VWとハイオクを製造できなかったドイツ
熱機関の効率を良くするには燃焼温度を上げ排熱温度を下げる事だ。しかしながら,排ガス処理をするのは化学触媒反応で高温を要するから燃費とトレードオフの関係にある。瞬間ガス湯沸かし器も排熱温度を結露する位まで下げれば燃焼効率は上がるけど,冬季には結露が発生して,腐食やがてガス漏れの危険性があるから,安全性を優先してエネルギをムダ使いしている。また,その方がガス会社の利益にもなる。
車の排ガス処理技術の向上により大気汚染がなくなったかのような記事を読んで,半分嘘だ。実際はガソリンの精製に金をかけ不純物を除去したからだ。石油を精製して一番上等な油種はホワイトガソリン,ナフサともいう。化学樹脂とかの原材料になる。日本の車による大気汚染が酷かったのは中東の重質油だったせいもある。
ディーゼルエンジンは大抵の油で回る。京都市バスはてんぷら油の廃油で動かした事もあった。昔,日本海軍は合衆国に依存していた石油燃料を断たれて開戦に踏み切ったとされる。ボルネオのタラカン油田の良質原油(重油)をそのまま,艦船のボイラーに焚いていた。タンカーが米潜により沈められ,本土は石油不足に悩まされたけど,父の話だと,駆逐艦は真水が少なく,油を焚いて海水を精製していたそうだ。真水精製用の小さなボイラーを搭載していたのだろう。ずいぶんと贅沢な話しだ。
金満国の日本は LNG を焚いて電力を起こしている。LNG は水素が多く熱価が高い。究極の燃料はロケットの純粋水素だ。私が学生の頃,水素エネルギの時代が来ると言われていた。あれから,40年になるが,一向にその気配はない。逆に,安価な石炭火力が復活している。石炭は不純物が多いから,大気汚染の原因になる。煙突を高くして,濃度を薄めればいいけど,廃棄物の総量は増える。原発を止めて,重金属,とりわけ微量放射能が大気中に増えるのは皮肉としかいいようがない。
中国が原発建設に熱心だ。石炭火力を減らすのは地球環境に良い事だ。汚染物質の日本への降下も減るだろう。日本は石油揮発油に多額の税金を課している。民主党が政権を握ったとき,小沢一郎は石油と道路利権を掌中にしようと自民党と同じで幻滅した記憶がある。20世紀は石油と航空機の時代だった。今でも,合衆国はこの覇権を手放そうとはしない。日本が脱原発になれば,シェールガスが余っている合衆国が潤う。どう転んでも合衆国の利益になる。そういう戦略を構築するのが国家意思だろう。
ドイツのミュンヘンに科学技術博物館がある。一番良い展示場所にV2ロケットがある。Uボートの内部も体験できる。V2は当時,大した電子制御がなかったから,空圧機構制御で姿勢を制御しながら飛行した。大したものだ。エンジンの展示も圧巻で,唯一日本のエンジンが展示されているのはヤンマーだった。戦争中,ドイツはディーゼルエンジンの軍用機を製造したくらいだった。ガソリンエンジンに比べると加工精度,燃料噴射機構とかがやっかいだった。そんな複雑なエンジンを回すくらいなら,合衆国風にガソリン製造に金を掛けたほうがトータルのコストは安かったのかもしれないが,ドイツはハイオクガソリンの製造ができなかった。6万輌も製造した合衆国のシャーマン戦車のエンジンはガソリン機関だった。合衆国以外は低引火のディーゼルを好んだ。
米軍戦闘機はハイオクガソリンで日独戦闘機を圧倒した。凝った自動車エンジンを製造するより,燃料の改質に金を掛けた方が合理的なような気がするが。
車の排ガス処理技術の向上により大気汚染がなくなったかのような記事を読んで,半分嘘だ。実際はガソリンの精製に金をかけ不純物を除去したからだ。石油を精製して一番上等な油種はホワイトガソリン,ナフサともいう。化学樹脂とかの原材料になる。日本の車による大気汚染が酷かったのは中東の重質油だったせいもある。
ディーゼルエンジンは大抵の油で回る。京都市バスはてんぷら油の廃油で動かした事もあった。昔,日本海軍は合衆国に依存していた石油燃料を断たれて開戦に踏み切ったとされる。ボルネオのタラカン油田の良質原油(重油)をそのまま,艦船のボイラーに焚いていた。タンカーが米潜により沈められ,本土は石油不足に悩まされたけど,父の話だと,駆逐艦は真水が少なく,油を焚いて海水を精製していたそうだ。真水精製用の小さなボイラーを搭載していたのだろう。ずいぶんと贅沢な話しだ。
金満国の日本は LNG を焚いて電力を起こしている。LNG は水素が多く熱価が高い。究極の燃料はロケットの純粋水素だ。私が学生の頃,水素エネルギの時代が来ると言われていた。あれから,40年になるが,一向にその気配はない。逆に,安価な石炭火力が復活している。石炭は不純物が多いから,大気汚染の原因になる。煙突を高くして,濃度を薄めればいいけど,廃棄物の総量は増える。原発を止めて,重金属,とりわけ微量放射能が大気中に増えるのは皮肉としかいいようがない。
中国が原発建設に熱心だ。石炭火力を減らすのは地球環境に良い事だ。汚染物質の日本への降下も減るだろう。日本は石油揮発油に多額の税金を課している。民主党が政権を握ったとき,小沢一郎は石油と道路利権を掌中にしようと自民党と同じで幻滅した記憶がある。20世紀は石油と航空機の時代だった。今でも,合衆国はこの覇権を手放そうとはしない。日本が脱原発になれば,シェールガスが余っている合衆国が潤う。どう転んでも合衆国の利益になる。そういう戦略を構築するのが国家意思だろう。
ドイツのミュンヘンに科学技術博物館がある。一番良い展示場所にV2ロケットがある。Uボートの内部も体験できる。V2は当時,大した電子制御がなかったから,空圧機構制御で姿勢を制御しながら飛行した。大したものだ。エンジンの展示も圧巻で,唯一日本のエンジンが展示されているのはヤンマーだった。戦争中,ドイツはディーゼルエンジンの軍用機を製造したくらいだった。ガソリンエンジンに比べると加工精度,燃料噴射機構とかがやっかいだった。そんな複雑なエンジンを回すくらいなら,合衆国風にガソリン製造に金を掛けたほうがトータルのコストは安かったのかもしれないが,ドイツはハイオクガソリンの製造ができなかった。6万輌も製造した合衆国のシャーマン戦車のエンジンはガソリン機関だった。合衆国以外は低引火のディーゼルを好んだ。
米軍戦闘機はハイオクガソリンで日独戦闘機を圧倒した。凝った自動車エンジンを製造するより,燃料の改質に金を掛けた方が合理的なような気がするが。
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