2017/08/04

自衛隊は戦前のインド軍と太平洋同盟

日本郵船の便宜船と衝突した米海軍イージス艦が横須賀で修理した後,米本土に回航予定だ。海自には戦前のような工廠設備はなく,例えば舞鶴だと日立造船が改造とか修理と担当する。米海軍の横須賀基地は米空母も乾ドック入りできる巨大設備と工員(日本人)を具備している。横須賀の補修能力は当然ながら,独露海軍工廠能力を多分,凌駕しているだろう。

整備役務費用は全て日本政府の負担であるから,イスラムの神風攻撃で損傷した艦船も横須賀で修理すると合衆国はお得である。

ソロモン南太平洋海域で日米海軍が激突すると,米海軍は浮きドックと工作艦をバヌアツ,ニューカレドニアに派遣した。たった2隻の空母しかないのに,日本のガダルカナル反攻を阻止できた要因の一つだった。日中海軍が衝突したら,工廠のない海自は米海軍に提供している工員と横須賀設備を海自艦艇の修理に充てない限り継戦は不可能である。果たして,対中敵対行動となる決断をしてくれるだろうか。安保条約に基づく地位協定の基地は租界扱いと同等であるから,合衆国への新たな利権提供を我が政府は想定しているだろうと思う。日本に合衆国が欲するような自然資源はないから,人的供与がらみだろうか。海自を除いて陸空の戦闘能力はタカがしれているので,合衆国が押し付ける日米 FTA を呑み込まざるを得ないだろう。韓国のように民間金融には合衆国資本が大きなウェートを占め,農林系金融は解体か。日本は合衆国産農産物とシェールガスの大市場となる。

これと似たようなケースが大英帝国におけるインドであった。インドは英国産綿布の大市場となり,換金作物となる茶とアヘンを栽培させ,これらを欧州北米および中国に持ち込んだ。現代合衆国はシェールガスと農産物を日本に持ち込む。日本の脱原発は合衆国エネルギ業界にとり好都合である。かつて世界の GDP の過半を占めた清朝は日清戦争にも敗け植民地状態になり,貧乏国になった。近未来の日中戦争では,日本が負けると日本は現代韓国のようになる。

大帝国であった清朝とムガール帝国はなぜ,没落したか。理由は簡単である。敵を知らず,利権(関税,採掘権),通商交通を供与したからだ。英国は侵略する前に,歴史文化を調査する。インド学とシナ学は侵略する前から大学で研究が盛んだった。日本では高級官僚は法学部出身が多いが,英国のエリートは伝統的に歴史学を専攻する。日本遠征に来寇したペリー代将はケンペルの著作を通じ江戸システムを知り,長崎に通商にやってきた船はオランダ船籍ではなくオランダに雇用された合衆国船だったりしたから,合衆国船長から彼はヒアリングをしていた。船長は個人の荷を長崎奉行の役人と密貿易して,荒利が得られた。長崎奉行から外国船取り締まりおよび長崎防備を担っていたのは九州諸藩であり,抜け荷から藩財政を潤すほどの収入が得られた。一方,幕府はオランダ風説書きからオランダを通じて合衆国の知識を得ていた。日本はインド清朝と異なり,蘭癖大名がでるなど蘭学が流行っていたのが幸いした。まさに知は力なりだった。

現代日本は合衆国と中国を知悉しているようで知らないのではないか。小4の英語教育でもどうするかもめている。全国画一の文科省なんか廃止して,小学校のカリキュラムを自由にしたらいい。諸外国との交易に活路を見出す県は英語教育を推進して,関心のない都道府県は英語教育なしでもいいではないか。

韓国の二の舞にならないようにするには,シンガポールが参考になる。英国がシンガポールから撤退した後,ASEAN の枠組みのなかで軍事対立を巧みにさけてきた。TPP が頓挫すると,新たな枠組みを目指している。シンガポールとかオーストラリアは TPP11 は上手く回らないと踏んだのかもしれない。
6月30日、メキシコ・コロンビア・ペルー・チリの中南米4カ国が参加する通商枠組み「太平洋同盟」が、シンガポール・オーストラリア・ニュージーランド・カナダとの間で準加盟交渉を開始したのだ。

シンガポールは合衆国を中心とする諜報組織エシェロン加盟国ではないが,太平洋同盟と加盟交渉を始めた。日本にその声がかからなかったのか,それとも対米追従外交の日本に期待しなかったのか。これら8箇国は大した諜報機関もないのに連携し始めた。シンガポールの最大エスニックは華僑である。シンガポールが今や,アジア金融の中心である。欧州の金融は永らくロンドンとスイスだった。英国がEU離脱でロンドンの外銀の多くはベルギーとかフランスではなくフランクフルトを選択している。日本と中国が対立すればするほどシンガポールは繁栄するだろう。TPP を目指していた国はシンガポールで起債する事になるのだろうと思う。日本は資本輸出国なのに東京で起債するアジア太平洋の国がない。どこで何を間違えたのだろうか。それとも単純にリスクをとれるバンカーがいないだけなのか。

ソフトバンクはサウジ系投資ファンドから大口資金を得る。橋渡しをしたのはどうも,外国人バンカーのようだ。
「ビジョン・ファンド」の設定過程で、孫社長は既に、モルガン・スタンレー(MS.N)で長年、電気通信を担当していたアレックス・クラベル氏や、ゴールドマン・サックス・グループ(GS.N)のハイテクバンカーだったアービン・トゥ氏など、投資バンカーたちを相次いで採用した。

日本のメガバンク出身者ではいい顧客(カモ)を獲得できないのかとも思う。バブル崩壊時に破たんした「たくぎん」の頭取は歴代天下り出身者だった。明治になり銀行設立が自由化されると,豪農達は出資して頭取には武家の勘定方を採用した。日本の銀行家とバンカーは気質が全く異なるのかな。バンカーの仕事は金集めではない。優良投資先の目利きだ。日本の天下り官僚出身頭取はひたすら不動産融資した。


参考
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