2023/04/29

東京原爆投下後の本土決戦 -上-


梅津がクーデタに同意していたら,東條一派が主張していた本土決戦が起きたかも知れない。北海道はソ連が侵攻,ソ連兵の粗暴さを思えば,沖縄戦以上の地獄か。東西冷戦は朝鮮の分断ではなく,朝鮮全土は東側に属し,津軽海峡が今の台湾海峡みたいなものだっただろう。

日本軍の玉砕を経験していた米軍はキルレイショを改善するため原爆と毒ガス使用を決定していたから,関東も地獄だ。テレビ朝日によれば,「7月20日、原爆投下特別チームに所属するB29が、原爆投下シミュレーションのために巨大な爆弾を皇居めがけて投下していた」とある。高性能爆薬5トン爆弾の爆発は記録されていないから模擬弾だったのだろう。米軍は原爆模擬弾を各地に投下していた。これは警告であり,継戦派を排除した要因ではないか。

陸軍憲兵と内務省(警察)は継戦派だったから,どんなルートで帝都に投下された原爆模擬弾情報が講和派に達し,木戸らの宮廷グループを動かしたか不明だ。模擬弾が風に流され海軍所管区域に達したのだろうか。模擬弾の回収を憲兵警察が行ったとしても,日中に落下傘降下する模擬弾の目撃情報は隠蔽が困難だったのかもしれない。当時,誰もが上空が気になり空を見上げていたからだ。同日富山にも3発の原爆模擬弾が投下されていた。

8月17日に東京に原爆投下が予定されていて,犠牲者は100万人を超えていたかも知れないとある。天皇は松代大本営に遷座し,東京は放棄されるのか。重臣東條一家も松代に避難なのか。東條の自宅は用賀にあったから士官候補生だった敏雄を除き家族の被爆死はない。天皇皇后陛下も空襲の際,地下の御文庫避難が常態化していたから無事だっただろう。汚染された首都を避け松代への遷座は確実だったのではないか。

とすれば,長野を締め上げる米軍侵攻が計画され,長野への補給ルートとなる鉄道結節点への原爆投下が妥当だろうか。とりあえずオリンピック作戦のための九州上陸予定日直前に,侵攻軍を迎撃する日本軍集結点の熊本に投下,九州と本州を分断するための小倉,松代遷座が判明したら関東上陸せず,東海上陸だったかもしれない。新潟,甲府,名古屋,京都あたりが投下目標か。

日本軍はかつて想定外のガダルカナル,マキンおよびビアクの米軍侵攻に動揺した経緯がある。朝鮮戦争では,トルーマンが満州への原爆投下を拒否し,毛沢東から張り子の虎と称された原爆だが,北京では熱心に核シェルタ建設していた。

参考
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