2019/12/28

時価総額(3)と落日のGE日立

GEの時価総額ランキングは2004 年1位,2016年9位を最後にベスト10から姿を消した。日本株式でも東芝は78位に沈んでいる。東芝はGEを手本にしてきた。

GEはエジソンの時代から電力に強みがあった。ガスタービンに圧倒的なシェアを持ちながら,今では三菱日立パワーが優勢になったようだ。何があったのだろう。
米調査会社マッコイ・パワー・レポートによると、18年の出力10万キロワット以上の大型ガスタービン世界シェアはMHPSが41%(前年は14%)、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が28%(同47%)、独シーメンスが25%(同27%)だった。ガスタービン全体でのシェアもMHPSが30%と首位GEの33%に迫った。
ソニーとサムスンがGEと同じように金融部門を持つ。GEの金融は大きな損失を出した。東芝の原発部門みたいなものか。優良部門を切り売りしない限り,どうにもならないのではないか。日本株式では日立が31位,パナが59位と沈んでいる。両社とも自動車部門に力を入れているが,競争も激しく大きな収益を上げられそうもない。サムスンは世界時価総額19位。ソニーはランク外だ。サムスンは中国の台頭とともに財閥資本なので金融にシフトしていくだろうと思う。ただ,国内市場は小さくどうするのか。サムスンの巨大利益を産み出すメモリに見られるように利益は電機から電子に移った。GEとIBMがアップル,サムスンそしてインテルに変わった。

NHK が主唱していた電子立国日本は,かつての日本海軍同様マボロシだったのか。原理は簡単だ。合衆国に受け入れられる物品サービスを提供しなかったからだ。問題はどこで おかしくなったか。新興企業が勃興しにくい風土と世襲政治家が蔓延る現状と何か関連があるのではなかろうか。自民党と経団連を研究してみれば分かるかな。その中でソニーは国内時価総額5位だ。ソニーは経団連と距離を置いていた。ソニーは優良資産を売却していけば,生き残れるだろう。他の大手電機は30年後,GE同様野垂れ死になっている可能性はどれだけか。特に日立東芝とパナの資産は不良化していると思う。部門別ではなく個別に切り売りするしかないだろう。現に日立はGEと同じ道を辿りつつある。変わろうとしない日本。変われない日本。それでも売れる資産があるだけ,まだマシだ。

終ったな日立。サムスンの利益率は 25%を越え,日立は5%以下の資産売却に苦労している。日立の国内時価総額は31位は高過ぎる。何故下がらないのだろうか。世界トップの製品サービスは何ひとつないのではないか。送電事業が世界一だそうだ。
 
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