2013/10/10

秋の夜長照明電力代節減の薦め

-- ソフトウェアはハードウェアの不自由を解消する --
菅直人内閣で止められた原発の再稼動がままならないなか,護送船団方式の電気料金値上げは止みそうにない。福島の廃炉費用も今後全国の電力料金に加算されるだろうから,日本の将来は名実ともに暗い。奈良県平群町でバラ栽培の谷田昌信さんは「電気代も上がれば経営はもっと苦しくなる。ハウスの増設もしたいが、こんな状況では取り組めない」と述べている。妥当な経営感覚だ。十年後あたりの廃業,もしくは海外移転まで視野に入れているかもしれない。

一方,韓国中国は原発を推進しており,中国に至っては年に一基建設するという。ハウス栽培の電気代に関する限り,電気代が半額の韓国とは競争のしようがないが,国内の同業者に関しては工夫の余地がある。谷田さんのハウス内電気配線は写真を見る限り自前のようだし,制御盤を安価に調達もしくは自分で制御ソフトを組めば,かなり安く節電装置ができるのではないかと思う。

農事用電力は東北電力のサイトを見る限り,ポンプ用と苗床加熱に限られているようだから,ハウス照明は一般の電気料金と同じなのだろう。そこで秋季から冬季の照明用電力代の節減を検討してみる価値があるのではないか。単価が花ほど高いと思われないトマトでも近江八幡市の浅小井農園の場合,夜間点灯している。

ハウスで農作業している限り,日が暮れてからの点灯は誰もがするだろう。私の測定経験からすると,朝日の光は直射するとかなりの強度があるから,曙光を浴びたら電気照明は不要だろう。これを人手だと毎日,黎明前に起床しハウス向かうのは時間の無駄だろう。従って,照明スイッチと直列に自動的に電源が切れるスイッチを介在すればいい。その回路は例えば,入手が簡単な太陽電池例えばタミヤの太陽電池と半導体のオペアンプがあればいい。大容量の半導体スイッチは電材屋に頼めば入手できる。これが一番安価で簡単な方法だが,半田付けと工業高校の電気知識も必要で一般的でない。

次に,PLC と称されるシーケンス機器の使用を薦める。これだとオペアンプの部分を内臓の ADC で代用でき,ねじ込み接続なので半田付け不要だ。しかもタイマを内臓しているので正確な時間設定もできる。ヒトのように忘れる事もない。キーエンス製だと宅配で注文できる。盤の配線が面倒なら盤屋さんに頼めば楽だが,経費が割高になり節電代を回収するのに期間を要し無駄な投資になりかねないので見積もりを要求した方がいい。

PLC のプログラムを自分で組むメリットはその後の改良もしくは別の用途,例えば夏の間天窓の自動開閉,潅水自動化に転用できる事だ。そのつどカスタマイズしたプログラムを PLC に転送すればいい。そうすれば装置代投資の回収も早くなる。そして営農ノウハウが業者を介して同業者に漏れる心配もない。秋の夜長にプログラミングしてはどうだろうか。私はPC画面からPLCの設定を行い転送している。

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