害虫の天敵

安芸市のいさおさんによれば，害虫の天敵に「タバコカスミカメ」がいるそうだ。昔，母がキャベツを栽培してほとんど虫に食べつくされてしまった。食い荒らす虫をよどう虫と呼んでいたが，検索するとヨトウムシだ。DDT を散布していたけど散布時期方法がまずく効果があったようにみえなかった。住友化学園芸のサイト説明によると，夜活動するらしい。日中，よくスズメがキャベツ畑でついばんでいた虫はヨトウムシではなかったのだろうか。

毛沢東が人民政権の実権を掌握した頃，作物を食い荒らすスズメは人民の敵としてスズメ撲滅キャンペーンをした。〇〇地区〇〇委員会では何万羽捕殺しましたとの競争になった。その後，イナゴの大発生などの虫害に悩まれ，大洪水もあって大飢饉が発生した。当時の経済政策は大躍進政策と呼ばれ，後に公立高校に在籍していた私は社会科教師からその偉大な成果を学ばされた。実際は左翼の教宣活動だった。生徒会が体育大会に棒倒しを企画すると，干渉して中止させるなど校長以下変な教師集団だった。

農業は政治と不可分というか，政治は農業をコントロールするために生まれた。古来，中国の官僚は皇帝から派遣されて，地方の農民の徴税と治水工事が最も重要な仕事だった。官吏が実務を知らずに革新的な政策を掲げても失敗する事が多い。今の中国は民間の活力を活かそうと試みているが，民度の問題と肥大化した国営事業の板ばさみになっている。

一方，民度の高い日本が中国風の官主導の統制経済風の政策を推し進める意図が分からない。〇〇推進会議のご託宣と官僚の指導がなくても，利にさとい民間は勝手に創意工夫をして事業を推進する。知人の話によると，日本の政財官はお仲間なのだそうだ。テレビに出てくるエコノミストは政府の経済政策を批判する事はない。危ういと感じるのはおかしいのだろうか。アメリカは猟官運動がひどく癒着が中国並だろう。でも統制が生じない。高校の職員会議が体育大会の「棒倒し」競技を中止させたのも，日本社会での生きていくための自己規制を学ばせる教育の一環だったのだろうか。

栽培ハウスには鳥害もないけど，天敵にならないのだと思い至った。最近，スズメが減ったなと思う。原発事故のチェルノブイリは論争はあるにしても今では野鳥の宝庫だそうだ。原子炉は人間の天敵だけど，野生自然にとり，人間は最大の天敵だったのか。これは聖書が描く世界観そのものだ。

福島も野鳥野生動物が繁栄する太古のエデンに戻るのだろう。チェルノブイリ事故からシベリアに逃れたシャラポア一家の話は泣けてくる。父は娘のテニスレッスン費用のために酷寒の地で日夜兼職で稼いだ。私は家族のためにどれだけ働いただろうか。残念ながら私の父以下だ。福島も除染よりも避難民に予算を割くべきではないか。


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