2013/06/14

オリバーストーンと大江健三郎

オリバーストーンが関与したドキュメンタリーをみた。米国現代史を「戦争」をキーワードに綴る。日本にも「反戦」をキーワードに活動する作家大江がいる。両者ともに戦争を否定的にとらえながら,うまく説明ができないけど,越えがたい深い溝があるようにみえる。

日米文化の違いといえば,身もふたもないが,この差異は気をつけなければならない。ストーンはベトナムで空挺部隊の兵士だったらしい。大江は文学青年だった。所詮,オキナワノートは火器を操作した事がない脳内体験による作品だったのだろう。アメリカはキリスト教原理主義的な面もあるが,本来,空理空論が苦手でプラグマティズムの国だ。日本も骨折れる仕事に携わる民はそうなのだが,江戸期以来,以前の僧侶に代わり学者,知識人,官僚,教員らの層が厚みを増し,脳内活動により生計を営む人達が日本をミスリードし始めた。これは左右を問わない。西部と大江を対比すると似通っているのに驚く。

古代ユダヤ人はローマに征服されても,律法を糧に誇りを失わず,ローマを軽蔑した結果,民族離散となった。日本の指導層は驚くべきほど,兵士を含む手仕事に従事した事がない政治家に埋め尽くされてしまった。反米反中にしろ,脱原発にしろ教師官僚らの文筆によるコントロールから少し距離を置いてはどうか。彼らに物事の創造を期待してはいけない。人々の営みからいろんな改良が生まれそれが革命になったのだ。IT革命もごく普通の日本人がプログラミングするようにならなければ,天才的プログラマも生まれない。

イエスと似通った考えを持ち実践した「義の教師」と呼ばれる人達がいた。否,イエスはそれら教師の一人だったのだろう。官と東京に期待せず,地道に糧を営むなかで,日本が成熟していくのかと思っていたが,逆に官僚は破綻の道を選択した。日米開戦前と同じパラダイムに陥ったのであろう。

資産があるのなら子供のためにこつこつと外貨に換えたほうがいい。
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