2013/12/05

EDLC の活用

EDLC (電気二重層コンデンサ)は電解コンデンサと比べると桁違いに容量が大きい。しかも電池に比べ70℃の温度まで耐える。DC抵抗が小さいアキシャル形状の部品が出てきて XBee 駆動電池のピークアシストが出来るのではないかと机上検討してみた。「毛虫計算機」さんが実際に EDLC のみで XBee を駆動した実験を行っている。スイッチサイエンスもボタン電池と EDLC 組み合わせによる商品 (XBee Power Vanilla) を開発中である。

これは筋がよさそうだ。いつもお世話になっている共立電子産業のゴールドキャパシタは抵抗が 30Ω あって,電圧降下によりピーク負荷対策になりそうもないので止めた。ざっとネットを検索すると,千石,マルツパーツ,秋月電子から低DC抵抗の EDLC が入手できる。送料を含めた価格がそれぞれ,683,712および700円となる。

EDLC の内部抵抗を下げるには,ニチコンの説明によれば,「積層構造は大容量化に問題があり、当社は大容量化が可能な捲回形で低内部抵抗化の開発に取り組んだ。当社はインバータ用アルミ電解コンデンサで培った高出力対応技術があり、同技術をベースに高容量で低内部抵抗を実現したEDLCへの応用展開によって低抵抗EDLCの製品化を実現した」とある。具体的にはアルミ箔の表面処理と活性炭の微細化とか,いろいろ工夫の余地があるのだろうと思う。電子部品の開発技術は材料科学の基礎が必要だ。電子顕微鏡とか必須だろう。最近,台湾韓国の電子部品が多くなってきている。材料科学分野の人材が増えたのであろう。また東アジアの電子部品製造装置の多くは無名の日本製だろう。日本の大手企業はこれら製造装置を外注してきたため,ブーメラン効果に悩まされる事になったが,日本全体でみれば,材料と製造装置の輸出により日本経済を押し上げている。これから韓国中国が目指すのは自動車部品の内製化だろう。10年ほど前,サムスンが三星電子と名乗っていた頃,ある電子部品に関してヒアリングを受けた事がある。その部品およびユニットはいまだに,日立とかが独壇場だ。それは製造装置を外注せず,内製しているからだと思っている。

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追記 2014-01-06
秋月電子の取り扱っている ESR の値が小さい EDLC の耐圧は 2.5V だ。XBee のピーク電流を下げる目的で使用するとしたら,DC-DC の前後になる。昇圧後は 3V3 だし,昇圧前は乾電池直列2本の使用を前提とすると3Vと,どちらも 2.5V を越える。EDLC を直列にして使用するにはルビコンによれば,「キャパシタに加わる電圧のアンバランス分も考慮して、キャパシタの定格電圧に対するマージンを充分にとるか、漏れ電流を考慮した分圧抵抗器を各キャパシタに並列に入れるなどのバランスをとる回路を付加して下さい」とある。

さらに,寿命は通常の電解コンデンサと同じ扱いとなり,温度が10℃上昇すると寿命は半分になる。使用温度が律則になる。Kam 製だと,最高温度は70℃で 1000H だ。ハウス内は夏季の間,気温は70℃には達しないにしても,50℃は越えるのは,ごく普通だろう。そして密閉機器内の温度は60℃を越えるのではないだろうか。機器の通気性を良くすればこの種の問題は回避できるが,虫が入り込んだりする。また薬液散布の際,化学物質によるコンタミによる電子回路の劣化も考えられるので,長期使用を考えると望ましくない。105℃保証の電解コンデンサを用いた従来の回路を当面,継続する。

電気自動車もしくはハイブリッドの電気モータは起動トルクが命だ。当然,インラッシュ電流は通常とは桁違いの電流が流れるであろう。その電流を電池だけで確保するとなると重くなる。EDLC が使われていると思うけど,最高温度70℃では機構設計が高コストになり大変だろう。電池交換時に,EDLC も恐らく一緒に交換するのではないだろうか。ハイブリッドもしくは電気自動車の電気周りの保守部品の製造コスト,交換頻度を考えたら,それほど地球に優しくないのではないか。このような考えを LCA (ライフサイクルアセスメント)という。住宅を25年で取り壊す日本人には苦手な考えだ。

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