Walker と聖母マリアとドイツ女戦車兵
Rebecca Luker の Ave Maria は有名だ。彼女はモルモン教の大規模なクワイアとも共演している。この季節この曲を聴くと涙腺が緩む。マリア崇拝は西方教会の特徴だ。西方芸術はルネサンス期ひとつのピークに達する。ミケランジェロのピエタも素晴らしい。
20世紀になり,聖母マリアはカトリックにより「神の花嫁」の位格に昇った。ムスリムが激怒するのも分らんでもない。それほど三位一体は難解だ。欧州の成立はキリスト教の理解なくしてはあり得ない。若い頃,古代西洋哲学と近代哲学に興味を持ったものの,中世は歯が立たなかった。そのネックはキリスト教とりわけカトリシズムにあった。
ブッシュパパが亡くなった。葬儀をみると,教会に磔刑像と聖母マリア像がない。プロテスタント教会である。日本人のキリスト教信者が合衆国に行くと,通うのに適当な教会がないそうだ。合衆国の教会はコミュニティとエスニック別になっているからだ。大都市だと韓国系教会に落ち着くらしい。
George Herbert Walker Bush は亡くなった父と同世代だ。共に海軍に所属した。彼のミドルネームに Walker がある。ピルグリムファーザーズの名家かもしれないが,貴族は歩かないので貴族層ではないとわかる。でも農民でもない。日本のウォーカと言えば松尾芭蕉それとも西行だろうか。西行は徒歩だったかどうかはわからない。Wiki によれば芭蕉の出自は農民だ。
合衆国ではかつて騎兵師団と言えば,機甲部隊だった。現代米陸軍の騎兵はヘリコプタ部隊である。どこの陸軍国でも機甲科は騎兵から発展した。西欧では貴族は騎兵,平民は歩兵と分かれていた。古代ギリシャ来の伝統である。重装歩兵戦術の発展がアテナイの民主化をもたらしたのはよく知られている。哲学者ソクラテスは自身の3度の重装歩兵としての従軍を誇りとしていた。後にギリシャ歩兵はペルシャの果てインドまで徒歩で遠征した。戦車の命名もお国柄が現れて面白い。Walker Buldog がある。朝鮮役の将軍の名にちなむそうだ。動画は冷戦初期ドイツ連邦軍のものだ。戦車兵教育用だろう。指揮官の軍服がナチス時代の名残を残し,戦車兵は米軍のつなぎスタイルである。後に連邦軍は戦車兵に黒の戦闘服を採用する。親衛隊伝統の軍装色である。戦車2両が支援しながら前進する教育動画だ。ドイツ軍の十字マークもない。国産戦車レオパルド当たりから変わったのだろうか。ドイツ連邦軍戦車兵の黒色軍装を検索したが,もうないようだ。しかし伝統の舟形略帽はなくなったけど,黒色ベレー帽にその色は残っていた。レオパルドの装填手が女兵士だ。これには驚いた。レオパルド砲塔内部は米軍のエイブラムスよりよく考えられている。さすがドイツ車だ。伝統の十字マークも入っている。EU諸国の戦車は英仏を除けばトルコを含めドイツのレオパルド一択である。第三帝国は消滅したけど,装備は再生した。女ビットマンが現れる時代が来るのだろうか。ドイツ語で「前進」は AUS と言うようだ。海自は発砲命令をファイアに変えた。昔は「撃ち方ハジメ」と長かった。
フランスとロシアの特殊部隊がドイツ親衛隊ばりに黒色軍装と舟形略帽を採用し,ドイツがフランス由来のベレー帽とは何か不思議な感じがする。
家人によれば,合衆国ではムスリムに配慮してハッピーホリディだそうだ。本当だろうか。メリークリスマス。
参考
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