回路図と投影法
早朝に書いた XBee の回路図を見直して何か違和感を感じた。ICのピン配置がCCW(反時計方向)になっていない。実は,最近は回路図を書かずに,Cadlus でパターンを描いてから,回路図をおこしていた。無意識にパターン面を見ている感覚で製図してしまった。電気回路図は TOP ビューで書くのが暗黙のお約束だ。この回路図を見るのは私個人だから,ICのピン配置が時計方向でもいいのだが,昨日,実際半田付けをピン番号だけに頼って半田付けしたら間違えたのもこの種の混同が原因だった。
実際の半田付け作業に比べれば,設計製図は楽な作業だから2個のIC回路図を本来の形式に戻そう。
蛇足:
船舶は今でも図面の投影法は第一角法らしい。つまり回路図だと BOTTOM ビューに相当する。アメリカ流の機械製図はイギリスと異なり第三角法だった。従って,日本も機械関連はTOP ビューだった。電子工学もその流れにあったのかもしれないが,昔の部品カタログには少数だが BOTTOM ビューがあったけど今は見受けない。船舶の形状は概略左右対称が多いが,空母は大きく異なるし,機関配置の断面模式図をみてもどちらかわからない。戦艦大和の図面は終戦のどさくさで処分された。中島航空機でも図面を廃棄したのは不思議だ。海軍横須賀工廠は役所だから兵器の設計が戦犯容疑になると考えたのがいかにも日本人らしいが,民間の中島までが設計図面および資料を廃棄した。所詮陸海軍の下請けで,図面の保秘義務と今で言う著作権のような物は陸海軍が保有していたのであろうか。とにかく,不都合があると日本人は資料を燃やすな。私は,税務当局の査察の際,上司から疑義のある資料の保管を依頼された事があった。今,思えば上司の保身のためであった。問題が発覚すれば,資料を保管していた部下に責任転嫁ができる。太平洋戦争当時と何も変わっていない。
スピットファイア搭載のロールスロイスのマーリンエンジンは性能が良く,米陸軍が採用する事になった。アメリカ人いわく,図面を書き直さなければならなかったとぼやく。第一角法を第三角法に直した。ぼやきの中身はそれだけでなく,公差の記述にあったのではないかと思う。若い頃,英語の古い図面をたまにみる機会があった。米国からライセンス供与を受け,インチ寸法をメトリックに替えただけである。注記は当然,英語なのだが日本語の曖昧さが少なく実に判り易い。識者は日本のマニュアル文化を嘆くが,判り易いマニュアルを書けるようになるのは別問題だ。
日本のプログラム業界が不振なのも,日本語説明文のわかりにくさがあると思う。しかし,言語構造に起因する問題はどうしようもない。プログラム構文が外国語をベースに成立しているので仕方がない。優れた日本のプログラマに英文科,仏文科専攻の人がいるのは語学に関する感性がいいからプログラム構文を自家の物に出来るだろう。
実際の半田付け作業に比べれば,設計製図は楽な作業だから2個のIC回路図を本来の形式に戻そう。
蛇足:
船舶は今でも図面の投影法は第一角法らしい。つまり回路図だと BOTTOM ビューに相当する。アメリカ流の機械製図はイギリスと異なり第三角法だった。従って,日本も機械関連はTOP ビューだった。電子工学もその流れにあったのかもしれないが,昔の部品カタログには少数だが BOTTOM ビューがあったけど今は見受けない。船舶の形状は概略左右対称が多いが,空母は大きく異なるし,機関配置の断面模式図をみてもどちらかわからない。戦艦大和の図面は終戦のどさくさで処分された。中島航空機でも図面を廃棄したのは不思議だ。海軍横須賀工廠は役所だから兵器の設計が戦犯容疑になると考えたのがいかにも日本人らしいが,民間の中島までが設計図面および資料を廃棄した。所詮陸海軍の下請けで,図面の保秘義務と今で言う著作権のような物は陸海軍が保有していたのであろうか。とにかく,不都合があると日本人は資料を燃やすな。私は,税務当局の査察の際,上司から疑義のある資料の保管を依頼された事があった。今,思えば上司の保身のためであった。問題が発覚すれば,資料を保管していた部下に責任転嫁ができる。太平洋戦争当時と何も変わっていない。
スピットファイア搭載のロールスロイスのマーリンエンジンは性能が良く,米陸軍が採用する事になった。アメリカ人いわく,図面を書き直さなければならなかったとぼやく。第一角法を第三角法に直した。ぼやきの中身はそれだけでなく,公差の記述にあったのではないかと思う。若い頃,英語の古い図面をたまにみる機会があった。米国からライセンス供与を受け,インチ寸法をメトリックに替えただけである。注記は当然,英語なのだが日本語の曖昧さが少なく実に判り易い。識者は日本のマニュアル文化を嘆くが,判り易いマニュアルを書けるようになるのは別問題だ。
日本のプログラム業界が不振なのも,日本語説明文のわかりにくさがあると思う。しかし,言語構造に起因する問題はどうしようもない。プログラム構文が外国語をベースに成立しているので仕方がない。優れた日本のプログラマに英文科,仏文科専攻の人がいるのは語学に関する感性がいいからプログラム構文を自家の物に出来るだろう。
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