英国のバランス感覚と民族問題
農業革命から鉄道へ
英国は馬車を鉄道に変えた最初の国である。スチーブンソンのロケット号が余りにも有名だ。高速鉄道の無人運転化を最初に実用化するのはどこだろう。フランス国鉄は組合が強いので最後だろう。日中韓のいづれかだろうが,日本ではなさそうだ。第二次大戦時,独米はホーミング魚雷を開発し実戦に投入したのに,日本海軍は魚雷に人間を載せた実績がある。ロボット大国 日本は見かけだけである。妙に手作業,人力に拘るところがある。江戸期に人力耕起に回帰し,昭和期の軍隊士官に軍刀を佩用させた変な国である。海軍軍縮時代,米海兵はサーベルを廃止したのだが。人余りがそうさせた一面がある。人口減少による人手不足は労働者の価値を高めるいい側面がある。西欧中世の農業革命のようなものが起きればいいのだが。西欧の場合,戦争とペストによる人口減少が農奴の価値を高め,ひいては農業革命につながった。日本はヒトを機械に寄せる不幸な国である。馬車大国だった中国が何故,鉄道を産み出せなかったか。
スコットランドと東北
英国のEU離脱のドタバタがニュースにならない日がないほどだ。英国民の約半数はEUに留まるメリットは少ないと考えている。何処の国家であれ,隣国が強大になるは嫌なものだ。英国は伝統的に大陸に干渉を続けてきた。直近だとヒトラーとナポレオンの野望を欧州派遣軍が砕いた。仏独を直接,叩かず縁辺の諸国に介入して結果的に仏独を屈服させてきた。具体的にはオランダフランドルの反独感情とスペインの反仏感情を利用した。
EU離脱の英国はEU間を離反させようとするだろう。ベネルクス諸国は今では,反英側になりドイツを強硬に焚きつけている。時代は変わった。南欧とりわけスペイン,イタリアそしてギリシャを取り込もうとするだろう。日本からみると負け犬にみえる英国だが,それなりに勝算を目論んでいる。他国の利用である。なりふり構わない中国への利権供与には呆れてしまった。他人の褌で相撲をとる。英国 正確にはイングランドは腹黒の歴史だった。連合王国と名乗っているが,アイルランドとスコットランドからイングランド史を眺めると,実に酷い。
これは日本史にも言えそうだ。天皇を中心とした皇国史観(国学)と異なり,奥羽とか関東からみると別の歴史がみえる。江戸を乗っ取った。水戸を除く尊王勢力がいまだに権力を掌握している。これらは大陸指向だった。太平洋に目を向けた首相に大平と小渕がいる。ともに短命政権に終わった。東北勢力が大同団結して,中央政権を打ち立てるという発想は全くないようだ。吉田松陰と何の関係もない大阪維新の会,大前研一の平成維新は当然ながら空振りに終わった。錦の御旗はいまだに西国の右翼が握っている。鳩山由紀夫の祖父一郎は国会で,政府の統帥権干犯を糾弾した にわか国粋信奉者だった。日本で政権を取ろうとしたら,右翼というか,少なくとも神道系でないと成功しない。中曽根は旧民主党を溶けてなくなるアイスクリームに擬えた。新勢力は靖国精神にかわる代替精神を確立しないと無政府主義もしくは社会主義と大した違いがない。
スコットランドとアイルランドだとカトリックがそれに相当する。イングランドはアングリカン英国教会である。アイルランドのカトリックといっても,イタリアとか合衆国のカトリック教会とは大違いである。同じカトリックながら仏伊スペインの教会とは趣が全く異なる。英国教会の大寺院にしても,ガラクタばかりである。審美眼がないのかケチなのか。多分,両方なのだろうと思う。教会に金をかけず,価値を認めない。大陸の古代ローマ帝国の遺風とカトリックに染まらなかった島国英国。
日本は東アジアに属する儒教圏国家の一つである。日本が世界の中心とする華夷秩序を標榜して,大東亜共栄圏を唱えた。日本はいろいろシナを模倣したけど,朝鮮との大きな違いに科挙と宦官がある。明治になって,ようやく科挙を採用できた。しかしその公務員登用試験が昭和になって上手くいかなくなった。立身出世の道具になったからだ。英国の最エリートは外交官を目指す。競争倍率はおよそ 5000 倍だ。そのエリートが欧州EU官僚に歯が立たないらしい。しかしEUには非合法活動する諜報機関がない。英国が欧州のパワーゲームのなかで生き残れた理由の一つが諜報だ。英王とベネチアはバチカン枢機卿に金をばらまいて懐柔した。昭和天皇は和平工作にローマ法王への親書を考えていた。
攘夷に徹していた天皇が薩長に転向したのは,軍事力と金の力だった。今では英国の軍事力は大して意味をなさない。ドイツ海軍に至っては稼動潜水艦がゼロになっても気にならないほどの英海軍の存在感である。官僚国家の日本はかつて,欧州は「複雑怪奇」との声明を出して,平沼内閣が倒れた。1939 年の事であった。ニクソン訪中では佐藤政権が倒れた。スコットランドとかアイルランドは対外情勢の変化を利用しようとする。イングランドからみれば,背信 外国勢力との結託である。徳川政権は鎖国して,西国雄藩による外国勢力の引き込みを阻止した。日本の地方とりわけ北海道と沖縄が何故か自治を求めない。地方交付税がとてつもなく手厚いのかもしれない。イングランドに支配されたアイルランドは苛烈な統治のため人口は半減した。これに近いのは薩摩による琉球支配だった。薩摩は人頭税を課した。松前藩の蝦夷支配も酷く,見るに見かねた奥羽諸藩が幕臣に注意喚起を促しているほどだった。史上,善政を施した代官っているのだろうか。
沖縄も北海道も自立を望まないのは何故だろうと考え,やはり精神の自由というか宗教のせいだろうと思う。日本には自由の精神が根付かなかった。多分,諭吉が「自由」の漢語に訳した。合衆国議会はフランスにイラク干渉戦争を反対されて,フレンチフライをフリーダムフライに変えたほど自由を尊ぶ。アングロサクソン族は自由とか自治がないと苦痛を感じ,自由が負担と感じる日本人の違いなのかもしれない。共生,協調を重んじる日本人が満州事変のおり英国が欧州小国と日本の間をとりもって提案してくれたのだが,何故か当時の外相松岡は断った。3国干渉と同じ類と思ったのだろうか。
満州の利権を独り占めにせず,米英に分けていれば後の亡国はおそらくなかっただろうと思う。きちんと満州資源を精査したら,後の大慶勝利油田も発見しただろう。確かに現在の英国の国力は見る影もない。それでも GDP はフランスより大きい。官僚国家フランスは実際のところ さえない。今は経済の中心が合衆国からアジアに移行する過渡期である。英国にはインドパキスタン系の移民が多くいる。EU離脱しても それなりの目算があるのではなかろうか。日立が負担となった英国の原発利権は中国のものとなるであろう。そういえばジャパンディスプレイも中台が買った。かつて毛沢東が言った東風は○○は現実になった。中国と対立し争うのは愚かである。福沢はかつて朝鮮に絶望して,脱亜入欧と言った。英国の脱EU入亜をもう少し,日本人は真剣に考え直してみるべきではないか。実際,日本とかフランスの国際特許出願シェアは減少しているが,英国は現状を維持している。ちなみに増加しているのは,中国と韓国だけである。台湾はパリ条約に加盟していないので不明だ。英国がアジアに接近するのは賢明な選択だと思う。言うまでもなく,英国は国際世論誘導が巧みだ。ソフトバンクも投資会社の本社を英国に置いている。出資者を安心させるためだ。合衆国に置かないのは SEC の監視と制裁が厳しいからか。大王製紙とか日産の付け替えが簡単にできてしまう。合衆国だと,どのくらいの制裁金が課せられるのだろうか。
パワープレゼンス
戦後,空自幕僚長を勤めた源田が猛訓練が軍用機と一体となる感覚について書いている。特攻を主導したうちの一人だろうと思う。兵器も道具の一種である。道具と人間の関係が幼いのかもしれない。西欧だと,原罪の故に知恵を働かせ,道具を使い,汗水たらして労働せざるを得なくなったとする原罪が無意識化している。アダムとイブの楽園追放である。日本の神話は天孫族が臣民を支配する物語である。中曽根首相は靖国参拝時,「臣」と記帳した。韓国が首相の靖国参拝に敏感なのは,官僚が民を精神的に管理するキモと正しく認識しているからだ。かつては自分たちも遥拝を強制されたからだ。戦犯が合祀されているからだとする論旨は正確ではない。さて,戦死した自衛隊員がいつ靖国に合祀されるか。韓国の「烈士」と日本の「神兵」のパワーはどちらがに分があるだろうか。
サラリーマンの自衛隊が国民に対して発砲を厭わない粗暴な韓国軍に勝てるだろうか。合衆国民が自国の軍隊が外戦できると理解したのは2次大戦である。恐らく韓国兵は自衛隊員より精強だろう。問題は軍を動かす将軍クラスだ。両軍とも軍棋をしているだろう。自衛隊がしていないのなら,税金泥棒である。それとも,米軍の支援がない軍棋はしないルールになっているような気もする。尖閣で日中武力衝突したら,韓国の対日武力発動はあるような気がする。
第二次世界大戦の発端は満州事変から始まった。今回は移民難民問題が契機となる。パレスチナ,イエメン,カシミール,ビルマ,フィリッピン,合衆国ヒスパニック移民,北アイルランド,中南米などきりがない。日本の軍事力は戦前と比べようもないほど低下したが,その代わり円の力は国際主要通貨になるほど強くなった。
円のパワーがあれば韓国の軍事力は相殺される。逆にウォンが極度に弱くなったら,かつての日本のように武力発動するかもしれない。やっかいな隣国である。対韓経済制裁すれば,韓国の方が失うものが多い。合衆国の対中経済制裁がお手本になる。一時的に東南アジア市場を制するかもしれないが放っておいても,韓国の主要輸出品は中国産により淘汰される。何故か,韓国のパクリは表面的だからだ。
日本では東條の再評価,ドラマが放送されたりして翼賛化は免れないようだ。合衆国は分断されるだろう。地方選挙公報が郵送されて,候補者の志の低さ,情に訴える空虚さにがっかりする。安倍政権の「美しい日本」と重なる。内実,精神というものが全く感じとれない。棄権した。やはり日本の政治はトップダウンでボトムアップから指導者が永久に出てこないのだろうと思う。例外は明治維新だった。何と下級武士が政権を奪取した。その下級武士も上層支配層と婚姻を通じて上昇していった。歴代武家政権の貴族化と同じである。
駐日大使を務めたライシャワーは日本の意思決定は集団で 300 家がしていると断じた。当たっていると思う。それが庶民の目に見えないだけである。政治指導者の姻戚をみれば,大体わかる。これは与野党を問わないからだ。
何か変な文春AI特集
富士通の予測だと,
半導体デバイス20品目の世界市場は、2018年見込みの27兆678億円に対して、2025年は51兆3192億円規模と予測した。
だそうだ。日本が半導体王国だった時代を思うと,この衰退は為替だけのせいでもないような気がする。
システムICは台湾勢が強い。中国のAI応用は兵器主導のような気がする。画像AIメモリと一体化したマイコンがあらゆる兵器に搭載されるような気がする。自衛隊員は中韓のAI兵器と戦わなければならないのかと思う。
富士通とパナソニックの合弁ソシオネクストは前途多難のようだ。中核エンジニアが退社した。AI 半導体は TOF とシステムICのインテグレーションとなるから,顧客にどんな提案ができるか。もちろん顧客は軍事だ。案外イスラエルとか台湾から起業があるかもしれない。少なくとも日本の可能性は皆無だろう。日本半導体メーカランキングをみると,サンケン電気はソシオネクストの 1.3 倍の売上がある。顧客開拓に苦しみ,ルネサスと同じ低落の道を歩みそうだ。
文春のAI特集記事を読んだ。軍事に関する記述は皆無に近い。不思議で仕方がない。米中がしのぎを削って争うのは米ソの核兵器開発競争と似ている。まあ縦書きの雑誌では仕方がない。頭のぼけた爺さんを購読者にしているのから,妥当なのだろう。養老先生の数式を縦書きで記述しているのが笑える。まあ,明治の福沢は横文字を縦書きにして生計をたてた。文春も福沢の亜流だろう。
中韓のAI事情を知りたかったのだ。。。文春はかなりピントがずれているというか,意図的なのか。戦前の陸軍はそれなりに独中ソの軍事に通じていたが,合衆国がすっぽりと抜け落ちていた。それでも陸海とも原爆の発想を得て,研究に着手する頭脳があったけど,現代の軍事官僚では到底無理だろう。どこでおかしくなったか。単に吉田のせいでもなさそうだ。NAFTA 加盟国のカナダとメキシコは合衆国に日本ほど飼い慣らされているわけでもない。
同僚だった中国人研究員(デジタル信号処理)がティータイムに外国軍が駐留する日本は独立国ではないと力説していた。番犬がいつのまにか領主さまになったのかと思う。農奴は保護と引き換えに領主権を認めなければならない。宗主国ともいう。日本人は合衆国の属国になって安心できている。
しかし,その合衆国が隷属国の優先順位を変えつつある。日本は投資の対象として魅力がなくなったからだ。日米 FTA で何の利権を手離せばいいか。薬事法と後は何だろう。やはりサービス分野だとすると,より一層の電力通信開放だろうか。かつての沖縄のように円を廃止してドルを使えと言い出すだろうか。アメ車が売れるように右側通行にしろくらいは言うかもしれない。学校給食の米飯給食を止めろはありそうだ。しかし調べたら,
輸出(日本→米国):自動車,自動車部品,航空機類,建設用,鉱山用機械
輸入(米国→日本):原動機,科学光学機器,航空機類,半導体等電子部品,自動車
だった。マスメディアが合衆国農産物を煽っているだけだった。日本は合衆国半導体の市場になっていた。これは驚いた。日米が競合しているのは自動車と航空機類だけだ。それなりに自由競争原理が日米間では働いているようだ。為替が大きく変動すると,これら競合製品は影響を受ける。日本半導体は円高に耐えられなかっただけか。要するに円安政策を止めて,合衆国産自動車を輸入しろだろう。これに過大な生産施設を国内に有するトヨタは応えられない。ゴーンだったらできたかもしれなかった。東洋経済が連休前に株を買うよう勧めている。株高を想定しているわけだ。読んでみたら,ダウ価,為替予想もない つまらない ちょうちん記事だった。日経225 を売買しているなら,為替も相場をはって勝負しないとリスクヘッジできない。
戦前の日本は農民が生産したカイコの絹を合衆国に売って,それを合衆国産木綿に変えて中国に綿製品を売って生計を立てていた。農民が産した繭が下請け労働者の自動車に変わっただけか。パラダイムは戦前と同じだな。人手に依存していた絹産業と自動車産業を思うと,日本の人口減少はまんざらでもないと思わないか。日本の一人当たり GDP (PPP) のランキング低下が酷い。今は31位だ。30位が英国で,32位が韓国だ。日本の国力は合衆国と競っているのではなく英国および韓国レベルという事だ。実感として頷ける。5万ドル以上の国は資源国と合衆国を除けば中小国が多い。合衆国も州を国とみなせば中小国になる。平和な時代では,効率よく運営できる国が繁栄する。日本も地方交付金に多くを依存している,県を切り離せば簡単にランキングが上がるのではと思う。日本のお荷物は北海道,兵庫そして大阪府だった。
わが県は43位。他府県に国税を吸い上げられているというか,もっと国から交付金を取れないのだろうか。江戸期も幕府の直轄領,譜代藩の飛び地とかで文化の育たなかった地域だ。現に城が残っていない。収奪するばかりの代官がこの地を治めていた。近くに一橋家の所領もあった。Wiki によれば,「幕末期には、武蔵・下野・下総・越後・摂津・和泉・播磨・備中の8か国22郡に散在していた」とあり,近江が含まれていない。ガセだったのかな。
よほどのカリスマ性がないと,名前だけの将軍だけでは譜代諸侯中心の幕軍では薩長を敵にするのは無理があったか。優勢な幕府海軍を使いこなせなかった慶喜は軍事指導者として失格だ。何故京都に執着したのか。譜代筆頭の彦根と親藩の尾張藩に出兵を断られた時点で大阪出陣を止めるべきだった。長州と薩摩を海上封鎖して密貿易を断つべきだった。凡庸だった慶喜が後世では評価が高い。尊王だったからだ。でも,彼の側用人は豪農の倅 渋沢栄一を見出した。彼は静岡藩主となった慶喜に忠節をもって仕えた。幕臣となった諭吉は終生,幕臣を誇りに思っていた節がある。下級武士でも,武士身分の格に拘りがあったようだ。日本の高額紙幣の肖像画がともに「幕臣」とは江戸期封建制の遺産が大きい。デジタル通貨に代わり,明治以降の官僚が肖像画になる事もないのか。
今では考えられないが私が少年の頃,少年漫画に外相「陸奥宗光」の小伝が連載された。編集部がなんでそんな企画をしたか。日米安保騒動の頃だった。戦前の3国同盟を締結した松岡祐介の存在が大きく,その反動だったのかとも思う。福沢を除いたら,渋沢と陸奥は尊王攘夷の志士だった。渋沢は豪農出身で役人ではなかった。宮仕えの下級武士が打ち立てた明治政府には,農園主が建てた合衆国政府のような理想と経営感覚はなかったのだろうと思う。日本流科挙制度も構築して,集権国家が整った。今では地方創生を唱えながら,自由競争の気概を失った。PPP が衰退国家の英国と同程度であるのは当然だろう。このままだと英国どころか,もっと下がる。円の為替推移をみていけば,今後の衰退がわかると思う。
地方交付税ランキング上位にはかつての雄藩が多くある。明治 150年,慶喜の行なった大政奉還は果たして良かったのだろうか。大阪維新の会の大阪都構想では交付金の扱いはどうするつもりかな。カジノの揚がりで埋めるのか。シンガポールのような国家を目指すのもいいかもしれない。パラサイト県が減るのは結構だ。北海道の体たらくは道庁を分割するしかないだろう。JR北海道も分割する。北電も分割する。北海道の豪農に自立志向があるのがせめての救いかな。
国庫の依存が少ない都県は旧徳川所領もしくは徳川家ゆかりの藩とは何という皮肉だろう。頑迷固陋と烙印を押された領民の方が,進取の気風にあふれ企業活動が盛んなのか。それとも過労死させるほど収奪の酷い都県なのか。合衆国は所得税は連邦税だが,消費税(付加価値税)は州税である。全国一律の課税は交付税のようなムダな還付を産み出す。ゼロ成長下では幕府政権のような分割統治の知恵が必要だ。中国も中央集権ながら,成長の心臓を地方行政府が担っている。
神奈川と愛知の息があがったら,日本全体が落ち込む。輸出のために円はどこまで下がるだろうか。空恐ろしい。経済学理論によるシミュレーションが可能だろう。どうも 2030 年には国内自動車産業市場が半減しているらしい。都会の貧民は駐車場代を払う余力がない。地方は仕事がなく高価な自動車を買う余力がない。車の売れ筋は税金の安い軽自動車だ。今後は価格破壊の中華産自動車が世界の主流になるだろう。トヨタに代表される高品質の車は売れなくなる可能性がある。電子産業衰退の後を追う。
しかし,日本は幸いにして人口が減少していく。一時は一人当たり GDP が合衆国に匹敵するほどだったが,輸出競争力の低下に伴い衰退英国と同様に落ち込んでしまった。今後は英国以下になるのは確実だろう。イノベーションする気力の萎えた日本はフランス,ロシアのような中央集権国家とともに衰退する。横並びの統制が天皇制国家には似合っている。自動車製造会社を起業した創業の地が全て,旧親藩譜代領とは考えさせられる。NHK 大河ドラマは志士を好んで啓蒙するけど,戦後,実業の自動車産業を築いたのは幕府勢力の豪農資本家達だった。そして西国雄藩の志士は朝鮮併合までやってのけた。日本の明治維新は合衆国の市民戦争である南北戦争で南部が勝って勃興しつつあった北部の資本主義を潰したみたいなものだ。明治維新の反省というか,再評価なくして日本の再生はないのではないか。1万円札の肖像が2代続いて,幕臣になるのも再評価ともいえなくない。しかし日本の政治指導者層は明治維新を絶対視する右翼政治家ばかりだ。彼らにとり,明治維新=靖国精神 だろう。地方の自主独立,本田圭佑の言う「個」が主体的に考えて動きだす社会にならないと,個人主義の中国人に歯が立たないだろう。日本人の集団主義が民族性として語られるが,たかだか 150 年である。朝鮮のように何百年も続いていない。日本には分権だった武家政権 800 年の歴史がある。
NHK の維新称賛ドラマと韓国 KBS の大河反日ドラマは双対だ。日韓の不毛の対立は第三勢力を利するだけだな。英国の混乱はスコットランド,アイルランドそしてEU小国の観点からみると,わかりやすい。これら小国は平和を享受して英国より豊かな国が多い。まあ,落ちぶれた英国民のヒステリーかもしれない。日本人のヒステリーは韓国が日本より豊かになる頃だろう。これも単純な推計ですぐ計算できる。日本のイノベーションがなければ,東アジアで日本の没落が際立つ。日本の製造業の足を引っ張る,原発停止何とかならないのか。高品質の電力がないと,高性能工作機械が満足に動作しない。太陽電池電力だと溶接機を動かすと,電圧が低下してしまう。九電が太陽電池電力規制を発表した。当たり前だ。原発反対の国民は太陽電池で自家発電自家消費に徹したらどうだ。それとも,溶接機を動かすには自家発電機によらねばならなくなるのだろうか。その可能性の方が高いか。電池自動車の充電はどうするのか。とりあえず,電力料金を上げるのだろうと思う。
幕府の蘭学書解禁に伴い,殿様に蘭学狂いが続出した結果,そのブームに諭吉が上手く乗り適塾生にもなった。江戸に出て,幕臣への途が開けた。これも幕末の人材登用の波に乗った。「洋才」そのものより,啓蒙に力を注いだ。今のメディアに近い。朱子学と国学をごった煮した国粋運動が明治維新となり,その過剰なまでの神がかりの軍事至上主義が結果的に亡国となった。吉田松陰らの運動は経済感覚は皆無に近かったのではなかろうか。明治の士族反乱が旧幕府領ではなく,熊本鹿児島なのは意味深である。渋沢栄一は昭武の渡欧に随行し,任された金を運用して増やして帰国した。満足に外国語も話せないのに,投資の目利きができた。
金を使うだけの官僚と金を産み出す官僚の違いである。諭吉には武士の倅だったせいか,利殖を蔑視する一面もあったようだ。現代の学者にも通ずる側面だろう。明治の指導者は「富国強兵」を標榜しながら,実際は貧国への途であった。日露戦争の戦時国債を償還し終わったのは,なんと2次大戦後の高度成長期であった。国家予算を効率良く配分して,投資しなければならない。
オランダはドイツ産戦車レオパルドをトルコに売却し,合衆国産 F35 を導入する。トルコは韓国産自走砲を購入する。EU諸国の小火器は英仏を除き,ベルギもしくはドイツ産である。防衛省装備庁は利権の巣窟となって,やたら国産もしくはノックダウンに拘る。日韓が武力衝突したら,韓国産の3倍の価格の三菱自走砲が互いに撃ち合う。民需のメモリ液晶ディスプレイの戦いを軍事でも繰り広げるのか。多分,軍事官僚がその愚かさを知悉しているが,天下り再就職先を考えたら止められない。
NHK の英国のEU離脱特集が少し気になった。学卒は反対でワーカは賛成だそうだ。英国は Community というより Society である。人々が階級別に集う。王様を断頭台に送ったけど,フランスのような暴力革命は起きなかった。趣味嗜好も階級により異なる。上層はワインブランディを飲み,ワーカはビールとウイスキーである。階級社会でありながら,大戦争がある度に,下層階級の政治権力が伸びてきた。長い長い英仏戦争のなかで,ロンドン市民は鎗兵,イングランド農民は弓兵として Royal Army に参陣した。両次大戦で庶民の政治権力が伸長した英国だけれども,これからはドローン戦争である。没落する労働者階級がトランプを選択したような状況が生まれるだろうか。英仏は欧州の鏡である。上下は同じだが,左右は逆である。島国英国は左側通行だ。欧州小国の混乱に乗じて,イングランド欧州派遣軍が欧州統一の野望を阻止してきた。今回の失敗は合衆国の独立以来の大失敗になるかもしれないし,うまくEU間の離間を引き出せるかもしれない。
日本の戦国期,信長軍は信玄ゆかりの武田軍には勝ったけど,越後の謙信には敗けた。越後兵は稲の収穫を終えると,碓氷峠を越え関東で荒らし回った。雪解けになると,また碓氷峠を越えて田植えのため帰郷した。この種の軍は強かった。北米植民軍の司令官になったワシントンは農閑期に戦をしなければならなかった。当時の欧州の闘いは,貴族のスポーツという側面があったから,冬の間は自然休戦となった。ワシントンの軍隊というか民兵は逆に冬にゲリラ活動した。
日本の政官と民は上下関係,英国の階級に近いというか,政治に限れば世襲議員が跋扈している。太平洋戦争では地主が一掃されて自営農民が増えて,今では農林水産業の GDP は1%強まで低下した。森永卓郎によれば,日本の富裕層は 20% だ。資産家と大企業サラリーマンが該当するそうだ。株取引をやっているので,上場企業の平均年収が結構気になる。勢いのある新興企業ほど賃金が安い。諭吉が誇りとしていた幕臣の給与も信じられないほど低い。100億円に近い年収の CEO が 1/100 の年収の国務長官,財務長官に就く。どうも日産のゴーンは新生銀行が勧めた金融商品の穴埋めに背任となったようだ。資産を築いて,祖国のためという選択肢はなかったようだ。レバノン,ブラジルそしてフランスの多重国籍者である。法人税は条約により,二重課税はないが,所得税は異なる。インドで高級官吏として,勤めた英国民は帰国して邸宅を購入できるほどの資産を形成できた。植民地を失った英国の美しい邸宅は合衆国民に売られた。中国の富裕層に日本の不動産を購入してもらえるのは実に結構な事だ。最近ではジャパンディスプレイのような不良会社も中台連合が買ってくれた。
英国の富裕層とワーカの暮らしぶりは全く異なる。言葉も異なる。上流富裕層は休暇を大陸で過ごす。その英国に合衆国,中国日本人が観光に行く。確かに学問研究をするには いいところだ。全盛期の東芝は米英に基礎研究所を設立した。ケンブリッジと命名したから,ケンブリッジ大の冠講座かもしれない。今でも信号処理とか暗号を研究しているらしい。Google の英国AIチームが世界 No1 囲碁グランドマスタを破った。チェスは IBM だったから,これも時代と英国の学問力を感じさせた。
英国の知の巨人は大陸とは一風変わっている。ベーコン,アダムスミスそしてニュートン。彼らは英語で記述した。英国のアカデミー,Society が英語だったのだろう。当時の大陸はラテン語であった。東アジアの漢語に相当する。数学もラテン語だったが,今ではフランス人数学者でも英語である。世界中のまともな医者が読む雑誌に Lancet がある。Nature も英語でロンドンが中心だ。日本では NHK が取り上げるほどだ。日本海軍の電波探信儀を研究していた海軍中佐が Nature のジャックと豆の木のトピックが気になり,電波兵器の示唆だったと結論づける。駐英海軍武官が英国軍艦の艦橋に取り付けられた異様な構造物について注意を喚起したが,本国ではさっぱりだった。日本海軍は政治に忙しかった。原爆の基礎研究に着手し,暗号研究に富士通にフリップフロップの試作を発注していた。それなりにシーズをみる目はあるのだが,組織だったプロジェクトが苦手だ。
インテリ層が厚かった。それに反し,日本は東北帝国大学物理専攻の学生を土木建設に徴用したりした。短期現役で志願すると,特攻が待っていた。英国外交官の選抜は 5000 倍だそうだ。英歩兵の給与は約2万ボンド。邦貨に換算すると,年収 300 万円に満たない。よく反乱が起きないなと思う。恐らく,最下層はもっと低いのだろう。英国兵も合衆国と同様,市民権と大学奨学金を取得できるのだろうか。米陸軍歩兵は英語もよく解さない市民権目当てのヒスパニック系が多い。ローマ帝国末期の軍団と同じ状況である。シリコングラフィックスとネットスケープを創業したジムクラークは家庭環境にめぐまれず,海軍通信兵を志願した。奨学金を得て学者となり起業した。日本だと,少年工科学校から防衛大へ進学し,ディスコを企画した商社員折口がいる。同僚に兼松出身がいて,エピソードをおもしろ おかしく語ってくれた。
軍人選抜(淘汰)
合衆国陸士,海兵を出て10年も士官任務に従事すると,全米トップ10大学卒業生と同じ給与が得られる。自衛隊将校の給与は事務方に比べると低い。戦前,憲兵隊下士官の給与は小学校校長と同等だった。憲兵隊は志願兵で固めていた。世界的にみて日本の軍人将校給与の低さと,教師の高給は異常である。よほどの事をやらかさないと,日本では雇止めはない。
その点,英国および合衆国はいたってまともである。その代わり陸自歩兵の給与が高過ぎて,実戦投入できないメリットもある。日本軍の将軍がショボかったのは薄給のせいだったのだろうか。まあ,スタッフ参謀を選べない指揮官は日本の会社の中間管理職と同じだったのだろう。戦えない自衛隊に衰退する日本会社組織。ともに似た構造にある。
新聞に学校長警察署人事は掲載されるが,陸自部隊長はない。災害有事には最も重要なポストなのだが。戒厳布告下では,軍政をしいて民の安全を確保する責務がある。校長の給料を下げて,部隊長の給料を上げてはどうか。両方の給与を上げるのは愚策である。
入獄したジャーナリストを検索したら,明治時代ばかりだ。翼賛体制の時代,反骨精神は非国民の烙印を押され不可能だったのか。現代中国はビッグブラザの統治下にある。日本も中国のような疑似体制に収れんしていくような気がする。「空気」と「ムラハチ」がビッグブラザのいない不思議な集団になる。ディズニー映画のリトルグリーンメンが,「命の恩人,感謝永遠に」と言うシーンがある。日本の「恩人」は誰だろう。検索したら,昭和天皇は皆無でマッカーサーが引っかかって驚いた。私が思っていたほど,昭和天皇の聖断伝説は信じられていないようだ。マッカーサーが日本政府案の改憲案を拒絶して,GHQ が憲法を造ったからか。ここでも日本人は横書きを縦書きにしただけだった。櫻井よしこ の防大同窓会での講演を読んだ。中国との距離感について,歴史的に語っているが,多分意図的なのだろうが,元寇を省いている。何を取り上げ,何を伏せるかジャーナリストの典型である。元寇を撃退したのは武家政権だったからだ。この講演内容も周辺諸国は全てファイル済みだろう。Wiki によれば,放射線被曝に関して,「子どもも10ミリシーベルトまでは大丈夫」と福島で発言したらしい。原発再稼働を望んでいる私でも,驚くような発言だ。彼女のサイトをみたら「令和」があったので,万葉集を引用する。
天地は広いというが、私にとっては狭くなってしまったのだろうか。日と月は明るいというが、私にとっては照ってくれぬのか。皆そうなのか、私だけそうなのか。運良く人と生まれたのに、人並に働いているのに、綿も入っていない布の袖無しの、海松(みる)のように破れて垂れたぼろだけを肩にかけて、ひしゃげた小屋の中、地べたにほぐした藁を敷いて、父母は枕の方に、妻や子は足の方に、身を寄せあって、不平をこぼしたり呻いたりして、竃には火の気もなく、甑には蜘蛛の巣がかかって、飯を炊くことも忘れて、ひいひい弱音を吐いていると、「ただでさえ短い物を、さらに加えて端をさらに切る」という諺どおりに、笞を持った里長の声は、寝屋にまで来てわめきたてている。こんなにも詮方ないものか、この世を生きる道とは。
新生日本を官兵である自衛隊に期待するのは無理か。旧約にも亡国の嘆きが記されている。
ここでは集団の嘆きの詩編を見ることにする。 詩編44は、神に信頼して勝利を願ったにもかかわらず、敗北を喫して悲惨な目にあって嘆き、いっそう切実に助けを求める祈りである。 戦争に敗れるという民族的悲劇の中で、イスラエルが民として嘆き、祈っている。 通常どの国でも、戦争を始めるときには、出陣式など行事があるが、敗戦のときには行事どころではない。 昭和20(1945)年8月15日の太平洋戦争終結の日も、一般庶民の中には個人的に皇居前で涙する者もあったが、国家としては何もしなかった。 靖国神社でもその前で頭を下げて通る者はなかった。 終戦直後この神社の前で戦死者の霊に頭を下げて通るのは、ただカトリック修道女たちだけだったと聞く。 過去の戦争を反省することもなく、かえってそれを美化し、戦死者を英霊と呼び、永久戦犯まで祀ってこの神社が国家的聖所となるのは、かなり時が経ってからである。 それだけに古代イスラエル宗教では戦争に敗れても、嘆きという形式で、 集団として主なる神の前に出て祈るということがあったが、それ自体特異なことで、驚きではないだろうか。
どうも,櫻井はアジテータとして優れているかもしれないが,民に寄り添う気持ちがうすいようだ。「家族をはじめ他者への思いを育む人間教育へと、価値観の一大転換を目指すべきだ」と述べている。2010 年のコラムから 3.11 への思いはどう考えればいいのか。「やまと」と「まこと」と「こころ」がどんな関係にあるのか。あの冷酷なソ連官僚が定めた数値の4倍の被爆量を決めた官僚を擁護するジャーナリストを現役自衛官はどう思っているのか。案外,胡散臭く思っているのかもしれない。日本にはジャーナリスト出身の政治家が目立つけど,合衆国では皆無に近い。信じやすい日本人と疑い深いアメリカ人につきるかな。それだけ日本人はナイーブなのかもしれい。首相の側近が消費税率引き上げ延期の可能性を示唆した。国債の格付けをみたら,我が国は英国以下である。延期したら,格付けが下がるのだろうか。
英国のように衰退できず,奈落に落ちる心配もしなければならなくなったようだ。英国がフクシマのような危機をスコットランドあるいはアイルランドで起こしたら,日本政府と同様の被ばく線量の変更をするかもしれないと思う。原発を千葉,茨城に設置すべきだったのかもしれない。かつて,帝国陸軍は民間を「地方」と蔑称した。日本人一人一人の「こころ」に小さな帝国軍人がいる。櫻井がそれを掻き立て,防大OBが共鳴する。絶対神のいない日本では,天皇を中心とした国家はやむを得ないのかもしれないが,我々には 800 年間続いた武家政権の経験がある。英国も紙切れに過ぎなかった,マグナカルタを少しずつ広げてきた。その間,どれだけの代議員が国王により,断頭台に送られたか。混乱対立した英国議会はハノーバ家に嫁いでいた皇妃を担ぎ出した。スチュアート朝を廃絶し,現在のウィンザー家の誕生である。史上最悪の天皇後醍醐を廃して,北朝を立てたのは尊氏であった。
民主主義とは何か,英国とりわけスコットランドとアイルランドからEU離脱を眺める。3.11 を福島県民から眺める。5mSv の線量を浴び続けた0歳児がどうなるか。疫学的な結果がでるのは,中年だ。私を含め,櫻井もこの世にいない。
3.11 では原子力保安院を含め霞が関の官僚は無力だった。これからは NBC テロが当たり前になる時代である。これに対処できるのは日本には自衛隊の対 NBC 部隊しかない。核抑止力がない自衛隊はおもちゃの軍隊だ。核兵器を持てないとしたら,欧州小国を参考にすべきだろう。中国のビッグブラザにどう対処するか。せめて諜報機関を設立したらどうだ。戦前の特務機関は陸軍政治の道具となってしまった反省を活かすためにも,複数の情報機関を並立するのがいいだろう。ソ連は軍情報部,KGBそして党情報部と,それぞれが非合法活動していた。その成果がゾルゲ事件だった。今,設立しても成果が出るのは30年後である。Fackebook のビッグデータを英国の学者に渡させ,それを加工してプーチン政権はトランプ陣営の選挙戦略に役立たせたと伝えられる。ヒラリーとトランプの外交政策がどれだけ異なるか。そのトランプはパリ条約脱退,石油掘削解禁,イラン産原油輸入国制裁とエネルギ政策は筋が通っている。よほどの事がない限り,トランプ再選は間違いないだろう。
日本が自主憲法を制定しようが,世界の大勢に影響がない。日本が核武装するか,原発を再稼働させるかどうかの方がはるかに影響が大きい。日本政府の福島原発被曝線量の引き上げは,ロシアでも驚いただろう。特攻をやった日本人が被曝特攻しても不思議はないと思っているのかな。そういう風に考えると,櫻井は鉄の歯をもった般若か。許容線量がチェルノブイリの4倍だ。
合衆国産エネルギを買って,日米貿易不均衡を緩和するしかなさそうだ。高エネルギ価格で日本製造業はとどめを刺される。今,思えば日本の高度成長は合衆国の中東利権に支えられていた。今も昔も合衆国に日本は翻弄される。合衆国にとり,原発再稼働に踏み出せない櫻井とか安倍のような思想はノイズ程度だろう。カモになっても,ネギを背負っていくのはどうかとも思うが。。。
合衆国駐日大使が進言した核即応チーム(軍)の派遣受け入れを想い起こせば,自衛隊の対 NBC に期待できないのは確かだ。この種の部隊の編制予算が強化されたとは聞かない。とすれば,米軍の対 NBC 派遣をお願いするのも致し方がない。横須賀とかにいる米軍人と家族は人質と思い,その予算に便宜をはかるのは,自衛隊を含め冷酷な日本官僚を思えば,仕方がない。しかし,合衆国が横須賀から撤退すると言われたら,どうするか。困るな。
万葉の時代の民を打ちゃくする「村長」と被曝線量を引き上げた「現代役人」が妙に被る。東アジアの「官」とはそういうものだろう。他人に冷たい日本人の特性を最大限に活用する為政者,東京五輪に費やす費用があれば,どれだけ福島を救えたか。子供たちを被曝させるのはどうみても「悪」だろう。オリンピックをハレとすれば,福島被曝はケガレに過ぎないのか。被曝線量引き上げの最終決定権者は言うまでもなく我が宰相安倍である。30年後,そして50年後の歴史が彼の評価を定めるだろう。プーチンは安倍を見切った。現在の経済国力がなければ,失脚してもおかしくなかった。
英宰相と我が宰相の対比も興味深い。英宰相はEU離脱。我が方は憲法改正を抱えている。スコットランド民族党が日本の公明党みたいなものだ。与党内に野党を抱えているみたいなものだ。おそらく創価学会は池田大作が亡くなったら,天皇の聖性を是認するだろう。
翻ってスコットランドは英国教会アングリカン首長の英王を認めない。カトリックのままだ。英王が英国議会に出向くと,庶民院は議会の扉閉止を議長が宣言する。英王の立ち入りを認めない。衆議院開会に天皇が宣言すると,共産党を除く国会議員は議場で陛下を尊顔を仰ぎ見る事すら許されない。議員は臣下以下である。まつりは儀式でもある。中国の習近平は皇帝のようだが,国会では指導者の一人でしかない様式をとる。ビッグブラザにしか見えない。
ナチスはベルリンオリンピックがピークだった。軍需生産に民需品が食われ,金属食器も生産しなくなった。それでもヒトラは国民を飢えさせなかったが,日本の東條は違った。都市住民の買い出しが当たり前になった。東條が決済する書面上では,飢えは起きない事になっていた。安倍もそんな感じで被曝線量引き上げを決裁したのだろうか。正確には閣議に諮られた筈だ。誰が最終責任者なのかもわからないのだろう。実質的に権力を行使したのは無名の課長だ。終戦直後,預金封鎖をしたのは大蔵省課長の通達だった。怖ろしいな日本の官僚。勝手に戦争も始められるのは今も変わらないだろう。中国の海警を挑発するだけで,自動的にエスカレートしていく。そのために,防大同窓会は櫻井を招いたのか。どんな軍棋なのか。合衆国の暗黙の同意の下,行動を起こすにしても,韓国の侵攻はどうするのだろう。また敗けて,自主憲法制定もいいかもしれない。
中国のシナリオでは日本は分割され,西日本省が成立している。福島以北はどうなるのか。天皇は満州国溥儀のように中国のマペット化するのか。国家主席と天皇の珍妙な関係が始まる。かつての尊王の水戸会津はどうするのか。今の茨城福島は天皇に殉ずるのかな。地方交付金の断たれた道民はどうするのか。不凍港の釧路と中国へアクセスする空路を巡り,大国が争奪するのではなかろうか。それとも,統一朝鮮の別動隊北鮮が占領しているかもしれない。結論は日本は中華のAI兵器になす術もない。愚かな櫻井と特攻が重なる。精神力で近代戦争を戦う愚かさを変とも思わない防大OB。日本は不変だなとつくづく思う。おそらく,湊川精神と特攻が防大OBのよりどころなのだろう。
めったに見ない毎日を読んだら,マクロンが ENA を廃止すると言う。中央集権は止めないけど,官僚制度は変えるという事か。フランスは原潜を保有していても,乗組員の確保ができす通常哨戒がままにならない。国家威信だけは熱心で空母を太平洋に派遣する。南太平洋が今でもフランス植民領だ。中国の一帯一路はマネーとAIと軍事が一体となった新帝国主義みたいなものだ。合衆国の対イラン経済制裁は中国イラン枢軸を産み出すかもしれない。イランの原油最大輸出国は中国である。ロシアが撤退した中央アジアが不安定化して,露中米が競うのだろう。それをインド,サウジ,イランそしてトルコが眺めている。この地域は情勢が一気に傾く。アフガンとウイグル自治区,チベットを支援しているインド,インドと対立するパキスタン。東シベリアを脱走した独軍捕虜が地図を頼りにソ連邦から中共を避け,中央アジアを経てテヘランに辿り着いた。経済の全くふるわない中露関係はどうなるのだろう。中央アジアはイスラム圏である。イスラムによる自爆テロが絶えない。
日本の令和と裏腹に世界は混乱の世紀に向かっている。合衆国の覇権が及ばない中央アジアと押し寄せる難民,中国では流民と言われ歴代王朝を崩壊させてきた。国家による産児制限により,史上初めて中国共産党が都市部の人口をコントロールできた。しかし,ウイグルの同化政策は上手くいかないようだ。北米と蝦夷の原住民には中央アジアのような高等な遊牧文化がないがない故に,同化せざるを得なかったが,遊牧民は異なる。遊牧の民ベドウィンにしても,家産を維持増やすには,農耕民以上の高度のスキルがいる。農耕民が優位になったのは,銃器を手にしてからである。銃器は都市で大量生産されたからだ。遊牧民が築いた最後の帝国は満族である。ウイグル自治区の若者がナイフで絶望的に蜂起している。ローマ総督に抵抗した短剣で武装したユダヤ族シカリ派を想起させる。中国は漢人をウイグルに入植させている。蝦夷が和人で埋まったのと同じだ。中国人には移動の自由がない。2024 年に中国の人口はピークに達し,インドに抜かれる。旧満州の吉林省の人口増加率は1%,黒竜江省はゼロかマイナスに転じている。満州の開発に失敗したようだ。繁栄しているのは広東省とか沿海部と上海などの都市だけなのだろう。貴州(山岳地帯)もマイナスだ。100年後,国の統一を維持するのにも結構 大変なのではないか。近未来は米中両国による覇権争いではなく,カオスの時代が来るかもしれない。人口爆発が旧来の文明を崩壊させるかもしれない。中央アジア,南米そしてアフリカである。ロンドンの様子を写す映像をみると,非白人が多いなと思って調べたら,白人は既に少数派であった。ロンドン市長がインド系なのも納得だ。イスラエルが近未来,ユダヤ人が少数派になるのと似ているかもしれない。
先史時代のブリトン人は豚を飼育し,太陽を崇拝していた。やがてケルト人がやってきて,ゲルマン諸族がそれに続いた。異民族との通婚に関して,一番の新参者の東アジア系に違和感が最もあるようだ。EU離脱の目的は移民排斥である。北大西洋を挟んで合衆国もそんな感情が高まっている。そのうち隠微な黄禍論が出てくるかもしれない。ホンダはEU離脱混乱を理由に英国生産撤退を表明した。英国最大の自動車製造会社日産はどうするのか。ルノー本社と日産の確執もそんな視点が必要だろう。英国工場をたたんでフランスに回すのか,韓国の起亜と九州日産の協業はどうするのか。国の経済的格付けは国債でわかる。英国はEU主要国と遜色ない。イタリアが沈んでいる。それよりさらに低い格付けが日本である。金融資産とか GDP は現在の指標だけれども,国債格付けは20年後の未来を暗示している。
長々と述べたが,日本は英国より酷い状況にあるし,その未来も暗い。

自由化とは簡単だ。ヒト,モノそしてカネの移動自由化だ。そして分権化だ。自由化にも順序が大切だ。ヒトの移動は高度スキルの必要な,医師,弁護士,会計士そして教師などから始めなければならない。順序が逆だろう。中国から大量に受け入れた大学院生は皆,いなくなった。私の同僚だった中国人研究員も帰国した。彼は日本の国立大学で学位を取得したから,日本は損をしたのかもしれない。合衆国だと,これらは異邦人マイノリティの職業だ。かつて医師弁護士はユダヤ系だったが,今ではインド系と中国系が多い。日系人は会計士と教師が多かったが,エスニックすら混交してなくなりつつある。英国も似たようなものだろう。軍人とりわけ下級兵はアジア出身が多い。少し前なら,ネパール出身者のグルカ兵の近衛兵部隊があったくらいだ。院を警護する北面武士は下級貴族,六波羅は平家一門,京都大番役は関東武士と地方出身者が多くなり,応仁の乱では公家衆が警護の任にあたった。
このような困難な事態に対して、朝廷側も自分自身の力で懸命の努力を重ねた。地方の朝廷の荘園すなわち御料所(ごりょうしょ)の年貢催促・撤収のために、公家衆が代官として現地に下向した。さらに戦国大名に朝廷への財政的支援を求めて公家衆が下向した。有名なのは山科言継(やましなときつぐ)が後奈良天皇十三回忌費用のため、東海地方に赴いた例である。また京都自身が戦乱の地になったために、御所の警備にも努めなければならなかった。シナの宮殿と異なって日本の御所の防備は簡単な築地堀で守られているだけである。公家衆はグループを編成して、交替で宿直の番に当たった。これを小番(こばん)制度という。小番はそれ以前から在ったが、戦国時代において格段に整備された。
江戸期の雛人形が朝廷の存在を庶民に知らしめたとある。応仁の乱が地方の上層に公家文化を伝播させ,江戸期になって地方の豪農とか町衆に天皇を知らしめたとする説である。高校時代のマルクス史観の教師から教わった日本史とは異なる。文化にどれだけ価値を置くか。幕末の幕府軍が何故,薩長の連合軍に鳥羽伏見で敗退したのか,ボンヤリと見えて来た。文化には宗教も含まれるだろう。日本は「神の国」ではなく,和歌とか日本の文化風土を規定した土俗精神の昇華版だったのか。考えてみれば,日本のハレとケの行事は朝廷ゆかりのものばかりだ。これからはみ出ているのは,マタギ,サンガ,アイヌと沖縄くらいだろう。
日本史を手っ取り早く知るには,応仁の乱以降でいいというのは,確かなようだ。確かに異国人が日本文化目当ての観光だと,室町以降広まったのものばかりだ。英国だと何だろう。日本にはない馬車,帆船,海洋文学,海洋画,アカデミー,教会,郷神(貴族),牧羊,農民反乱,奴隷交易そしてピューリタン革命 1642 年だろうか。
歴代徳川将軍の埋葬副葬品が面白い。武家のならいとして太刀は全て発見されたが,凡庸とされていた秀忠のみが鉄砲を副葬している。西欧では銃兵は身分の低い者がなった。王の嗜む武器は騎槍のランスであった。ドラマエカテリーナ2世でも,ピョートル大帝のサーベルを振り回して,女帝にたしなめられるシーンがあった。プロイセンかぶれの夫はハンドガンを手元に置いていた。現英皇太子の趣味は狩猟とキツネ狩りである。銃と馬が欠かせない。宗教改革後は平民は一層,貴族文化とは無縁となっていた。逆にフランスで はやり出した長ズボンを貴族が着るようになった。貧しいスコットランドに英貴族の遺風であるスカートが残ったのは不思議なものだ。
日英の歴史の分水嶺は日本だと家光,英国はだれだろう。やはりエリザベス1世だろうか。日本唯一の農民反乱は「島原の乱」 1637 年である。日本の明治維新は朝廷を江戸に移し,西国雄藩の下級士族が実験を握り,統治手法は幕府と余り違いがなかった。大きな違いは貨幣を統一し,農民に徴兵を課した事だろうか。異教の自由化をしたけど,広まらなかった。日本人は宗教的自我に目覚めず,ついに21世紀となった。中国は共産党が政権を握り,地主を追放して革命を経験した。共産革命は後進国における宗教革命であった。
日英の文化歴史を比較しても,日本の停滞がわかったようでわからない。江戸末期の大阪には世界初の先物市場ができて,各藩の米蔵が堂島の川沿いに並んでいたから,資本主義のテイクオフはできた。なぜIT革命が頓挫したのか。日本の教育水準が高いとされる。やはりピューリタン精神の有無だろうか。中国の起業家をみると,そうではないだろう。日本を覆っている「空気」が KY として抑圧しているのではないだろうか。どうでもよい,小室圭さんへのバッシングをみると そんな感じだ。自分の居場所に汲々とする日本人。その両極端にあるのがムスリムだろうか。ヒトだけが物語を創出して語り継いできた。噂とデマも物語である。宗教とか政治はプロパガンダの歴史である。神話を創生して,共同体の絆が信頼そして信用となる。西欧では不信は論外,日本だと不忠は論外だ。「信用」社会と「忠誠」社会では,新奇な事物は上下ヒエラルキーの社会では排除されるのがオチだろう。日本人が従順なのは権威によるところが大である。最大の権威は天皇というか,世襲天皇制である。
Facebook のような真っ黒な創業者が成功するような事業を歓迎するような資本主義社会になるにはどうしたらいいか。日本は腹黒なホリエモンを反社会的として,資本市場から締め出してしまった。放送,通信そして文化も変えられるほどのカリスマ性があった。今ではそのライブドアが韓国資本の LINE とは実に皮肉である。
資本主義の強欲さをどこまで許容するか。どういうわけが,上場企業の過労死に関して日本人はとても甘い。万葉の頃から,ひたすら お上の暴虐に耐えてきた。唯一の反乱をキリシタンが主導したのは,これも因縁だろう。日本に英国のような階級がないのではなく,階級を自覚しないだけではなかろうか。幻想象徴天皇制は国家鎮護に最適しているものの,新時代 新体制にマッチするかどうか疑わしい。天下を否定できるかどうか。英国のホッブスがリバイアサンを出版したのは 1651 年であった。エリザベス1世が東インド会社を勅許している。イギリス人にしてみたら日本の会社員が農奴以下の過労死に至る状況はクレイジーにつきるだろう。キルケゴールが「死に至る病」を著したように,日本の過労死は現代世界に突出している。古代中世の南米では自ら命を捧げる文明があった。それくらいめずらしい。
新天皇の下,日本は過労社会をつきつめれば世界史的に偉業を成し遂げられるかもしれない。それを支えるのは土俗信仰の神道と「空気」だろう。どこまで日本の公教育が,従順なKYの子供を将来の
社員に育成できるか。日英の分岐は江戸期にあったが結論である。大統領制と日本のような議員内閣制のどちらが危機対処に強いか。グダグダな英国宰相を見る限り,議員内閣制はダメだな。
社畜に関して,もっともらしいが前提がおかしい意見が Blogos に載った。労働とは何かでボタンの掛け違いがある。富士通のような大企業労働者の給与は間接費で,欧米あるいは日本の中小企業のような直接費ではない。間接費だから,解雇も少ない。不作だからといって,封臣を解雇できなかった藩庁と同じである。富士通のリストラはいつも揉める。これは陰湿なパナに比べたら ましな社風だろう。私なら,20年も勤めさせていただいて感謝したい。いい会社だ。ただ当人のスキルが会社に必要ではなくなったか,外国人で済むようになったかだろう。私の経験だと,新鮮さをもってスキル習得に励めるのは3年程度である。5年もすれば,仕事自体に飽いてくる。今の時代,企業年金も怪しいものだ。ITだったら,3年でも長すぎるかもしれない。一つのプロジェクトが終ったら,転職するくらいがいいのかもしれない。ガチガチの封建社会の江戸期でも職人は渡り歩いたというか,そうせざるを得なかった。農家商家はあっても工家はない。収入も低く,妻帯もできないので子孫を残せず江戸で死んでいった。人口が増やせた明治 150 年が異様な時代だったのだ。都市労働者とは極端に言えば,清朝の「苦力」と同じ。リキシャがPCに変わっただけかもしれない。一方,英国の時計師は高収入,やがて姻戚を通じて上流層入りした。クロノメータの精度が航海の成否を左右したからだ。
中国人インド人プログラマは日本人の 1/10 の給与で働く。そんな仕事を選択するべきではなかったのだ。減俸降格を願い出て官需担当のSEを目指したらどうだろうと思ったが,そんな職種もなくなりつつあるのかな。私の所属していた組織では50代の機械工をプログラマにして雇用を維持していた。その代わり,若い外注プログラマは割りを食った。日本国の効率を考えたら,良策と思えない。あなたが失職して,インドの若い複数のプログラマの仕事が増え,インドの消費も伸び,ススキの車を購入してくれるかもしれない。かつては日本の労働者が合衆国の仕事を奪った。今度は日本が中国とインドにお返ししてもいいのではないか。実際問題として,今の産業構造のままなら,人口増加は日本の衰退どころか,かつての中国王朝のように崩壊してしまうだろう。日本は上手に間引きを行なえた数少ない封建社会だった。欧州は戦禍と飢餓が調節していた。しかも傭兵の略奪が酷く,農村は疲弊した。大都市江戸と商工業者が参事会員となる西欧の都市は似て非なるものだった。日本の幕藩体制は士農と工商の間に深い溝があった。大企業に勤めて,士農待遇を期待するのはどうかと思う。東大経済学部の助教授が,東大には序列があります。経済学部は末席ですと自虐的に言っていた。そもそもプログラマを目指す選択が志が低いのかもしれない。次善としてプログラマを使う職を目指す。大企業なら,入社は至難だが総務人事部門を希望する。東電の最エリートは総務出身である。
日産の西川は 1977 年に入社し,その後の20年の職歴は不明だ。日本の大企業は将来,幹部になるコースは決まっているので,その間下積みを続けたのかもしれない。私の所属した組織だと,役員に昇格する前,北米に転属させられていた。驚くような幹部の人事は全くといいほどなかった。
昭和天皇独白録に「東條人事」とある。首相執務室の別室に参謀本部と陸軍省の組織人事表を貼り出し,人事を練っていたらしい。世界最強最大の資本主義国 合衆国相手に戦争しているのに,意外な感じがした。日本は組織が大きくなれば なるほど この種の傾向があるようだ。当時のチャーチル,スターリン,ヒトラ,ルーズベルトはどうだったのだろう。ルーズベルトは机上に海軍将官名簿を常備していた。スターリンはやたら将軍を粛清した。チャーチルは対独戦の重点は航空戦とみなし,2人の RAF 将軍に全権委任した。ヒトラは国防軍の将軍懐柔に苦労していた。蒋介石は売官職していた。
東條は内閣改造しようと,岸に辞職をせまったが拒否されてしまった。改造は暗礁に乗り上げ,総辞職となった。この岸の行動が大いに活きた。開戦時の詔勅に副署しながら,反東條に回り後に先物を買ったと言われた。東條幕府と呼ばれながら,あっけないものだ。東條の政治力は陸軍と憲兵だけだった。民衆の支持はどうでもよかった。実際,都市住民は飢えていた。書類上は配給が順当になされている事になっていた。東條家では闇米を食していたのだろうか。お手伝いさんもいたから,憲兵隊が便宜を図っていたのかもしれない。当時,日本海軍は海戦する度に 300 機の航空機を損耗していた。
1943年度上半期航空機工場生産能率比較がある。 生産能率は(月産重量 / 総人員)で示され,三菱重工業12㎏,愛知航空機8.5㎏,日立航空機, 中島飛行機8.2㎏,九州航空機,川西航空機等2.5㎏である。
生産効率に酷い格差があった。前述のように日産の生産コストはトヨタの 1.5 倍である。トヨタ日産ともロシア ペテルブルグに組立工場を開設したが,トヨタは撤退した。ロシアの労使慣行は役所が介在し,日本だと構造汚職のようだ。海員組合のようなものかなとも思う。日産の西川はロジスティクスの専門家のようだ。工場の再編をするだろうか。思ったより,ルノーとの部品調達が進んでいないのではないか。クラウンとかセリカのビンテージが走っているけど,セドリックとかは見かけない。パーツのサプライチェーンに難があるのか,部品の共通化が下手なのか。
東條は革新官僚の牙城商工省を廃止して軍需省を設置した。財界出身の藤原銀次郎が大臣に就任し,2.5倍の航空機増産を目指した。海軍の造艦計画ほど酷くないにしても,最も必要な航空機生産が捗らなかった。どうも官給品だったエンジン,プロペラそして脚の支給が上手くいかなかった。プロペラ調速機と脚は住友が独占的に供給していた。特殊鋼生産に必要な支給されたレアメタルは横流しされた。指定軍需工場には陸海軍から派遣された監督官が駐在しているのに不思議なものだ。おそらく工場は二重帳簿をつけていたのだろう。直近の日産とか東芝と同じ粉飾まがいだろうか。レアメタルは何処へ消えたか。陸海軍のガソリン精製工場建設と人造石油プラント,さらに満州の製鉄をはじめとする巨大工場群であった。そのなかに鮎川のプラントもあった。極論すれば統制派の満州の夢のため,内地の航空機生産が犠牲になったのか。東海地震以前でも中島より生産効率が高かった三菱の効率が下がっていく。ドイツの戦闘機生産はうなぎ上りに増大したが,それ以上に増産に成功したのがソ連と合衆国だった。ドイツ防空戦の悲惨さが想像できる。日本の本土を空爆した B-29 の損耗率は B-17 の 1/10 以下である。ドイツの受けた投弾量に比べたら,日本は微々たるものである。満州がなければ,ソ連の大戦力が北海道に殺到した。現在の最前線は北海道,沖縄そして対馬である。どこまで侵攻されたら,停戦交渉が可能だろうか。空自は何日もつだろうか。中東戦争のようにゼロ日の可能性はどれだけあるか。空自が壊滅した後,どう戦うか。対馬駐留部隊はレンジャーだからゲリラ戦をする。北海道も同じか。500万人の道民をどう避難させるか。避難計画はどうなっているのだろう。満州の惨状が参考になるか。直近の欧州の場合だと,ユーゴとウクライナの民族紛争がある。英国はアイルランド問題に悩まされ続け,EU離脱問題もアイルランド関税問題に収斂しつつある。EU関税同盟が北アイルランド/アイルランド間にあるのか,海峡間なのか。貧しかったアイルランドは独立とEUのおかげで一人当たり GDP は8万ドルに近い。韓国もそれ位 豊かになれば反日がおさまるだろうか。日韓の間に海峡があって良かったと つくづく思う。米軍のいない沖縄を想うと,ぞっとする。ロシアは北方領土返還に,米軍進駐の懸念について言及した。米軍のいない北海道は簡単に侵攻されるだろう。北海道方面防備司令官は無防備都市宣言してくれるのだろうか。十勝山脈で何とか食い止めて,釧路は放棄するのだろうと思う。青函トンネル経由で榴弾砲とか軍用列車を仕立て,返りは避難民を輸送するのだろう。太平洋戦争末期の朝鮮と同じで,役人と自衛隊員の家族が優先される手筈になっているのかな。民間機の飛行禁止は早いだろうから,海路と鉄道しかない。
戦後,合衆国は日本の石油精製工場を解体して農業国にするつもりであった。朝鮮戦争が石油産業と自動車産業の育成をもたらした。アメリカ人の誰もが日本車が合衆国に溢れるなど,想像もできなかった。電子電機産業は日本の海外市場はあり得ない状態だ。官の保護支援がないと,存立しえない
自動車企業は売れるうちに売ったらどうだろうか。経産省の天下りを派遣して保護する意味がどれだけあるか。金融危機に破たんした証券銀行の天下りは日銀系と大蔵系と二分され,それなりに牽制効果があった。経産省の天下りは全ての産業を網羅している。せめてエネルギを分離して天下り利権を分割したらどうだろうか。円安で利益を稼ぎ出すのは,国民生活を圧迫して良くないだろう。従来産業の過保護と円安政策を改めるには,やはり合衆国による外圧しかないだろう。20世紀の国策遂行を止められない日本はどうしたらいいのだろう。中韓と同じ施策をして,到底勝てるとは思えない。日産は長州系がルーツでした。
バラッカー氏は3日、アイルランド議会に対し、関税や通関料はオンラインないし税務署で徴収できると述べ、合意なき離脱の場合も多くの検査は遠隔で実施できると語った。 だが、動物の検疫は「ずっと難しく」、獣医によって物理的に行うしか方法がないと述べている。 「そうした検疫は港で実施されるべきで、衛生基準と植物検疫基準についてはアイルランド島が島全体として扱われるべきだというのが我々の見解だ。しかし、それには英国の協力が必要になる」と語っている。
小国アイルランドは英国のEU離脱に関して,いいとこどり はないようだ。アイルランドも引きずられて,英仏海峡に関税の国境ができてしまう。小国の悲哀か。独立して,共和国になってもイングランドに振り回される現実がある。問題がこじれれば,合衆国が介入するのかな。
参考
- 関連記事
-
- ドイツ銀行野村と聖杯
- 英国のバランス感覚と民族問題
- 無能な働き者 一兵卒そして北大西洋横断模型飛行機
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ダイヤモンド理論
2021-08-31 18:48 経営工学関係 URL 編集
Re: ダイヤモンド理論
2021-09-01 14:38 nabezoco URL 編集