DC/DCコンバータ用キャパシタ再検討
動機
ワイヤレス温湿度センサに I2C センサを使用すると,アナログセンサのように電源電圧一定でなくとも動作する。電池が消耗して,ワイヤレスモジュールが動作停止する前にワイヤレス温湿度センサが動作しなくなった。
I2C インタフェースを有するワイヤレスモジュール TWE は XBee に比べると,消費電流が少なく電源に DC/DC コンバータを導入するのは藪蛇になる恐れがある。変換効率をできるだけ上げたい。そして電池寿命も延びる。
机上検討
私の使用している DC/DC コンバータはLC回路をスイッチングして電圧をポンプアップする。従ってDC抵抗はゼロが望ましい。インダクタは数値が明らかにされている。キャパシタの損失は tanδ と漏れ電流で評価する。これまでは電解コンデンサを使用していたが,導電性電解液の OS-CON と比較してみた。両者は共立電子から入手できる。
tanδ LeakCurrent
OS-CON 20V22u 0.10 220uA
105C 16V22u 0.20 3.52uA
確かに,交流負荷時の損失は OS-CON の性能がいいが,漏れ電流は桁違いである。電解コンデンサの漏れ電流は CV 積による計算値である。50V10uF の電解コンデンサの等価直列抵抗 ESR は2Ωもある。DC/DC コンバータの出力は 3V3 だから,例えば 100mA の出力の等価負荷抵抗は 33Ωになる。キャパシタの交流インピーダンスは 1/ωC であるから,100kHz において 0.16Ω となり,ESR の影響は大きいのではないかと思う。
積層セラミックコンデンサの大容量化が進んだ。電解コンデンサのような劣化による信頼性低下もない。ただし,低 ESR 故に発振の不安が残り,検索するとコンデンサメーカの説明にもあった。しかし,実用上は問題がないようだ。発振するのはよほど昔風の発振回路を使う場合だろうと思う。
コンデンサの入手難
共立電子は 10uF の積層セラミックコンデンサの発注単位は10個だ。しかし在庫は2個で,入庫未定とある。しかも面実装タイプだ。Web 受注のサイトだと1個 \200 くらいだ。送料無料だと \600 近い。工場では 100k 単位の生産と思われる米粒大の部品が送料を含めると,\800 くらいになる。
Amazon で各種 500 個の組み合わせセット品だと単価 \30 になる。定格(耐圧)不詳だけど,入手した。到底,生涯使い切れない。それでも電解コンデンサよりははるかに保存期間が長いからましだ。10uF の容量を PC510 で計ると,9.59,9.56uF だった。
戦争になると,大量消費する弾薬には賞味期限がある。火薬は化成品だからだ。金属を腐食させる。合衆国は弾薬を廃棄するかわりに,戦争するという説がある。陸自歩兵の射撃訓練をみると,被験者一人に5人以上の管理者がついている。試験官,弾数検査官,薬莢回収者,旗振り役とか。。。江戸期の武士と同じだ。人件費が凄い。その代わり,実包は倹約する。陸自歩兵一人派兵すると,管理者は何人必要なのだろうか。小学校でも一クラス20名くらいか。士官下士を養成しておいて,兵士の大量動員に備えるのは常ではあるが。どの軍隊にも戦争計画はあるのに日本は全く明らかにしない。抽象的な日米ガイドラインを示すだけだ。War Manual だから,実際は具体的に記述されているのだろう。有事の後方支援と工兵派遣だろうか。模擬銃で訓練された陸自歩兵が合戦に参加するとは思えない。日本陸軍黎明期,日本兵が雲揚丸から朝鮮に揚陸し,日本大使が指揮して朝鮮王宮を急襲したら,近衛兵は逃亡していた。武器庫はがらくたばかりだったそうだ。その頃は諜報活動をまともにやっていたのだろう。
防衛省は各国と役務協定を締結している。新聞の説明によれば,弾薬とある。陸自の弾薬在庫は7日分の戦闘だけである。しかも銃の反動を少なくするため火薬量を減らした日本独自品である。日本人男子の平均身長は 170 cm を越えている。技量がなくとも,例えば体重が関取クラスなら,余裕で反動を吸収する。陸自歩兵が米軍の弾に慣れるのが筋だろう。米海兵の実弾射撃訓練の弾消費は凄い。硝煙の匂いを嗅ぎ,目に沁みながら,銃身の発熱を頬に感じつつ銃撃を体得する。陸自は演習の際,実銃の紛失を恐れ模擬銃で訓練する。旧制中学生が模擬銃で匍匐訓練をしたのと同じ要領だろうと思う。服装と帽子が異なるだけだ。各校に陸軍から派遣された武技教官がいた。皆陸士卒であった。
陸士は旧制一高(東大),海兵とならんで中学生受験の最難校とされていたが,実際はどうだったか。太平洋戦争で有名な将軍は幼年学校出身者ばかりだ。合衆国だと,トランプの卒業したミリタリスクールだ。ロシアにもあり,しかも女子校もある。ロシアは年に一回は弾薬庫の大爆発事故が起きる。わからん国だ。ただ,敵にするとヤバイのはわかる。大した実弾射撃訓練もせず,我が陸自はかつてソ連軍を北海道で防衛するつもりだったのだ。李朝朝鮮の官兵と同じだ。今の陸自でもかつてのソ連軍と戦ったフィンランド軍,米軍と戦ったベトナム軍のような抵抗(ゲリラ戦)は国民性からすると,どうあがいても無理だろう。模擬銃を使用する軍隊は陸自の他にどこがあるだろう。少なくとも韓国北朝鮮は実銃のようだ。模擬銃で訓練した陸自歩兵が朝鮮有事の際,邦人の護衛ができるだろうか。戦前の陸士出身将校は航空兵を除けば兵器の操作ができなかった。当然,輸送トラックの運転もできない。彼らは事務屋だった。陸自は変な軍隊だ。戦争実務は誰がするのだろう。防衛官僚が有事徴用動員計画を立てているのは確かだろう。衛生,輜重と設営は日本人が徴用されるのだろう。教師と公務員は戦前同様,対象外だろうか。戦前は朝鮮人と台湾人が強制徴募の対象だったが,現代は我々が徴用対象となり船員とかにならなければならない。警察所管運転免許,農水省所管漁協,重機は建設業界,医師は厚労省,さらには税務資料から割り当てるのではないか。戦前は例えば工兵が3名の要請がくると,役場が恣意的に大工を徴兵した。役場は律儀にリストを事前に用意していた。太平洋戦争末期には,根こそぎ動員が可能なほど役場の兵事業務は完璧だった。戦前の日本を踏襲しているのがお隣だろう。
韓国のドラフトは抽選だ。海兵に当たると,絶望的になるそうだ。スキルの必要な工兵はどうしているのか。朝鮮戦争まで白黒別々に編成されていた米軍部隊がベトナム戦から混合になった。合衆国の公民権運動がベトナム戦争と同時進行だったのは,黒人に対する異常に高いドラフト率があった。合衆国の徴兵は公平ではなかった。その後,合衆国陸軍は志願兵に切り換えて,大規模地上戦は不可能になった。朝鮮有事は日本の参戦がないと人的資源と軍事資金の面で困難が伴うだろう。日本の商船がパナマ太平洋を越えて在日米軍補給廠,釜山さらには前線まで輸送役務を担う。合衆国はもうまともな数量の輸送船舶を保有していない。かつての朝鮮人台湾人徴用工の役割を日本人が担うと思えばいいのかな。英語が通じるフィリッピン人を船員だけでなく,衛生兵,輜重兵ばかりでなく工兵として徴用できればいいのだが。英仏露のように外人部隊を運用したらどうだ。英王室近衛兵の一部はネパール出身グルカ兵だった。皇居警護兵 Palace Guard がフィリッピン出身なら,日比関係は親密度を増すだろう。その昔,御所警護番役は関東武士団が自弁で担わされていた。ロシアと中国の軍事援助があれば,そう簡単に北朝鮮が敗れるとも思わない。ベトナムのように泥沼化する恐れさえある。
オーストラリアとカナダが朝鮮に派兵しないなら,日本も派兵すべきではないと思う。実際,韓国との間に軍事同盟がないのだから,後々,また日本の干渉だと責められるのがおちだろう。そんな国に出動するのは愚かであるし,道義もない。それより,中国の台湾併合計画の心配をする方が先だろう。どうやって米中密約による日本条項を察知するか。
参考
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