2020/03/05

バレンタインデーとアドニス奇祭

古代オリエントに少年が生贄になる奇祭があった。後にギリシャローマに取り入れられアドニス神話になったと思っていたが,事は単純ではなさそうだ。

この神話は高校生のとき知った。選ばれた少年は1年間,放蕩三昧の生活を送る。そのときにアシ(パピルス)が象徴になる。見た事ないが,恐らく1年草だろう。

イエスがエルサレム入りする際,福音書の記述によれば,ホサナとイエスを祝福する。ここでも長い茎のような草が象徴となっている。死と再生である。蘇り(復活)は日本人には受容し難い思想である。イエス以前のユダヤ人に復活の思想はなかったとされるが,古代オリエントでは身近な宗教だったのではないかと思う。古代エジプトのミイラはそのための物だろう。神話の記述だとユダヤ人はエジプトで奴隷であった。私はフロイトのモーセ エジプト人説は妥当だと思う。大英博物館が復元したイエス時代のガリラヤ人はナセル大統領にそっくりである。シリア系ではない。

宗教とは命について考える事だ。我が天皇ももがりを通じて再生する。日本とユダヤが似ているのではなく,素朴な生命観は世界中の神話に普遍性を与えるのだろう。

現代人を悩ます中国発祥のコロナウイルス,ホモサピエンス以前のヒト族が火を取り扱い,シベリアに進出した頃にはコロナウイルスに悩まされていたらしい。

一方,人類の農耕は東西方向に比べ南北移動への伝播は容易ではなかった。天智帝は近江に朝鮮人を入植させた。尾張は東国,信州は山の民が居住していた。前方後円墳の南限は陸奥である。北海道の旭川に稲作が定着するのが明治以降だ。古代エジプト人が麦によるビールを飲んでいたのにスウェーデンに麦作が始まるのが1000 年紀だ。そして農耕に灌漑は欠かせない。耕地と水利を巡る戦いが熾烈を極める。

ナイル上流のスーダン,エチオピアの人口が増え,下流のエジプトの農地に水が行きわたらず,豊穣だったエジプトが小麦輸入国である。それでもスーダン危機は収まらない。ヨルダンの水不足は危機的である。アナトリアで細々と開始された農耕が,オリエント大河の下で大文明となった。今ではヨルダン川は干上がり,イエスの時代の風景とは程遠い。

人口大国のパキスタンと中国は水貧国である。特にパキスタンは地下水も枯渇しつつある。啓典の神が約束した子孫の繁栄はどうだったのか。2100 年にはナイルとインダスの大河はその周辺国の農業用水を賄えないだろう。ヨハネ黙示録にもない水不足が現実になる。オリエント神話は洪水はあっても断水は考え及ばなかったのだろう。新しい宗教が必要なのかもしれない。ここ10年でパキスタンの人口は3千万人増える。

参考
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