2017/06/16

合衆国パリ協定離脱は日本に好都合

パリ協定は二酸化炭素の排出を零にして世界の平均気温上昇を 2℃ 以下にしようという国際協約だ。そのためにはエネルギ分野でのカーボン排出量を 2100 年にゼロにしようという協定だ。
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実測値は確かに上昇している。原因は CO2 かどうかは実証しようがない。あくまでも理論モデルだ。

日本は現実問題として原発のリプレースは世論により不可能だから,どうやってもゼロエミッションは不可能だ。前に書いたけど,合衆国原子力規制委員会 NRC は新型加圧水型軽水炉の審査認証を出した。

太平洋戦争中,日本は松根油を戦闘機燃料にしようとした事があった。しかし,いつの間にか合衆国は原爆を開発し日本に投下した経緯をもう一度,考えてみよう。ハイオクガソリンを大量生産できなかったドイツはもう少しましで,直噴とメタノール噴射を組合せて凝った(複雑なコスト高)エンジンを開発した。アルコールは燃費(熱価)がとてつもなく悪い。ドイツの戦闘機は英国に進出できず,ハイオクのムスタングとサンダーボルトは普通のキャブ(混合気化器)で成層圏を飛んでベルリン上空に飛来した。さらにサンダーボルトには排気タービン過給機(ターボ)があった。日本のガソリンと戦闘機の性能が余りにも悪いので,米軍とりわけ海軍機は無駄なターボを取り外した。。。沖縄伊江島から米陸軍航空隊のサンダーボルトは対馬海峡まで何と爆装して飛来したけど,燃費の悪い日本海軍の紫電改は鹿屋から沖縄まですら進出できなかった。

NHK の解説だと,水素エネルギとかの代替エネルギは技術革新により,日本がパリ協定を遵守できるかのような記述になっている。自動車にどれだけの水素を積まなければならないのか,高校生でも計算できる。水素社会とか核融合炉の夢は,実際は大学とか文科省役人の天下り先の温床なのだろうと思う。日本海軍みたいな首をかしげたくなる役所だ。

かつて日本が無視した条約に捕虜取扱条約があった。日本政府は調印はしたけど,陸海軍の反対でジュネーブ条約を批准をしていなかった。日本が合衆国に開戦通牒を出したら,合衆国から捕虜の取り扱いについて問い合わせがあり,外務省はスイスを通じて遵守する旨を伝えたが,日本軍に守るつもりはなかった。しかし今回は合衆国はパリ協定を離脱したので,日本も追従すればいいのではないか。日米が枢軸になる。問題はトランプが再選されるかどうか。合衆国が復帰したら,松根油のような事象が起きても不思議でもない。

影の主役人口問題
中国のような一人っ子政策を実施すれば,人口がさらに減少しエネルギ消費の増加が鈍るのではないか。政府の推計だと 2100 年に 5000 万人になる。江戸期の人口 3500 万人くらいがいいのだろう。南洋とか日本は平和で間引き(堕胎)を容認する文化社会だった。

エネルギと食糧をどうするか。パリ協定は実は人口問題なのだ。日本はどうして原発問題を避けるのだろうか。2100 年までは無理でも,せめて日本も小型加圧水型原子炉に次世代のため保険をかけたらどうか。中韓は原発に布石を打っている。それとも日本は人口が減るから,どうでもいいのだろうか。

古代アテナイの最盛期(中国の前漢期と同じ頃)の人口は20万人程度で,黒海沿岸の小麦に依存していた。当時,既に貨幣経済で奴隷が銀を採掘していた。銀山が枯渇し,交易ができなくなり衰退した。オスマン帝国から独立しようとした頃には漁村になっていた。

日本人は日本が徐々に衰退すると思っているけど,交易と貨幣経済に頼っているとアテナイのように崩壊する可能性もある。江戸最盛期の江戸の人口はどうも 100 万人以下だったようだ。首都圏の人口は文革の北京のように自然と下放になるのだろうか。古代アテナイはマケドニア,さらにローマに併呑されたように中国に呑み込まれるのかな。

近未来米中戦争ゲーム
近未来の合衆国を描いた米中戦争ゲームだと,日本は中国側の設定だそうだ。意外と思うか,あり得ると思うか。ちなみに朝鮮は米中どちらの同盟国でもなく,プレーヤ設定がないそうだ。合衆国民は我々が考えるほど,親日的ではない。パリ協定をめぐる日米枢軸はやはり,あり得ないか。文化宗教の違いを越えて野合するには,相互の損得が合致しないと無理だ。日本にとり,悪夢なのは米中密約である。合衆国の日本に関する最大関心事はジャパンマネーである。

強い円はあと,何年もつだろうか。国力が衰退すると,自然と円安になる。現代ギリシャのように公務員主体の国家も近いか。日本は現在の北海道のようになるのだろうと思う。北海道経済文化をウオッチングすれば,日本全体が見えてくる。その典型が道庁とJR北海道だろうか。

参考
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