雇用助成金か奨学金か
野口先生が停滞日本をどうすべきか述べている。日本の苦境は
1)中国の工業化への対応
2)日本のIT化の遅れ
を挙げている。しかし,ユニクロ,キーエンスを筆頭に中国の工業化なくして,これら企業の台頭はあり得なかった。100均のDaisoにしてもそうだ。
極論すれば,雇用助成金を止めて学生への奨学金を増やせと言う事らしい。確かにコロナ助成金は公金を半ばドブに捨てたようなものだが,戦前のように軍事費に費やすよりは遥かにマシだった。
文科省は大学に多額の補助金を支出している。国立大学の法人化が進んで,文科省官僚は副理事長として天下るようになった。年俸は学長以上と阪大教授が言っていた。行政改革の度,役所が焼け太りになる。この酷い形態がロシアである。かつてソ連は合衆国に次ぐ大国であったが,今では GDP が韓国と同程度まで落ちぶれた。
日本の幕末の改革は何故成功したか。幕府の役人は極めて少数であった。藩庁もしかり。常備軍はなく,当時の兵卒はパートタイムであった。足軽(現陸自普通科)は傭兵であった。明治になり大量の官僚を抱え,無給の徴兵常備軍の維持費に戦前は苦しんだ。太平洋戦争末期,軍事費は国家予算の9割に達した。これに近いのが先軍政治の北鮮だ。軍縮をすると,首相が暗殺されてしまう日本だった。
合衆国の役人は薄給である。特に事務職,先生,警察官がそうだ。日本の場合,政府からの交付金があり,特に教職員は優遇されている。教育委員会は選挙で選ばれた首長でもコスト削減はできない。その挫折が大阪の橋下改革だった。
経済が専門の野口先生は,
ビッグデータはほかにもある。とくに重要なものとして、マネーのデータの利用が考えられる。これには2つの方向がある。第1は、銀行APIの活用によって、銀行が保有する膨大な預金データを利用することだ。これによって、リアルタイムのデータドリブン経営が可能になる。
明治日本の発展は「円」が創出された事が大きい。「膨大な預金データ」は与信になる。これを日本の地銀は活かしていない。老舗京銀の行員が公務員試験を目指すようでは日本はどうみてもダメである。ロシア化の極みか。
とりあえず,どうでもいい文科省を解体(予算削減)したらどうだ。「大学」ではなく「学生」に金を配る野口案に同意だ。ちなみに合衆国教育省長官の大統領の継承序列順位は下から2番目である。
参考
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