2021/08/18

日韓とUKアイルランド

アイルランドと韓国
800 年間イングランドの植民地だったアイルランドの一人あたり GDP は今では8万ドルを超える。アイルランドの急成長はEU市場に参入競争に勝ったからだ。植民地時代はイングランドの市場と農産物供給地方に過ぎなかった。英国から独立戦争した国は大抵,急激に発展した。戦争は文明の母である。

韓国は朝鮮総督府により,アヘン生産およびモルヒネ消費を担わされながらも朝鮮戦争後,急成長した。シンガポール台湾同様,開発独裁国家である。朝鮮戦争は朝鮮の既得権益層を破壊した。武官が政権を担った。軍事政権の朴政権が汚職腐敗が少なかったのは皮肉である。官僚国家の韓国は役人に賄賂を渡さないと,許認可は得られない。韓国はアイルランドと異なり知識産業が殆どない。あるのは多額の設備投資の要する製造産業ばかりである。人口の高齢化も相まって,成長持続は困難になるだろう。

日本とUK
UKはEUから離脱したので,日産とホンダは組立工場を閉鎖するだろう。金融もロンドンからフランクフルトに移るかもしれない。UK の強みは諜報謀略である。BBC もその一端を担っている。イングランド諜報の父であるウォルシンガムはスペインのアルマダをしのいだ。これから,EUはUKの謀略に悩まさせられる。UKは平気でロシア中国と取引するだろう。英海軍の軍艦の鋼材は自国製はなく,スペインとか中国製である。北米植民地が独立戦争を起こした頃,英海軍の船材は北米植民地産だった。英国は他人の褌で経済を回すのが得意である。インドとアイルランドを失っても,それなりに経済成長した。スコットランド沖の北海油田があったからだ。英国は合衆国同様,有産無産階級が明瞭に分かれている。低労働賃金が英国産業を支えている。

日韓の系列企業
英国は職能給により所得が異なるが,日本は職能給ではなく所属組織で異なる。日本だと同じ事務職でも役所,大企業,零細企業では給与は大きく異る。日本は中国ロシア型給与形態である。同一労働,同一賃金が実現されていない日本韓国は知識産業の勃興は困難だろう。日韓だと新興産業は旧来の企業の別会社として発展しなければならないからだ。

それでも韓国は知識産業に必要な英語教育は日本よりかなり進んでいる。知識産業は100人の凡人より一人の異才が必要だ。パナソニックの社是である「衆知」はマイナス効果の方が大きい。パナソニック,サムスン,日本製鉄,ポスコが日韓経済のリトマス試験紙になるだろう。これらの旧態企業が発展するようなら,日韓の改革は挫折だ。

土地問題
英国教会はローマ教皇権を認めず,カトリック教会の資産を収奪しイングランド王プロテスタント諸侯が農地(土地代)を得た。日本だと,南北朝と室町期の混乱のなか権門の荘園は崩壊し,武家が領主権を確立した。韓国は軍事政権と新興財閥が保護と支援の関係を通じて,開発独裁が可能となった。そのまま真似たのが中国本土であった。

アイルランドと韓国は民族が分断されている。北アイルランドと北朝鮮問題である。北アイルランドは帰属問題を住民選挙で行う条約がUKとアイルランドで締結されているが,いつになるか。北アイルランドの一人あたり GDP は 24,400 ユーロ,一方UKの平均は 31,700 ユーロである。北アイルランドは宗派を問わず,アイルランド経済に呑み込まれていくだろう。

韓国には米軍が駐留している。米軍不在の南北朝鮮による地上戦だと,南北ベトナム戦争のようになるのを恐れているのかもしれない。貧しい国による富んだ国の支配である。シナでは貧しい少数北方異民族による王朝が繰り返された。朝鮮統一の歴史で南側が統一王朝を開いた歴史はない。新羅は東方である。北の将軍様が賢ければ,統一できるだろうが彼にはそんな指導力はないだろう。核兵器で南側を脅せば,武力統一も可能かもしれない。北は南の富も収奪できる。昔,アホな日本陸軍は豊かな江南ではなく満州侵攻を行った。しかも後の大慶勝利油田の存在をミスった。満州はソ連が権益を手放すほど貧しかった。昭和の革新官僚と陸軍統制派は愚かだった。その最初期は西郷らの征韓論だった。日本電産が遼東半島の大連に大規模投資を始めた。旧満州が江南デルタのように発展するかどうか不明だ。客家を中心とする江南華僑のビジネスネットワークを東北諸省が持ち合わせているだろうか。

参考
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