2020/07/08

水戸系将軍と首相軍事顧問

幕末の水戸藩は藩論対立が深刻化し,両派が切腹命令を乱発し,実質指導者の家老職層がついに枯渇した。藩主はカイライだったのだろう。最後の将軍慶喜の父は水戸藩主だった。私には何故か,安倍と慶喜が重なる。安倍も最後は投げ出すのだろうか。近衛もそうだった。最弱首相を日本最大の危機に選出してしまった日本だ。官僚の提示する弥縫策ではどうにもならなくなる。お隣の韓国台湾の民選指導者が羨ましい。

危機対処に脆弱な日本統治機構の特徴が江戸期に既に散見される。平時には世襲政治家でもいいが,有事にはどうする。征夷大将軍とは本来は有事における称号であり,令外官だった。

首相とは別個に官職が要るのかもしれない。終戦直後はマッカーサがその任にあった。植民地時代の長かったフィリッピンだと大統領に合衆国の顧問がいた。日本の首相に軍人出身のアメリカ人顧問がいてもいいだろう。慶喜付きのフランス軍事顧問は,慶喜が下野しても箱館まで落ち延びて戦った。彼は後に仏軍陸軍参謀総長になった。映画ラストサムライのモデルである。参謀総長は国王の軍事スタッフだった。

何故か,昭和の陸軍参謀総長下僚の中堅幕僚(中佐)が戦争計画を立案した。合衆国は中将クラスが担当した。米陸軍参謀総長は大統領のスタッフであり,軍司令官の参謀長もスタッフだった。悪名高い辻参謀はガダルカナルにおいて作戦指導した。何故,このような下剋上が起きたのか。昭和天皇も敗因の一つに下克上を挙げた。

普通の日本人は自衛隊の幕僚長を知らないだろう。彼らは戦争計画を練り,計画を改定しつつ装備を整え兵に訓練を施す。どこの国でも同じである。しかし近代西欧軍がユーラシア旧勢力圏に進出し始めた時,オスマン帝国を含め,どこも軍事能力が低下していた。西欧のように戦乱がなかったからだ。今では,中国 インド パキスタンと北鮮が核兵器を保有するようになった。自衛隊がドイツ軍と同じように核兵器を運用するだろうか。非核三原則をどう骨抜きすべきなのか。安倍はどう考えているのか。

国民の「空気」で核武装するにはどうしたらいいか。彼にそんなカリスマ性があるだろうか。一言,天皇に示唆してもらえるようなお言葉を得られれば十分だろう。後は公明維新勢力で押し切れるだろう。憲法改正しても,天皇を中心とする明治維新来の無責任体制に変わりはない。直接選挙で選ばれる指導者の国と戦争になると,おそらく負けるだろう。合衆国民が天皇制日本と共和制韓国の争いに日本に肩入れするとは思えないからだ。中国ロシアも日本という国がなくなればいいと考えている。北九州北海道を失い,本州だけの共和国,あるいは東北北海道を割譲して天皇制国家を維持してもいいかもしれない。平安期日本の北限は北関東だったからだ。実際,天皇は関東以南の有力大社しか遥拝しない伝統が残っている。
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