細線用ワイヤストリッパ選択
線径 0.32mm AWG28 の被覆単線を基板の配線に使用している。加齢のせいか指先の感覚が鈍くなり,線剥きワイヤストリッパを購入する事にした。あるサイトでは Klein Tools 11047 を絶賛しているが,高価でしかも AWG28 に対応していない。細線になればなるほど,剥くのは困難になる。
なるほど AWG30 だと曲げやすく部品面での配線が容易になるのかと思う。しかし,手元にある AWG28 は 100m 巻きで私の生涯で使い切る事はないだろう。検索すると,台湾製が安価だ。
ストリッパといえども,一応刃物なので研磨と焼き入れが肝心だ。刃物は工具鋼とか特殊鋼を材料とする。カミソリはその典型だろうか。世界を席捲しているシックとジレットの刃物材料は日本製だそうだ。高校生の頃は貝印の安全カミソリを使っていた。カミソリの使い方は父から教わった。大学生になってシックを友人から勧められ,剃り味が全然,貝印とは比べものにならない。何が違うか。表面処理と研磨だ。日立金属の社員の話だと,単に研磨すればいいものではないそうだ。
台湾製は安価だけれども,切れ味とか刃の摺動とか現物の状態が確かめようもなく国産にした。
価格は台湾製が2丁買える。Amazon のレビューにバナジウム,クロモリと違い錆びて云々があった。摩耗をさける締結工具と摩滅する刃物との違いがある。電線切断用工具は高周波焼き入れして表面の硬度を上げる。クロモリが刃物のように焼き入れできるようになったのだろうか。この種のストリッパを使用していないので切れ味についてコメントしようがない。ただビニルのカットを考えれば,案外柔らかい樹脂ほど鋭利な刃先がないと切れ味が保てないのではなかろうかと推測する。刃物の切れ味とか髭の剃り味の定量化は難しい。
指先の細かい作業ができなくなるのは身体の老化というより,大脳の機能低下の影響の方が大きいと思う。戦前の東條陸軍大将と杉山元帥は自決の際,ボケていてハンドガンの操作すらまともにできなかった。ただ,文書処理能力と記憶はすばらしくカミソリ東條と呼称されていたそうだ。まさに軍事官僚だった。平たくいうと役人に日本の命運を賭けた国民が愚かだっただけなのだろう。中国も官僚が征戦もしくは反乱の鎮圧に失敗して衰退する王朝が多い。諭吉は脱亜入欧を説いたが,軍政は逆に旧来の東アジア化が進んだのは皮肉だ。
20年後,黒田日銀総裁と安倍首相のアベノミクスをどう評価しているだろうか。後始末は進次郎くらいしか残されていないかもしれないのがさみしい。日本の指導者選抜は絶望的だ。ある意味平和なのだろうけど。
参考
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