2016/07/25

合衆国軍事ドクトリン変化

日英同盟は 1902 年から 1923 年までおよそ20年間続いた。日米同盟は吉田首相の時からずっと続いている。トランプとかヒラリーが合衆国大統領になるのは確実だけれども,米中との関係を考えると安保条約は変質していかざるを得ないのだろうと思う。

合衆国はベトナム戦争の後遺症のせいか,軍事ドクトリンを以下のように見直した。レーガン政権時の国防長官だったワインバーガドクトリンと呼称される。

1.自国および同盟国の死活にかかわる国益がない限り,戦争してはならない。
2.勝利が確実な場合においてのみおこわなければならない。
3.明確に定義された政治的軍事的目標のためにのみ,その目標を完遂するに適した規模をもって戦争を行う。
4.戦争目標と派兵部隊の規模および形態の関係はたえず検証され,必要があればただちに修正されなければならない。
5.国民の世論および議会の支持を得られるという「合理的保証」がない限り戦争をおこなってはならない。
6.軍事行動は最後の手段としてのみ考慮されなければならない。

最近の日中領土問題の緊張を考えると,第1項と2項は気になる。合衆国からみた米中と米日間の交易をみると米中間が米日より多い。対中投資も巨額にのぼる。中国は合衆国債の最大引き受け国でもある。

田中均によれば,日本の対中投資は 600 兆円だそうだ。日本が領土問題で譲歩せず,不測の事態になれば在中邦貨資産は凍結され,株価暴落,円も暴落する。日本国債金利は突如高騰する。日本国民は耐乏生活を迫られる。というのは安価な食糧エネルギが霧散するからだ。無人化の進まないたった24万人の自衛隊で何ができるというのか。中国が原潜による東シナ海封鎖宣言をしたら,どうしようもない。高価なイージス艦あるいは海中だとほとんど移動できない海自潜水艦ではどうしょうもない。

かつて,日本はたった50隻の米潜により干上がった。ジャワスマトラの油田は確保したけど,シナ海を輸送できなかった。父が乗艦したシンガポールに進出した駆逐艦は真水を得るために,重油の生炊きをしていたそうだ。内地では油の一滴は血の一滴と政府は国民に耐乏を強いていた。

不測の事態に備える順番が逆だろう。原潜を狩れるのは原潜だ。ちなみに対潜哨戒機は深海に潜られたら追尾できなし,待ち伏せもできない。音波は電波のように伝播しない。地震リスクと対中戦リスクのどちらが大きいか。ちなみに日本は関東大震災後,大恐慌にも見舞われ対米絹輸出が全く振るわなくなり,大陸へのめり込んだ。対ドルレートが半分の円安になっても,対米輸出は激減したまま,農家特に養蚕の盛んな山間の農村は不況に喘いだ。東北北海道は冷害だった。

何に備えるか。いつまで排泄疲労と手間がかかり,しかも金食いの有人哨戒機に頼るのだろう。海自の既得権でどうにもならないのだろうか。そのうち中国は無人の潜水艦を繰り出すだろう。無用に中国を刺激するのを自重したらどうか。実際は現首相より強硬でないと,次期首相候補にもなれないから,これはいつか来た道と同じになるのは避けられないのだろう。最後は東條のような軍事官僚が首相になるのだろう。2045 年くらいか。

参考
空の帝国アメリカの20世紀 p274

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