日独砕氷船稼働率の違いに思う
AFP がドイツ保有の砕氷船 Polar Stern の記事を提供した。日独は連合国の制海権の打破ができず破れたが,現代の両国はともに砕氷船を運用している。砕氷船運用は大国の象徴である。かつて海洋覇権国だった英国は,もう保有していない。
しかし,日独両国の運用形態は全く異なる。日本の砕氷艦しらせの稼働率はお話にならない。いかにも海自の船である。日本人が勤勉なのは「民」であって「官」ではないのだろう。
独アルフレート・ウェゲナー研究所(Alfred Wegener Institute)の大型砕氷船「ポーラーシュテルン(Polarstern、北極星)」号は389日間、氷に閉ざされた北極海を移動しながら、地球温暖化の北極圏への影響に関する極めて重要なデータを収集してきた。調査団には20か国から数百人の研究者が参加した。
そういえば,2次大戦期の日独潜水艦の稼働率も大きく違った。独潜は荒れる北大西洋での洋上補給を受けながら長期間,哨区をパトロールした。日本海軍潜水艦はたまに勃起する海戦のための哨戒線に貼り付いただけである。後は,取り残された洋上の島々に無線機用ガソリン,医薬品,自活用かぼちゃの種などを細々と輸送した。ドイツ政府から連合諸国の通商破壊戦を要望されたが,聞く耳を日本海軍は持たなかった。そして日本陸軍も輸送を目的とした潜水艦を建造した。潜水艦は複雑で建造費単価がべらぼうに高い。それなのに輸送に運用した。
孤島に取り残された士卒を投降させた方が理に適っていた。敵国は捕虜を扶養しなければならないからだ。降伏が嫌なら職業軍人の将校は自決して天皇陛下にお詫びして,兵卒を降伏させれば良かった。戦国期,城主の腹切りと城明渡し(家臣降伏)はセットだった。どこで日本軍指揮官はおかしくなったのだろう。
現代の海自でも潜水艦は主力艦とは思えない。沖縄と北海道に潜水艦の基地がない。海自潜水艦の通常水中航行速力は数ノットに過ぎない。呉から潜航したまま,哨区の尖閣まで何日かかるのだろう。実戦だと,尖閣の海は中国原潜が封鎖するのだろう。そうしたら,海自水上艦も尖閣をパトロールできなくなる。海自の独りよがりの強がりは何とかならないのか。戦前の日本海軍と同じではないか。
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