。交通だと全日空,メーカだと三菱重工,三菱電機,サービスだとベネッセだろうか。

軍隊だと飛行機を操縦できないのに機長,馬に騎乗できないのに騎兵隊長みたいなものだ。日本海軍は典型的な役所組織だった。機長は航法担当だった。二式大艇とか1式陸攻のように搭乗員が増えると,機長は航法すらしなかった。上層部ほど楽な組織だった。その頂点に責任を問われない大元帥の天皇がいた。空自も搭乗員経験のない田母神を幕僚長にした。戦前だと参謀総長軍令部総長に相当する役職だ。何故そのような事が起きるのか。江戸期の島原の乱以降,戦闘はなくなり政治の文官化が進んだせいだろう。無名の軍事指揮官が徴兵により国民兵を死に追いやった。その最たる者は牟田口だろう。異論を認めない,一君万民の大日本帝国は歴代シナ王朝同様,瓦解した。天皇官僚制による中央集権政治を続ける限り,崩壊を繰り返すだろうと思う。ムスリム学者は5世代 150年周期とした。1945 年を崩壊とみなせば,ガラガラポンは 2050 年だけど,経済はそれまで持たないだろう。

仮想通貨取引所のマウント・ゴックス(2014)とコインチェック(2018)の詐取 480 億円と580 億円もあっけなかった。マウント・ゴックスは同業者に盗まれた。コインチェックはシステム責任者が狙われた。北鮮はどうやってバングラデッシュ中央銀行をハッキングできたのだろう。イスラエルのセキュリティ会社によれば,スマホから盗む手口が簡単らしい。WiFi はその入り口か。

王の軍事顧問として陸軍参謀本部が発達したように,会社の CIO は第三者の実務経験者がいいのだろうと思う。昔の国鉄は自前で MARS を組んだ。システムに強いせいか,現在のJRも障害を殆ど起こさない。発券印字も,令和に合わせ,何ら宣言することなく和暦から西暦に変更した。コンピュータの暦は西暦だから,その方が合理的だからだ。

コロナの10万円給付申し込み書が郵送されてきた。市独自の対策のリーフレットには西暦表示なのに,申し込みは和暦だった。わが市の申請書は西暦OKだが,徴税は頑固に和暦だ。財務省が和暦を認めないので,地方都市としてはどうしようもないのだろうと思う。多分,法務省も西暦は不可だろう。今回の黒川検事長と財務省の佐川局長には品性が乏しく傲慢さを感じるのは土民のひがみだろうか。

戦前の陸軍だと,陸士を出て陸大参謀コースに乗ると,そんな人間が当たり前だった。日本の官僚制度はどうも優れた公務員選抜では なさそうだ。有事になると,防衛官僚がどう豹変するか。怖い。防衛官僚の増長を防止するには思いやり予算を増額して米軍に頼るしかないのだろうか。米海兵はグアムどころか,豪州まで撤退する事を明らかにしている。日本へのオーバコミットメントを避けたいのだろう。

最近,ボケてインターネット開発環境変更を放置したままになっている。個人でできるスキルに合わせて,面倒と思わずトライするつもりだ。

参考
2020/06/10

生物兵器新時代と大統領選

合衆国の大都市がこうもコロナに脆弱だとは思わなかった。北鮮はコロナの培養を始めているだろうと思う。感染力と毒力を遺伝子操作で調節すれば,従来のワクチンでは対応できないコロナは簡単にできる。被験者は強制収容所内の不適格国民だろう。生物兵器のヒト一人殺すコストは核兵器の 1/2000 だそうだ。本当かな。これは1万人単位の話だろう。遺伝子解析装置とか PCR 装置は簡単に製造できる。輸出管理は野放しだろうか。家族単位を狙うなら,1/2000 どころか1億円単位でできるだろう。

国内ワクチン開発体制
NHKが国内企業のPCR装置を記事にしても,株価はほとんど反応しないのには驚いた。ワクチンを開発するにしても,スクリーニングする際,処理時間が半分になれば開発時間が半減,台数は半分に済むのだが,陳腐技術だから当たり前のような気もする。日本のような現場では処理時間の短い装置は嫌われる。省力化になり,コーヒタイムがなくなるからだ。

タケダ薬品は横浜とつくばに研究所を設置したけど,おそらくヒトの問題でさらに合衆国に移転した。日本人製薬研究者はパフォーマンスが低かったのだろう。合衆国だと優秀な研究員を安く雇用できる。解雇も簡単だ。しかも守秘義務罰則は合衆国の契約法律が適用され,研究者にとり成果物を盗む出すのはリスクが大きい。日本には多くの医学部薬学部があるのに残念だ。

日本の製薬大手はコロナワクチン開発をしない。理由は簡単だ。競争しても欧米に勝てないからだ。安倍の言う官僚の作成した世界に貢献するワクチン開発とは何を指しているのだろうか。自衛隊の兵器開発と似たようなものだろう。方法は確立している。問題はいかに迅速にできるかだ。やる前から,欧米に負けるのは自明だ。補助金をバラまくだけだろう。

トランプ再選とコロナ初動
日本がモタモタする間,韓国と台湾シンガポールの対応が速かったのは軍政府の防疫体制がしっかりしていたせいもあると思う。合衆国も不意をつかれた。下から上がってきた報告書を大統領に揚げなかった顧問も大した事がないのか,それとも無能な働き者ばかりが周囲にいただけか。日本最大の悲劇は東條が天皇の無能な働き者だった事だ。

トランプは戦争とか危機を煽らない限り再選は難しいと思う。安倍内閣もバイデンが当選する可能性を考えて動き出しているだろうか。ソフトバンクの孫はトランプに一早く面談して,自社価値を世界企業に上げた。ドコモとかauにはできない芸当だった。不良資産だったスプリント合併の司法省承認を得た。

トランプは CDC 予算を 1/10 に削減した。彼への献金元トップは不動産業者である。製薬関係はない。ビルゲイツが予測した危機が当たった。エボラの状態を知りながら,予算を 1/10 にした。研究プログラムに人件費が充当されているから,相応の人材が解雇された。合衆国,韓国台湾からウイルス疫学オルガナイザをヘッドハンティングしたらどうだろうか。実際,日本は潜水艦開発をそうした。日本の潜水艦技術の源流はドイツのUボートである。川重が1次世界大戦後,ドイツ人技術者を雇用したからだ。正史では日本海軍艦政本部だが。トランプはコロナをパールハーバに例えた。一理ある。準備できている筈なのに,不意打ちをくらったからだ。ルーズベルトのように禍を挙国一致に指導できるかどうか。2020年大統領選の選挙資金はバイデンが急伸している。

合衆国キリスト教主流である福音派に媚びて,ホワイトハウス近くのデモ隊を蹴散らして参拝したものの,手にしていた聖書は借り物だった。失笑ものだ。敬虔な信者だった元大統領カータのコメントを聞きたい。危機を醸成できない限り多分,トランプ再選はないだろう。選挙資金の動向をウォッチングしよう。

Campaign.png

少ない選挙資金を有効活用して,トランプはヒラリーに勝利した。戦争するなら,金の効果運用に長けているトランプは実に嫌味な相手である。野球監督に例えると,野村とか落合だろうか。バイデンは原か。合衆国は選挙戦を勝ち抜いた勝者が国を戦争指導する。世襲指導者国家の日本は絶対,戦争をしてはならないというかできない。案外,麻雀が得意だった黒川は指導者向きだったかもしれない。彼は政治家になるべきだった。

ニクソンはポーカの名手でキッシンジャーを使い回した。一方,無能なレーガンはシュルツの助言に従った。策を弄するトランプか凡庸なレーガンタイプのバイデンか。バイデンの息子がロシアとつながっているのが気になる。ロシアの初期新興財閥は合衆国資本の手先なので,ほとんどプーチンに潰された。国際政治は金の流れと軍を見ていれば大体,間違いない。軍事に疎い田中は墓穴を掘り,中曽根は合衆国の庇護の下,権力を手にした。合衆国は日本の外務大臣より防衛大臣を評価する。防衛省利権は外務省とは桁違いだからだ。河野は良いポストをゲットした。

コロナ出動で該当自衛隊員は最大15万円のボーナス増額となった。朝鮮有事だと,どれだけの手当が必要になるのだろうか。我々徴用工も当然ながら,支給される。英歩兵の基本週給は1万5千円くらいである。朝鮮有事が起きたら,国庫が破綻する。コストパフォーマンスの良い核兵器がないと,抑止はどうにもならないだろう。合衆国がリスクを冒して北鮮に核攻撃するだろうか。どうみてもあり得ないだろう。強い指導者を演じようとして日本への核攻撃を裁可したトルーマンですら,朝鮮戦争では使用を認めなかった。

北鮮製毒力強化コロナ散布戦にどう対応するか,ワクチン開発体制をどう整備するのか。また,官製マスクを配給するのだろうか。防空ずきんと大した違いはないな。悲しい日本国だ。N95 対応だと子供用とかいろんなサイズを作らねばならない。合衆国はその準備を始めているだろうと思う。まあ,一次大戦で毒ガス戦を経験したかどうかの違いはあるにしても,核攻撃を食らっても防御努力をしないのだから,「南無阿弥陀仏」もしくは「何妙法蓮華経」と唱えるしかないのか。それともマスクして天皇陛下万歳だろうか。

放射能にも効果のあるマスクとして配給されるのかな。一時給付金で家族用に対放射能防毒マスクを購入しようと思う。防毒マスク着用の通勤通学生の記事がない。何故防毒マスクを着用しないのだろう。犬猫の首輪と同じで,小学校で装着訓練をしておけばいいと思う。本来なら,防衛省当たりが提案しなければならないのだが,文科省利権でどうにもならないのだろうと思う。電車通勤にまともなマスクを着用したらどうだ。有事対応訓練にもなる。

そのうち子供に特化したウイルス兵器も開発されるだろう。恐ろしいが仕方がない。合衆国が川崎病との類似を発表したが,後報がなくなった。その子供を襲ったウイルスの型変異はどうなっているか。合衆国の国家機密なのだろう。それを探るのが諜報機関だが,日本には諜報機関がない。合衆国は外傷ショックを緩和する血液製剤(生もの)を国家機密にして,第2次世界大戦に臨んだ国だ。

コロナ遺伝子型と個人の遺伝子型の相関性は何がしかあるだろうと思う。そのうち遺伝子検査でコロナ耐性を検査可能となるだろうと思う。まあ,今回のコロナ耐性は年老いた白人黒人が弱かったのだろう。そのうち,また西欧で黄禍論が蔓延るだろう。免疫と検疫。モンゴル系ムスリムを抱えるロシアはどうするだろう。ロシアのナチス化の可能性はいかほどか。中露同盟も呉越同舟だろう。そう考えれば日米同盟も不自然だ。風前の TPP をどう活かすか。日本が率先して譲歩して合衆国を引き込みたいが,日本の最強既得権益層(農民)を考えると絶望的だ。血を流せない日本はどうしたらいいのだ。とりあえず簡単な核武装だろうか。しかし,核武装しても腹の足しにならない。人口を自給自足できた江戸期まで削減するくらいか。

まあ,今回のコロナ騒動で,大企業ではいかに不要な社員を雇用しているのわかった。長い目でみれば,多数の記者を抱えている在京新聞社テレビ局も淘汰されていく。これも良い事だ。それにしても,門戸開放を主張していた合衆国議会はその面影すらなくなった。自由貿易賛成は 20% に満たない。日本は対中交易依存を高めるしかなさそうだ。見返りに尖閣割譲と米軍沖縄撤退の時代が来そうだ。問題は食糧と油だ。両者の輸入は中国と競合する。どちらも資源は有限だから,逆 OPEC が必要だろう。

平日の大統領選挙投票に行く白人層に期待しているトランプが郵便投票に噛みついたら,思いもよらないツイッター社のフィルタに引っ掛かった。後は白人層の恐怖心を覚醒させるしかないだろう。黄禍論を大統領選に出すだろうか。

中国香港自由抑圧4カ国共同声明
我が政府は米英と中心とするアングロサクソン諸国の中国の香港自由抑圧政策に反対する声明に加われなかった。自公は国民を抑圧する側の政権なんだなと感ずる。我々も自由を望まない国民性なのだろうと思う。1941 年の大西洋憲章を思い起こそう。

日中露の統制市場経済と自由市場経済圏の争いか。米中の対立により,皮肉にも沖縄から米軍がいなくなり,合衆国の防衛ラインはオーストラリアに後退する。既にダーウィンに米海兵が移動した。それとも,黄禍論で日本に声がかからなかったのかな。多かれ少なかれ自国内の自由を制限している ASEAN 諸国もこの種の声明に加わらない。日本の大手メディアはテレビ東京を除いて沈黙している。気持ち悪い。中国の影響力凄いな。官邸,外務省そして自公は媚中派だらけだから仕方がない。

中国の自由抑圧に対抗できるのは頭のおかしい極右だけか。実に情けない。中国バスに乗り遅れるな。戦前も日本はシナ政策でコケた。結局,日本は欧米の金持ちクラブに入れないのか。中国寄り政策は,国民の貧困化デフレ経済の継続になる。悲しい選択だ。これも国民が選挙で選択した結果だから仕方がない。中国が豊かになる一方,日本香港韓国が貧しくなり平衡するまで1世代だろうか。以下は一人あたり GDP USドルだ。

香港 48,517     合衆国  62,606
日本 39,306     豪州     56,352
韓国 31,346     カナダ  46,261
台湾 24,971     英国     42,558
中国   9,608

参考

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2020/04/07

90式戦車隊 vs USストライカ 実戦形式訓練

レーザポインタを用いた合衆国演習場における日米共同訓練があった。審判による講評が日本人の特性を示していて,実に興味深かった。
1)漫然とした待機
2)一か所に固まる
分散配備は頭で分かっていても,難しい。歴史が証明している。分散配備が徹底しているのは砲兵くらいだろう。

最後のハイライトは,敵軍優速装甲車38両の迎撃だった。結果は,90式戦車10両のうち9両が撃破された。解せないのは,圧倒的火力防御力とアウトレンジできる距離がありながら,装甲車に撃破された不思議さである。考えられるの最高速度と加速の違いである。地形を読んで戦車を配備する戦車隊長の力量が今一つだった。隊員の一人が距離の感覚がつかめないと言っていたのが実に印象的だった。演習地は戦車戦に適した荒涼とした丘陵地だった。たった,一本の道路を突撃して来る米ストライカになす術がなかったのか。

これが,イスラエル,エジプト,シリア,パキスタンおよびトルコ戦車隊だったらどう迎撃しただろうと妄想した。速度の劣性をカバーしつつ火力防御力の優位性をどう活かすか。多分,陸自の戦車隊長は教本通りに配備し射撃開始したのではないか。映像にはなかったが,ストライカはばらけて突撃してきたのではないかと思う。これが夜戦だったら,さらに悲惨な結果になったのではないか。

米指揮官の経歴をみると,歩兵科出身でストライカは25歩兵師団に属している。陸自指揮官は機甲科出身だ。戦車の装甲に比べたら装甲車の装甲はないに等しい。高速接近戦を挑まれ囲まれて撃破されたのか。素人が考えるに何故,陸自戦車連隊長は戦力を二分して低地の道路で迎え撃ったのか。迎撃に何故斜面の高地に占位しなかったのが不思議だ。それとも90式の通信能力は考えられないほどショボいのだろうか。単にデータリンクの優劣なら,通信システムを更新すればいい。

日本人は室町以降,騎兵主体で戦った事がない。皮肉にも陸自92戦車連隊のインシグニアは白馬であった。陸自戦車隊が歩兵のように迎撃し,米陸軍歩兵師団ストライカが騎兵のように突撃した。なんか民族の歴史というか DNA みたいなものかなと思う。90式の長射程 120mm 砲が日中,口径数十mmの装甲車搭載砲に敗退する。まあ,あんな荒れ地は国内にないので実際の防衛戦は市街戦と山岳戦だから,負けてもいいのかもしれない。

それにしても米軍が陸自を招待したのだから,陸自最精鋭の機甲科をボコボコにする必要はあったのだろうか。それとも陸自戦車隊長がショボかっただけなのかな。ひとつ確かなのは陸自は戦前の日本陸軍のように戦地環境が変わっても,従来の戦術に固執するのは確かなようだ。

機甲科主力戦車が歩兵科直協の装甲車に撃破される。中東戦争のタルドクトリン瓦解を再認識させられた。それとも火力と防御力で装甲車を粉砕できると考えたのだろうか。番組では隊長らの意見は聞けなかった。非力な歩兵戦闘車両でも MBT を包囲すれば勝てるのだろう。まあ,不思議な演習結果だった。幕末の武士が採った散兵戦術の精神は何処へ行ったのだろうか。清朝末期の満兵は騎乗する事すら忘れた。高性能火器があっても戦えない。この反省を活かして,92戦車連隊は装甲車相手に訓練していると良いのだが。。。

歩兵科が機甲科をはね返す。これを覆すには機甲科のAIだろうか。戦車兵をコンピュータに置き換えれば,少なくとも陸自戦車兵がぼやいた「広すぎて。。。」の判断はなくなるだろう。何処で迎撃するか,どこまで前進するか,隊形をどうするか。多分,90式の敵捜索は目視だったのだろう。陸自戦車兵が広さを活かしたアウトレンジを採れなかった。採らなかったのか。主力戦車が開豁地で装甲車に敗退した。驚きにつきる。それとも,タルドクトリンを無力化した TOW で陸自戦車は撃破されたのだろうか。もしそうなら,戦車は歩兵にすら対抗できない。。。
The TOW 2B Aero is the most modern and capable missile in the TOW family, with an extended maximum range to 4,500 meters. 
一方,90式戦車の主砲測距レンジは「300~5000m」とあるから,同等だ。ストライカの TOW は停車しないと射撃できそうもない。90式は移動しながらの射撃が売りである。理屈道理に機能しなかったのか。それとも 5km のレンジだと無誘導弾ではヒットしないのか。レイセオンの測距儀を搭載していれば,レンジは6マイルになる。

第二次世界大戦で戦艦が姿を消したように,戦車は防御兵器として無用の長物になったのかもしれない。だからと言って,オランダ陸軍のように戦車を一気に廃止にできない。オランダには NATO の核の傘がある。日本には集団安全保障がない。。。歩兵は核汚染地域を踏破できない。
海軍前方展開部隊としての役割を予算の枠内で再構築するため、海兵隊は保有する戦車を削減し、軍用機を削減し、兵員総数を1万2000人削減し17万人程度に縮小する。
米海兵は水陸両用戦の戦車を全廃する。太平洋海域での戦車は台湾韓国と日本が担うのだろうか。考えようによっては,台韓日の軍事力がそれだけ伸長したという事か。これは経済力の反映でもある。

参考
2019/11/02

日立の車部品投資と日本電産の電池自動車投資

日立に買収されるホンダ系の部品会社 ケーヒン,ショーワ, 日信工業の買収発表翌日の株価をみた。見事に買い付け価格に張り付いた。
コード銘柄翌日始値発表日増減 [%]TOB
7251ケーヒン2,5972,29813.011314192600
7274ショーワ2,2982,2064.1704442432300
7230日信工業2,2432,1932.279981762250

何故,ホンダは部品会社を手放し,日立は自動車部品に注力するのか。日立 AMS の利益率が低いからだろう。自動運転が主流になったら,足回り,エンジン制御の部品を取り込みメーカへのシステム提案が容易になる。

ホンダの利益率をみたら,驚くほど低かった。価格競争で疲弊しつつある。栄光は過去のものだ。利益率%の低いメーカをリストアップすると,
1)長安汽車    1.0
2)ヒュンダイ 1.6
3)マツダ       1.8
4)起亜          2.1
5)BYD          2.3
5)フォード    2.3
7)日産          2.8
8)FCA          3.3
9)ホンダ       3.8
9)PSA          3.8

利益率を上げるには生産台数を増やし量産効果を高めるか,顧客満足度の高い車を設計し単価を上げるかだろう。ホンダの利益率が PSA と同じとは意外である。ホンダの利益はそんなポジションにある。年間 8200 億円の研究開発費が空回りしているような感じだ。

車は人と荷物を運んで移動するヘンリフォードのコンセプトは今でも活きている。環境にやさしい高価な電池自動車は労働者階級にとりクソだろう。価格を下げなければならない。リチウムイオン電池のサイクル寿命に関して,トヨタをはじめ明らかにしない。よほど悪いのではないか。

数年前,ホンダとかヤマハ発動機はモータ設計技術者を募集したが,今はなくなった。毎日,通勤通学に使用する車なのに,いつも充電を気にしなければならない。外気は -20℃ に下がる。当然充電池の性能は下がる。しかし南カリフォルニアなら事情は別だ。

自動車メーカは環境州グループ(フォード,ホンダ,BMW,VW) と連邦グループ(GM,トヨタ,FCA, マツダ,日産,スバル,ヒュンダイ,起亜)に二分されたようだ。ホンダはカリフォルニアの排ガス規制をクリアしたエンジンを武器に北米市場に参入したので省エネ車にも思い入れがあるのかもしれない。電池自動車の普及に関して富士経済の予測がある。チャートにすると,信じ難い普及が中国,欧州および北米で起きる。何故か日本,台湾および韓国ではEVは売れない予測になっている。
EV.png
この種の怪しいデータを購入する組織がある。日米開戦前の経済諸表,予測と同じ類だ。結論が先にありデータを操作する。しかし,実際の中国では省エネ車は補助金が打ち切られ,マイナスに転じた。この情報が正だろう。戦前の日本陸軍情報部は冬が来る前にソ連勝利と独ソ戦の審決を出していた。陸軍作戦部,東條一派と海軍が合衆国と戦争したかっただけだ。北米環境州,欧州および中国が炭素税でも導入しない限り,こんな成長はないだろう。

フランスではマクロン政権がガソリン税を上げようとしたら,暴動が起きて取り下げられた。車がないと生活のできない貧困層が多くいるからだ。これは北米でも同じである。電池価格破壊と固体電池が来年にできるのか。それはないだろう。

ホンダは負担となっている部品会社を日立に売り,商品化に専念できる。電気部品は日立とか日本電産から買えばいい。自動車の iPhone 化が始まっている。いかに顧客にアピールする商品を開発できるか。もしくは昔の馬車替わりになる車だ。アメリカではボーイが高校生になると,車がないとデートもままならない。中国の中古車市場の急成長は車本来のニーズを明らかに示している。

電池飛行機が実用化されない限り,電池自動車が広大な中国および北米で普及するとは思えない。つまりボトルネックはモータではなく電池なのだ。日本電産の CEO はこの認識がないのか,それとも意識的に無視しているのかだろう。時価総額ランキングが22位ともなれば,本音は語れないのか。
中国の2カ所にメキシコ、ポーランドを加えた4つの工場を新設・増設することで、生産能力を年間1200万台へと引き上げるという。だが同社は、その野心的な拡張が完了しても、EV市場が順調に拡大すれば供給能力はその2倍でも足りないと見ている。
最大のリスクは、EVの市場拡大に予想以上に時間が掛かるとの公算が大きいことだ。EV普及のネックであるバッテリーは「素材の供給不足などのため依然として価格が高く、補助金などで生み出された需要を除けば、限られた市場」(日系完成車メーカー幹部)。EVは、中国政府の電動化目標や米国政府の環境政策に左右される“官製商材”である。
若い頃,上長が指数関数的な数量の伸びを示す信じられない予測チャートを作成していた。当人はぼやく事もなく,実際そうなると断言する事もなかった。おそらく責任者の意を汲んでの資料だったと思う。誰もがあり得ないと思いつつ,若い部外者だけが笑いながらコメントしたのを思い出す。

当時の責任者の現役時代は高度経済成長期だった。別のマネジャは当時は何を造っても売れたと言う。人は過去の体験を物差しにして,物事をついつい推し量る。成功していれば,なおさらだ。日本電産と日立の経営者の生年は以下の通り。

永守重信          1944 年生
東原敏昭          1955 年生
馬 化騰            1971 年生
ラリー・ペイジ 1973 年生

人脈とか経験を重視するなら老いている方が有利だが,足元をすくうような技術ビジネスが生まれる状況に適応できるかどうか。自動車産業の情報化に関して,日立はホンダのババを引いたのかもしれないし,日本電産は電池自動車に前のめり過ぎたかもしれない。東芝とか日本郵政のように企業買収案件の評価は難しい。日本電産は枯れた工場買収と熟練労働者を活かして事業再生で成功を重ねてきた。大したものだ。車載モータも従来の買収方式でも十分だと思うが,どうだろうか。

車の情報化に関して,先頭を走りそうなITのトップは 1970 年代生まれである。ラリー・ペイジの大学時代,彼の研究テーマにファンドを提供していた会社の一つが日立だった。日本では,プリウスの電池泥棒が発生しているそうだ。電池自動車の最重要部品はモータではなく電池だ。中国人が中古電池自動車を乗り回すようになってこそ,本物だろう。充電池の劣化,液漏れを思うと電池の価格がネックだ。環境にやかましい北米東西両海岸州の女を除いたら,中国が支配する電池車にアメリカ人が好んで乗るとも思えない。しかし,禁酒法を通過させた国だ。罪悪感の余り,環境規制が連邦法となる可能性がないわけでもない。福音派が電池車を好むかどうか。連邦規制法が通過したら,車がないと生活できないプアホワイトは高価な中古電池車を呪うだろう。

曙ブレーキが北米生産設備を縮小し,日産が車種の整理を予定している。北米市場は設備過剰なのではないか。ホンダは国内工場を集約する。テレビ同様,自動車も垂直統合から水平分業に生産形態が変わる。ホンダの選択はこれに合わせているのだろう。

日立の部品事業は開発スピードとコストが課題だろう。国内工場を抱えて,多分だめだろう。日本電産の選択は電池の性能向上と環境規制にかかっている。中国市場では政府助成のおかげで成功するかもしれないが,貧困移民層の多いフランス以南と東欧ではいくら安いモータでも高価な電池ではどうしようもない。ここでも馬車の代替が基本だ。富士経済の不思議なデータをみると,馬車文化のない日本が太平洋戦争の兵站に失敗した机上の空論を思い起こさせるのは思い過ごしだろうか。

我々の父祖は軍馬代わりとなって,大砲を人力牽引したのだ。米軍はトラックおよびトラクタ牽引だった。

参考
2019/10/09

「桶狭間の戦い」行動図

雑誌「歴史群像」に新解釈桶狭間の戦いが掲載された。現在の地図を参照すると,セブンイレブン後方の本陣とされる位置は,余りにもちっぽけで丘ですらない。もう1箇所はファミリマート脇の道路沿いくらいか。

歴史群像 No.157 には,5/19 の両軍の動きについて2枚の行動図が描かれている。当時の地形図を再現したらしいのだが,何の言及もない。現代の地形図を Google Map により,
Okehazama.png
殆ど平坦である。それでも,今も深田(大池)と思われる池があり,その脇に長福寺も現存する。日本陸軍が作成した地形図でも参考にしない限り,往時の丘はわからないかもしれない。その地形図を元にして先のグラデーションを強調して描いたのだろうか。

鳴海八幡宮と沓掛城址公園との距離は 7.3km に過ぎない。今川勢は鳴海,大高および沓掛城を確保しているのに対し,尾張勢は目と鼻の先の距離に山側に砦を築いている。新解釈では今川の劣勢なのに,義元は大高に入城した設定になっている。大高を取り巻く砦は,兵力 5000 の移動監視すら失敗したのだろうか。鳴海城主山口父子は何故,劣勢側に寝返ったのだろうか。やはり,今川勢の方が優位でイニシアチブをとっていたけど,斥候が明暗を分けたのだろう。こんな狭隘な場所に,7000 人ひしめいて察知されない方がおかしいだろう。

劣勢側が山上に陣取った多数を攻めるのは容易ではない。行軍しながら戦闘などできない。小休止と戦列を整えてから,突撃する。尾張勢は道のない谷を行軍した設定になっている。映画ロードオブザリングに崖下のオークに突撃するシーンがある。桶狭間の戦いは,あり得ない奇襲戦だったからこそ後世巷間に伝わったのだろうと思う。

義元が輿で行軍し,信長は騎乗である。両軍の行軍スピードは隔絶していただろう。輿に乗って勝てるのは家康くらいだろう。信長は扇川を渡河して中島砦に 2000 の兵力を集結した。いくら何でも今川の斥候が渡河を見逃す事はない。また,高根山に残置した後方部隊が,原初東海道を進軍する 2000 の軍隊を丘下に望見したら,そのまま通過させるだろうか。今川勢の兵力 5000 を二分したとするのも,各個撃破リスクを考えると不自然だ。たまたま両軍が遭遇したと考える方がおかしい。退却するなら,一丸となって迅速に撤収するのが普通だろう。遅滞戦術なら高根山から攻撃するし,釜ヶ谷を通過中の尾張勢を両方の丘から攻めないのも解せない。

大高に入城した三河勢と分断された今川本隊が信長の騎乗機動により,打ち破られたのが実情ではなかろううか。義元と信長の移動手段が輿 vs 騎乗ではお話にならない。常識的には移動速度が勝っていた尾張勢が先に攻撃位置を占位し,休止後突撃したのだろうか。信長は下馬戦闘したそうだから,騎馬の突撃力はなかった。防御するため下馬したと考えるのはもっともだ。実際は薄氷を踏むような勝利だったのだろうか。それとも,尾張勢の鎗兵がよく訓練されていたのかもしれない。その話は後日にでも。

義元を野戦で打ち破った信長の名声は一気に高まっただろうと思う。まあ,大将が輿でのんびり戦をしていた日本は平和な戦国時代であった。同じ頃から5世紀遡り,イングランド王ハロルドはヨークまで急行し,ノルウェー王を破った後,引き返しさらに南下へースティングにてウィリアムに敗れた。この移動速度に比べたら,織田今川の両将は戦う気があるのか。西欧古代中世の戦は指揮官先頭である。指揮官が先着し,地勢を観察して防御陣の縄張りを差配する。日本はいつから,後方からススメと命令するだけになったか。弥生期からかもしれない。稲作文明と麦作文明の違いだろう。

米海兵に偵察大隊という軍組織がある。偵察と強襲を兼ねた独特の組織である。馬の代わりにハンビーに全員乗車する。馬車のない日本の戦争は,どこか間が抜けていた。ニューギニアとインパールではひたすら撤退し,多くの餓死者を出した。信長の頃と精神的にあまり変わり映えがしない。敵は機動に長けていたというより,日本陸軍がおかしかった。馬と馬車になじみがないせいでもある。

それとも両者の戦った兵力は斥候が発見できないほど,桁違いに少なかったのだろうか。その可能性の方が高いか。そんな状況で,義元は輿だったのか。馬で追尾されたら,どうするつもりだったのか。不思議な大将だ。

陸自の海上機動部隊(佐世保)の指揮官が自慢していた。ガダルカナル戦の一木支隊長を思い起こさせる。対馬に来襲する韓国海兵と戦闘したら,その移動展開速度の真価がわかるだろう。ガダルカナルニューギニア戦のようにモタモタしなければいいが。旧陸軍は米軍侵攻を予期していなかった。現陸自にも当てはまる。戦は参謀らの予想から外れて始まるものだ。私は,海自の出動が遅れ陸自との連携に時間がかかり,対米戦における島嶼戦の二の舞になる可能性の方が高いと思う。自衛隊は米軍なしでは戦えないが結論である。

参考
歴史群像 No.157 p61,p65