アベノマスクと手配師 上
AliExpress Shipping の日本向け中継物流拠点が日本のはるか南半球の真南に位置するソロモン諸島にある。日本軍が太平洋戦争中,兵站に苦しんだガダルカナル島もソロモン諸島に属する。
ソロモン海域で日米両軍が戦った。どちらも片手間の戦域だった。日本軍の主戦域は中国戦線で日本陸軍は軍事費の半分を費やしていた。合衆国は欧州戦域である。合衆国は陸軍と航空戦力の殆どを欧州に振り向けた。その象徴が重爆の B-17 とM4中戦車である。太平洋戦域の米海兵は欧州では到底使えないM3軽戦車と一次大戦の小銃で日本軍に反攻開始した。しかしながら対戦車火器を携行していなかった一木支隊はM3戦車により踏みつぶされミンチとなった。一方,後送した日本軍戦車は渡河最中に米海兵の対戦車砲で全て擱座した。ノモンハンでの対ソ戦の教訓はなかったようだ。これら作戦を立案するのが参謀である。司令官は作戦指導しないのが常態であった。ガダルカナルでは悪名高い辻参謀が指導して,異議を唱えた旅団長は解任された。
ガダルカナル戦域の参謀長は栄進して日本陸軍最後の作戦部長となって,本土決戦を企図していた。戦争目的は「長期武及」からいつのまにか「国体護持」に変わっていた。つまり,天皇官僚制存続のために我々は戦っていた。
合衆国はたった3個海兵師団を使い回し,サイパングアムまで太平洋を攻め上がった。人的資源が律速だった。その頃,欧州には100個師団と6万輌のM4戦車を準備していた。東條は終戦直前,国民に「敢闘精神」が欠けると天皇に奏上した。その頃の東京都民には食糧としてイモのツルが配給されていた。国民に「気の緩み」があると言及したアベノマスク所管大臣と東條が重なる。この責任すり替えの歴史はこれからも繰り返されるだろうと思う。政府の発想は変わらないと言うか,日本人は不変なのだろう。合衆国の欧州ファーストと弱いシナが東條のような妙ちくりんな軍部革新官僚の増長を招いた。
その昔,恩賜のタバコがあった。恩賜のマスクが配給された思えば,至極妥当だ。加藤によれば,当時の都民は米軍よりも隣組が恐ろしかった。町内会の顔役が食糧配給を牛耳っていたからだ。本当かな。コロナ禍では中国の末端組織が市民の統制に大いに役立った。東アジア専制国家はどこか似通っている。どちらも官僚国家である。
米海軍は日本列島封鎖による飢餓作戦で,勝てると信じていた。B-29 が下関瀬戸内海に機雷を投下して満州朝鮮から食糧が途絶した。米海軍が青函連絡船を沈め,北海道炭とジャガイモが途絶えた。しかし役人は出勤すれば役所でイモのツルではない飯が食えた。役得である。民は飢えても,役人の食糧は確保されていたから,米海軍の目論見は的外れであった。
日本陸軍参謀本部は遊軍となった中国派遣の百万の日本兵をどうするつもりだったのだろう。参謀は役所でご飯を食べながら,動員本土決戦計画を練っていた。マスク配給の立案も同じような構図だろうか。そしてマスコミは政府発表を垂れ流す。有事対応は大して変わっていない。終戦の鈴木首相は陸軍の動員計画を大して知らされていなかった。安倍首相も配給日程は知らされていなかったに違いない。指導者の意思とは関係なく物事が進んでいく。
史実は援蒋軍需物資を備蓄していた筈の蒋介石軍が,日本軍が満蒙に遺棄した武器により共産軍に敗れた。日本陸軍の歩兵砲が後にベトミンに供与され,フランス軍を包囲してディエンビエンフーで降伏させた。英国の軍事史家が戦前最強の兵士は日本兵そして現代はベトナム兵と言った。朝鮮戦争をみると,人民解放軍兵士は簡単に降伏する。西欧列強相手に無謀な戦いを挑んだのが中国人ではなく,ユーラシア大陸の辺縁にある日本とベトナムとは考えさせられる。中国朝鮮人のように遊牧系異民族支配の歴史がなく,異人統治を甘受できなかったのか。その代償は大きかった。。。
ベトナムはフランス統治下において漢字を捨てた。西欧蛮族を統一したカール大帝は文盲だった。配給されるアベノマスクの送り状には何と記されているのか。外国語表記はあるのかどうか。日付は Reiwa なのか,それとも西暦なのか。最近,役所に届け出する際,平成32年と記載するように求められた。役所とはすごい所だ。日付はどうにでもなるのだ。さすがと言うべきか。令和の官僚制を実感した次第だ。
蛇足
先だって,アップした AliExpress 遅配の続報。
Airline arrive at destination country 2020-05-24 15:08:00
[上海市]已交航空公司运输 2020-05-18 13:43:48
Departed from Yanwen Facility 2020-04-24 06:53:38
上海の航空配送会社に手渡され,日本に到着,26日に宅配された。実際のタグは China Post だった。恐るべし China Post。官営なのに民間との競争にさらされて迅速になったのかな。AliExpress,Yanwen, 已交航空公司および China Post はどんな取引関係にあるのか。
今,思えば日本郵便の民営化は中途半端だった。ヤマトとか佐川が疲弊して肥大している。ヤマトは運輸省の行政に異を唱えられたけど,総務省は新規立法により,既得権をガードした。中国石油,国営商業銀行をみても日本の国営企業(電源開発,石油資源開発,政策投資銀行)とのパフォーマンスが余りにも異なる。日本の官僚は商売が下手糞だ。上手くいったのは興亜院陸軍のモルヒネビジネスだったか。
防衛省と総務省が日本を亡ぼすのがどちらが先か。現状だと総務省かな。中国と同様の官僚統制国家になるにしても,効率が酷く旧東独のような国家になるような気がする。興亜院陸軍の(軍事)官僚と現経産省防衛省の役人の何が違うか。全く違わないのではないか。幕末来の中央集権指向の日本は変わってないだろう。
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