XBee 駆動用電池の選択
NiCd 電池 No.2 と No.3 のペアが急激に電圧低下を引き起こした。装置から電池を取り外し,03:00 に開放電圧を計ってみたら No.2 が負電圧を示し電池がカラカラになっていた。以前にも起きた電池の片減り現象だ。09:22 に同様に開放電圧を計ってみると,No.3 は 1.214V に回復したが,No.2 は 0.005V であった。測定に使用した DMM は PC510 だ。
今回は,前回の周期6分と異なり,周期1分刻みで記録していたから何か新しい現象がないかと,チャートにしてみた。

直列電池の片減りは極端に短時間に生じる事がわかった。スパイク状のさらなる電圧降下も起きている。電池の異常というより,低品質の電極(鉄)電池ホルダの影響の可能性が高いと思う。02Bt は銅合金の電極だ。また,何らかのノイズの可能性もある。02Bt は電池を取り外しても,一回送信できたので,BAT 電圧 0V を記録した。使用している NiCd は充電回数は少ないけれども,自己放電したまま長期間放置したままなので耐用年数が著しく劣化しているのだろう。電池を充電する際に,この種の電池の劣化を見出すのは難しいかもしれない。放電器を用いて放電特性をみたら劣化をある程度,把握できるかもしれない。しかし,ユーザに充電の他に放電テストをする手間を強いるのはどうかなと思う。電池一個の駆動だったら,一気に電圧が零ボルトになり,測定は不可となるが,直列接続の電池2個なら,片方の電池に異常が起きても1日以上,データを送信できる。無駄なようにみえて,信頼性が確保されていると見るべきか。
以前から,電池の寿命に関して気になっている事がある。電池のカタログでは一定温度における,一定負荷である。屋外使用だと,温度サイクルがあり,またこの種の機器は消費電力を下げるために,間欠駆動だ。パルス負荷ともいう。電池とコンデンサは電荷を蓄えるという意味で性質が似通っている。コンデンサにパルス負荷をかけると,あっという間に破壊される。サージともいう現象もこれに該当する。この耐圧で十分だろうと思ったコンデンサは最近の切れ味鋭い FET の性能の向上に伴いかなりの裕度をもったサージ回路を設計しても焼損する。私の XBee は1分毎に送信する。ポーリングの話は別にして,例えば,定常的に 1mA 流れる負荷と1分の間に1秒間に 60mA 流れる負荷を想定しよう。積分した消費電力は同一だが,電池からみるとどうだろうか。電池は電気化学反応だ。電磁気学の LCR 回路とは別の視点が必要だろう。
No.4 と No.5 のペアを取り外し数時間,放置したら開放電圧が回復した。通電を止めて21時間半後,連続運転を再開させた。およそ14時間後,Slip21がデータを受信していない。例により,電池をグルグル回すと通信を再開したけれども,BAT 電圧は1Vしか示さない。電池の片減りだ。電池を取り外し,開放電圧を計ったら 0.093V であった。先のペアと比較して 1時間しか違わない。たかだか6本の電池を使いまわし,これほど電池の放電特性がバラツクとは思わなかった。これらの購入時期と場所は同一で製造ロットも同一と思われる。充電は同一条件になるように個々に電圧を印加して充電したから不思議な結果である。
今は,100 円ショップで入手した GP製マンガン乾電池を試している。電池の台紙にはラジオ,リモコンと時計の図が描かれ用途を示している。使用推奨期限は 11-2017 である。電池メーカは乾電池の容量を公表しない。放電特性がフラットでないからと電池工業会は説明している。確かに,のっけから電池の電圧降下が始まっている。会社では単三の容量は 300mAh と聞かされてきた。夏季のハウス内の気温は 50℃ を超えるとされる。乾電池には厳しい温度である。高温に強い NiCd でも -20 ~ +60℃ までだ。秋月の NiCd のデータシートに保存特性(自己放電)が記載されている。25℃ で3箇月経つと,残存率が 70% になる。いくら装置の消費電流を下げても,極端な話,消費電流零でも,電池容量の 30% は失われる。電池の交換頻度を気にしなくても,いいのはリモコンと時計くらいだろうか。リモコンは使用頻度が少ないし,時計は消費電流がuAオーダだ。
関西は電池との関わりが結構ある。島津,松下,三洋の創業者は皆,電池事業に熱心だった。電池製造関連の市場が調査されている。製造装置は電池メーカの独占ではないので,これら装置とセパレータ等の材料は韓国中国に輸出されているのだろう。装置市場の調査は富士経済なので,余り信用はできないが。私が使用している電池は GP ブランドの中国製だ。金山工業という名称の企業だ。収支報告書を見ると,2014 年は S$37,000 の赤字だ。リストラを進めるとある。何か中国経済の失速を如実に示しているような気がする。それだからこそ,100 円ショップは買い叩けるのだろう。香港 Gold Peak Industries Limited の資料によれば従業員は 8,560 だ。中国政府の反日キャンペーンも国民の目をそらすためだろう。似たような事を戦前の近衛内閣がやっていた。日本は海上護衛戦に無関心で,米潜水艦に輸送船を大量に沈められ石油も食料の環送もできなくなって自滅した。今度は中国の潜水艦に無関心だ。潜水艦の真骨頂は水中での戦闘行動だ。蓄電池がモータに電力を供給する。当時,電池のバラツキが大きく電池の組み換えを絶えず行っていたようだ。海自の AIP 潜水艦の性能が凄いという事になっている。問題は,水中の戦闘速力だが,非力な AIP のパワーではどうしようもない。結局,蓄電池に依存する。中国海軍の原潜と対峙したら,旧海軍のタコツボ戦術になるのではないか。AIP 推進の潜水艦が原潜に勝てるなら,何故,米英露はこの種の潜水艦を建艦しないのか。致命的短所があると思っていい。日産のゴーンが北米での電気自動車市場の立ち上がりを宣言したけど,さっぱりだ。馬車を乗りこなしていた末裔はよくわかっている。海自の最新型潜水艦は AIP と呼称を換えているけど,基本原理は人間魚雷回天の動力と似たような物だ。念のため付言しておく。海自は旧海軍同様,この種の兵器がお気に入りなのだろうか。いくら体裁をつくろっても,原潜の敵ではないだろう。
乾電池の評価に何週間もかけていられない。やはり,放電器を製作して評価した方がいいだろう。
参考
大電流領域から小電流領域まで、幅広い機器におすすめ
微少電流で間欠放電の場合はマンガン乾電池の方が低コスト
エボルタ(EVOLTA)
世界一(笑)、単純明快な NiCd / NiMH 用放電器を作る
自己電源方式、オートカット電圧可変ニッケル水素充電池・単セル放電器の製作
蓄電池産業の現状
金山工業有限公司
基地回天隊
中国の潜水艦保有数、米国を上回る=米海軍幹部
今回は,前回の周期6分と異なり,周期1分刻みで記録していたから何か新しい現象がないかと,チャートにしてみた。

直列電池の片減りは極端に短時間に生じる事がわかった。スパイク状のさらなる電圧降下も起きている。電池の異常というより,低品質の電極(鉄)電池ホルダの影響の可能性が高いと思う。02Bt は銅合金の電極だ。また,何らかのノイズの可能性もある。02Bt は電池を取り外しても,一回送信できたので,BAT 電圧 0V を記録した。使用している NiCd は充電回数は少ないけれども,自己放電したまま長期間放置したままなので耐用年数が著しく劣化しているのだろう。電池を充電する際に,この種の電池の劣化を見出すのは難しいかもしれない。放電器を用いて放電特性をみたら劣化をある程度,把握できるかもしれない。しかし,ユーザに充電の他に放電テストをする手間を強いるのはどうかなと思う。電池一個の駆動だったら,一気に電圧が零ボルトになり,測定は不可となるが,直列接続の電池2個なら,片方の電池に異常が起きても1日以上,データを送信できる。無駄なようにみえて,信頼性が確保されていると見るべきか。
以前から,電池の寿命に関して気になっている事がある。電池のカタログでは一定温度における,一定負荷である。屋外使用だと,温度サイクルがあり,またこの種の機器は消費電力を下げるために,間欠駆動だ。パルス負荷ともいう。電池とコンデンサは電荷を蓄えるという意味で性質が似通っている。コンデンサにパルス負荷をかけると,あっという間に破壊される。サージともいう現象もこれに該当する。この耐圧で十分だろうと思ったコンデンサは最近の切れ味鋭い FET の性能の向上に伴いかなりの裕度をもったサージ回路を設計しても焼損する。私の XBee は1分毎に送信する。ポーリングの話は別にして,例えば,定常的に 1mA 流れる負荷と1分の間に1秒間に 60mA 流れる負荷を想定しよう。積分した消費電力は同一だが,電池からみるとどうだろうか。電池は電気化学反応だ。電磁気学の LCR 回路とは別の視点が必要だろう。
No.4 と No.5 のペアを取り外し数時間,放置したら開放電圧が回復した。通電を止めて21時間半後,連続運転を再開させた。およそ14時間後,Slip21がデータを受信していない。例により,電池をグルグル回すと通信を再開したけれども,BAT 電圧は1Vしか示さない。電池の片減りだ。電池を取り外し,開放電圧を計ったら 0.093V であった。先のペアと比較して 1時間しか違わない。たかだか6本の電池を使いまわし,これほど電池の放電特性がバラツクとは思わなかった。これらの購入時期と場所は同一で製造ロットも同一と思われる。充電は同一条件になるように個々に電圧を印加して充電したから不思議な結果である。
今は,100 円ショップで入手した GP製マンガン乾電池を試している。電池の台紙にはラジオ,リモコンと時計の図が描かれ用途を示している。使用推奨期限は 11-2017 である。電池メーカは乾電池の容量を公表しない。放電特性がフラットでないからと電池工業会は説明している。確かに,のっけから電池の電圧降下が始まっている。会社では単三の容量は 300mAh と聞かされてきた。夏季のハウス内の気温は 50℃ を超えるとされる。乾電池には厳しい温度である。高温に強い NiCd でも -20 ~ +60℃ までだ。秋月の NiCd のデータシートに保存特性(自己放電)が記載されている。25℃ で3箇月経つと,残存率が 70% になる。いくら装置の消費電流を下げても,極端な話,消費電流零でも,電池容量の 30% は失われる。電池の交換頻度を気にしなくても,いいのはリモコンと時計くらいだろうか。リモコンは使用頻度が少ないし,時計は消費電流がuAオーダだ。
関西は電池との関わりが結構ある。島津,松下,三洋の創業者は皆,電池事業に熱心だった。電池製造関連の市場が調査されている。製造装置は電池メーカの独占ではないので,これら装置とセパレータ等の材料は韓国中国に輸出されているのだろう。装置市場の調査は富士経済なので,余り信用はできないが。私が使用している電池は GP ブランドの中国製だ。金山工業という名称の企業だ。収支報告書を見ると,2014 年は S$37,000 の赤字だ。リストラを進めるとある。何か中国経済の失速を如実に示しているような気がする。それだからこそ,100 円ショップは買い叩けるのだろう。香港 Gold Peak Industries Limited の資料によれば従業員は 8,560 だ。中国政府の反日キャンペーンも国民の目をそらすためだろう。似たような事を戦前の近衛内閣がやっていた。日本は海上護衛戦に無関心で,米潜水艦に輸送船を大量に沈められ石油も食料の環送もできなくなって自滅した。今度は中国の潜水艦に無関心だ。潜水艦の真骨頂は水中での戦闘行動だ。蓄電池がモータに電力を供給する。当時,電池のバラツキが大きく電池の組み換えを絶えず行っていたようだ。海自の AIP 潜水艦の性能が凄いという事になっている。問題は,水中の戦闘速力だが,非力な AIP のパワーではどうしようもない。結局,蓄電池に依存する。中国海軍の原潜と対峙したら,旧海軍のタコツボ戦術になるのではないか。AIP 推進の潜水艦が原潜に勝てるなら,何故,米英露はこの種の潜水艦を建艦しないのか。致命的短所があると思っていい。日産のゴーンが北米での電気自動車市場の立ち上がりを宣言したけど,さっぱりだ。馬車を乗りこなしていた末裔はよくわかっている。海自の最新型潜水艦は AIP と呼称を換えているけど,基本原理は人間魚雷回天の動力と似たような物だ。念のため付言しておく。海自は旧海軍同様,この種の兵器がお気に入りなのだろうか。いくら体裁をつくろっても,原潜の敵ではないだろう。
乾電池の評価に何週間もかけていられない。やはり,放電器を製作して評価した方がいいだろう。
参考
大電流領域から小電流領域まで、幅広い機器におすすめ
微少電流で間欠放電の場合はマンガン乾電池の方が低コスト
エボルタ(EVOLTA)
世界一(笑)、単純明快な NiCd / NiMH 用放電器を作る
自己電源方式、オートカット電圧可変ニッケル水素充電池・単セル放電器の製作
蓄電池産業の現状
金山工業有限公司
基地回天隊
中国の潜水艦保有数、米国を上回る=米海軍幹部
追記 2015-03-12
Nikkei PC Online の記事に,「バッテリーがへたるのは、内部の化学変化が原因だ(図2)。京都大学が2012年10月に発表した研究成果によると、時間の経過に伴い、正極表面にあるコバルトが化学変化を起こし、その部分にリチウムイオンを通しにくい膜ができる。リチウムイオンの移動が妨げられることになり、結果としてバッテリー容量の低下を招くことになる」とあり,なるほどと思わせる記述があった。基本的に電池であれば,似たようなものだろう。正極に膜ができて,透過できる電荷が減るので,ピーク電流が減り,その結果容量の低下となる。電池はパルス負荷に対して弱いと考えた方が無難だろう。
参考
バッテリーはなぜ“へたる”のか?
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