2018/11/26

DSO の LCD 不具合と兵士用暗視装置

カラー液晶の顧客はパチンコ台 
Tektronix 製 DSO が参考に示した写真のように縦方向に筋が入るようになった。検索したら,FPC コネクタをこてで加熱して治る事もあるようだ。症状が悪化したらためしてみようと思う。

A4サイズの液晶が出始めの頃,LCD 表示部を売りにした機器開発プロジェクトに関わった。営業からカラーにできへんかとの要望があった。当時のカラー LCD はべらぼうに高かった。プロジェクトリーダがあっても,高価でしかも入手すらできませんと回答したそうだ。ばか高いカラー液晶を調達していたのはパチンコ台メーカだった。余りに高価で廃棄されたパチンコ台の液晶を回収して販売する業者もでてきたくらいだった。

当時は CRT TV の画王とかを日本メーカが販促していた時代だった。合衆国のカラーTVとビデオ機器は日本の独占状態だった。この状況を三星電子はウォチングしていただけでなく,戦略的決断をした。大型カラー液晶の自社開発製造だった。日本独自のデジアナハイブリッド規格は合衆国が採用せず,日本勢は多額の投資を回収できなかった。パナは関西のデジタル画像技術者を根こそぎかき集めていた。後知恵で考えると,サムスンに多額の投資をしていたのは合衆国資本であった。今から思えば,日本勢は中途半端なハイビジョン規格を採用してしまった。自動車の電池駆動とAI標準化はどうなるだろうか。その前に画期的なロボットが出てきて日本式生産ラインの陳腐化の方が先のような気もする。そのロボットは FANUC でも安川でもない。中韓台勢でもないかもしれない。軍用技術の転用の気がする。まあ,ソニーの CCD は安泰だろう。

ロボット自動制御の最初のアイデアは合衆国の戦時研究であった事を思い起こそう。日独の兵器も自動制御を取り入れていたが,一般化された概念はなかった。抽象化すれば普遍的になり,その知識は応用を飛躍的に拡大する。怖ろしい合衆国。

電卓TVと用途を広げ,スマホの高精細画像をみると技術の進歩は凄まじい。サムスンの創業者が代えられない妻と何だったか以外を全て変えろと言ったそうな。少しずつ改良を加えるのは日本人は得意だが,ジャンプは不得意のようだ。この DSO の奥行は先代の 1/4 である。価格も安くなった。Tektro は合衆国発祥のソニーの子会社だった。計測器とミニコンメーカだったHPはアジレントとして分離され,名跡を継いだ本家の計算機部門はパッとしない。かつては世界中でTVといえばソニーだったが,見る影もない。金融とゲームと CCD カメラが稼ぐ。エリクソンから買収したモバイルホンは多額の赤字を出し続けている。

兵士用暗視装置
米海兵偵察大隊のイラク侵攻作戦をドラマ化したミニシリーズがある。兵士が暗視機器のバッテリ切れをしきりに嘆く。撮像素子はおそらく日本製だろうと思う。無灯火でイラクの乾燥地帯を車列を組んで移動する。陸自のゴーグルは米海兵の物に比べかなりでかい。これを装着してトラック,ジープの運転,散開しての索敵はしんどいと思う。多分,いろんな機能がついているのだろうと思う。価格も高そう。下の写真と比較すると,防衛省調達本部は実戦そして兵士の事を本当に考えているのだろうか。所詮,特別公務員向けか。英語だと兵士は Soldier,公務員は Public Servant だ。半ば公の奴隷だ。
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参考
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