アルケゴス問題にみる個人投資家への貸し剥がし
日本のバブル崩壊はノンバク住専への銀行過剰貸し出しが発端だった。今回のアルケゴス融資だと,ロイタによれば,大手銀の損失は60億ドル。野村證券の海外子会社は 2800 億円の損失と発表したから,ファン氏への焦げ付きは野村が半分近くを占める。
ゴールドマンとかの貸し剥がしは迅速だったようだ。ローンは素早く貸して素早く回収する。個人への貸し出しだと CDS はないのだろうか。尾上縫を思い出す。
リーマンショックでは多くの不正行為が明らかになったが、監獄に行った人間は一人もいない。ウォール街はいつも「やったもの勝ち」なのである。
ファン氏は 500 億ドルを運用していたそうだ。1億ドルを運用する個人投資家はどれほどいるのだろうか。
邦銀の情報収集能力は外銀に比べるとショボいとわかる。日本の真の問題は政府の対外情報収集能力だろう。戦前は,外務省,陸軍,海軍と諜報活動はバラバラだった。外務大臣松岡主導による拙速な三国軍事同盟締結が日米関係を決定的にした。
欧州小国とかタイは外交が巧みだ。うさぎの耳を持たない日本はどうしようもない。合衆国に依存というか,従属するのが残念ながら最適解だろう。独自外交に踏み出せば,中国の罠にかかる。戦前がそうだった。対シナ外交の敗北が,結果的に太平洋戦争の帰結になった。
参考
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