冷房なしの暑い夏になりそうな日本
ついにウクライナ経由の天然ガスの西欧移送が止まる。西欧は日本同様の LNG を買わざるを得ない。高騰したガス輸入代金はドルで支払う。円安だし貿易赤字は膨らむ一方か。
そのうち政府はエネルギ節約キャンペーンを始めるのではないか。我が市立中学校はエアコンが設置されていても冷房を付けない。子供に予算がないからだと先生は説明しているそうだ。国中暑い暑い夏を迎えそうだ。
テレビ電話を拒否している合衆国のメノナイトは小学校にエアコンを設置している。この日米の違いは何なのか。誰のための戒律なのか。弱者のためである。イエスが説いた精神だ。日本は子供に我慢を求める。合衆国出身の関取高見山はしきりにガマン,ガマンと言っていた。
ガマン精神が旧日本軍そして日本企業競争力の原点だろうか。朝鮮も同様だろう。ヤマト王権のルーツは朝鮮だから当然か。しかしBBCコリアによると,朝鮮人からみても日本人の我慢は異様らしい。朝鮮ルーツではないのか。そう言えば朝鮮にはオンドルがあったと思い出す。
Bloomberg が新興EV企業を紹介していた。設計室は組立工場の一画をパーティションで仕切られていた。空調はどうなっているのか。某大手造船所の設計室は温かったけど,現場は耐え難いほどの寒さのなか溶接作業が行われる。雨を防げる屋根があるだけでも私の職場はマシだったか。
1ドル150円の円安になったら劣後企業が延命となる。そして優秀な外国人IT労働者は日本を避けるだろう。日本はG7の中で,最も最低賃金が安い。日本のイノベーションは遅れるばかりだろう。
英国の農民と労働者は「囲い込み」に怒り,「打ちこわし」も起こしたけど,日本では戦国期と幕末だけであった。
今夏の参議院選挙でも無風と言うか,また翼賛体制化が進行するだろう。無個性の時代に逆戻りか。その年代である 1934 年のポスタを示す。日本のポスタなのに機関車は Cow Catcher を備えている。その当時,「バスに乗り遅れるな」が風靡していた。
日本が引き起こした満州事変は 1931 年であった。その後,英米から孤立する一方で軍部と革新官僚が台頭した。その当時の昭和天皇は金正日同様,無言であった。ヒトラとムッソリーニは雄弁であった。日本は無個性の指導者であった。寡黙の首相と天皇はいかにも日本的である。
ご「政道」はあっても「政治」のない日本。中国も同じだろう。まともな政党政治のある韓国台湾が羨ましい。空気を読み同調圧力の強い日本,議会での Debate も成立せず談論談合が幅を利かす。西欧には予定調和的カテキズムは有っても,古代からの民主制の名残はあった。独裁者も含め王は推戴されたのだ。ポスト岸田は誰であろうと寡黙な世襲政治家による翼賛化は進むだろう。韓台とは逆に日本の中国化が進む。
戦後の日本では戦前と異なり、欧米諸国と同様の、かなり公正で平等な議会選挙が行われてきました。まさしくその意味では、西洋化を実現してきたわけです。ところが、そのように西洋的な選挙を行いながらも、自民党というひとつの政党だけがほぼ常に勝利し、半ば恒久的に政権を独占してきた。いわば、西洋と同じ制度を導入しながらも、「自発的に」ひとつの政党に政権を委ね続けてきたわけですから、はたして最初から「西洋とは異なる」ことを前提に一党制を採用している中国を、笑うことができるのでしょうか。
合衆国の影響の下,日本のかつての植民地に民主政党政治が根付く。皮肉なものだ。
参考
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