RedHat 買収と軍情報システム
Linux ディストリビュータの RedHat が IBM に買収された。IBM は独自の基幹システムを世界中に売っているのに Linux を買収した。クラウドとは何かもしらないけど,この技術がシステムベンダに浸透してしまって出遅れたのかな。
根幹技術は DB である。DB のシステム障害で有名なのは新生銀行と ANA がある。両者は何処に丸投げしているのか̪知らないけど,新生銀行のシステム責任者はインド人に責任を押し付けた。トランザクション処理はリアルタイムとマルチスレッドを駆使し,私には雲の上の話である。
ドイツ電撃戦と米海兵水陸両用戦
RedHat の顧客リストに英陸軍があった。兵站がシステムの中心だろう。PLA 人民解放軍も Linux を採用している。陸自は Solaris を採用しているようだ。西欧諸外国ならこの種の労働は軍属であるが,日本に軍属は存在しない。
戦術に通信システムを深化させた最初の軍隊はドイツ陸軍だった。電撃戦の要諦は陸上の車上通信指令者が空軍ルフトバッフェを砲兵の代替として無線運用した事だった。私の指導教授はスツーカ急降下爆撃機の話をしてくれた。よほど印象的だったのだろう。といっても,オリジナルは米海軍急降下爆撃だった。
最近の合衆国仮想戦記物だと,空母赤城からハーケンクロイツのジェット爆撃機が発艦してミッドウェー攻略が成功するストーリが話題になっているらしい。指揮官は南雲ではなくドイツ人提督の設定だそうだ。
陸上部隊間もエニグマ暗号機による無線だった。ドイツ国内は盗聴の恐れの少ない有線テレタイプを使用していた。大平洋戦争中,日本軍はどれも実現できなかった。
米海軍は対地支援爆撃を担当する統制官を上陸指揮艦に乗艦させていた。上陸部隊指揮官が護衛空母群の他に,限定付きながら機動部隊艦載機も統制できたわけだ。一方,気の毒な日本陸軍は海軍空母機の支援はほとんど期待できなかった。水陸両用戦の根幹はドイツ電撃戦同様,航空戦力の対地支援にあった。その認識が浅いが故に,日本海軍はミッドウェー攻略戦では空母4隻とした。真珠湾のように6隻あれば,2隻の艦攻に魚雷を搭載させて待機できたのは自明だった。ニミッツ提督は山本の作戦を酷評している。中国の租界警備から発達した海軍陸戦隊と海兵中心の西欧海軍を継承し,戦間期に大平洋島嶼揚陸作戦を主眼にしてきた米海兵の差だった。洋上燃料補給のできない石炭の時代だと,米海軍は中部太平洋の島々を攻略しなければならなかったが,石油のおかげで もたつく頭の固いマッカーサーを尻目に,島々をバイパスしてあっという間に米海兵はサイパン硫黄島に上陸した。
重油の洋上補給と航空戦力の発達が信じ難いほどの反攻スピードを可能にした。律速は日本の場合の兵站ではなく,米海兵の兵力だった。3個師団を休養,準備演習そして侵攻とシフトを守った。ドイツを撃破するには 200 個師団を想定していたから,太平洋に回せる陸上戦力はないに等しかった。大平洋で失われた日本陸軍師団数を想うと,玉砕した日本軍兵士は奴隷ではなさそうだが,一体何だったのだろう。
大平洋は日本人が考えるような障壁ではなかった。そして空は原爆が立証したようにこれも障壁ではないと理解したはずなのに,防衛は他人事である。我々は不思議な民族だ。
参考
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