2023/02/25

戦中のガソリン政策と軍部の台頭

戦前の会社は,株主中心だったのが統制経済が進むと,社員中心になったとされる。その典型が電力会社だった。そのどれもが地域独占企業である。時価総額ランキング 2,6,13位も通信企業だ。国家統制資本主義(混合経済)の見本のような国家が現出している。

菅前首相が通信料金が高すぎると言及したら,簡単に値下げになった。政府と独占企業が一体化している。イノベーションは起こりようがない。あるとしたら,国家主導の官製イノベーション。果たしてこれをイノベーションと言えるか。中国と同じ構造である。

戦前,ガソリンは全量輸入だった。内燃機関が発達して合衆国は既に自動車航空機大国になっていた。支那事変が激化すると,合衆国が道義的禁輸(対日経済制裁)を示唆するようになった。慌てた日本陸海軍はガソリンを自前で国産化を試みた。オクタン価の低い劣悪なガソリンしかできなかった。しかも精油所建設は高級鋼材を大量に要した。貴重な鋼材を陸海軍が争った。製油所も別々に建設,満州にも建設着手した。省益が国益に優先する。これが日本の総力戦の実態だった。現在の北鮮も似たような状況なのではないか。シナ事変のせいでガソリン消費が膨大になったから,精油所建設は陸軍主導が筋だったが,海軍の横暴が酷い。

シナと戦争をすると石油が必要になり,その油を求めて戦争を仏印に拡大した。それを東條は自存自衛と豪語した。せっかく蘭印の油田を確保したものの,米潛が跋扈して油槽船が沈められ国内備蓄量は減る一方だった。ガソリン製油所が稼働し始めても,原油の還送が途絶えていた。

海軍がきちんと,海上護衛はできないと陸軍に伝えていれば東條の暴走もなかったかもしれない。そもそも,陸軍の満蒙進攻計画自体が狂っていた。結果的に満州事変が第二次世界大戦の号砲となった。さらに日韓併合がなければ,満蒙支配もあり得ない。明治の征韓論が誤りだったか。桂ランシング協定により,日米はフィリッピンと朝鮮領有を互いに認めた。これが合衆国が認めた限界線だった。

満鉄利権を日米で分け合っていれば,後に発見される満州の油田も合衆国の資本と掘削技術も合せて日中対立は一世代後,その代わり日ソ対立が激化したかもしれない。日本陸軍の満蒙問題の領有策が誤りだった。渡部昇一は,「いまシナ大陸で資源があるのは、歴史的に見れば本来はシナ本土とはいえないチベットやウイグル、そして満洲などである。シナ本土では資源を使い尽くしていて、ほとんど何も残されておらず、食糧さえ足りない。だからいま、シナは必死で資源を押さえようとしているのだ」

石油ガス田は分割されつくしたので,中国はリチウムを押さえようとしている。資源のないシナを欲した陸軍は総力戦を研究しながら,総力戦に敗けた。

陸軍の総力戦研究は方便で,実際は国家総動員が目的だったのだろう。こんな集団を産み出した日本。Wikiによれば,総力戦研究所による対米戦研究を講評した陸相東條は日露戦争を引き合いに口外を禁じた。昭和の軍人東條の頭の中は明治のままだった。どれだけ先見性のある指導者を選抜できるか。

統帥権干犯問題,大恐慌そして関東大震災が政党政治を瓦解させた。ポピュリスト政策のトラス英政権が短命に終わった。減税エネルギ補助金政策を出したら,ポンドと国債が下落。しかしエリザベス1世の時代から英国債はデフォルトした事がない。しかし,今の英国は当時と同様の債務国である。

日本は債権国ながら,年金から税金を徴収するような徴税苛烈国である。一方,日本農業は補助金漬けである。アベノミクスによる大盤振る舞いにより,税収の伸びが債券利払いに食われているタコ足状態である。戦争は何が何でも避けねば国が亡びる。

中国が尖閣そして沖縄を欲するなら割譲するくらいでないと日本は持たない。日本国債はどこも買ってくれないからだ。合衆国はもう日英に投資などしない。日本が英国同様,対外債務国に転落するのはいつか。合衆国はドルを印刷しながら債務を膨らませている。資本は金利と安全を求めて移動する。英金融のシティは没落するのではないか。クレディ・スイスもおかしくなっている。欧州の戦争危機が金融の安定化を損なっているのだろうと思う。

国防費を増大しなければならない時に,減税を打ち上げたアホなタスク。さて岸田は何も手を打たないだろう。すると国債の増刷か。戦前の東條と本質は同じか。情勢と国勢がわからないのであろう。世襲軍人と世襲政治家の日本。国家指導者は国民の自画像でもある。

高橋洋一が日英同盟論を YouTube で述べていた。英国の諜報情報操作能力は半端ではない。BBC も国策放送局である。しかし空母を建造したら,水漏れでドック入するような製造はからきしダメ国である。泥舟と同盟して何のメリットがある。そのうち中国も英国市場から撤退するだろう。ただ英国人は独仏に比べ,戦間期不況の耐乏生活に耐えた国民性があった。日本人は英国のように補助金削減そして増税を推進できる指導者を選抜できるだろうか。

トルコが大地震に襲われた。今でも激しいインフレに苦しんでいる。トルコの不安定化は中東欧州の危機につながる可能性がある。ガソリン価格は震災でどうなっているのか。
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