不適切な鍋取付ネジ設計
長年使用している鍋の取付ネジが緩む。取ってのエボナイト部が過熱のため一部剥落したため,取っ手が回転するようになり,ネジが緩む。ネジが鍋に当たっているようなのでワッシャを間に入れてみたが効果がない。
もし取っ手が交換できるのなら,交換した方がいいのかもしれない。家人から相談もないので部品が入手できないのかもしれない。普通の鍋は取っ手が2箇所でリベット接合されている。適切なカシメ強度があれば,水漏れもない。鋼船草創の頃は,リベットだった。せめて,この鍋はネジ2箇所で固定するなら,回転せず緩みも少ない筈だ。
子供の頃,近くに跨線橋が建設され建設の様子が楽しみだった。赤熱したリベットを空中に放り投げて,リベット工がキャッチして鋲を打っていた。
この鍋はフランス製だ。家庭用品にイタリアフランス製にろくなのがない。家人がデザインが良いと言ったイタリアのケトルは物置に入った。私はプレス加工の安物日本製ケトルを使って,不満がない。家人とは使うケトルが異なり,キッチンに2つのケトルがある。
イタリアフランスの職工の腕は確かなのだろうが,ブランド品でも設計がショボい。欧州の車もドイツを除くとどうかなという出来栄えだそうだ。イタリアのフィアットは米企業になる道を選んだ。ルノーは日産を吸収した。シトロエンはどうなるのだろう。
やがて,中国製の乗用車が新興国で席捲するようになるのだろうと思う。最近,プーチン大統領が軍が開発した軍用車の視察中,ドアの取っ手が取れた。ロシアの兵器は日本並みだなと思う。日本の陸自も歩兵が携行する機関銃のネジが緩むので有名だった。
この鍋は新品同様の状態でもネジが緩み,家人がドライバを私から借りていた。ネジ締結に熱応力は鬼門だ。昇温降温を繰り返すと,ネジは簡単に緩む。いかに締結力を確保するか,設計の巧拙が試される。エンジンのガスケットが有名だろう。この鍋にはそんな配慮は一切ない。熱応力まで考えて設計するなら,ネジの一本打法は当然,避けるだろう。おフランスのブランド品だからといって,アホな設計もある。
江戸の時代劇をみると,鍋はすべて釣り下げタイプだ。江戸期は文化が爛熟していたそうだが,リベット(鋲)すら普及しなかったのか。鎧も紐通しだ。私も含め,何かがおかしい。日本人は保守的というか,道具を改良しようという熱意が民になかったのであろう。幕末に蘭癖大名が輩出してよかったと思う。彼らの舶来愛好品は時計だった。
日本人はイノベーションする精神とか創意工夫が苦手なのだろうと思う。手先が器用なだけに習熟に入れ込むのだろうか。
参考
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