2014/10/20

韓国の使用済み核燃料再処理を合衆国が承認

Diamond Online によれば,合衆国が韓国の使用済み核燃料の再処理を認めるそうだ。日本が再処理工場の不具合でモタモタしている間に,鉄鋼,半導体のようにやがて,日本に追いつき追い越すのだろう。軽水炉の設計に関すれば,もうこれは既知の枯れた技術で,循環ポンプとか高信頼制御弁とかは欧米製の部品の独壇場だ。日本が優位だったステンレス製圧力容器の鍛造も韓国が出来るようになった。日韓ともに官民あげて原発輸出に熱心だが,大元が米製なので大した違いがない。韓国炉は 沸騰水型である BWR を取り扱わない。国内では東電と東北電力だけが BWR だ。

カラーテレビ,ビデオデッキおよび半導体の日本寡占の二の舞を避けるためか,核燃料の再処理を認めて日韓を競わせるのは合衆国は深謀かと思ってしまう。日米では安全を確保するためのコストがかさみ,原子炉の建設は全く考えられないが,既設の更新に関して,合衆国はメリットがあると踏んでいるのだろう。やっかいな核燃料の再処理も韓国か。日本は英仏に依頼していたけれども,韓国が参入して再処理費用が安くなる可能性がある。著者は日本の再処理推進を望んでいるが,コスト意識の薄い日本の役所よりは韓国公社の方が上手くいくかもしれない。広島長崎の原爆の原体験があって,原発にアレルギーがあるうえに,3.11 の原発震災も起きたし,国内での核燃料再処理工場の稼動は無理だろう。将来,既設の原発が稼動し始め,20年後には韓国に再処理を依頼できるかもしれないオプションが増えるのいい事だと思う。CO2 を排出しない原発は地球に優しいのも被爆国ながら,認めたらどうだろうか。

日韓はともにエネルギ資源が乏しいが,電力は経済の最重要インフラだし,原発における日本の劣後は,確実に日本の競争力と成長を削いでいく。民族の宿命みたいなもので,仕方のない事だ。国の興亡も歴史の必然だ。非西欧での近代化のトップランナだった日本も競争者が現れいつかは凋落する。今はのその過渡期だ。

結局、韓国は1974年に発効した米韓原子力協力協定によって、使用済核燃料を再処理ができないでいる。しかし今回は、米国が欧州原子力共同体(EURATOM[European Atomic Energy Community])と結んでいる協定の内容をモデルにして、「同意や承認という直接的な単語を使わずに、「条件付き再処理」や使用済核燃料の形状変更を容認する「包括的事前同意」の方法で新協定の内容を整理」しているそうだ。

 新協定を米韓両国議会が批准すれば、2016年4月から発効することになるだろう。それにより、米韓で共同研究しているバイロプロセッシング(乾式再処理技術)の工程が韓国国内で実施可能になり、そのためのホットセルとして「大田(テジョン)の韓国原子力研究所の既存施設を活用できる」ことになる。

 バイロプロセッシングは、現在の再処理技術の主流である湿式再処理技術の次の世代の先進技術である。資源の有効利用にもなる高燃焼度タイプの核燃料にも対応できるようになる。高速炉と組み合わせることで、回収された超ウラン元素を核分裂させて高レベル放射性廃棄物を減容化・短寿命化でき、地層処分地に必要な面積を75%も減らすことができる。こうした多くのメリットを期待することができる。

 このように考えると、今般の米韓合意内容が上記記事の報道の通りになるとすれば、韓国にとっては、米国との関係だけではなく、日本国内も含めて機動的に展開してきた『再処理獲得』への長年の苦労が実を結び、悲願を実現することになる。さらに、技術立国・韓国の将来展望を一層広げるという意味で、大きな意義があることと言える。

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