2019/06/28

東京五輪8月6日

来年 2020 年の8月東京五輪 観戦チケット予約抽選が発表された。8月6日が気になり,検索したらバレーボールの準決勝があった。9日は男子マラソンと閉会式がある。忘れてはいけないと言っていた平成天皇も退位した。6日は広島被曝,9日は長崎である。

もう広島長崎の原爆は忘れましたとの日本の国際宣言なのかなと思う。これら風潮を考え出しているのは戦前回帰派の政治家官僚達なのだろうか。それとも時代の空気なのだろうか。

IOC の精神では政治的主張は御法度であるから,高校野球のような黙とうは無理だろう。合衆国の黒人公民権運動が高揚した頃,黒い手袋をはめて表彰台で腕を天上に突き出した選手は除名追放された (1968 年)。その処分は合衆国五輪委員会が主導した。黒人はベトナム戦で徴兵され白人とともに戦いながら,本国では公民権(選挙権)が得られていなかった。黒人の人口は 13.5% ながら,ベトナム前線での黒人兵は半分に達した。合衆国市民として認められていなかった。この抗議というか,怒りが合衆国を変えた。合衆国 建国の父達が英本国での宗教的迫害を逃れてきたのに,合衆国建国の人権宣言には黒人奴隷は含まれていなかった。

しかしカータ政権の時には,合衆国は 1980 年モスクワ五輪をボイコットし,JOC も従った。合衆国のご都合主義である。日本人の国際世論とは合衆国を指すようだ。合衆国民が自国の参加する東京五輪で原爆黙とうを認めるとも思えない。福音派等の熱心な合衆国キリスト教徒は原爆投下は神の罰とみなしているからだ。原爆投下のキノコ雲とトルーマンを意匠した合衆国政府の切手案ができた位だ。原爆投下は神の正義という立場である。日本人が原爆被爆を神 God による受難と認めれば話は別だが,普通の国民には無理だろう。

反日の東アジア諸国が東京五輪をどう政治利用するか。案外,8月6日を逆手にとるかもしれない。賢い官僚達は対応策を考えているようで,事務総長の武藤を見る限り対応策を練っているとも思えない。まあ,合衆国のトランプがどういった態度をとるかだが。。。そのトランプは徴兵忌避をしたと伝えられる。当時の金持ち白人の息子は合法的徴兵忌避が当たり前だった。韓国の財閥御曹司も同じである。資本主義では金持ちの特権でもある。日本も太平洋戦争で敗色濃厚となって,初めて学徒動員した。当時の旧制高校生数は現代の大学教授数と同じくらい少数だった。父は高小卒で働いていて徴兵,訓練を終えると そのまま軍艦に乗せられ戦地へ送られた。国民皆兵とは日米問わず,貧乏人男子を指していた。志願制(傭兵)は金がかかり,戦争へのハードルが高くいい制度である。

終戦記念日も風化して,日本の軍事官僚が仮想敵に対していつ行動を起こすか。その前に海自主戦力の潜水艦が横須賀と呉で撃破されて一巻の終わりか。巡航ミサイルとドローンで簡単に破壊される。ブンカーがないからだ。しかし,ブンカーを備えても2発の核で両港は軍港機能を喪失する。ローコストの最良安全保障は核保有である。トランプが日韓の核保有を認めているのだから,核保有宣言をしたらどうだろう。戦前は非力な日本海軍航空隊ながら,横須賀,木更津防空の任にあった 302 航空隊の戦力は帝都防空責務のあった陸軍第十飛行師団に匹敵していた。防空意識は戦前同様,現代も関心が薄いといえる。ルーズベルトは参戦前,10万機の生産を宣言していた。日本の軍事官僚はこれを自分たち同様ウソだと思っていたようだ。合衆国は参戦前に飛行場,工場を建設した。日本は開戦後,敗色濃厚になってから飛行場と工場を建設し始めた。順序が逆だろう。

本土が空爆されても,陸軍最新鋭戦闘機は満州に配備されていた。陸軍も変だった。本土より満州が大切だったのか。国務長官ハルの最後通告にあった中国撤兵に満州がふくまれるかどうか曖昧にしていたのに,日本は仏印進駐を急いだ。あの頃はやたら戦争したがっていた。海軍は石油備蓄量と消費について内閣にウソをついた。その究極が陸軍最悪の司令官牟田口だろう。日本人は役人にコントロールされても逆はできない。田母神のような自衛隊将官をコントロールするには米軍に任せるしか方法がないだろう。宰相吉田の選択は最善だった。頭のおかしい過激将官が 10% 以下であってもディベートのない日本では,声の大きい少数派でも主流派になる。開戦前の海軍将官会議(退役海軍大将)のメンバで米海軍と戦うべきと主張する大将はいなかった。現場の決定を是認しただけである。何でこんな会議があるのか。合衆国海軍の Board を形式的に真似たのであろう。日本の諮問委員会,審議会とか有名無実である。合衆国にはありとあらゆるところに評議会がある。自治体であるカウンティは無給の評議会が有給のマネージャーを指名してソーシャルワーカ,教師,警察官の雇用と運営を委任する。これを拡大したのが連邦政府および軍である。合衆国大統領は対外的には元首だが,内国的にはマネージャー CEO に過ぎない。予算は議会が握っている。

それは外務省高官にもあてはまるかもしれない。旧ソ連の役人もウソだらけだったが,軍事と諜報だけはウソは許されなかった。これが日ソの明暗を分けた。。。軍人のウソを許したら,即亡国である。歴代中国王朝の外戦司令官は高級官僚だった。敗戦は即,皇帝から死を賜る建前だったから,敗戦をなかった事にした。この原則は共産党政権でも続いている。ベトナムに親中政権擁立を目指して侵攻したものの,手痛い撤退となって懲罰戦争と名称を変えた。

何を血迷ったのか,東條は将軍だけでなく,兵卒にもこの原則を課した。玉砕と美化した。政争の具であった尊王攘夷をリフレインして対米戦に兵卒レベルまで自決を可能した。日本の修身教育は驚異的である。東條は本当に精神力で合衆国と戦えると思っていたようだ。敗戦処理にあたって,重臣となった東條は国民に敢闘精神が足りないと天皇に上奏した。陸軍最後のまともな参謀総長梅津は天皇にもう戦えないと伝え,昭和天皇は驚いている。有事にどんな指導者を選抜できるか。有事向きの指導者をどれだけプールできるか。世襲政治家ばかりで絶望的状況だが,国のありようは変えようがない。

統帥権は合衆国にある
日本海沿岸にイージスアショアの迎撃ミサイルを配備するより,横須賀と呉を守る方が先決ではなかろうか。それとも海自の潜水艦自体が役に立たない戦力なのだろうか。日本海軍はラバウルを始め,中部太平洋環礁,トラック,パラオを次々空襲され無力化され,最後はマリアナと沖縄だった。考えてみれば,日本自体が島である。航路帯を断ち切れば,抗戦能力は簡単に低下する。海自自体が大してやはり意味がないのだろう。それでは何のために潜水艦を整備するのか。戦艦大和の発想と大した違いがないのかもしれない。必要性とあまり関係がないのだろう。

インド兵は2次大戦に際して,対独欧州戦線と対日東アジア戦線に派兵された。1次大戦も欧州に派兵していた。やっと独立が得られたのは第2次世界大戦後である。インドは核武装し,酷かった宗主国英国との同盟関係はない。日本と合衆国との関係は英連邦内のインドと少し似ているかもしれない。両次大戦ではインドは自弁で参戦したからだ。統帥権は英国にありイギリス人の将軍が指揮した。

合衆国がイランと開戦したら,掃海とイラン諸港の封鎖に伴い臨検もしなければならない。ホルムズ海峡を通る船舶保険料が10倍になった。日本は世界有数の潜水艦戦力を保有しているのに,海自潜水艦の出番がない。自衛隊は有事になると,米軍の指揮下に入る。米海軍は海自潜水艦をどう運用するつもりなのか。

タンカー乗組員の確保はどうするのか。商船会社員,自衛隊員および役人が船員になるとも思えない。戦前は漁船員を徴用した結果,徴用商船員の戦死率は海軍兵の3倍に達した。せめて,徴用船員/徴用看護師/徴用工 運転手を軍属扱いにできないのだろうか。米軍は自国船員をタンカー乗組軍属としてリザーブしているのだが。

統帥権を在日米軍に委任しているのに,ホルムズを警備しろと主張するトランプだ。インドはプラッシーの戦いから 200 年 英国の軍事支配に甘んじた。日本に当てはめれば,2145 年頃か。英国のインド支配に比べれば,合衆国の日本支配は実に寛容である。日本は英仏に支配されず,つくづく良かったと思う。

英国のプロパンガを除けば,Brexit はナンセンスだ。竣工した新鋭英空母エリザベス2世は水漏れのため,ドックに戻る。使用された鋼材は中国製だった。英国の北米植民地は元は船材確保のため設立された。現代の最重要戦略物資は石油である。潜水艦は商船攻撃(通商破壊)のために用いられた。第二次世界大戦中,日本は蘭印に油田を確保していたが,タンカーが米潜により沈められ石油備蓄が尽きた。当時は無誘導魚雷の時代だ。現代の潜水艦通商破壊戦は潜水艦が有利である。コンボイ 船団を護衛するのは護衛艦より潜水艦の方が有利である。実際,米海軍は空母に必ず,攻撃型潜水艦を随伴させている。潜水艦から空母を守るためである。

時代錯誤の日英海軍だなと思う。没落するような国はこんなもんかと思う。覇権を争っている米中海軍整備は,日英より現実的な戦争計画を立てている。

日本の対米従属は仕方のない選択だ。東條を首相に指名したのは昭和天皇である。韓国の国会議長が昭和天皇の責任に言及している。合衆国が日本の統治上,天皇を無責任にしただけだ。イスラムのカリフみたいな存在だ。カリフみたいな指導者を戴いて統治する必要のある国に戦争指導は無理がある。

金で合衆国を支援するのが無難だろう。東シナ海のガス田権益の一部を合衆国に売っていれば,良かった。満州の権益もそうだった。明治の指導者は「桂タフト協定」を結ぶ識見があったのだが,東條は譲歩できなかった。彼が構想した大東亜共栄圏 (1942 年)の範囲をみると,開いた口が塞がらない。これと,米英が発した大西洋憲章(1942 年)の違いは余りにも大きい。この精神は閉じつつある合衆国では国民に受けない。しかし,戦争するには大義が必要だ。トランプが困難な戦争指導するのは無理だろう。というのはイランへの報復を直前になって,中止したからだ。熟慮しない指導者は危ない。それともジョンソン政権のトンキン湾事件再現ねらいだったのか。とんでもない爺さんかもしれない。後5年,日本は彼に振り回される。

日本は合衆国の戦争計画 War Plan について,もっと研究すべきだ。それにはディープな情報が必要だ。諜報活動が欠かせない。チャーチルはルーズベルトが信用できなくて,盗聴とアイゼンハワーの秘書にスパイを送り込んでいた。それでも,ルーズベルトはチャーチルを出し抜いてサウジ族長を懐柔してサウジの石油利権を英国から奪った (1945 年)。

参考
海軍 302 空決戦録 p33 No.153 歴史群像

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