2016/11/29

端材による棚製作とラック文化

机上にキーボードと回路実験スペースを確保しようとすると,電源と DSO を立体的に置かないと無理だ。Alinco 製電源 DM-310MV と5V電源の高さがほぼ同じなのでこの上に DSO を置けるが,電源からの放熱が DSO を加熱して考え物だ。電源の上に断熱材として板を渡せばいいけれども,電源上部の排熱口を塞ぐのは感心しない。最初,適当な木箱を探したが適当なのがない。板厚 5mm の端材があるので,これを側板として電源上部に隙間を設ける事にした。
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本格的な装置なら電源を最上部すべきなのだが端材の寸法が足りないし,電源の重量と DSO の電源スイッチが前面でないのが難点だ。以前の TDS310 なら上部ではなく前面なのでパネル組み込みとかを考慮されていたけど,使用前提が変わったのだろう。

ひと昔前の測定器は大型でまともな研究機関はラック組み込みが当たり前だった。大学は部外者でも研究設備の見学は公費で賄われているせいもあって可能だが,私大と私企業の研究所内部の公開はまれだ。研究員が使う実験台(ワークベンチ)とかラックをみると,研究所研究員のレベルがわかる。未経験の研究員に任せているというか放任の実験ラックの電源は最下部だ。これでは測定限界に挑むいい計測は無理だとわかる。私は使用勝手と重心の問題があるにせよ,電源は最上部にせよと主任技師から教わった。主任技師は合衆国企業からの技術導入から学んだ。いい成果をだす生命科学系の国内ラボの先達には留学組が多い。実験手技ばかりでなく,設備レイアウトまでを体得して帰国するからだろうと思う。

最近,AIP推進の最新型海自潜水艦の発令所内部の写真をみてがっかりした。操作卓がゴチャゴチャしていて米海軍原潜とは比較にならない。三菱重工と川崎重工の設計レベルもその程度なのだろう。頭脳レベルではなく,デザイナ(主任技師)がどれだけ潜水艦運用実務に精通しているかだ。レンタカーを利用すると三菱自動車製は安い。レンタルしたら速度メータがハンドルに隠れる設計だ。安い理由が氷解した。三菱自動車の前身は三菱重工の航空機製造部門だった。翼理論とか翼設計は先進国に追いつけても,艤装は酷かった。その名残が三菱自動車にある。三菱自動車の主任技師は何を設計していたのだろうと思う。それはゼロ戦を設計した堀越にも言える。東大を卒業して三菱に就職したら,設計製図実験の実務は一切しないようだ。三菱は今でも身分制学閥の会社である。

Daiso で求めた公称 450x200x9 mm の桐材を天板とする。天板と側板の固定は2種類の金折を用意した。大きい方はネジサイズ 4mm とあるけれども,M5 のネジも通る。大きい金折は曲げ半径が大きく外張りがやりづらい。説明書きの写真も内張になっている。私の場合,内張だと木ネジの耐抜力に頼らずに済む。手元にM5のナットがなく,M4ナットが2個だけあったので側板はナット締めとした。
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天板は適当なタッピングネジが2個あったので,寸法をノギスで計ってみた。通常の木ネジだと板厚を貫通してしまう。ネジ外径と内径が3と 2.3mm だった。
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下穴を1.5のキリで明けた。材料に製品ラベルを付けたまま下穴を明け,ネジを通そうとしたらバカになった。仕方なく,3.6 のキリを通し適当な長さのナベバインドねじがなく,M3のキャップスクリューで間に合わせた。

使用したキリは3種,オネジは4種
M4x15 ナベバネ座金 2pc
M3x8   タッピング 1pc
M3x18 CS    1pc
M2.1x6 木ネジ      6pc

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ナットは2種だった。工具は鋸,ドライバ2種,六角レンチおよびボール盤。ちなみにネジは西欧の偉大な発明だ。京都の祇園祭りはネジ釘を使用せず,原始的山車を売りにしている。かつて皇族高級貴族(官僚)の愛用した牛車が元だろう。山車を組み立てるマンパワーを考えたら,神事とはいえども実入りが大きいので問題にもならないのだろう。人力牽引がいかにも日本的だ。古代都市国家のシュメール王は神事に際し,馬に牽引させていた。日本は太平洋戦争をあたかも古代神事のように扱った。日本兵は大砲をガダルカナル,フィリピンの山道を人力牽引した。。。近代スポーツ感覚の米軍パイロットとは大違いだった。日本海軍航空特攻兵は神がかかった「神兵」と称賛された。日本海軍には日本陸軍のように特攻機「剣」をお蔵入りさせた良識のある上層部が皆無だった。こんな組織が今でも,巷に溢れている危うい日本である。未熟な10代の秀才がそのまま組織のトップに立つ無残さ。またドグマが称揚される時代になるのだろうか。父は戦前の国体ドグマ,戦後は文科省画一教育と日教組教条主義の下で私は教育を受けた。自由に考え判断しろといっても,考えられないから臨機応変の行動もできない。

フクシマ危機の際,東電原発所員は重機の運転もケーブルのつなぎ込みもできないと分かった。それを国民は疑問に思わない。運転員を除いたら,所員は学校の先生みたいにどうも指示命令するだけのようだ。東電は日本軍みたいな組織だった。社長はいつのまにか病院に入っていた。沖縄戦の牛島将軍も健康に難があって参謀長と高級参謀の対立から混乱を招いた。現場の兵士が苦労して陣地構築したら,放棄して別へ移動,新陣地構築中に米軍来襲となった。バカな将軍だ。病身の牛島にとり陣地が何処でも関係がなかったのかもしれない。玉砕は確実視されていたから,どうでもよかったのか。米陸軍は遠征軍の編成序列をいつの頃からか,公表する変な軍隊だ。そのなかにニューヨーク州から徴募された歩兵27師団があった。健康に難があっても務まるのが日本の将軍とか社長なのだろう。清国李朝朝鮮には国軍があったけれども,官兵に訓練演習が施されず,使い物にならなかった。東アジアの大組織は似たもの同士になるのが興味深い。丸山は天皇を中心とする無責任体制と呼んだ。中国では官僚が軍隊を指揮し敗れると皇帝から死を賜る事になっていたら,蛮族との戦争は正式には負けがない。直近では中越紛争がこれに相当する。民族性は変えようもないのだろう。

瑞穂の国が軍隊を整備し戦争したり,原発をコントロールするのは到底,無理か。スイス国民は原発廃炉費用を捻出するため,稼働停止を求めた緑の党らの国民投票を否決した。生命財産に対する考え方が日本と対極にあるようだ。やはり,カミカゼにならざるをえないのか。日本海軍一式陸攻機長は搭乗員ながら操縦できなかった。鹿屋で沖縄航空戦を指揮した宇垣も航空機の操縦ができない典型的軍事官僚だった。能筆の軍事官僚が特攻を指揮命令する。恐ろしい組織だ。

せめて,関電九電北電の PWR を再稼働させて,その益を廃炉経費に回したらどうだ。神国日本。東電と経産省がお仲間同士でどうにもならないのか。結局は日本人の意思決定の問題だ。進退極まったら,どうするか。救済思想のない日本では棚上げするか,カミカゼなのだろう。日本社会組織が官兵化しているのは確かだろう。滋賀県庁のお役人は避難バスが確保されても運転ができない。幕末の浦賀危機に際し,彦根藩は大量動員したのだが。美しい日本は疑似官兵に満ち溢れるのか。

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この種の木工加工をしたのは小中学生以来だ。Daiso の部材を示すラベルには桐とあったけど,模型製作に使用したのはホウ材だったような気がする。誠文堂新光社の本から知識を得ていた。隣に住んでいた教頭先生の息子が木製の客船模型を造って排水溝に浮かべたのを覚えている。後に,彼は商船大に進学したと聞かされた。職場で戦艦大和武蔵の模型を3隻作ったと自慢したら,同僚に7隻だと返された。彼は東大三菱重工出身だった。同級生に「天文と気象」の愛読者がいた。この出版元も誠文堂新光社だ。子供の頃の夢をほとんどの大人は果たせず,老いていく。

合衆国のアポロ計画を推進したフォンブラウンは国防軍の弾道兵器開発が認められなかったら偉大な足跡を残せなかった。ナチスとかヒトラー自身は核兵器とかこの種の兵器に関心が薄く,A4 ロケットの試射実射を全く視察していない。お隣の指導者とはずいぶん違う。報復2号(V2)と命名される以前は,単なるA4だった。ドイツミュンヘンに大規模な科学技術館がある。入口ロビーにA4が展示してあり,ドイツの誇りなのだと実感する。

日本が造った戦艦大和は後世に革新を起こしたような兵器ではなかった。源田は世界の3バカと呼んでいた。国家民族の存亡を賭けた戦のわりには,日本は革新的な兵器を産み出せなかった。物量で勝てないなら,技術開発とはならず自殺兵器開発に邁進した。世界に誇れるのはやはり,カミカゼなのだろうか。その源田が海軍航空特攻の隠れた推進者だった。自殺兵器「桜花」の開発は源田の口利きがなければ,実プロジェクトになるとは思えないキワモノだった。

ロイターによれば,世界のグローバルテクノロジーにおいてエクセレント 100 社の半数近くが日本企業だ。それなのにイノベーションが起きないのはなぜか。もうこれは精神構造の問題なのかもしれない。民族性なのであろうか。イノベーションを推進するのは組織ではなく結局,個人なのであろう。資本蓄積,技術大国の大中華帝国が西欧に対して劣後になったのは何故だろう。今,日本が置かれている状況はある意味,大清帝国の状況とかぶっている面もあるのかもしれない。西欧とアジアでは何が違うのだろうか。ヘーゲルおよびヘーゲル左派(マルクス主義)はアジア的停滞と呼称した。儒教思想が大きく関与しているのは確かだろうが,それだけでもないような気がする。江戸期の日本には中国インドの支配階級では考えられない蘭癖大名がいた。道具とか物に対する感性の違いと肥大化した官僚機構の存在が多分に影響しているのだろうと思う。

リバイバル日本の可能性は日本人の覚醒がない限り,ほとんどないだろうと思う。数千年に渡り継続している民族文化圏は漢族,インド圏そしてユダヤ人くらいしかいない。崩壊せずにいかに衰退していくか,英国が参考になると思う。

私の棚上げもどうだったか。Rack とは何か違うな。Rack とラックを画像検索すると,その違いが興味深い。
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