使いこなせないツェナーダイオード
Aitendo から 3V ツェナーダイオードを購入して,過電圧保護にしようとした。電圧を印加して特性を測定すると,思惑と違った。確かにデータシートをみるとツェナー電流は 83mA もあった。4mA 動作を目標としているからお話にならない。手持ちに 5.6V と不詳品があったのでついでに測定した結果を示す。不詳品は 13.8V 以上としかわからない。測定結果を以下に示す。
上記の測定に使用した電源は自作である。
少し気になって昔高価だったプログラマブル電源を検索したら,やけに安い。内臓電圧計電流計の測定結果もPCに取り込めそうだ。素の 24V2A 電源があるから,回路設計せずに自動測定装置が出来てしまう。中華のワークベンチはこんな装置で埋まっているのだろうか。ボリュームを回し,計器を読んで記録し,さらにチャート作成するのは過去の遺物になってしまったようだ。測定ポイントを100点以上にしても,数分を待たずに済んでしまう。
自作してきた定電流定電圧併用充電回路も,これがあれば複雑な充電方法も可能になる。電子部品の評価エージングだけでなく,電子機器の開発も早くなる。その反面,データ採取に雇用されていた大手企業のアシスタントが不要になって雇用機会が失われる。これもAI失業なのかもしれない。まあ省力は良い事かな。
ルネサス 200mm 製造ラインの再活用
ルネサスの滋賀工場 200mm がロームに譲渡されて,IGBT,MOSFET を生産している。これなら元会社と同じと思っていたら,何とチップ ツェナーダイオード製造ラインになった。集積化の逆である。驚いた。とんでもない安価格でラインを買ったとしか思えない。MOS はバイポーラより敷居が高い。高価な MOS 製造ラインがバイポーラチップ部品製造になる。実際は附帯設備,空調と建屋が欲しかったのか。
ルネサス滋賀工場のレーザダイオードとかの化合物半導体はまだ競争力があるみたいだ。半導体ビジネスは日韓の競合ではなく,韓台のすみわけになりそうだ。よほど円安にでもならない限り,メモリは韓国,システムICは台湾にシフトする。それとも円安になるかな。その前に,エルピーダ,ルネサスおよび東芝メモリは維持できず,ロームとかに化けるのかもしれない。合衆国にしても半導体草創期から残ったのはTIだけだろう。日本の大手は全てなくなり,中小と置き換わる。恐竜が絶滅して,知恵を働かせた弱小哺乳類が生き残る。
湯之上がルネサスの工場操業停止に否定的だ。私は操業停止に賛成である。かつて斜陽化した合衆国の自動車ビッグ3は流入する日本製自動車になす術もなく,レイオフした。半導体と同じプロセス産業である日本の鉄鋼大手も高炉を休止した。何より,現金の流出を抑制しなければならない。ライン停止は妥当だと思う。Intersil 買収効果がないと断じている。
私のようなユーザ視点からみるとルネサスの目の付け所はいい。だが,手持ち資金の余裕がない状態で買収したのがどうだったか。先に自前工場を売ってから買収すべきだった。しがらみが あってできなかったのかもしれない。システムICは台湾勢に勝てないだろうと思う。日本半導体は足し算,台湾は引き算だ。なぜそうなるか。ルネサスは保守的で革新デザインが望めないからだ。現在の CEO はボトムからの革新的提案があっても,そんな判断を全くできないだろう。
現在,DRAM メモリの韓国勢シェアは世界の7割を占める。製鉄同様,製造装置の革新はもうないのかな。今後も NAND フラッシュメモリの需要伸びは大きいようだ。東芝メモリの CEO は経歴をみると,サムスンのようにトップセールスできそうもない。
日本がアメリカの物まねばかりをしてきたからでしょう。その傾向は現在も変わっていません。例えば、インテルやサムソンのトップは、自分の言葉で技術が語れて、ビジネスに広げて、必要があれば即決できる。フラッシュメモリのときも、私が国際学会でフラッシュメモリを発表したら、インテルはすぐに500人のエンジニアを投入して製品化しました。そんな判断ができる管理職が、日本に何人いるでしょうか?
東芝メモリが非上場になって良かった。しかしシェア競争は価格(為替)が支配的だとしたら,誰が CEO であろうと関係ないのかもしれない。
ルネサスとか東芝メモリは車造りを知らないマクナマラがフォード CEO になった40年前の合衆国大企業経営感覚である。
コストコのウェアハウスマネージャーのうち70%はレジ打ちやカートを整理することから仕事を始めた人たちであり、従業員が会社を辞めるといったことはめったにないようです。ゲイヤー記者によれば、コストコのビジネスモデルは自社の従業員に投資することでありMBAの教科書には載っていないとのことで、コストコがビジネススクール出身者やMBA取得者を雇わないことについて何も不思議なことではないとしています。
Amazon や Apple の業績が驚異的でその経営がもてはやされているが,しかしピークは過ぎつつあるのではないか。家人によると,合衆国ではアーミッシュのTVドラマが話題になっているようだ。自ら手を動かし,頭を使って営農計画を立て家族中心の生活を行う。イエスの説いた「愛」の精神以前に,「虐げてはならない」が大前提だ。これは旧約の原理である。残念ながら,日本にはどちらの精神もない。中国には「道理」があって,皇帝であろうと共産党であろうと道理に反すれば,結局のところ反乱が正統化される。とはいっても,鬱屈した民のはけ口が必要だ。それがトランプを生み,トランプに絶望すればどうなるか。空恐ろしい。合衆国がナチスのようになる可能性もある。アーミッシュのドラマが流行るのはホッとする。
日仏重商主義を司る官僚の暗闘
日仏は双方ともに官僚国家ながら,対立するようだ。ゴーン騒動の背後に経産省がある。国策捜査が思いもよらない仏政府による旧竹田宮家へのカウンタとなった。ルノーは日産の株式を圧倒的な 43% を保有し,仏政府はルノーの大株主 15% を保有する。あの統制嫌いの合衆国議会でも,自動車ビッグ3の公金投入を認めた。倒産の危機にあった日産に手を差し伸べず,何故今 介入するのだろうか。
経産省の最大利権はエネルギである。電力自由化の流れで,利権先の確保の一つが電池自動車に熱心な日産なのだろうか。日産には経産の天下り取締役がいる。天下り役員とかヤメ検がいる大会社は少なくともホワイトではないだろう。その筆頭は電力ガス会社だろう。3.11 の折り,現場作業員を帰宅させたフクシマ原発では,社員は何も実務ができなかった。かつての日本海軍の軍艦もそうだった。排水しろ,注水しろと命令するだけである。実際の作業は下士がした。陸攻複座機の機長は操縦士ではなかった。機長は操縦ができない。命令するだけである。現代の日本ITベンチャでもそのようだ。
プログラミング必修化を成長戦略に盛り込むにあたって、著名なITベンチャー企業のトップがプログラミング教育の重要性を説いていたのだが、彼ら自身の経歴を見ると、揃いも揃って、国立大学の商学部や私立大学の経営学部あるいは英文学科を卒業している。直接、本人たちに確認したことはないのだが、独学でプログラミングをしてきたようなタイプの方々でもない。 日本では最先端と言われたITベンチャー企業の創業者が揃いも揃って、コンピュータとは無縁の生活を送っていた可能性が高いというのは、決して偶然ではないだろう。彼らにその意図はないかもしれないが、こうした人材から「プログラミング教育が重要」という言葉が出てくると、単にプログラマーという単純労働者が欲しいだけという主張にも聞こえてしまう。
電源喪失して,重機で電源ケーブル敷設したり,注水のための瓦礫除去したのは,孫請けの従業員だった。とんでもない被曝をした筈だが,一切その情報がない。一方,電力会社社員はケーブル接続もできない。最近知ったのだが,電気工事士の給料は事務職と比較すると気の毒なくらい安いそうだ。電柱に上る電線保全の社員も給料が事務方に比べ低いのだろう。鉄道会社のドライバ(運転士,機関士)の給料も低い。この序列は古墳期以降の平和な時代はそうなっている。その頂点に天皇(日本国の大祭司)がいる。JAL が倒産の危機にあって,再建した稲盛が後継者を事務方ではなく,乗務員出身の役員を指名したのはよかったと思う。以前にも書いたが,西欧の大手汽船会社の CEO は船長出身である。日本の大手海運会社で船長資格を持っているのは皆無だろう。事務方って,何で偉いのだろう。会社だと総務だ。東電のエリートは総務社長秘書出身である。その構造の甚だしいのが,フランス,ロシア,中国そして日本だろうか。日仏の官憲は日産の支配を巡り利権争奪の争いをしているのかもしれない。
日銀の保有する上場会社
2022 年に日銀の保有する上場会社筆頭はアドバンテストで 28.4% になる。ルノー並みの会社は22社になり,22番目がファナックだ。ちなみに東電の最大株主は原子力損害賠償・廃炉等支援機構で 54.7% 保有する。これでは電力料金は上がっても,なかなか下がらないのは自明だ。国家統制価格だ。統制復興元年は東電国営化が端緒だったのだろうかと今では思えてくる。巨大産官複合体がグローバルに対立する。新重商主義の到来が日仏の官僚暗闘なのだろう。日本には防諜組織もなければ,非合法諜報活動する諜報機関もない。新参者の合衆国諜報機関にも太平洋戦争でも完敗したくらいだから,諜報機関の歴史が長いフランス,ロシア相手では赤子のようなものだろう。果たして中韓の諜報レベルはどうなのだろう。
湯之上が東芝の NAND メモリに関して,日立なら DRAM グループに叩き潰されていただろうと述べている。何となく日立と東芝の社風の違いが分かるような気がする。部下の転職に奔走したいる間に早期退職の優遇措置期限から外れた退職金額,日立のメモリが衰退していく過程,日立社長からの言葉とかサラリーマンとして転職するなら,なかなか言えない発言が参考になると思う。
参考
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