2013/03/17

鹿島茂のトッド書評

いつもながら,鹿島の評論は冴えている。今回はソ連の崩壊を取り扱った書評だが,深読みなのかもしれないが,日本にも当てはまるのではないか。曰く,「軍事,鉄道,道路といった集団的な財は中央統制が効くが,個人消費は統制が難しく,ブラックマーケットに任せるほかなかったからだ」,「システムのすべての弊害とすべての弱点が,最速下降線をたどって,武器製造と社会の軍国化の方へと押しやって行くのである」とある。

確かに,歴史を振り返れば軍事強国のオスマントルコ,スペイン,オーストリア,プロシア(ドイツ),フランスはそうだったし,この歴史の流れからは考えればソ連はごく普通の軍事大国の崩壊だった。鹿島は「軍拡続行中の極東の共産国に。。。」とあるが,この共産国は複数なのかとも思う。

今,流行のアベノミクスも祖父が得意だった中央統制経済を踏襲し,その古色蒼然とした経済ブレーンで周りをかためているらしい。日本軍国主義の崩壊もソ連より早かっただけだとの考えに至ると,目から鱗だ。何故,ロシア,中国,フランスの中央集権官僚機構と日本の官僚制が似ているのも氷解した。

今,思いついた。ナポレオン三世が一世を風靡したのはどのくらいだったか。安倍さんと親族という共通点がある。ただフランス国民は目が覚めたけど,日本はどうなのだろう。50年後くらいに,あああの時は反動の時代だったと回顧できるくらいならいいけど,日本人のことだから案外振り子が極端に振れるかもしれない。

それにしても,たかが中国の官僚達の人事を事細かに報道する毎日新聞は何を考えているのだろう。そういえば,子供の頃もソ連クレムリンの人事記事がよく新聞にのっていたなと思い出す。変わりそうもないな新聞業界は。
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