2017/02/19

施設栽培の燃料費33%

日本はエネルギコストが他の先進諸国に比べると高い。日本の施設園芸の経費に占める燃料費は 33% にものぼるそうだ。これは日本沿岸のイカ釣り漁船と同じだというから驚きだ。

日本の施設園芸面積が漸減している。野菜農家が減っているようだ。輸入野菜が増えているためであろうか。韓国の施設園芸の電力料金は日本の半分だ。どうも施設建設コストも日韓では違うようだ。

日本の近海では中国台湾韓国漁船団がサンマとかサバを漁獲する。かつては日本のまぐろ漁船が世界の海で採りまくった。合衆国も幕末の頃には,鯨を自国周辺ではとりつくし日本近海までくるようになっていた。国の産業は時代とともに栄枯盛衰がある。半導体電子部品は日本は全く韓国台湾に勝てなくなった。その韓国台湾も中国に勝てなくなるだろう。

日本の施設園芸は野菜に比べると花卉は健闘している。販売単価が野菜に比べ高く,施設建設コストとエネルギコストを吸収できるからだろうと思う。

韓国の電気料金が安いのは,原発が日本と異なり負荷に応じて出力を制御しているからだ。日本は一定出力で発電していた。日本の識者は原発の発電コストが高いと主張するが,電力会社も効率的に運営する努力をしていなかった。競争がなく,そんな面倒な事をしなくても利益を上げられた。

半導体にしても,日本の集積回路設計はショボくてチップ面積は台湾製の倍ほど要した。これでは,自社製品に組み込むには何ら問題がないけれど,外販しても購入してくれるセットメーカがない。全て,内輪のクローズされたコップのなかの競争であった。

日本はエネルギと食糧の自給ができなくて輸入に依存している。輸入品の購入には外貨が必要であるから,日本の競争力が低下すると必然的に日本は貧しくなっていく。

大阪の堂島に米の先物取引市場があり日本は資本主義の先駆的国家とされるが,実際の日本の米作は小作民が耕起する中国ではあり得ない貧農に支えられていた。あの人余りの清朝でも馬耕と牛耕が一般的だった。

かつて日本の植民地だった台湾の一人当たり購買力 GDP は日本をはるかに凌駕している。2,3年後には韓国にも抜かれるだろう。日本のように成長しない国に欧州だとイタリアがある。イタリアも縁故地縁関係が濃厚な社会で自由競争に程遠い国家だ。それでは日本はイタリアのように国は貧しくとも国民は豊かな生活を送れるようになるだろうか。それはあり得ない。エネルギコストが全然,比較にならないからだ。

原発を再稼働させてエネルギ自由化を推し進めれば,保育所関連予算なんてエネルギコストに比べた微々たるものだ。どちらも既得権保護のため規制緩和が進まない。地方分権だった江戸幕藩体制よりも,さらに競争のない中央依存のギリシャみたいな国家になっている日本はどうしょうもないのだろう。

でも貧しくなれば,台湾韓国に日本の農産物を輸出できるようになるだろう。私の子供の頃は1ドル 360 円の固定相場だった。その頃は合衆国にミンクの毛皮,合板,アスパラガスなどを輸出していた。外貨の稼ぎ頭は蟹の缶詰だった。でも両国の人口は少ないな。合衆国はシンガポールに野菜を輸出するくらいだから,日本農産物の合衆国への輸出は円の価値が半分になっても期待できないのではないか。

内需拡大と言っているけど,貧しくなってきた国民は自国製自動車も買わなくなった。自動車会社は輸出で成り立っている。これは戦前の絹産業と同じ構図だ。

参考

追記
あるヘッジファンドの為替予想では,日本での液晶製造は成り立たないな。国内の電子部品製造は壊滅する可能性もある。しかし,エネルギ輸入コストを考えれば実に喜ばしい。
(Bloomberg) -- 円相場は米当局の利上げに伴い半年内に1ド ル=120円に下落するが、それ以上安くはならないと、元国際通貨基金 (IMF)チーフエコノミストのスティーブン・ジェン氏が予想した。
ヘッジファンド、ユーリゾンSLJキャピタルで最高経営責任者 (CEO)を務めるジェン氏は、円が反発し、2018年の早い段階で対ド ルで100円に達するとみている。債券購入による日銀の利回りコントロ ールと景気刺激策が限界に達するからだという。日銀は既に日本国債の 発行残高の40%余りを保有。拡大した債券購入プログラムを13年4月に 開始する前は14%程度だった。
ジェン氏は先週のインタビューで「他のどの中銀よりも日銀の非伝 統的金融政策は限界に近い」と指摘。日銀があらゆる選択肢を使い果た した後、円は適正水準である1ドル=90円前後に戻るだろうと語った。
日銀は10年物国債利回りをゼロ付近に抑えようとしている。その一 方で、一部の先進国ではインフレ上昇と景気見通しの改善で債券利回り が上昇しつつある。
ジェン氏は「資本の流れは非常に強くなるため、日銀が名目金利を 一定水準に保とうとすればドル・円相場への影響が他のゆがみを生み、 他国から政策対応を引き起こすだろう」とし、「ゼロ%の利回り目標は 米当局のフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標と同じように使わ れ、調整されるだろう。欧州中央銀行(ECB)はテーパリングするだ ろう」と語った。
今年の米利上げ3回を予想するジェン氏は、今後6カ月は「日本と 日銀というよりも、米当局次第だ」と述べた。


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