安息日の起源と宮司兼職率
日本電産の創業者は年中働いて自慢している。日本電産の会長は年に364日働く。日本人が忙しく働くようになったのは近世以降である。
安息日をユダヤ起源と思っていたが,古代エジプトでは10日毎にあったそうだ。休日の英語は Holy Day である。聖なる日である。聖書では聖別された日とある。安息日の定義とは何だろう。「安息日は一切の労働を休む日」とあった。古代エジプト人は労働を発見したというか,意識した最初の人間だろうか。
日本では安息日が定着せず,過労死が跡を絶たない。何故だろう。労働を悪と思わず,勤労精神旺盛である。江戸期には人余りのため,地主は馬耕をやめて小作による人力耕起に替えた程である。ある意味。古代アメリカ文明まで退化した日本文明である。古代アメリカには馬はいなかった。鎌倉期には関東まで馬耕が普及したのに残念な結果となった。江戸の将軍表敬に陸路向かったオランダ商館員はヒトの耕起をみて,園芸とみなした。畜耕ではなかったからだ。
古代エジプトの牛耕レリーフがある。狩猟採取から,農耕社会へと移行し余剰生産物が発生して労働の意識が生れて休日となったのだろうか。平日 労働しない祭祀階級は休日は大忙しである。旧約だとレビ族が神職を世襲していた。現代イスラエルは大祭司もおらず共和国である。ユダヤ教の聖職者はラビと呼称され世襲であった。聖パウロはテント職人でもあったけど,回心する前はラビだったのかどうか。後に西方キリスト教会は聖職者に独身を課し,聖職者の世襲はなくなった。
日本の宮司も祭祀だけでは自活できない。神社本庁からのノルマもある。それでも,「宮司の兼職率は全体で45%だと思います」とあり,過半数が神職だけで自活しているとは驚きだ。日本は世襲神道大国と知って驚いた。古代イスラエルと同じ様な状況だ。大祭司は天皇に相当する。西暦70年にイスラエルは亡び,大祭司は途絶えたが,ユダヤ教は存続し続けた。律法のおかげだろう。日本の天皇が途絶えたら,神道はどうなるだろうか。
参考
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