2018/06/04

温暖化と農業と風刺映画

イラン情勢のあおりで原油価格があっさり $70 を超えた。
OilPrice.png 
どこまで,いつまで上昇するのかうまい具合に予測できれば儲けられる。日本商社は資源価格が上昇してどこも業績を上げた。先物市場で益を出すのだろうか。それとも大口顧客との約定と為替益が絡み合った複雑なものなのだろうか。上図は WSJ によった。日経も春の無料購読を実施しているけど WSJ がお勧めだ。日本の報道バイアスから逃れられる。

日本がそれいけドンドンの頃は,商社が北米穀物市場に参入したが,その後撤退した。巨大商社の情報と資金力でもシカゴ穀物相場に翻弄されたのであろう。多分,手に負えなかったパラメタの一つが天候だったのではないか。合衆国穀物農業は天水に頼っている。日本の水田は灌漑だから,随分異なる。中国漢代の北部豆作は常に雨量に左右された。均田制の「田」とは田んぼではなく畑を意味している。華北の制度だから当たり前だ。隋唐代になると,華北都市の食糧は華南の米なくしてあり得なくなった。古代ギリシャは黒海の小麦,古代ローマはイスパニアとエジプトの小麦に依存していた。古代ギリシャローマ文明は輸入穀物で成り立っていた。江戸大阪が日本各地の米に依存するようになるのはたかだか江戸期である。その名残か,現代でもコメ輸入自由化はあり得ない。。。中国は大量に穀物を買い付けている。北米南米産穀物の最大輸出先は中国である。日本のように米を神聖視する事はない。中東の経典の民が神に捧げるのは「羊」である。このあたりの文化の違いが国粋精神の源だろうと思う。

エデンの園を追放されたアダムは耕さなければならなくなった。聖書では労働を骨折り仕事と訳している。だから日本のように農耕を神聖視する事もない。神に罰せられたが故の農耕である。地球温暖化の原因は産業革命以降とし,工業化が諸悪の根源のように言われている。しかし,どうも地球規模でみると農業が最大の CO2 発生源 30% らしい。これは日本農業の産する CO2 を想うと意外な事実だ。地球環境負荷の最大は農業で,その目的は食糧だから,最大負荷はヒトというまっとうな結果となる。地球人口の抑制はほぼ不可能だから,食糧増産に伴う CO2 濃度増大は止まらない。地球温暖化を避けるのではなく,それに対応していくしかないのだろう。
実は農学者にとって、地球温暖化問題はあまり歓迎できるテーマではありません。 農業が大きな原因の一つとして批判されているからです。
日本では農業は衰退産業だが,地球規模だと最有望産業となっている。それでも,頭では理解できても,なかなか実感できない。メノナイトの一派の祖先が迫害を避けドイツを脱出,西欧を放浪したあげくロシア皇帝の庇護の下,ロシアに入植,共産化による迫害後,カナダへ離脱やがて北米,メキシコに拡散そして今では南米に達した。彼らは定着先々でも言語(ドイツ語)を捨てない。プロテスタントの弱小一派があたかもユダヤ教徒のように教え習慣に固執している。ユダヤ人は農業を禁じられ,賤職(医業,商工業)に従事したが,メノナイトは頑なに農業に徹している違いがある。メノナイトの栽培した大豆,トウモロコシが中国に輸出されている可能性だってある。啓典の宗教各派は捩じれに捩じれている。空恐ろしい。

ゲルマン諸語族の源郷の一つがアナトリアとされている。人類は地球温暖化と寒冷化に応じて,移動を繰り返している。ユダヤ族が宗教的迫害をアイデンティティの根幹として以来,今では韓国民もそれに重ね合わせている。一方,稲作を日本に持ち込んだ渡来系は畿内と一部の西日本を除けば多数派を形成しなかったようだ。丘陵に居住する原日本人と湿地帯で水耕する大陸系に分かれたのかもしれない。明治に至るまで,為政者は変わっても耕作民に大きな変化はなかったようだ。江戸期まで経済の多寡は石高で表され,税金が金納に変わるのは明治である。太平洋戦争時でも小作料は物納であった。こんな国民が官兵となって,米兵と戦っていた。それでも,政府は国民(農民)の戦争支持をつなぎとめるためにか,農務省は小作料の軽減を強制化していた。結果的に国民皆兵が平等化を促進した一面もある。ただ,抑圧教化されたのは精神とりわけ自由であった。

日本農業の米は聖域と称される。実際,天皇陛下が田植えと稲刈りを皇居で行い国家神事となっている。こういった風習はオセアニアくらいではなかろうか。水田に水がはられ,灌漑用水の音が聞こえてくる。わが市は農業用水ネットワークの上に住宅地が形成されている。宅地のなかに用水路が縦横に走っている。琵琶湖岸の微妙な高低差を水路が巡っている低湿地帯である。野洲川に堰があり,そこから取水している。琵琶湖にいくら多量の水があるからといって田に導水できない。市水の水源は琵琶湖である。飲料水より農業用水が清浄な都市である。それが当たり前である。日本の政治を説明するのに稲作治水説がある。異論異端が生じない文化とされる。合衆国ではトランプ大統領のパリ協定離脱を巡り,United States Climate Alliance が発足した。全国市長会とか知事会の日本ではあり得ない選択である。

当該サイトの About にある ALLIANCE PRINCIPLES 実にわかりやすい英語で示されている。日本の保守は五箇条の御誓文を誇っているが,現代語の解説がないとチンプンカンプンである。江戸末期の日本人でも理解できるのはどれだけだろうか。
一 廣ク會議ヲ興シ萬機公論ニ決スヘシ  
一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ經綸ヲ行フヘシ  
一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス  
一 舊來ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ  
一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ我國未曾有ノ変革ヲ爲ントシ朕躬ヲ以テ衆ニ先ンシ天地神明ニ誓ヒ大ニ斯國是ヲ定メ萬民保仝ノ道ヲ立ントス衆亦此旨趣ニ基キ協心努力セヨ
日本の民主主義は明治維新からとTVで明治天皇の玄孫が力説しているがウソだな。上から目線じゃないか。どこに革命民主の精神があるというのだ。庶民にわかる言葉で宣言しなければならない。民主主義は祝詞でもなければお経でもない。各州の州章がまたそれぞれ特色があると知って,まさに連邦,我々の知っているステレオタイプは通用しない。あらためて日本は中央集権国家と認識を新たにした。

希望の党が崩壊して国民民主党ができたけど,プリンシプルはどうもないようだ。サイトの綱領を読んだら,何か戦後の中高校の校則みたいだ。自民の対抗勢力は到底無理だな。自民には農本主義が息づいているが,国民民主には感じられない。何故綱領に脱原発を書き込めなかったのか。電機労連とか電力労連に配慮したのだろう。実態は労働組合の既得権益護持政党に過ぎないようだ。「国民」民主党と「自由」民主党,実に皮肉な党名だ。単に「労働」と「農」では時代にそぐわないのか。

西欧の宗派対立から党派が生れたので仕方ない面もあるけど,幕末には勤王佐幕,攘夷開国を巡りそれなりに支配層では国是について論争し,内戦も起きた情熱はどこへ消えたのだろう。家人がドイツ製作の "Er ist wieder da" をレンタルしてきたので見たら,再生したヒトラーがまともなのは緑の党だけだと言っていたのが,実に皮肉だ。Wiki によれば,緑の党の原点は実際右翼だった。細川,小泉が反原発になるのも半ば当然か。農本主義=反原発 になるのだろう。実は農業そのものが環境破壊である。Culture の語源は耕起である。カルト Cult は合衆国での用法が世界に広まり,どこでも排斥が始まった。日本だと統一教会はカルト扱いだから,正統と異端は置かれた環境で異なる。ウクライナがイエス降誕祭を東方教会の1月から西方教会の12月も可とするようになった。

農業はエコでもなければ,有史来地球環境破壊の歴史だった。これが事実か。肥沃だったレバントは1000 年紀に渡る潅水により塩害で農地が失われた。華北は乾燥化が進み,森林どころか草原も失われた。鉄器と火がもたらす破壊を古代インド人はベーダに記した。毎年,ドイツ一国の人口が増えている。地球温暖化は避けられない事実として,生存を賭けた民族の大移動が開始される。

単なる地理用語だった Hinterland 後背地をナチスはドイツ人生存のための東方植民レーベンラウムと同一視した。西田はこの考えを容認した。「郷土」と言い換えた。日本では安っぽい地政学が大流行りだ。生存圏とハイマートを一体化させるのは当たり前のようで危険だ。EU はドイツを先頭に必死で抑え込もうとしているが,極右の台頭に破裂寸前だ。残念ながら,日本も同様になるだろう。地球温暖化啓蒙ビデオと「帰ってきたヒトラー」を見ると人類に叡智はないのだと実感する。

郷土愛は弊害の方が大きい。古代ユダヤ族は捕囚から帰還すると,シオンの丘を律法に記述した。仮想の望郷の丘であったのが,2500 年後にシオニズムの土台になった。民族が土地を争うのは宿痾なのだろうか。世界政府ができないうちに,環境変動によりまたも民族移動が勃起するだろう。過去には漢帝国とローマ帝国が滅んだ。
心の奥底に秘めた
ユダヤ教徒の魂が切望するは 
眼差し向かう東の地 シオン
二千年の我等の望み
今だ失われず
祖国にて自由を勝ち取らん
シオンの地 そして エルサレム
上記は「希望」と題されたイスラエル国歌である。世界で最も美しい国歌のひとつではないか。トランプはエルサレム首都を是認した。驚いたことに国内に殆ど異論はないようだ。国連決議がいかにむなしいか。日本はこの大国の動向に細心の注意が必要だ。憲法改正の前に諜報機関の設立だよね。

マルサスが聖書世界観から脱却して人口論を提唱したのが 1798 年だった。21世紀になっても人口と食糧の関係は危機的だ。眞子さまの結婚問題とか安倍昭恵夫人の国会騒動をみると,日本は平和だと実感する。トーマスモアが何処にもないユートピアを極東付近に措定したのは慧眼だった。3.11 のように突如,難民危機,食糧危機そしてエネルギ危機が襲ったら我が国はどう対処するのだろう。2,30 年後には起こりそうだ。日本人の習いとして周りに建設される投資目当てのマンションアパートをみて中国の鬼城を笑えない。金利がゼロだから仕方がないか。

地球環境と人口に関し,西欧の相反する結論を見出した学者に共通するのは,遷移するフェーズ,過渡期が重要だと述べている。何か拍子抜けのする結論である。これはシステム科学の古典的問題だろう。文明を生物の生態に置き換えられるのかどうか。ヒトが生態系の上に乗っかっているのは認めるが,人間には自由意志がある。初期値により各フェーズの値が決まるものでもなかろう。広大な合衆国に居住していると,楽観的になるのだろうか。どこか絶対神がもたらすような摂理を信じているのではないか。絶対神を思い描けない我々にはなじめない。

ダイアモンドの文明の崩壊は社会が規定するという考えは,日本にも当てはまりそうだ。現代日本の規範統治の根幹は天皇と官僚制である。国民民主党の綱領には天皇の語句もない。財源をどうするのか。税をどうするのか。彼らは政治家なのに考える事はないのだろうか。こんな政党が国会をダメにするのだろう。合衆国と日本は何が同じで何が異なるのかを考えていない筈はない筈なのだが,戦前の陸海軍と似た状況に陥るのは何故か。

プリンシプルはないけど,方向性を読むと多少は政策が理解できた。頭がいいのにプリンシプルにまとめられないのは何故だろう。日本人は原理原則が嫌いなのだろう。。。しかし,これを呼びかけるのは党首でもできないのではなかろうか。自民党と何が違うのだろう。やはり天皇官僚制と農本主義か。小池百合子の好きなガバナンスなのね。ガバナンスのない政党が政権を担うとどうなるのか。要するに戦前同様,官僚がガバナンスするという事かと納得する。

気になるな。何でプリンシプルにまとめられないのか。指導者選抜が上手くいかない。国政選挙が少ないせいもあるかもしれない。合衆国下院は2年毎に改選される。

参考
関連記事

コメント

非公開コメント