2020/08/05

海軍厚木基地へ空輸されたジープとニューギニア航空戦

ロシア制作のエテカリーナ2世のドラマをみていたら,オスマンの外交使節がペストを汚染させた宝石を献呈する場面があった。トルコイスラムに対する悪意ある描写である。終戦直後,米軍占領軍先遣隊が海軍厚木基地に降り立った際,若い米軍将校は応接にでた飲み物を一切,口にしなかったそうだ。

その輸送機はジープも降ろしたそうだ。飛行時間を考えたら,米海軍機が上空を護衛していたのだろう。沖縄からジープを空輸する能力があったとは驚きだ。軍人達が米軍の空輸能力を実感した言及はない。米豪陸軍はニューギニア高地に中継補給飛行場基地を設営して,空輸補給作戦を実行した。インパール戦線でも英軍はロバと空輸を活用した特殊作戦を展開したが,高名なウィンゲートは Wiki によれば,日本の辻のような軍人だったらしい。

日米陸軍の空輸能力の差がニューギニア戦の明暗を分けたようだ。日本陸軍の航空戦力は弱い蒋介石軍相手の中国戦線に過半を配備していた。参謀本部作戦課は米軍は中国軍よりさらに弱いと思っていたのか。アホな軍人達だ。ニューギニアは東西 2000 km以上ある。日本陸軍の戦術だと,7つ以上の飛行場を建設しなければならない。当時の戦闘機の行動半径は 300km 程度である。

特攻作戦を企画遂行した幕僚将官達で戦後,自決したのは宇垣大西提督,桜花隊司令岡村大佐くらいだろうか。最後の軍令部総長豊田に至っては,戦後再建された海上部隊に呼ばれ講話している。反枢軸派の井上提督は「恥を知れ」を罵倒したとか。

海軍特攻を主唱した源田実が何故,空自の主流になってしまったのか。陸軍だと辰巳将軍が参謀本部作戦課主流を排除したけど,海軍は遠慮したのだろうか。源田は航空自衛隊のドンとなり,その後継が田母神閣下である。空自予算は海自より多いし,増える一方だろう。空自を如何に育成し,管理するか。UAV ドローンの時代に消耗する飛行兵をどうするか。
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