台韓女性指導者と潜水艦
台湾の総統選挙で女性が勝った。言うまでもなく台韓は日本と同じく東アジアの儒教文化圏に属する。儒教の根本は祖先崇拝と男尊女卑につきる。両国の政治指導者が女性とは驚きだ。この両国は経済的には日中の狭間,そして合衆国の庇護下にあるのも共通している。ただ,一方は反日で他方は親日だ。
台湾の正式名は中華民国だ。日本は中華民国と長い間,対立と戦争もしてきた。それは第1次世界大戦後の対支21ヶ条の要求から始まった。台韓の防衛力について大きな違いがある。台湾海軍の潜水艦戦力はないに等しい。現代海軍の主力艦は潜水艦だ。潜水艦の建造と運用ができてこそ真の海軍国といえる。
海自の主要仮想敵国はソ連海軍潜水艦から急速に海軍力を整備している中国海軍に変った。台湾は日本同様,島嶼国家だ。中国が台湾封鎖を宣言したら,干上がる。フォークランド紛争の際,英国は原潜による封鎖を宣言したら,アルゼンチン艦船はフォークランドにアクセスできなくなった。キューバ危機の際は,合衆国は封鎖海域に向かったソ連輸送船団と一触即発となった。日本に寄港する米原潜は横須賀が減り,沖縄のホワイトビーチが増えている。米原潜の主たる攻撃相手は,戦略原潜と攻撃型原潜だ。ロシアの国力低下に伴い,露原潜の哨戒行動は激減している。東シナ海の水面下では日米中韓の対峙が強まっているのだろう。しかし,ホワイトビーチには人影(乗用車の類)がない。かつての日本海軍のクェゼリン環礁みたいなものか。日本海軍は潜水母艦を有していて潜水艦隊司令長官は母艦から潜水艦を指揮していた。
戦間期,米海軍の在比極東艦隊の主力は潜水艦だった。台湾から出撃した,日本海軍航空隊の攻撃によりスービック海軍基地内に備蓄されていた 300 本以上の潜水艦魚雷が爆発して,魚雷不足により開戦当初の米潜の不振につながった。極東艦隊の司令官はハート海軍大将で,在比陸軍指揮官は陸軍中将だったマッカーサだった。自尊心のかたまりのマッカーサは Small Fleet Admiral と皮肉っていたそうだ。
現米太平洋艦隊司令長官は対潜哨戒機出身だ。これまで機動部隊指揮官もしくは潜水艦艦長出身が多かったから異色だ。太平洋戦争が勃発すると,米海軍省は戦艦部隊指揮官出身を解任して,潜水艦に精通している航海局長だった海軍少将のニミッツを太平洋艦隊司令長官にした。ニミッツは潜水艦部隊を直率した。日本海軍の潜水艦隊指揮官すら潜水艦出身は一人しかいない。今でも海上幕僚長まで出世しようと思ったら,配属先が潜水艦とか対潜哨戒機だったらその可能性はほぼ限りなくない。大艦巨砲主義が水上艦優先となり今でも続いている。
米番組が日本海軍は年功序列の官僚が指揮していましたと批評する。有事が起きても,海自の人事は多分,戦前の日本海軍と同じだろう。日本の社会は戦争に全く不向きだ。戦争は想定外が起きて当たり前だ。そんな場合の意思決定プロセスは空気を読む談合では乗り越えられない。指揮官に全権を委任するしかないのだが,日本人は指導者の選抜が下手というかできない。現首相は国会でわが国軍と呼ぶ。自分は自衛隊の最高指揮官のつもりだろうが,半分近くの国民はそうは思わないだろう。現首相よりは米軍が自衛隊を指揮するから,安全だと思う。
フクシマ危機の際,グローバルホークでフクシマ原発を監視したり,また諜報活動を通じて危機的状況を把握した合衆国は米大使を通じて米軍の核即応チームの受け入れを迫った。菅首相は米軍が占領しにやって来ると口走ったらしい。実際,自衛隊は核事故対応の準備は何も想定していなかった。日本の指導層は考えていなかった。太平洋戦争中,日本の輸送船の過半は米潜により沈められたが,これは日本海軍の想定外だった。海自は世界第2位の海軍だが,兵器は立派でもそれを指揮する指揮官は戦前,同様アホだろう。それはなぜか。海自の指揮官も年功序列の官僚だからだ。
参考
米原潜 日本寄港53回
ホワイトビーチ
Russian Nuclear Missile Submarine Patrols Decrease Again
Russian SSBN Fleet: Modernizing But Not Sailing Much
台湾の正式名は中華民国だ。日本は中華民国と長い間,対立と戦争もしてきた。それは第1次世界大戦後の対支21ヶ条の要求から始まった。台韓の防衛力について大きな違いがある。台湾海軍の潜水艦戦力はないに等しい。現代海軍の主力艦は潜水艦だ。潜水艦の建造と運用ができてこそ真の海軍国といえる。
海自の主要仮想敵国はソ連海軍潜水艦から急速に海軍力を整備している中国海軍に変った。台湾は日本同様,島嶼国家だ。中国が台湾封鎖を宣言したら,干上がる。フォークランド紛争の際,英国は原潜による封鎖を宣言したら,アルゼンチン艦船はフォークランドにアクセスできなくなった。キューバ危機の際は,合衆国は封鎖海域に向かったソ連輸送船団と一触即発となった。日本に寄港する米原潜は横須賀が減り,沖縄のホワイトビーチが増えている。米原潜の主たる攻撃相手は,戦略原潜と攻撃型原潜だ。ロシアの国力低下に伴い,露原潜の哨戒行動は激減している。東シナ海の水面下では日米中韓の対峙が強まっているのだろう。しかし,ホワイトビーチには人影(乗用車の類)がない。かつての日本海軍のクェゼリン環礁みたいなものか。日本海軍は潜水母艦を有していて潜水艦隊司令長官は母艦から潜水艦を指揮していた。
戦間期,米海軍の在比極東艦隊の主力は潜水艦だった。台湾から出撃した,日本海軍航空隊の攻撃によりスービック海軍基地内に備蓄されていた 300 本以上の潜水艦魚雷が爆発して,魚雷不足により開戦当初の米潜の不振につながった。極東艦隊の司令官はハート海軍大将で,在比陸軍指揮官は陸軍中将だったマッカーサだった。自尊心のかたまりのマッカーサは Small Fleet Admiral と皮肉っていたそうだ。
現米太平洋艦隊司令長官は対潜哨戒機出身だ。これまで機動部隊指揮官もしくは潜水艦艦長出身が多かったから異色だ。太平洋戦争が勃発すると,米海軍省は戦艦部隊指揮官出身を解任して,潜水艦に精通している航海局長だった海軍少将のニミッツを太平洋艦隊司令長官にした。ニミッツは潜水艦部隊を直率した。日本海軍の潜水艦隊指揮官すら潜水艦出身は一人しかいない。今でも海上幕僚長まで出世しようと思ったら,配属先が潜水艦とか対潜哨戒機だったらその可能性はほぼ限りなくない。大艦巨砲主義が水上艦優先となり今でも続いている。
米番組が日本海軍は年功序列の官僚が指揮していましたと批評する。有事が起きても,海自の人事は多分,戦前の日本海軍と同じだろう。日本の社会は戦争に全く不向きだ。戦争は想定外が起きて当たり前だ。そんな場合の意思決定プロセスは空気を読む談合では乗り越えられない。指揮官に全権を委任するしかないのだが,日本人は指導者の選抜が下手というかできない。現首相は国会でわが国軍と呼ぶ。自分は自衛隊の最高指揮官のつもりだろうが,半分近くの国民はそうは思わないだろう。現首相よりは米軍が自衛隊を指揮するから,安全だと思う。
フクシマ危機の際,グローバルホークでフクシマ原発を監視したり,また諜報活動を通じて危機的状況を把握した合衆国は米大使を通じて米軍の核即応チームの受け入れを迫った。菅首相は米軍が占領しにやって来ると口走ったらしい。実際,自衛隊は核事故対応の準備は何も想定していなかった。日本の指導層は考えていなかった。太平洋戦争中,日本の輸送船の過半は米潜により沈められたが,これは日本海軍の想定外だった。海自は世界第2位の海軍だが,兵器は立派でもそれを指揮する指揮官は戦前,同様アホだろう。それはなぜか。海自の指揮官も年功序列の官僚だからだ。
参考
米原潜 日本寄港53回
ホワイトビーチ
Russian Nuclear Missile Submarine Patrols Decrease Again
Russian SSBN Fleet: Modernizing But Not Sailing Much
- 関連記事
-
- 征服王ウィリアム容姿と米英東アジア研究
- 台韓女性指導者と潜水艦
- 空売りの時期が到来か?
コメント