2014/10/19

医療福祉従事者だけで総労働者の 1/4 を超える日本の将来

Diamond Online で,「医療福祉の従事者だけで総労働者の4分の1を超えるような社会は、およそありえないものだ。しかし、ここで置いた仮定の下では、そうならざるをえないのである」とあった。現在の平均寿命を考えると,私の老後は悲惨な状況下に置かれるだろう。

養老院を始めたのは西欧のキリスト教修道院であった。私も入居できれば,老人ホームに入りたいがどうなる事やら。老後,修道院に寄付をして世話になったのか,中世靴職人姿のステンドグラスが修道院に残っていたりする。一方,東アジアでは家族の紐帯が強く,中国では宗族(男系祖先崇拝),朝鮮では儒教,日本では家制度が老後の面倒をみた。といっても,長生きする人は極めてまれであったが。北欧の社会福祉の背景にキリスト教倫理の教えがある。汝,隣人を愛せ。つまり,コミュニティにおける構成員相互の共感が大切にされ,そのため,週に一度,教会に集まる。

Dlife の「よみがえり」を見ていたら,老母がよみがえった少年と教会に行く支度をして,普段のズボン姿からドレスに替えた。教会に行く気のなかった老父は普段着のまま教会へ出席した。小さな町と思われるが,意外と大きな教会だ。祭壇には十字架しかない。ピューリタン系の教会とわかる。牧師はノーネクタイで上着も着ず,シャツは腕まくりだ。普段と異なり多数の参集者を認めた牧師は住民の不安を察し,説教を止め,質問を受ける事になった。開拓時代原初のタウンミーティングを思わせる。やはり,おばさんが議論を主導する。牧師は町の住民から排斥された。住民達が牧師を選ぶ事がわかる。日本だと,世襲の坊主,神主が排除される事が考えられるだろうか。しいて言えば本願寺大谷派の騒動くらいか。檀家総代はあっても,合衆国教会の理事会とか評議会のような組織は日本にはないのではなかろうか。ヘエー,教会も民主主義なんだと驚いた。多分,病院もそうなのだろう。養老先生が日本にないものと挙げた,コミュニティとホスピタリティの精神をドラマに垣間見た。

このドラマの男達はシャツのボタンを留めず,ズボンの外に老若を問わず出している。シャツをズボンのなかに入れているのは牧師と保安官くらいだ。私の家人も外に出している。シャツをブラブラさせているのは,中世イングランドの弓兵を思い起こさせる。イングランド王は農民を徴発し,訓練して強力の長弓をひきしぼらした。黒太子以来,幾度もフランス王軍は長弓兵に苦杯を喫した。イングランド農民の大陸遠征の楽しみは略奪の他に,ワインと小麦のパンがあった。当時のイングランド宮廷はノルマンのイングランド征服以来 350 年間,話語はフランス語であった。合衆国内の教会モスク寺院等では英語の他に,スペイン語をはじめとしてアラビア語とか,いろいろらしい。どうも,日系人のコミュニティは絆が弱く,日本語が消滅しつつあるようだ。中韓のコミュニティは祖国語を忘れないらしい。

さてコミュニティのない日本社会の老人介護はどうなるのだろう。

参考
労働人口激減、医療介護従事者が激増する社会とは
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