2023/05/20

MRJと泊原発

三菱重工のMRJは原型機が飛行できたにもかかわらず FAA の型式認証取得ができずプロジェクトを閉じた。同様に北電の泊原発は再稼働ができず11年経過した。

原子力規制委員会の安全指針をクリアできなかったらしい。MRJにしても高性能を求められていたわけではない。最低限の安全規格である。泊原発だと防潮堤の新規建設工事がネックのようだ。両者とも困難な技術的課題とは程遠い。それなのに迅速かつ安価な方策を見い出せなかった。

改変とか対応は苦手のようだ。お役所みたいな会社かな。丸山真男は敗戦後,外交戦争の意思決定プロセスを天皇を中心とする「無責任体制」と呼んだ。陸海軍のような硬直した組織形態と似通う企業風土は独占市場故に自然淘汰の原理は機能しないのかもしれない。しかし九電は北電同様のPWRながら,規制をクリアして原発再稼働してCO2排出量削減に大きな差が出た。

北電 0.549 kg/kWh
九電 0.299

時は金なりの資本主義の基本が北電と九電では違うのかもしれない。ダラダラ設備投資はお役所工事の典型だろう。しかもフクシマ以降嵩上げした防潮堤を撤去して,新設するという。既設防潮堤の内側に新設すれば,既設防潮堤が津波エネルギを減衰させると思うがそうしないのは何故だろう。総額793億円/1.2kmだから,66百万円/m となる。撤去工事費は何%占めるのかな。

その昔,米海兵がガ島に重機資材もなしに急造した陣地攻略に日本陸軍は失敗した。何故,急速に建設できたか。事前の予想と訓練の成果だろう。一方,日本軍は白兵突撃の訓練ばかりだったか。今でも米陸軍は士官学校最優秀を工兵に配属している。日本陸軍は歩兵科偏重だった。一木,川口そして丸山もどれだけエンジニアリング(工事工兵)に通暁していたか。自ら建設しないと,弱点もわからないだろう。

本土決戦計画では陸軍参謀本部は九州および関東での陣地構築を諦め,水際突撃に回帰した。沖縄戦の牛島も総攻撃して戦力低下を招いている。しかも牛島は陣地構築を参謀任せにして,指示せず構築中の陣地を放棄させて別に構築,中途半端な建設となった。北電の防潮堤も似たようなものか。

参考
2023/02/11

日本株式に長期投資しない理由

武者によると,
ROE(自己資本利益率)を日米で比較すると日本(TOPIX平均)8%、米国(S&P500平均)21%と極端な差がある。またPBR(株価純資産倍率)は日本1.1倍、米国3.9倍と4倍も引き離なされている。
今の日本株式相場は GPIF とか官製相場だろう。NISA もその一環だが,ババを引くのは庶民になるのではないか。国内株式の優遇税制に惹かれて投資するよりは,合衆国株式への長期投資の方がリターンが大きいと思う。

参考
【武者リサーチ】ストラテジーブレティン (323号) 2023.01.23
2023/01/08

ステーブルコインの可能性

Bloomberg のコラムにて,FTX騒動と2008 年の金融危機に絡めて最終の与信(中央銀行)の存在の違いについて言及している。なるほどと思う。

その反面,
金融危機の重大な要因となったクレジットデリバティブは、市場改革が断行されたが、逆境を乗り切り存続している。同じようにイーサのブロックチェーン(分散型台帳)イーサリアムはより効率的な新しい取引処理モデルに移行し、耐久性を得ると考えられる。短期金利がゼロを優に上回る現状では、利子を生む中銀準備を裏付けとするステーブルコインの提供は、発行者への利益と利用者の安全の両方を実現する持続可能なビジネスモデルになると期待される。
とも述べている。イーサについて調べようと思う。

参考
2023/01/01

循環取引と東芝事業再編

IT業界は粉飾決算をしやすいそうだ。ソフトは無形資産だから棚卸しも帳簿上だけで済む。それを巧みに流用したのが FTX の顧客資産詐取のようだ。

かつて東芝は循環取引を重ねて売上をかさ上げした。証券取引委員会に内部通報があり発覚したと記憶する。関電の場合,役員のお手盛り歳費(詐取)は税務調査により明らかになった。結局,今でも東芝は国際会計基準を採用できないでいる。

東芝が債務超過に陥り,6000 億円を資本注入し上場継続となったものの,物言う株主が非公開化を迫っている。国内ファンドが買収するらしい。うたい文句が事業再編だ。現内閣も国内産業の再編を推進している。確かに国内に三大重電タービンメーカは多過ぎだ。かつてはアジア中東では日本の独壇場だったが,韓国と中国に全く勝てなくなった。

プロ野球の落合が在籍した野球部とラグビー部はどうなるのだろう。企業がスポーツ組織を運営する。東アジア特有のあり方だ。スウェーデンのボルボとエリクソンは売れるうちに乗用車と携帯機器を中国とソニーに売却した。何故,東芝は分割事業売却ができないのか。

終身雇用制度のせいではないかと思っている。竹中によれば,労賃が固定費になったのは東京高裁判決の 1979 年以降だそうだ。正社員と非正規雇用の根深い格差問題。「同一労働同一賃金」は建前。建前を甘受する国民性もある。我々は父の世代が理不尽な特攻玉砕を受け入れた遺伝子を受け継いでいる。昔も今も格差の頂点に象徴天皇制がある。日本はタテ社会だ。Society は日本に成立しないだろう。

参考
2022/12/11

天皇陛下富岳見学と戦艦武蔵

何気なくTVを見ていたら,天皇皇后陛下がスパコン富岳を視察していた。量子コンピュータの実用化が間近なのに,間の抜けた訪問と思った。今上陛下が量子コンピュータの研究に関心があるとも思えない。陛下のスパコン見学は文科省官僚の権威付けだろう。

同様に大東亜戦争開戦後まもなく,昭和天皇は就役直後の戦艦武蔵を査閲した事例があった。当時,既に日米海軍航空屋および小沢井上提督は戦艦による海上決戦は起きないと的確に判断していたが,大勢とはなっていなかった。

海軍航空特攻を推進(桜花)した源田実は戦後,戦艦大和を世界の3バカと揶揄した。他の2つはピラミッドと万里の長城だった。ドローン兵器の時代に有人兵器に固執する防衛官僚達。リスク意識の低い官僚組織の習性は不変なのであろう。そう言えば,連合艦隊司令長官山本も米海軍の暗号解読により暗殺されてしまった。

蛇足
暗号解読研究に富岳を防衛省は利用するつもりはないのか。防衛省が利用していたら今上陛下の見学もなかったか。悠仁さまの御代になると,軍事研究施設および兵器の見学も当たり前になるのかな。

軍事に関心が薄いと思われたエリザベス2世も英海軍の主力艦に彼女の名前が命名されていた。歴史的に英海軍は王立海軍だけど,陸軍は王立ではなかった。今の英陸軍兵士は海外出身者が多くなった。陸自はどうなるだろう。戦前朝鮮出身兵は稀だった。外国出身者を忌避するとなると,内国人の強制徴募か。英海軍の水兵強制徴募は酷かった。プロイセン陸軍の強制徴募も同様だった。両者とも,年期満了して故国に戻る可能性は低かった。

戦前の動員計画は陸軍省軍事課が立てた。議会は防衛省の有事の動員計画を問いたださない。悠仁さまが錦の御旗になっている動員を拒否する知事が現れるかどうか。国会は戦前同様,無力だろう。
通常の「帝国議会ノ協賛ヲ経タル義勇兵役法ヲ裁可シ茲二之ヲ公布セシム」の前に、「朕ハ曠古(こうこ)ノ難局ニ際会シ忠良ナル臣民ガ勇奮挺身皇土ヲ防衛シテ国威ヲ発揚セムトスルヲ嘉シ」との文言が加わった異例ともいえる上諭がつけられた。
しかし,江戸期諸藩の末裔からなる 300 名家は本土決戦を忌避して降伏を選択した結果,東條らの軍および司法内務官僚の抵抗は止んだ。かつての名家に今はそんな力はない。中華朝鮮の歴代王朝官僚国家のような瓦解プロセスになるのではないか。

古代イスラエル王朝は途絶えても,2次大戦後イスラエル国家は復活した。北の将軍様が異例にも娘を公開した。北の皇統は男系ではないのか。。。娘は13歳とされる。悠仁さまは16歳。新約福音書(イエス派)によれば,イエスをモーセになぞらえハスモン朝を批判した。

悠仁さまの貴種がどう広がるか,それとも絶えていくか。天皇になっても皇統を残せなかった天皇も多い。さて13歳の皇女は中継ぎなのか。

イエスは磔刑に処せられ,罪状はユダヤ王を詐称した故だった。彼の子孫は未詳である。後にイエスは神の子とされ,来世において君臨するアクロバットとなった。故にキリスト教は倒錯した宗教とされる。倒錯した神学を国是とする合衆国に天皇を皇祖神とする神の国日本が破れた。

参考