2022/05/04

白紙になった九州上陸作戦

太平洋戦争末期,東京以西の都市は食糧不足に悩まされた。京都は空襲に遭わなかったけど,食糧難が襲った。
日本のコメ生産量は1942年の1002万7474トンから1944年には878万3827ト ンまで減少した。悪天候と水害のため、コメだけでなく他の作物も打撃を受けた。1945 年11月の政府の予測によれば、翌年用のコメはわずか635万5000トンとされた。さらに 状況を悪化させたのは、通常はカロリー摂取量の約10% を供給する漁獲量が急減したこ とである。日本では長らく食料の輸入が需要と国内生産量の格差を埋めていた。しかし、 海運業が破綻したことで、1945年8月には「取るに足らない量」の輸入食料しか入ってこな くなった。全般的な食料不足が、大量の食料を正規の流通経路から吸い上げる闇市場を 生んだ。 
食料不足は人々の健康的な暮らしを破綻させた。平均的市民の1日当たりのカロリー摂 取量は1941年には約2000カロリーだったが、1945年には1640カロリーしかなかった。こ のため飢餓とビタミン欠乏に関連する疾病の発生率が急激に上昇した。暫定措置によって 危機のピークは1946年の5 ~ 6月まで先延ばしされたが、1946年5月には、東京の1人1 日当たりの公的食料配給量は1042カロリーになっていた。しかし、配給が滞ることもあったため、平均量は1日800カロリーにまで減った。
戦前の日本は朝鮮台湾産米に本土への移出規制をかけていたものの本土消費の15%を担っていた。そして東北北海道産食糧が東京以西に供給されていた。

米海軍の対日封鎖作戦は40年前から立案されていたそうだ。日露戦争の結果,日本が合衆国の仮想敵になった。しかし米海軍の潜水艦戦による飢餓作戦と米陸軍航空隊の無差別空襲作戦はチグハグであった。米航空8軍はドイツの鉄道破壊を主目的としていたが,太平洋の航空20軍の鉄道破壊作戦はなかった。

米海軍艦載機により青函連絡船が沈められ,北海道からの食糧と石炭は途絶した。東京の電力と食糧難が決定的になった。電力がなければ工作機械は動かない。

それでも東條一派と統帥部は一撃講和論を主張していた。
鈴木内閣発足    4月7日
ドイツ降伏       5月7日
牛島将軍自決    6月23日
青函連絡船空襲 7月14日
ポツダム宣言    7月26日

ポツダム宣言受諾に関して講和条件を国体護持のみとする一条件案と三条件を追加した四条件案が戦争指導部内において対立した。
(1)日本の自主的な武装解除
(2) 戦犯裁判の日本による実施
(3)日本の占領はないこと

ソ連型統制経済を目指していた革新官僚は急進的陸軍一派のような3条件への固執もなかった。サイパンを失陥すると,革新官僚の頭目的存在だった岸信介が離反した。岸は戦後を意識していたのであろう。

戦争末期の根こそぎ動員が米軍のオリンピック(九州上陸)作戦を白紙にした。皮肉なものだ。子供の頃から抱いていた疑問が氷解した。

ソ連駐在東郷大使はソ連への見返りがないと対ソ交渉できないと本省に通知している。対ソ単独講和に持ち込むにはどんな見返りが必要だっただろうか。満蒙朝鮮放棄のみならず,在支派遣軍のソ連抑留,北海道の割譲ならびに道民の労働力提供だろうか。北海道がウクライナのように収奪されていたのかもしれない。陸軍急進派は昭和天皇退位も想定していた。

東京の食糧は必要量の40%まで落ち込んだ。それほどまでにソ連型軍事政権に拘っていた。共産主義政権は国民の餓死に拘りはない。今でも北鮮の状態をみれば,この事実は変わらない。

しかし実際は,革新官僚,平沼などの保守グループ,和平派の離反により決号作戦は中止されポツダム宣言受諾となった。これも 2.26 決起がクーデター失敗に終わったおかげである。クーデターにより青年将校らが処刑されず,軍部独裁国家になっていたら本土決戦は不可避だっただろう。戦争末期の新ソ政権樹立もあった。陸軍が内務警察と日本共産党を乗っ取る感じだろうか。昭和天皇は当時小学生だったアキヒトに譲位し摂政は誰になっていたか。秩父宮かな。

米軍に対しては人海戦術と特攻が有効だった。広島原爆投下は対米講和の切り札になっていなかった。トルーマン政権は戦術核として使用を検討していたとは意外であった。本土決戦における毒ガス使用といい,悪化するキルレイショを抑えるのにトルーマンは必死だった。民選大統領は戦死者数を気にする。

ドイツは核保有国ではないけど,米軍の戦術核を共同運用する。そしてマクロンが提案したフランス核の共同運用を断った。日本の周囲は核保有国だらけである。そして中東からのシーレーンはどうみても守れそうもない。

交易覇権国家
中国は巨大貿易立国である。かつての対米戦同様,対中戦はどうみても得策ではない。TPP に中台両国が加盟申請している。外交交渉の大きなカードを得た感じだ。合衆国の縛りがないからだ。うまい具合に中国を TPP に取り込められれば日本の安全保障にも寄与する。

日米英仏の貿易衰退とドイツ中国の交易躍進が目立つ。ドイツはソ連崩壊に伴う再統一とEU拡大のおかげだろう。中国はWTO加盟と鄧小平以降の改革開放政策のせいだろう。

日米露韓,サウジ,イラン,ブラジルが中国の貿易衛星国になっている。今や,世界は中国一強になりつつある。

中国の貿易衛星圏のなかで報道の自由が担保されている国は韓国,台湾そして豪州しかない。中国のウイークポイントは「人権」である。そして日本は人権抑圧への傾向が高まりつつある。政府議会は人手不足を理由に底辺層労働力輸入自由化を決定した。何の事はない。合衆国側から中国寄りに舵を切ったのだ。

ドイツは医師等の専門職から労働力自由化を始めた。日本は順序が逆だった。年収200万円以下の底辺層労働人口は 28% を占める。多くは多重下請けと請負作業だろう。自公政権はこの種の規制緩和は熱心にやる。戦前は軍が抑圧勢力だったけど,親中自公政権が新抑圧勢力になったか。何たる皮肉か。

私の老後は酷い労働条件でも働かねばならない。悲しいが,受け入れるしかないのだろう。それでも毎月,共産党に献金している。底辺層を虐げる自公よりはマシだろう。

在日合衆国大使館が日本政府の最底辺層抑圧政策を監視している。7次下請けで働いている日本半導体工場労働者をどうみているのだろう。派遣請負ビジネスが潤うばかりである。

合衆国陸軍は民間軍事会社 PMC がないと成り立たない。PMC はシリアに派兵され汚い戦争と呼ばれた。そのうち自衛隊も下請け傭兵を派兵するようになるだろう。おそらく最底辺層が担うのであろう。その昔,満州にユダヤ人を移送する河豚計画があった。発案者は日産コンツェルンの鮎川であった。鮎川は東條,岸らと同じ満州を舞台とした植民地政策立案実行者だった。

自衛隊派兵の請負はパソナ当たりではなかろうか。パソナ会長は確か請負派遣の自由化をした長谷川だった。労働力売買が巨大ビジネスになった。創価学会公明党がこれに与している。合衆国はこれ(親中勢力)をどうみているだろうか。

今回も我々は中国と合衆国に翻弄されるような気がする。かつて,日本は合衆国の排日に憤慨し,やがてワシントン体制を離脱した。日本の過酷な最底辺労働に中国人は就労しないかもしれない。最安労働力はやはり北鮮か。中露に労働力を輸出している。

日本に西欧型議会制民主主義は根付かず,中露型統制国家に近づいていくのだろうと思う。誰が民をコントロールするか。指導者を直接選挙で選べる韓国台湾が羨ましい。

参考
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