2016/05/30

ボロボロになった花用樹脂ポット

バックヤードのポットを整理したら,ボロボロになった花用樹脂ポットが4個あった。ノギスで厚みを測ったら 1mm だった。これらは花が販売目的のポットだった。これらよりはるかに古い専用樹脂ポットが欠けてもいないので,厚みの違いも多少は影響しているかもっしれないが,材質グレードの違いが原因だろう。

高分子材料は合衆国が進んでいて特許も取得している。後発の日本は C-H 連鎖の構造を少し変えたり,末端の基の元素を変えた類似品を製造している。高分子大手の GE とかデュポンは評価試験を重ねて材料開発してきたのだから,本家の構造は意味がある。今や,中国韓国の類似高分子材料が溢れている。成型用樹脂材料は成型条件を良くするためにフィラーを加える。成型直後の機械的性質は大して違わないが,耐熱性とか経年劣化は大きく異なる。同じ成型材料ながら,材料単価は著しく異なる。園芸店で売っている花販売用のポットのペレットは最低ランクなのかもしれない。再生ペレットも使っているのだろう。
PotsCheap.jpg

100均の安価プランタとかポットはどうなのだろうか。Daiso とか Seria が商品試験をしているとは到底,思えないのだが。

欧州の鉄鋼団体がG7に中国の鉄鋼製品のダンピング対処を訴えている。プランタが欠けたり割れたりしても大した損害がないが,日本にも住宅用とか中国製建設構造鋼が輸入されている。機械的性質とかは JIS で規定されているが,劣化耐食性の基準はない。鉄筋も中国製が恐らく輸入されているだろう。その結果が出る頃は私はこの世にいない可能性が高い。

成型屋がコストダウンのため,粗悪ペレットを配合混入させても判別がつかないのではないだろうか。樹脂成型の専門家ではないので断定はできないけど。

戦前の日本の製鋼技術は合衆国に比べると,未熟で合衆国産のスクラップと称されるくず鉄を混入させないと,満足な鉄鋼製品がままならなかった。合衆国が中国保護を目的として,ゴミの輸出に関して道義的禁輸(経済制裁)を発動すると,日本の鉄鋼品質は低下した。合衆国のゴミがないと,基幹工業製品が製造できないのによくもまあ,開戦に踏み切ったものだ。今のフィリッピンが日本に喧嘩をうるようなものか。フィリッピンは日本の産業廃棄物の主要輸入国だ。
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