三流の民間経営者 vs 官僚の選択
ゲンダイが郵政民営化の弊害について,記事にした。簡保は戦前の総動員体制下で国民の金を吸い上げるために設置された経緯は語られていない。戦後その資金をインフラ整備とか補助金に回して高度成長となった。日本を救ったのは合衆国融資(世銀)だった。ドルがないと石油と工作機械は買えなかったからだ。その返済に,合衆国が市場開放をしてくれた。日本は缶詰と木材の輸出から始めた。
滋賀に宿泊客のない簡保の宿があった。今は,地場企業に払い下げられた。公的資金は民間経営者であれ官僚であれ,結果的に資本は不良化して払い下げられるのは歴史が示している。官僚と民間経営者のどちらかを選べと言われれば,「コスト」感覚のない官僚はNGだろう。
なかでも国家予算の 1/3 を費やす防衛費はコスト意識がない。国民も防衛費の高コストは自衛隊はお上でもあるから気にもしない。英歩兵の給与は信じ難いほど安い。定年まで勤める下級兵士は殆どいいないのではないか。家庭を持てないからだ。今自衛隊員が戦死すると,国は3億円の補償金を支払う。しかし,有事徴用される我々は自衛隊員と同額の補償金どころか,補償は皆無だ。有事下では知事が徴用命令を出す。ご丁寧に公務員と教員は徴用対象外のようだ。
戦前の市町村兵事課は腐敗の温床だった。兵事課は陸海軍の徴兵を一手に担った。有力者の口利きで招集はどうにでもなった。白洲次郎は招集を逃れた。松岡正剛は NHK 製作の「白洲次郎」ドラマに好意的だったが,海兵団に徴兵されレイテ沖海戦で戦傷した父を持つ私には腑に落ちない。市役所の役人に何も言えなくなる時代がまたやってくる。徴用に引っ張るぞと匂わせるだけで十分だ。アフガン戦争当時のソ連社会みたいなものだ。コネがないと,一人息子がアフガンに派兵され,合衆国供与の高度兵器で簡単に戦死した。同じようにコネがないと,例えば徴用された日本国籍の息子は船員となり,中韓の高度兵器で簡単に戦死する。
田中角栄来の自公媚中派優勢がいつまで続くかわからない。最悪なのは,頭のおかしい防大出身の官僚が米中をともに敵とみなす可能性だ。その根幹は靖国精神にある。三島由紀夫は 226 の再現に失敗したけど,日本が衰退を続けると第二の革新官僚も復活して,その可能性はあるのではないか。伝統ある日本への復古を目指す,憲法改正が実現するのはいつだろうか。それほど先じゃないだろう。復古とは天皇を元首とする統制社会だろう。昔は国体と言って,誰も異を唱えられなかった。そんな事を述べたら治安維持法の対象であり,中国だと精神病扱いとなり強制入院となる。
しかし日本人はつくづく統制が好きだなと思う。平たく言うと,横並び,教条主義,画一主義だ。ロシアフランス中国風官僚社会が日本人に向いているのだろう。
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と述べている。本当だろうか。お笑いの中田が興味深い動画をアップロードしている。中田がやっちゃいけないよと,述べている「ラップ口座」の宣伝にとゲンダイが薦めている。深いな。中田はゲンダイの編集人 鈴木崇之よりまともだ。こういった顔の見えないジャーナリストが官僚とグルになって国民を煽り,日本を対中米戦争へと導いていったのだろうと思う。
マスコミは言っている事とやっている事が違い過ぎる。コンプライアンスもガバナンスもない。これが NHK を含め日本のマスコミの現実だ。そもそも編集長とか編集局長に良心良識を期待するのがおかしいのだろう。戦前のマスコミ解体をおろそかにしたのが,日本の誤りだったようだ。官房機密費はマスコミ対策にどれだけ支払っているのだろうか。毎日新聞の三宅先生は一回の講演料が 300万と関西右翼番組で暴露していた。
参考
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