2016/07/07

差動増幅回路製作

充放電器の充放電流の測定に用に DSO から 2CH カーソルで読むために,差動回路を設計した。OPアンプを使用する。そんなに回路設計する機会もないので,いつも入出力インピーダンスの値に悩む。入力インピーダンスは高く,出力インピーダンスは下げたいからだ。トレードオフの関係にある。私の場合,出力インピーダンスにしわ寄せをかける事が多い。

2CH 差動回路だと,最低8本の抵抗が必要になる。各抵抗値のバラツキをおさえ温度係数も同じにしたい。幸い共立電子はテーピングをしたまま販売するので都合がいい。バラの状態だとロットが異なってもわからない。パーツボックスを漁って 33kΩ がこれに該当した。OPアンプは4個入りの LM324 だ。抵抗の1本買いは無駄がないようで良くないか。1円の試作抵抗代がおしいと役員会で吹聴したらしい主任技師をまた思い出す。これもセコイの範疇かもしれない。

ゲイン1以外にすると,読み取った値をスケーリングする必要があり億劫だ。差動に重きをおき増幅はしない。14P のICソケットが手元にない。ソケットなしで組み立てるか,それとも 16P を使うか。

充電器からは給電を行い,放電器からは信号のみだけだ。放電電流の測定の際は AVR 基板からの給電を考えている。ソケットを半田付けして導通チェックをしてからソケットに給電する。充電器との接続コネクタ長は 32cm だ。充電器に無装荷の状態で,フィードバック抵抗なしだと

反転入力電圧 1.46V 140mVpp 2.5kHz
非反転入力電圧 760mV 変動なし
TDS2002 CH1 200mV/div 2.5us/div
フィードバック抵抗を半田付け後 NiCd6 を装荷して,その出力を DMM の読みと比較した。
TDS2002 P-16       PC510
177mV    0.176V
216mV                 0.198V
210mV    0.191V

製作した回路は動作しているようだ。TDS のカーソルを設定するのは面倒なので Measure を使う。測定している間に,充電が進行し以下のように値が変化する。CH1 500mV/div 10us/div

Mean   Vpp
1.44V  540mV 46kHz
731mV 260mV 10kHz

しかし無装荷のとき P-16 は 0.000V だけれども,アンプ出力は Mean 78mV を示す。アンプの不感帯,回路常数インバランスによるオフセット,配線不備等が考えられる。不感帯対策は電源を変更しなければならないで,とりあえず Zero 調の回路をトリマと抵抗で形成しアンプ入力端子に微小電圧を印加してみるが効果は全くない。検索したら,回路シミュレーションと同じ結果になっている。
 DIF.jpg

手元にあるのは単電源ばかりで両電源がない。2個の5V電源のうち,一方のプラスを GND にして他方の電源のマイナスと接続する。信号を確認すると信号がない。回路基板のICソケットの GND をマイナスに引っ張るつもりが,半田付けの際,カン違いしてプラスに接続してしまった。つまりICは正負電圧が逆になり,異常発熱も起き電源SWをオフにした。正規電源しても信号がない。

翌日,ICを交換してもダメだ。配線を辿ったら,またまた配線のカン違いだ。電池を別のホルダに装填すると,信号が出た。電源逆接続したICに戻しても同じ値になる。壊れなかったようだ。若い頃,回路に精通した主任技師が電源を逆接続すると一発で壊れると習い,電源チェックはするになっているが,改造の際は導通チェックをしなかったので冷や汗だな。未熟者にはICソケットはありがたい。

不感帯が 80mV から 4.6mV に激減した。これで 10mA 以下まで計れる。電流検知抵抗は公称1Ωだ。私の充電器のトリクル充電状態は 40mA 程度と考えられるから,これで十分だろう。

負電源の実装をどうするか。

参考
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