2013/09/12

クレジットカードのアンテナ

古いクレジットカードを廃棄するためカードを切断した。ICカードなのでついでにチップをみようとカバーをはがした。4mm 角のチップが 8mm 角のベースに貼られていた。ウェーハの断面は極めて薄い。私が半導体を研究していた頃は 250um (0.25mm) もあった。それでも慎重に取り扱わないと欠けた。ICチップの薄さをみると,試作研究の段階で人手がピンセットワークを恐らくする事は今ではないのだろうと思う。

さて,外部との通信およびエネルギを蓄積するためのアンテナパターンおよびタンク回路はどうなっているのだろうと探したが見つからない。金属はカード表面の 12mm 角の金色部分だけである。パターンになっていないのでこれでは外部から電波を発しても渦電流が流れるだけである。金属部分にはスリットが設けてある。これがタンク回路になるのかもしれない。検索したら,どうも表面のスリットは電極のようだ。このクレジットカードは接触型だった。

とすると,8mm 角のベースは絶縁体ではなく,よくみるとダボがついている。しかし,このダボからチップへのパターンなくどんな方法の配線なのかわからない。不思議だ。

多分,こんな地味な技術が日本の凄いところだろう。中国の銀聯カードの製造はどうなっているのだろう。カードのスキミングだけでなく,ICカードの偽造も中国ならやっているのだろうか。カードベンダの製造元は印刷会社が多い。印刷会社の電極配線接合技術は凄いな。ICカードそのものの偽造はとんでもない高コストで国内の偽造例はなさそうだが,カード周辺技術の暗号に脆弱がありそうだな

ましてや,オンライン取引決済の認証とかハードよりはソフトの方が心配だ。オンライン取引の際,カード情報がブラウザのクッキーに保存されているのだろうと思う。何重にも暗号化されているとは言え,財布の盗難同様にPCの紛失運用にも注意しなければならない。持ち運びが簡単なノートPC,携帯電話スマホで決裁する場合は,リスクが大きい。アップルのスマホは指紋認証になるみたいだ。ある大学に勤めていた時,ゲートの指紋認証がいつも一回で済まず,鬱陶しい思いをした事がある。カメラが装備されているのだから,虹彩認証だと良いのだが。指紋認証は冬季間,屋外で手袋を脱がなければならない煩わしさがあった。ところで,スマホは皮手袋をはめたまま使用できるのか,検索すると導電仕様の7980円で入手できる。

新しいアップルスマホの指紋認証は着電のときは不要になっているとは思うが,知っている方がいればコメントをお待ちします。


追記
ICカードの端子の仕様は次のようになっている。
1.Vcc :回路電圧 5.GND :グランド
2.RST :リセット信号 6.Vpp :書込み供給電圧
3.CLK :クロック信号 7.I/O :データ入出力信号
4.RFU :将来利用 8.RFU :将来利用

切断する前に簡単なインタフェース回路を作成すれば,カード/PC間の通信を遊べたなと思う。IC周辺の残骸はビニル袋に入れて記念に保存した。

追記2
ICチップと端子の接続方法について,旧来の方法を解説した記事があった。

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