人道の淵源と外国人研修員制度
人道(ヒューマニズム)の思想はギリシア由来ではないのは確かで,キリスト教だろうと ずっと思い込んでいた。本棚を移動しなければならない はめになり,1988 年に購入した古い本が出てきて,読んでもいいかなと思い机の上に夏の間,置いていた。
「旧約聖書物語」によれば,古代ユダヤ人の社会が部族制から独立自営農民が発生する段階で,この種の考えが生まれたようだ。本では「申命革命」となっている。農地は共有から私有に代わっていった。同じ古代地中海世界のギリッシャローマでもこの種の独立自営農民が民主制の引き金になったが,じき没落し農奴制が支配的になったのに対し,ユダヤはアッシリアとかバビロンに支配されたせいか,異民族の総督支配下では農奴制が発達しなかったようだ。ロシアはムスリム化したモンゴルに支配されているうちに,農奴制を確立したから,古代ユダヤの特異性は注目に値する。
2:申命記/ 24章 14節
貧しく乏しい雇人は、同胞であれ、またはあなたの国で、町のうちに寄留している他国人であれ、それを虐待してはならない。
4:申命記/ 24章 15節
賃銀はその日のうちに払い、それを日の入るまで延ばしてはならない。彼は貧しい者で、その心をこれにかけているからである。そうしなければ彼はあなたを主に訴えて、あなたは罪を得るであろう。
独立自営農民(聖書では地の民となっている)に擁立されたヨシア王は8歳だった。申命革命は18年後だった。法が「王」の上に立った。ユダヤの周辺はエジプト,バビロン,ペルシャとか王が支配する帝国ばかりだから実に奇妙な民族が発生した。西欧では王権に対抗する宗教思想となり,ピューリタンとなって王を断罪するに至った。日本だと,幕府に逆らった鎌倉期の上皇は死罪とはならず,配流となった。地下と蔑んでいた地頭が日本の支配者層に代わった。王権による官符(命令)よりも,幕府の発布する式目(法律)が優位になった。
ピューリタンが入植した北米諸州は,年季奉公が明けた農民に農地を支給する一方,奴隷を労働力とする大規模農園も発達した。主にタバコとか商品作物を栽培していた。劣悪だった労働環境のせいか,各州は逃亡奴隷法を制定している。奴隷制と旧約の精神は相容れないが,新約に重きをおくプロテスタントには奴隷制とイエスの隣人愛には何ら矛盾は感じなかったのであろう。ボリビアで説教した現ローマ法王は解放の神学に理解を示し,合衆国のカソリックを落胆させた。
西欧は古代奴隷制,中世農奴制と長い歴史がある。西欧文明とは一言で言えば,人身売買の文明である。合衆国は奴隷制の負い目とキリスト教原理主義の建前のせいか,他国の人身売買に異常な関心を示す。日本政府管掌の外国人研修員制度も監視対象だ。
「日本は、国連で2000年に採択された人身取引議定書を締結していない唯一のG8参加国である」と締めている。戦前に陸海軍の反対で批准できなかった,かつてのジュネーブ条約を思い出す。へらへらしているようだけど,ペリー来航の時代から,合衆国の日本のウィークポイントの情報収集はスゴイと認めざるを得ない。政府が人身売買を推進しているような国の自衛隊と本当に共同で戦ってくれるだろうか。自衛隊の軍紀について不信の念があるのは確かだろう。70年前の日本陸海軍の捕虜虐待を忘れるほど,合衆国民はお人よしではないだろう。
ちなみに合衆国の普通のオバサン達(クリスチャン)は広島長崎への原爆投下は神(正義)によるお仕置き(報復)と思っている。
従軍慰安婦問題もいいけど,もっと身近な問題に目を向けた方が,自国の安全にもつながるのではないか。人権とか人道は中国ロシアに対する切り札にもなるのだ。中国人研修員は帰国して,親日になってくれるのだろうかと,ふと思う。反日が増えるようでは,中国の思うツボだな。中国に日本政府の人権侵害を喧伝されるのも時間の問題か。日本人のよそ者に対する無関心(自己中)は日本の命取りだな。
明治の日本は関税自主権もなかった弱小国だったけど,貧しくとも国際条規に則った独立国との気概があった。いつから大国に媚へつらい,他国人を労働力源としてしか見なさなくなったのだろうか。国の品格に富強さは関係がないのだろう。外国人研修員制度も利権化して,もうどうにもならないのだろう。しかし,何かしら国連のお墨付きがないと,米中からの非難に耐えられないのではなかろうか。聡いパソナの竹中はどう考えるだろうか。何とか人道目的と称して北朝鮮の労働者を確保するくらいの事は考えているだろう。小泉元首相は北朝鮮にコネクションがあるから,その可能性はあるかもしれない。人材派遣の日朝合弁会社を設立すればいい。北欧ドイツの成長がポーランドとか東欧の労働力が支えているように,日本も真似ればいいが,しいたげてはいけない。北朝鮮人の定住を推進しなければならない。人道精神のない日本には無理か。ロイターによると,北朝鮮危機が起きたら,中朝国境に数百万人が殺到するという。その1割でも日本に定住したら,貴重な労働力となる。しかも国際人道貢献だ。
国内人材派遣業の2013 年の市場規模は 3 兆 7,800 億円だそうだ。パソナの2014年の売り上げは 226,227 百万円だった。前年度比,8.4% の伸びだ。パソナ会長は慶応の先生で骨太予算を進めた竹中平蔵だ。慶応の建学の精神は実学だが,利に聡すぎるきらいがある。親しい知人いわく,旧カネボウとか慶応卒は金のある会社に集中して就職し,閥をつくると言っていた。今思えば,小泉純一郎の脱原発も太陽光発電とか彼の周辺に,利に聡い慶応関係者がいても不思議でないと思う。知人の説によれば,会社で慶応閥がハバをきかせるようになると,その会社は斜陽になるそうだ。国家は東大閥が盛んになると,国は傾いたなと思う。私が東大を解体しなければならないと言うと,その知人は東大は日本そのものだから無理だと言う。妙に納得させられたのを思い出す。
国会議員,高級官僚および公立校教師にスイスのように後方支援を義務付けたらどうだろうか。これらの人々は有事になっても,動員は課されないのだろうと思う。戦前に,志願した議員とか官僚がいるのだろうか。合衆国だと,一部の下院議員は軍歴欲しさに志願した。セオドアルーズベルトのように軍歴があると選挙に有利だった。旧約を読むと,ユダヤ人に軍人の記述は少ない。
古代ギリシャローマの軍制とユダヤの法の精神を取り入れた西欧文明が世界を制覇したのはある意味,当然の帰結かもしれない。
英国はアフリカ,カリブ,パキスタンからの移民で溢れている。フランスはマグレブ(北アフリカ)だ。合衆国はヒスパニックと世界の先進国は移民だらけだ。難民移民を受け入れていないのは日本だけだ。朝鮮有事の難民を第二の渡来人帰化人として受け入れたらどうか。研修員のように期限付きでないとやはり無理か。かつて,ロシア革命を逃れたロシア人は日本を中継地として,合衆国に渡った。同じような事が起きる可能性の方が大きいか。日本韓国は子孫まで差別が続く酷さなので,スキルのある労働者は思ったほど日韓に定住しないかもしれない。
西欧にはない日本の過労死をどう合衆国に説明するか。一般の米国人は中国人労働者の環境が劣悪なのは知っている。日本が中国に優位になれるのは人道人権の一点なのだが,米国との共同歩調は内政干渉と称して取れない。韓国は日中に対して人身売買に関して非難できる Tier1 を獲得している。日本の場合,政府管掌外国人研修員制度が足かせになって, Tier1 の認証は困難のようだ。
やはり日本は鎖国が賢明だな。鎖国すれば,外国人研修員も途絶える。貴重な内国人労働力を使役して,効率の悪い分野は淘汰される。花卉栽培従事者,織工,自動車組立工の労賃は上昇して生産は割りに合わなくなるだろう。外国人労働力に依存している富士重工,マツダ,ダイハツはよほど円安にならない限り,事業の継続は困難になるだろう。他の自動車メーカは海外生産を選択する。フィアットのように本社を合衆国に移転する企業も出てくるかもしれない。
ただ,労賃が上がれば,自動機の導入も加速される。世界に先駆けたイノベーションが生まれる可能性も出てくる。要は労働効率をいかに上げられるかだ。ヒントになるのは2次大戦期のドイツ空軍の戦闘機生産だ。構造設計から見直し,創意工夫により生産性を上げるのに成功して,生産は終戦まで伸び続けた。その生産工は占領地域から連れてきたフランス人徴用工だった。ミッテラン元大統領もその一人だった。ただ,戦闘機はあってもガソリンとパイロット不足に悩まされた。無人戦闘機はできなかったし,合衆国のようなハイオクガソリンの製造は全くできなかった。旧満州には中国の有力自動車製造工場がある。北朝鮮労働者を使役すれば,大量安価な自動車製造が可能になるだろう。韓国の現代起亜がこれに果たして優位に立てるだろうか。
戦前は,陸海軍の反対によりジュネーブ条約の批准ができなかった。戦前も今も,日本の法治はシニア官庁による合議制だ。多分,経産省と農水省が「人身取引議定書」に反対しているのだろう。利権のおこぼれにあずかっている 制度を管掌している外務省も本音は反対なのかもしれない。
ぐだぐだ書いたけど,労賃のルーツは旧約まで遡るという物語です。虐げていないと思っていても,そうとはみない世界(国連)があるという事です。過労死のある国では当たり前の事が他の世界では虐待なのだと思う。国連は戦勝国が造った体制だからという論は,IMF体制を否定し,円の価値もなくなってしまう論理です。衰退日本の円価は自然に円安になる。2040 年の大阪を想像すれば,自ずから円の為替レートが見えてくる。朝鮮有事はあっても,戦災の惨禍はないと思いたい。粛清の続く,恐怖政治がどう転ぶか,東欧と異なり核兵器を保有しているから,やっかいだ。その朝鮮有事も,合衆国がどこまで本気に介入するのか,判然としない。本来なら,諜報機関を用いて,合衆国の真意を探るのが筋なのだが,それもできない。やはり,鎖国だろう。3回目の被爆も定めかもしれない。韓国映画とか小説だと,北朝鮮の核が何故か大阪に着弾するのが定番になっている。ハリウッド映画だと宇宙人の侵略に大阪が曝される。何故だろう。
ただ,過労死と孤独死件数は漸増していくのではなかろうか。鎖国下の江戸初期の輸出産品は銀と銅だった。後期には陶磁器と生糸に代わった。秀吉以降の幕府体制は人余りでも奴隷交易を認めなかった。一方,領邦国家のドイツの弱小諸侯は,自国農民の倅を傭兵として売り払っていた。合衆国独立戦争の際も,イングランド王は 3000 のヘッセン傭兵を購入して,反乱を起こしたニューイングランドに送った。敗戦続きの殖民軍は投降すれば,ドイツ語で農地を与えると呼びかけた。夜が明けて点呼してみると,傭兵部隊に少人数の脱走者が出て来た。太平洋戦線を指揮したニミッツはドイツ移民の子孫だった。祖父がドイツ語を話すのを聞いて育った。アイゼンハワーもドイツ系だった。ドラマホームランドを見ていたら,イランから避難してきたイラン人の娘が CIA の研修生となり,ソールの下で対イラン防諜分析するというシナリオだった。合衆国は実に恐ろしい国というか,まさに帝国だ。日系2世とか3世もそういった活用がなされたのであろう。
参考
2014年人身売買報告書(日本に関する部分)
http://www.pasonagroup.co.jp/ir/data/pl.html
人材ビジネス市場に関する調査結果 2014
コラム:北朝鮮が韓国を挑発する本当の目的
人身売買
「旧約聖書物語」によれば,古代ユダヤ人の社会が部族制から独立自営農民が発生する段階で,この種の考えが生まれたようだ。本では「申命革命」となっている。農地は共有から私有に代わっていった。同じ古代地中海世界のギリッシャローマでもこの種の独立自営農民が民主制の引き金になったが,じき没落し農奴制が支配的になったのに対し,ユダヤはアッシリアとかバビロンに支配されたせいか,異民族の総督支配下では農奴制が発達しなかったようだ。ロシアはムスリム化したモンゴルに支配されているうちに,農奴制を確立したから,古代ユダヤの特異性は注目に値する。
2:申命記/ 24章 14節
貧しく乏しい雇人は、同胞であれ、またはあなたの国で、町のうちに寄留している他国人であれ、それを虐待してはならない。
4:申命記/ 24章 15節
賃銀はその日のうちに払い、それを日の入るまで延ばしてはならない。彼は貧しい者で、その心をこれにかけているからである。そうしなければ彼はあなたを主に訴えて、あなたは罪を得るであろう。
独立自営農民(聖書では地の民となっている)に擁立されたヨシア王は8歳だった。申命革命は18年後だった。法が「王」の上に立った。ユダヤの周辺はエジプト,バビロン,ペルシャとか王が支配する帝国ばかりだから実に奇妙な民族が発生した。西欧では王権に対抗する宗教思想となり,ピューリタンとなって王を断罪するに至った。日本だと,幕府に逆らった鎌倉期の上皇は死罪とはならず,配流となった。地下と蔑んでいた地頭が日本の支配者層に代わった。王権による官符(命令)よりも,幕府の発布する式目(法律)が優位になった。
ピューリタンが入植した北米諸州は,年季奉公が明けた農民に農地を支給する一方,奴隷を労働力とする大規模農園も発達した。主にタバコとか商品作物を栽培していた。劣悪だった労働環境のせいか,各州は逃亡奴隷法を制定している。奴隷制と旧約の精神は相容れないが,新約に重きをおくプロテスタントには奴隷制とイエスの隣人愛には何ら矛盾は感じなかったのであろう。ボリビアで説教した現ローマ法王は解放の神学に理解を示し,合衆国のカソリックを落胆させた。
西欧は古代奴隷制,中世農奴制と長い歴史がある。西欧文明とは一言で言えば,人身売買の文明である。合衆国は奴隷制の負い目とキリスト教原理主義の建前のせいか,他国の人身売買に異常な関心を示す。日本政府管掌の外国人研修員制度も監視対象だ。
「日本は、国連で2000年に採択された人身取引議定書を締結していない唯一のG8参加国である」と締めている。戦前に陸海軍の反対で批准できなかった,かつてのジュネーブ条約を思い出す。へらへらしているようだけど,ペリー来航の時代から,合衆国の日本のウィークポイントの情報収集はスゴイと認めざるを得ない。政府が人身売買を推進しているような国の自衛隊と本当に共同で戦ってくれるだろうか。自衛隊の軍紀について不信の念があるのは確かだろう。70年前の日本陸海軍の捕虜虐待を忘れるほど,合衆国民はお人よしではないだろう。
ちなみに合衆国の普通のオバサン達(クリスチャン)は広島長崎への原爆投下は神(正義)によるお仕置き(報復)と思っている。
従軍慰安婦問題もいいけど,もっと身近な問題に目を向けた方が,自国の安全にもつながるのではないか。人権とか人道は中国ロシアに対する切り札にもなるのだ。中国人研修員は帰国して,親日になってくれるのだろうかと,ふと思う。反日が増えるようでは,中国の思うツボだな。中国に日本政府の人権侵害を喧伝されるのも時間の問題か。日本人のよそ者に対する無関心(自己中)は日本の命取りだな。
明治の日本は関税自主権もなかった弱小国だったけど,貧しくとも国際条規に則った独立国との気概があった。いつから大国に媚へつらい,他国人を労働力源としてしか見なさなくなったのだろうか。国の品格に富強さは関係がないのだろう。外国人研修員制度も利権化して,もうどうにもならないのだろう。しかし,何かしら国連のお墨付きがないと,米中からの非難に耐えられないのではなかろうか。聡いパソナの竹中はどう考えるだろうか。何とか人道目的と称して北朝鮮の労働者を確保するくらいの事は考えているだろう。小泉元首相は北朝鮮にコネクションがあるから,その可能性はあるかもしれない。人材派遣の日朝合弁会社を設立すればいい。北欧ドイツの成長がポーランドとか東欧の労働力が支えているように,日本も真似ればいいが,しいたげてはいけない。北朝鮮人の定住を推進しなければならない。人道精神のない日本には無理か。ロイターによると,北朝鮮危機が起きたら,中朝国境に数百万人が殺到するという。その1割でも日本に定住したら,貴重な労働力となる。しかも国際人道貢献だ。
国内人材派遣業の2013 年の市場規模は 3 兆 7,800 億円だそうだ。パソナの2014年の売り上げは 226,227 百万円だった。前年度比,8.4% の伸びだ。パソナ会長は慶応の先生で骨太予算を進めた竹中平蔵だ。慶応の建学の精神は実学だが,利に聡すぎるきらいがある。親しい知人いわく,旧カネボウとか慶応卒は金のある会社に集中して就職し,閥をつくると言っていた。今思えば,小泉純一郎の脱原発も太陽光発電とか彼の周辺に,利に聡い慶応関係者がいても不思議でないと思う。知人の説によれば,会社で慶応閥がハバをきかせるようになると,その会社は斜陽になるそうだ。国家は東大閥が盛んになると,国は傾いたなと思う。私が東大を解体しなければならないと言うと,その知人は東大は日本そのものだから無理だと言う。妙に納得させられたのを思い出す。
国会議員,高級官僚および公立校教師にスイスのように後方支援を義務付けたらどうだろうか。これらの人々は有事になっても,動員は課されないのだろうと思う。戦前に,志願した議員とか官僚がいるのだろうか。合衆国だと,一部の下院議員は軍歴欲しさに志願した。セオドアルーズベルトのように軍歴があると選挙に有利だった。旧約を読むと,ユダヤ人に軍人の記述は少ない。
古代ギリシャローマの軍制とユダヤの法の精神を取り入れた西欧文明が世界を制覇したのはある意味,当然の帰結かもしれない。
英国はアフリカ,カリブ,パキスタンからの移民で溢れている。フランスはマグレブ(北アフリカ)だ。合衆国はヒスパニックと世界の先進国は移民だらけだ。難民移民を受け入れていないのは日本だけだ。朝鮮有事の難民を第二の渡来人帰化人として受け入れたらどうか。研修員のように期限付きでないとやはり無理か。かつて,ロシア革命を逃れたロシア人は日本を中継地として,合衆国に渡った。同じような事が起きる可能性の方が大きいか。日本韓国は子孫まで差別が続く酷さなので,スキルのある労働者は思ったほど日韓に定住しないかもしれない。
西欧にはない日本の過労死をどう合衆国に説明するか。一般の米国人は中国人労働者の環境が劣悪なのは知っている。日本が中国に優位になれるのは人道人権の一点なのだが,米国との共同歩調は内政干渉と称して取れない。韓国は日中に対して人身売買に関して非難できる Tier1 を獲得している。日本の場合,政府管掌外国人研修員制度が足かせになって, Tier1 の認証は困難のようだ。
やはり日本は鎖国が賢明だな。鎖国すれば,外国人研修員も途絶える。貴重な内国人労働力を使役して,効率の悪い分野は淘汰される。花卉栽培従事者,織工,自動車組立工の労賃は上昇して生産は割りに合わなくなるだろう。外国人労働力に依存している富士重工,マツダ,ダイハツはよほど円安にならない限り,事業の継続は困難になるだろう。他の自動車メーカは海外生産を選択する。フィアットのように本社を合衆国に移転する企業も出てくるかもしれない。
ただ,労賃が上がれば,自動機の導入も加速される。世界に先駆けたイノベーションが生まれる可能性も出てくる。要は労働効率をいかに上げられるかだ。ヒントになるのは2次大戦期のドイツ空軍の戦闘機生産だ。構造設計から見直し,創意工夫により生産性を上げるのに成功して,生産は終戦まで伸び続けた。その生産工は占領地域から連れてきたフランス人徴用工だった。ミッテラン元大統領もその一人だった。ただ,戦闘機はあってもガソリンとパイロット不足に悩まされた。無人戦闘機はできなかったし,合衆国のようなハイオクガソリンの製造は全くできなかった。旧満州には中国の有力自動車製造工場がある。北朝鮮労働者を使役すれば,大量安価な自動車製造が可能になるだろう。韓国の現代起亜がこれに果たして優位に立てるだろうか。
戦前は,陸海軍の反対によりジュネーブ条約の批准ができなかった。戦前も今も,日本の法治はシニア官庁による合議制だ。多分,経産省と農水省が「人身取引議定書」に反対しているのだろう。利権のおこぼれにあずかっている 制度を管掌している外務省も本音は反対なのかもしれない。
ぐだぐだ書いたけど,労賃のルーツは旧約まで遡るという物語です。虐げていないと思っていても,そうとはみない世界(国連)があるという事です。過労死のある国では当たり前の事が他の世界では虐待なのだと思う。国連は戦勝国が造った体制だからという論は,IMF体制を否定し,円の価値もなくなってしまう論理です。衰退日本の円価は自然に円安になる。2040 年の大阪を想像すれば,自ずから円の為替レートが見えてくる。朝鮮有事はあっても,戦災の惨禍はないと思いたい。粛清の続く,恐怖政治がどう転ぶか,東欧と異なり核兵器を保有しているから,やっかいだ。その朝鮮有事も,合衆国がどこまで本気に介入するのか,判然としない。本来なら,諜報機関を用いて,合衆国の真意を探るのが筋なのだが,それもできない。やはり,鎖国だろう。3回目の被爆も定めかもしれない。韓国映画とか小説だと,北朝鮮の核が何故か大阪に着弾するのが定番になっている。ハリウッド映画だと宇宙人の侵略に大阪が曝される。何故だろう。
ただ,過労死と孤独死件数は漸増していくのではなかろうか。鎖国下の江戸初期の輸出産品は銀と銅だった。後期には陶磁器と生糸に代わった。秀吉以降の幕府体制は人余りでも奴隷交易を認めなかった。一方,領邦国家のドイツの弱小諸侯は,自国農民の倅を傭兵として売り払っていた。合衆国独立戦争の際も,イングランド王は 3000 のヘッセン傭兵を購入して,反乱を起こしたニューイングランドに送った。敗戦続きの殖民軍は投降すれば,ドイツ語で農地を与えると呼びかけた。夜が明けて点呼してみると,傭兵部隊に少人数の脱走者が出て来た。太平洋戦線を指揮したニミッツはドイツ移民の子孫だった。祖父がドイツ語を話すのを聞いて育った。アイゼンハワーもドイツ系だった。ドラマホームランドを見ていたら,イランから避難してきたイラン人の娘が CIA の研修生となり,ソールの下で対イラン防諜分析するというシナリオだった。合衆国は実に恐ろしい国というか,まさに帝国だ。日系2世とか3世もそういった活用がなされたのであろう。
参考
2014年人身売買報告書(日本に関する部分)
http://www.pasonagroup.co.jp/ir/data/pl.html
人材ビジネス市場に関する調査結果 2014
コラム:北朝鮮が韓国を挑発する本当の目的
人身売買
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