バトルオブブリテンを想起させる英国コロナ危機対応と聖ヨハネ騎士団の歴史
英国 NHS は国民の間で酷い医療サービスとして知られているが,コロナ危機には日本よりはるかに適切に対応できた。
太平洋戦争前,英独はブリテン島上空で航空戦を繰り広げ英国はしのいだ。
1)ワクチン確保 防空戦闘機増産
2)医療従事者確保 大量搭乗員養成
3)NHS 病床増床および野戦病院建設 飛行場防空レーダ建設
4)防疫計画立案者および委員会 空軍2将官に権限委譲
病床確保においても戦略的な「兵站」の成果が如何なく発揮された。NHSには「NHSデジタル」(本部・西ヨークシャー州リーズ市)という約6000人が働く情報・IT部門があり、そこが患者との最初の窓口になるGP(家庭医)から患者個々人の情報を吸い上げている。これが医療体制の効果的運用を可能にした。
日本は防空はおざなりであった。小手先,その場しのぎの対策は上手だが,国難レベルとなると,いたってダメである。旧日本軍の失敗というより,官僚役人の官尊民卑意識も根深いのではないか。
爆撃機邀撃にはパイプ布張り構造のハリケーンをレーダ誘導した。日本の防空戦闘機は性能は良くとも,搭載無線電話がショボかった。そして日本の防空レーダは敵機の飛行高度がわからないトホホであった。陸軍遣独使節団が入手したレーダはドイツ人技師も派遣してもらったにも関わらず,コピーできなかった。団長は山下将軍であった。
英国の防疫計画立案者は民間人が任命された。合衆国の原爆開発のマンハッタン計画にしても民間人がトップであった。日本では何でも知っているが,何もできない公務員がトップになる。
今回のコロナ対応で,菅首相は戦争のような危機対応指導者には不向きだとわかった。それでも総選挙でも自公が負ける事はない。太平洋戦争の惨禍もコロナも日本人の受け止め方は同一だろうと思う。まあ,個々の災難には無関心他人事の道徳は世界宗教のない日本では致し方ないか。要するに災難は甘受するしかないのだろう。
ニッセイ基礎研究所のコロナ対応ランキングによれば,日本は 2020 年の5位から 2021 年は29位に下がった。ちなみに英国は15位上がって,34位である。
日本の自衛隊は何故,英国のように各地に野戦病院を設置しないのか。これにはキリスト教のホスピタル精神が深く関わっている。キリスト教の始祖イエスは癒やしに重きをおいた。
カソリックが頂点にあった中世において,エルサレム巡礼に便宜を図ったヨハネ修道会があった。騎士身分が団員となり,武装していた。僧兵みたいなものか。日本の僧兵と異なり妻帯しなかった。YouTube の「聖ヨハネ騎士団」が良くまとめられている。いい時代になった。コメントに,
アマルフィの国章「どこかで見たことがある」と思ったら、世界中にある聖ヨハネ病院系で習った、応急処置方のテキストブックの表紙がこのデザインでした。騎士団の旗よりやや細いデザインで。そうですか、アマルフィの国章だったのですね。カナダではこの聖ヨハネ病院とカナダ赤十字が、人の集まる場所だけでは無く、一般の人達にも応急処置方を教えます。勿論ある程度の希望者がいたら、クラスが開かれます。
日本の衛生兵のレベルが著しく低いのが妙に納得した。確か陸自の担架定数はトルコ陸軍の半分しかない。米海兵の下士衛生兵は海軍所属で,Doc と呼称される。衛生兵だけれども,武装し戦闘もする。
聖ヨハネ騎士団の命脈が合衆国海軍につながっている。海軍とは国家認証の海賊と見なせる。白衣をまとった鬼畜とはなるほどと思う。現代の大規模病院だと白衣着用は医師ぐらいだろう。ナースは白衣を着なくなった。。。
参考
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