2020/02/27

ネット依存症判定サイトと独立武装農民(民兵)

ドイツの哲学者ガブリエルの労働価格ついての記事を読んでいて,マルクスの労働剰余価値説を思い出した。労働剰余価値説は何の予備知識がない高校生が考えても実に奇妙な学説だが,日本の左派では一世を風靡した。ガブリエルによれば,Google 検索しているだけで労働している事になる。

私の所属していた組織のマネジヤは調べ物は自宅でしろと言っていた。それはある意味,当然だった。社員がパソコンに向かっているだけでは,成約売上は発生しないからだ。しかし実際は労働時間は全く関係のない成果主義の組織だったから,末端研究員は無視して社内で検索していた。家庭は ADSL でネットつなぎ放題の時代ではなかった。

Google の創業は 1998 年。Windows98 の年である。ネットが蔓延するまで20年要した。よくまあ,収益が上げられず20年もビジネスが続けられたものだと思う。合衆国ならではと思う。「絶対神」のいない日本では無理だろう。別名エンジェルとも言う。ガブリエルを欲望の資本主義で知った。この種の投資は凡庸な銀行家からみれば,千三つの世界である。

メルカリが合衆国で全く不振である。アメリカ人は神を信じながら,中古品は現物を見ないと買わないそうだ。神を信じない日本人が仮想中古品を信じるのも不思議ではある。その究極が仮想通貨である。ウォール街が既得権を守るために拒否している間に,中国の方が先に進みそうである。中国発祥の仮想人民元が流通し出すと,全世界の基軸通貨となっている唯一の米ドルが崩れ出すだろう。合衆国は世界最大の債務国だからだ。合衆国は持たないだろう。合衆国資本は仮想通貨を排除するだろう。

しかし世界は合衆国ドルであれ,人民元であれ皆が信用するのならそれでいい。Amazon.co.jp の品ぞろえがが私個人の嗜好に適合せず,重量単価の高い品は AliExpress になりつつある。そのうち,日本人は野菜を中国にネット注文するようになるのだろうか。端境期である2月の輸入野菜の中国依存は 80~100 %だ。

家人は私をネットやり過ぎと非難するが,自身はネットショップを見ている。会社員の頃マネジャが外出していると,秘書は化粧品サイトばかり見ていた。サーバ管理者が当時,非常に珍しかった女性だった。頻繁にエロサイトにアクセスするなと警告メールを全社員に出していたが,上層部は何の反応も示さなかった。海外社員旅行に男の天国を選ぶような組織だったからだ。サーバ管理の彼女はその後,神戸大学で学位を取得した。

ガブリエルによれば,エロサイトも化粧品サイト訪問も同じ労働だろう。資本の論理からすればサボりである。社員のネットサーフィンを監視するサービスがある。その顧客にソニーと NTTDATA がある。イグノーベル賞に働かないアリがアリの組織に存在する論文が選ばれた。最も働かない公務員は常備軍の軍人である。

判定結果

あなたの得点は  点

注)オンライン=接続している状態  オフライン=接続していない状態

得点が高いほど依存の度合いが強いことになります。

  • 【20~39点】平均的なオンライン・ユーザーです。
  • 【40~69点】インターネットによる問題があります。インターネットがあなたの生活に与えている影響について、よく考えてみてください。
  • 【70~100点】インターネットがあなたの生活に重大な問題をもたらしています。すぐに治療の必要があるでしょう。
ヒトは何がしかの依存症だろう。アミメアリは女王アリがいない組織で,ニートが5割を超えると崩壊するそうだ。古代ギリシャ漢帝国の時代から,国防に割けるマンパワーは100人に一人とされてきた。
「すべてのアリが必死に働くよりも、働かないアリがいる場合のほうが、平均して長く集団を存続できる」というシミュレーション結果が出ているのだとか。もし8割の働きアリが動けなくなると、今度は残り2割の“働けなかった”アリが、いきいきと働き始め、そうやって誰かがずっと働くので、組織の労働力がゼロにならないという。
ヤスパースが枢軸時代と名付けた古代ギリシャと春秋戦国期にプラトンと孔子が出た。両者とも手仕事(労働)を賤視する。当然ながら,奴隷の存在は当たり前である。しかしながら,古代エジプトに苦役に喘ぐ隷属民に,働く民に義があると主張する宗教が生まれた。後のユダヤ教である。この思想を否定した西方カトリック教会は清貧運動に難儀する。異端として排除したが,大工の伜が昇天したと福音書に記載されているのはどうしようもない。エデンを追放されたアダムとイブが働かねばならなかった。奉仕する奴隷はいなかったのだ。世界最大の資本主義国家と共産主義国家に革命遺伝子が受け継がれた。早稲田の左翼学生だった私の高校教師は貨幣を用いて労働価値説を説明した。貨幣は傭兵とともに生まれたらしい。仮想通貨の時代の労働価値はどうなるのか。

平和であれば,軍事力(軍人)は不要である。旧約によれば,ダビデ王は王の息子ではなく軍人でもなく普通の牧者(羊飼い)だった。ユダヤの神ヤーウェがダビデを選択した。目利きをするのは王ですら無視できなかった預言者である。この世襲制度を否定したシステムが弱小ユダヤ共同体を長らえさせたのだろうと思う。

このシステムとは対極にある日本の命運はそう長くはないのかもしれない。大抵の民族は栄えても一時期だけである。話語も失う。西欧を覆いつくしていたケルト族は殆ど姿を消した。春秋戦国期と現代の漢族は別物だろう。使用している漢文が同じだけだ。ヤマトシステムが今まで,続いてきたのは水田稲作のおかげである。奈良朝以来,為政者が農民の耕作権を奪うような事はなかった。その例外は神武東征神話くらいだろう。農民は土地と領主に隷属し,ついに独立武装自営農民は現れなかった。一方,アグロサクソンは武装した農民(民兵)は当たり前だった。。。その究極が民兵が造った国,合衆国である。命ぜられるまま,玉砕も特攻もした隷属民の国が日本だった。

エルサレムに帰還した白いユダヤ人は国家を再建したが,神殿および世襲の最高法院を復活させなかった。天皇を現人神とする明治以降の国体は日本にとりどうだったのか。江戸期には天皇家は石高一万石の大名と同じような扱いだった。それを形式上は皇帝と同等,実質はマペットという不可思議な体制にした。民権の伸長を恐れた結果だったが,個の確立しない日本人には非世襲政権はあり得ないから,過剰な心配だった。

かつて日本の植民地だった台湾と韓国に共和制国家が誕生し,経済的に日本を追い越すまでになった。800年アイルランドを支配したイングランドはEU成立後,アイルランドに追い抜かれた。Brexit に沸くイングランドも,その没落は既得権益層(階級社会)が足かせになっているせいではないか。

英歩兵の給与は週給2万円に満たない。特別公務員である陸自歩兵の給与は割高である。どちらの国防が先に破綻するだろうか。歩兵の給与を下げ自衛隊衛生兵と工兵の待遇を改善したらと思うが,そんな雰囲気は全くない。

参考
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